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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05K
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1109583
異議申立番号 異議2003-70645  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-05-06 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-03-05 
確定日 2004-10-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3335675号「部品実装方法および部品実装機」の請求項1〜7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3335675号の請求項に係る特許を維持する。 
理由 【一】手続の経緯
本件特許第3335675号(請求項数7)は、平成4年10月12日に特許出願され、平成14年8月2日に特許権の設定登録がなされた。
その後、特許異議申立人松井久より本件請求項1〜7に係る特許に対する特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年11月19日に訂正請求がなされたものである。

【二】訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1中の、
「前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、」を、
「前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7中の、
「前記制御部は、
前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、」を、
「前記制御部は、
前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、」と訂正する。

(3)訂正事項3
明細書の発明の詳細な説明の欄の段落【0015】中の、
「前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、」を、
「前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、」と訂正し、
「前記制御部は、前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、」を、
「前記制御部は、前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項1、2について
この訂正事項は、代替部品を正規部品に代替使用する場合を、正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に限定するものである。
また、この訂正事項は、願書に添付した明細書の段落【0007】の「正規部品の手持ち・在庫がない場合には、部品のサイズ、電極位置、極性等の部品データが前記正規部品に類似している代替部品を使用する必要がある。」に基づくものであり、新規事項ではない。
以上のとおり、訂正事項1、2は、新規事項ではなく、特許請求の範囲の減縮に該当し、かつ実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

(2)訂正事項3について
この訂正事項は、上記(1)で述べた訂正事項1、2の特許請求の範囲の請求項1、7の訂正との整合をとるためのものであり、明りょうでない記載の釈明に該当する。

3.訂正の認容
したがって、上記訂正は、平成15年改正法前の特許法第120条の4第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

【三】特許異議申立てについて
1.本件特許発明
上記【二】で述べたように、上記訂正が認められるから、本件の請求項1〜7に係る発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 部品をパーツカセットから取り出して実装する部品実装方法であって、
パーツカセット取替え時に、取り替えたパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り工程と、
前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装する部品実装工程と、
を備えた部品実装方法。
【請求項2】 判定工程で判定した結果が、予め登録したいずれの部品名にも合致しない部品である場合には、実装を停止する請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項3】 部品のサイズまたは特性を含む部品データを、実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品について、その部品名に基づいていずれか選択可能に使用して部品を実装する動作プログラムを制御部に設定した実装機において、
実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名を登録する登録工程を備え、
判定工程において、パーツカセットから読み取った部品名が、前記登録工程で登録した部品名のいずれかに合致するか否かを判定し、
部品実装工程において、パーツカセットから読み取った部品名に基づく部品データを選択して前記動作プログラムに基づき部品実装を行う請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項4】 読み取り工程において、パーツカセットに設けた記憶手段から部品名を読み取る請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項5】 読み取り工程において、パーツカセットに設けた記憶手段から部品名およびその部品データを読み取る請求項3に記載の部品実装方法。
【請求項6】 正規部品と部品データが類似した部品を代替部品とする請求項3に記載の部品実装方法。
【請求項7】 パーツカセットと、
パーツカセットを固定する部品供給テーブルと、
パーツカセットから部品を取り出して実装するヘッドと、
前記パーツカセット、ヘッドの動作を制御する制御部とを備えた部品実装機であって、
パーツカセット取替え時に、新たに部品供給テーブルに固定したパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り手段を備え、
前記制御部は、
前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、
前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装するように制御する部品実装機。」

2.取消理由通知の概要
特許異議申立てに基づいて、当審が平成15年9月10日付けで通知した取消理由の概要は、本件特許の請求項1〜7に係る発明は、下記の刊行物1〜3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、本件請求項1〜7に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから取り消すべきものであるというにある。
刊行物1:特開平4-164398号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平3-191477号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開平1-271879号公報

3.引用刊行物記載の発明
上記刊行物1〜3には、それぞれ次の事項が記載されている。

(1)刊行物1:特開平4-164398号公報(甲第1号証)には、「部品実装方法及びその装置」に関し、以下の事項が記載されている。

ア)「本発明の部品実装方法によると、部品供給部の所定位置に順次部品供給装置を搭載した後、部品実装前に部品供給部を動作させて固定の読取手段で読み取るか、又は各部品供給装置に対応させて設けた固定の読取手段で読み取ることによって各部品供給装置の記憶手段からその部品の種類を自動的に読み取ることができ、予め登録されている各搭載位置における部品の種類とを比較して搭載状態の検査を自動的に行うことができ、短時間に誤りなく検査することができる。
又、部品供給装置の記憶手段に部品の特性を記憶させておき、部品供給部上で読取手段にて部品特性を自動的に読み取ることによって、実装時に各部品の特性検査を行う場合に、部品の特性データを人手によって入力しなくても自動的に入力することができる。」(第3頁左上欄第20行〜右上欄第15行)

イ)「第1図〜第3図において、1は部品実装機で、その前部には部品を装着すべき基板をその任意の位置が所定の部品装着位置Cに位置するように位置決めする基板位置決め部2と……基板位置決め部2と部品供給部5の間には、第3図に示すように、部品供給部5における所定の部品取出位置Aで部品を取り出し、特性測定位置Bで部品の特性を測定し、基板位置決め部2における部品装着位置Cで部品を基板に装着するロータリー方式の部品装着手段6が配設されている。」(第3頁左下欄第9行〜右下欄第1行)

ウ)「部品供給部5には、左右方向に移動可能な一対の部品供給台8、8が配設され、各部品供給台8にその移動方向に複数の部品供給装置としてのパーツカセット10を並列して搭載可能に構成され、部品供給台8上の任意のパーツカセット10を部品取出位置Aに対応位置させることができるように構成されている。又、部品供給部5の上部にはパーツカセット10に設けられている後述の記録部11に対して読取・書込を行う読取・書込手段9が、部品取出位置Aに対応して設けられるとともに、さらに各部品供給台8に対応して設けられている。」(第3頁右下欄第4行〜第15行)

エ)「パーツカセット10には、第1図に示すように、リール13に巻回されたテープ状電子部品集合体(以下、単に部品集合体と称す)12が装着されており、部品集合体12には識別用のシリアルナンバー、部品名、部品の初期保持数、部品の抵抗値や静電容量等の特性等をコード表示したバーコード14が付されている。」(第3頁右下欄第16行〜第4頁左上欄第2行)

オ)「巻取部17の後方には、このパーツカセット10を部品装着機1にセットするための係止部19が設けられ、この係止部19に記録部11が設けられている。
記録部11は、第4図に示すように、部品集合体12の部品名と保持数量と部品特性を読取、書込可能に格納する記憶部21と、……記憶部21の記憶内容を処理演算部22を介して部品実装機1の部品供給部5に設けられた読取・書込手段9との間で送受信するための受送信部23が設けられている」(第4頁左上欄第9行〜右上欄第1行)

カ)「又、部品実装機1の制御装置は、第5図に示すように、生産機種毎の装着動作プログラムやそのために使用する部品の部品名、特性値及び使用数量、各パーツカセット10の部品供給台8上の搭載位置、1枚の基板における部品装着に要する時間などのデータを格納するための記憶部26と、前記プロクラムに基づいてこの部品実装機1の動作を制御するとともに、パーツカセット10の搭載位置が正しいかどうかの判別や、部品切れの順番の判断などを行い、また読取・書込手段9を介してパーツカセット10の記録部11との間でデータの送受信を行い、さらに判別結果を表示手段7にて表示する等の制御を行う制御部27等を備えている。」(第4頁右上欄第7行〜第20行)

キ)「又、部品集合体12を集中管理するための部品管理部が設けられている。その部品管理部は、第6図に示すように、部品集合体12に設けられたバーコード14を読み取るコード読取手段28と、各部品集合体12のシリアルナンバー毎に部品名、特性値、部品保持数量等のデータを格納するための部品データベース30と、これらデータをパーツカセット10の記録部11との間で読み書きするための読取・書込手段31と、これらの動作を制御する制御部29とを備えている。」(第4頁左下欄第1行〜第10行)

ク)「所定生産機種に基づいてステップ#1で部品集合体12をパーツカセット10に装着する。次に、ステップ#2でコード読取手段28でそのバーコード14を読み取り、その部品集合体12の部品名と部品特性値と保持数量のデータが部品データベース30から取り出され、ステップ#3で読取・書込手段31にてパーツカセット10の記録部11における記憶部21にこのデータが書込まれる。尚、部品名や部品特性値はバーコード14から読み取ったものを記憶部21に書き込むようにしてもよい。」(第4頁左下欄第14行〜右下欄第4行)

ケ)「全パーツカセット10の搭載が完了すると部品実装機1に搭載チェック指令を入力する。部品実装機1の制御部27は記憶部26に入力されているプログラムに基づいて、ステップ#6で部品供給台8を順次移動させて読取・書込手段9にて各パーツカセット10の記憶部21から各々の部品名を読取る。次に、ステップ#7で読み取ったパーツカセット10の部品名と部品装着機1の記憶部26に記憶されている各搭載位置の部品名とを比較し、各部品が所定位置にセットされているかどうか判別し、その結果を第8図に示すように表示手段7に表示する。セットミスがあればステップ#8で再セットし、ステップ#7に戻る。その際に、パーツカセット10を個々に交換してもよいが、部品供給台8上のパーツカセット10を一括して交換してもよい。又、一方の部品供給台8においてパーツカセット10を交換している間に、他方の部品供給台8を用いて次のステップに移行することができる。次に正しくセットされていると、ステップ#9に移行して部品装着作業を開始する。」(第4頁右下欄第11行〜第5頁左上欄第11行)

コ)「この部品装着作業の途中で、部品切れチェックを行う場合は、部品実装機1に部品切れ予告指令を入力する。制御部27はステップ#10で各パーツカセット10の記憶部21に記憶されている部品保持数量の現在値を読取るとともに、基板1枚当たりの使用数量と基板1枚の装着作業に要する時間に基づいて各部品が部品切れになるまでの時間を演算し、第9図に示すように、ステップ#11で表示手段7表示する。そして、必要に応じてステップ#12でパーツカセット10の交換を行う。その際、部品供給台8を入れ換えることによって部品装着作業を全く中断することなく交換することができる。また、各パーツカセット10の部品切れの順番を判別してその順番でパーツカセット10の交換を行うことにより、部品切れを生じず、部品実装機1の稼働率低下を回避できる。」(第5頁右上欄第6行〜左下欄第2行)

上記の記載事項コ)において、ステップ#11で表示された部品切れ予告により、ステップ#12でパーツカセット10の交換が行われるが、その際にも、当初セット時と同様に、ステップ#1以降の事前処理が行われ、ステップ#6の読取・書込手段9にてパーツカセット10の記録部11(記憶部21)から部品名が読み取られ、ステップ♯7の正しくセットされているかの判別が行われることは明かである。

上記の記載及び図面から、刊行物1には次の発明が記載されているものと認める。
「部品をパーツカセット10から取り出して基板に実装する部品実装方法及び部品実装機において、
識別用のシリアルナンバー、部品名、部品の初期保持数、部品の抵抗値や静電容量等の特性等の部品データを記録したバーコード14を、部品集合体12を巻回したリール13に付し、該リール13をパーツカセット10に装填し、その際に該バーコード14をコード読取手段28で読み取り、
この読み取ったデータから部品データーベース30により部品名・部品特性・保持数量を取り出して、
これを読取・書込手段31でパーツカセット10の記録部11に書き込み、
所定のパーツカセット10を部品実装機1の部品供給台8に順次セットし、
このセットした各パーツカセット10の記録部11から部品名を読取・書込手段9で読み取って、その読み取った部品名と予め記憶部26に登録されている各搭載位置の部品名とを比較して各部品が所定位置にセットされているかどうか判別し、セットミスがあれば再セット、すなわち正しいパーツカセット10に交換し、
正しくセットされていると、制御装置の、部品データを登録した記憶部26と生産機種毎の装着動作プログラムとにより、部品装着手段6を作動させて部品装着作業を開始し、
もし、部品切れの予告があれば、パーツカセット10の交換を行い、その際、上記セット時と同様に、パーツカセット10の記録部11から部品名を読取・書込手段9で読み取って、その読み取った部品名と予め記憶部26に登録されている各搭載位置の部品名とを比較して各部品が所定位置にセットされているかどうか判別する部品実装方法及び部品実装機。」

(2)刊行物2:特開平3-191477号公報(甲第2号証)には、「プリント基板設計における部品交換方法」に関し、次の事項が記載されている。

サ)「2.特許請求の範囲
回路図上の各部品の属性を格納する部品属性テキストと、前記各部品の部品番号を格納する部品番号テキストと、交換可能な部品を登録する部品ライブラリーと、部品検索条件設定手段とを有し、
前記部品属性テキストによって規定される属性を参考として部品検索条件を設定し、前記部品ライブラリーを参照して最適部品を選定して前記部品番号テキストにその選定した部品の部品番号を保存すると共に、前記属性を参考として部品検索条件を設定し、前記部品ライブラリーを参照して交換する部品の候補を選定し、その中から交換部品を選択するようにしたこと及び部品交換結果をログファイルに記録しておくようにしたことを特徴とするプリント基板設計における部品交換方法。」(第1頁左下欄第4行〜第18行)

シ)「<実施例>
本発明はプリント基板の設計時に部品の交換が出来るようにする方法の発明であり、部品交換を可能かつその選択を容易にするため及び回路設計データとの整合性のない処理を防止するために部品ライブラリーを作成しておく。この部品ライブラリーには設計時に交換が可能な部品がまとめられてその部品の属性及び部品番号名等が格納されている。部品の属性とは例えば抵抗の場合は100Ω1/2Wなどの特性であり、部品番号名とはその部品を特定する記号である。この部品ライブラリーは部品についての情報を貯えた簡単なデータベースである。この部品ライブラリーにより交換可能な部品を検索するようにする。」(第2頁左下欄第8行〜右上欄第1行)

ス)「部品交換は、抵抗などについて第3図に示すように長さが違う抵抗と交換するピッチの交換、または水平取り付けを垂直取り付けに変更するアキシャル→ラジアル変更などがある。……また、部品交換には第4図に示すように、本来は設計変更であるが、定格値を変更する事もある。」(第3頁左上欄第8行〜第18行)

上記記載と図面とから、刊行物2には次の事項が記載されているものと認める。
「プリント基板の設計時に部品の交換が容易に出来るように、予め部品の属性を参考にして交換可能な部品をまとめて部品ライブラリーに登録しておき、設計変更等による部品交換時に所望の部品の属性から部品ライブラリーを検索して候補を選定しその中から交換部品を選択するプリント基板設計における部品交換方法。」

(3)刊行物3:特開平1-271879号公報には、「部品手配図番の自動選択方式」に関し、次の事項が記載されている。

セ)「(発明の効果)
以上説明したように、同一機能、同一特性で互換性のある、但し細部の差はある部品の手配図番を選択するのに、従来は該部品に別部品コードを与えて設計者が個別指定する必要がある等の不便なことになるが、本発明では該部品に同一部品コードを与え、設計者が個別に指定しなくても自動的に、該部品の選択条件に合致した部品手配図番を生成することができ、部品表ファイルの作成に極めて有効である。」(第5頁右下欄第4行〜第13行)

【四】対比・判断
1.本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という)について
本件発明1と刊行物1に記載の発明とを対比すると、刊行物1に記載の発明の、部品切れによるパーツカセット10の交換は、本件発明1のパーツカセットの取替えに相当し、刊行物1に記載の発明の、パーツカセット10の記録部11から部品名を読取・書込手段9で読み取った後の「この読み取った部品名と予め登録されている各搭載位置の部品名とを比較し、各部品が所定位置にセットされているかどうか判別し」という工程は、単に部品名ばかりでなく部品の搭載位置と部品名との関係まで判別するものであるが、これは上位概念としての部品名を判別することに含まれるので、両者は
「部品をパーツカセットから取り出して実装する部品実装方法であって、
パーツカセット取替え時に、取り替えたパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り工程と、
前記読み取った部品名が、予め登録した部品名であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定した結果が、予め登録した部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装する部品実装工程と、
を備えた部品実装方法」で一致し、次の点で相違する。

<相違点1>
本件発明1は、各部品毎に、予め、正規部品と、その正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名を登録しておき、部品の判定工程では正規部品と代替部品のいずれかに合致するか否かを判定するのに対し、刊行物1記載の発明では、予め、実装に使用される部品名は記憶部26に登録されていて、取替えられたパーツカセットの部品がその登録した部品名と合致するか否かを判別しているものの、特に代替部品については考慮されていない点。

上記の相違点1について検討する。
上記の刊行物2、3には、「プリント基板設計や回路設計において、設計時に所定の部品に対して、その特性・属性を考慮して多少の差違はあったとしても交換可能な部品を予め登録しておく、又はそのような交換可能な部品には予め同一部品コードを与えておくこと」により部品交換における選択の許容範囲を広くしておく趣旨について記載されているが、部品実装工程において正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替部品で代替使用することを示すものではなく、また、示唆されているともいえないから、上記の相違点1は、当者であれば容易に想到できたといえず、本件発明1は上記刊行物1〜3に記載の発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。

2.本件特許の請求項2〜6に係る発明(以下、「本件発明2〜6」という。)について
本件の請求項2〜6はいずれも請求項1の従属請求項であって、本件発明2〜6は本件発明1を包含するものであるから、上記1で検討した同様の理由により、上記刊行物1〜3に記載の発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。

3.本件特許の請求項7の発明(以下、「本件発明7」という。)について
本件発明7と刊行物1記載の発明とを対比すると、下記の左欄の刊行物1記載の各構成は、右欄の本件発明7の各構成に対応する。
(刊行物1) (本件発明7)
部品実装機1 部品実装機
パーツカセット10 パーツカセット5
部品供給台8 部品供給テーブル4
ロータリー方式の部品装着手段6 ヘッド(ロータリーヘッド1)
制御装置 制御部7
読取・書込手段9,31 読み取り手段(データ通信部6)
パーツカセットの交換 パーツカセット取替え

したがって、両者は、
「パーツカセットと、
パーツカセットを固定する部品供給テーブルと、
パーツカセットから部品を取り出して実装するヘッドと、
前記パーツカセット、ヘッドの動作を制御する制御部とを備えた部品実装機であって、
パーツカセット取替え時に、新たに部品供給テーブルに固定したパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り手段を備え、
前記制御部は、
前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき部品の部品名に合致するか否かを判定し、
前記判定した結果が、予め登録した部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装するように制御する部品実装機。」で一致し、次の点で相違する。

<相違点2>
本件発明7は、各部品毎に、予め、正規部品と、その正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名を登録しておき、部品の判定工程では正規部品と代替部品のいずれかに合致するか否かを判定するのに対し、刊行物1記載の発明では、予め、実装に使用される部品名は記憶部26に登録されていて、取替えられたパーツカセットの部品がその登録した部品名と合致するか否かを判別しているものの、特に代替部品については考慮されていない点。

上記相違点2について検討すると、その内容は上記相違点1の内容と実質的に変わりないので、その判断も同様で、本件発明7は刊行物1〜3に記載の発明から容易に発明をすることができたものとすることはできない。

以上のとおり、本件発明1〜7は、刊行物1〜3に記載された発明といえないし、刊行物1〜3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものでもない。

そして、本件発明1〜7は、上記構成によって、「正規部品が品切れしても、稼働率が低下したり、実装作業の信頼性が低下することなく、代替部品を使用して、実装作業を継続できる」という、刊行物1〜3に記載された発明では奏し得ない、本件明細書記載の特有の効果を奏するものである。

【五】むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1〜7に係る特許を取り消すことができない。
また、他に本件請求項1〜7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
部品実装方法および部品実装機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】部品をパーツカセットから取り出して実装する部品実装方法であって、
パーツカセット取替え時に、取り替えたパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り工程と、
前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装する部品実装工程と、を備えた部品実装方法。
【請求項2】判定工程で判定した結果が、予め登録したいずれの部品名にも合致しない部品である場合には、実装を停止する請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項3】部品のサイズまたは特性を含む部品データを、実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品について、その部品名に基づいていずれか選択可能に使用して部品を実装する動作プログラムを制御部に設定した実装機において、
実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名を登録する登録工程を備え、
判定工程において、パーツカセットから読み取った部品名が、前記登録工程で登録した部品名のいずれかに合致するか否かを判定し、
部品実装工程において、パーツカセットから読み取った部品名に基づく部品データを選択して前記動作プログラムに基づき部品実装を行う請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項4】読み取り工程において、パーツカセットに設けた記憶手段から部品名を読み取る請求項1に記載の部品実装方法。
【請求項5】読み取り工程において、パーツカセットに設けた記憶手段から部品名およびその部品データを読み取る請求項3に記載の部品実装方法。
【請求項6】正規部品と部品データが類似した部品を代替部品とする請求項3に記載の部品実装方法。
【請求項7】パーツカセットと、
パーツカセットを固定する部品供給テーブルと、パーツカセットから部品を取り出して実装するヘッドと、
前記パーツカセット、ヘッドの動作を制御する制御部とを備えた部品実装機であって、
パーツカセット取替え時に、新たに部品供給テーブルに固定したパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り手段を備え、
前記制御部は、
前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、
前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装するように制御する部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品実装機およびその部品実装機を使用して電子部品の実装作業を行う場合の部品実装方法に関し、特に、部品交換時の停止時間を短縮する部品実装方法および部品実装機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子機器の電子部品実装には、電子部品自動実装機が使用されているが、自動実装機を使用する部品実装方法において、自動実装機の稼働率向上と、製品の高品質化が争われている。
【0003】従来例の部品実装方法を図1、図4に基づいて説明する。
【0004】図1の電子部品自動実装機の概略構成を示す斜視図において、従来例の部品実装方法では、自動実装機は、ロータリーヘッド1が複数のノズル2を備えて回転しながら部品の吸着・実装を行う。そして、この吸着・実装を行わせるために、作業者が、主操作盤8、後部操作盤9を使用し動作プログラムを選択し、制御部7がその動作プログラムによって電子部品自動実装機全体を静御し、部品を実装すべき基板をローダー部11がXYテーブル3に搬入し、XYテーブル3が、この基板を保持してXY方向に移動し、保持している基板の所定位置を前記ノズル2の下に、基板の形状及び部品のサイズ、電極位置、電極極性、色等の部品データに基づいた動作規定と、カラー画像認識の判断とによって、予めプログラムされた所定位置に順次位置決めし、部品供給テーブル4が、複数のパーツカセット5を取替え可能に保持して移動し、予めプログラムされた所定のパーツカセット5の部品を、前記ノズル2の部品吸着位置に順次供給し、ロータリーヘッド1の複数のノズル2が、この部品を順次吸着・実装し、アンローダー12が実装済の基板をXYテーブル3から搬出している。
【0005】この従来例の部品実装方法における部品供給を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0006】従来例の部品実装方法では、自動実装プログラムの部品には、正規部品のみが使用され、電子部品自動実装機の制御部7には、これらの正規部品の部品データに基づくプログラムが設定登録されている。そして、これらの正規部品を搭載した各パーツカセット5が部品供給テーブル4に保持されている。これらのパーツカセット5には、テープ上に並べて梱包された部品が搭載されており、前記テープが順次繰り出されて部品が供給される。
【0007】パーツカセット5に搭載された部品が使用されて無くなると、部品切れカセット表示部10に部品切れパーツカセット5が表示され、そのパーツカセット5が取替えられる。正規部品パーツカセットの手持ち又は在庫がある場合には問題はないが、正規部品の手持ち・在庫がない場合には、部品のサイズ、電極位置、極性等の部品データが前記正規部品に類似している代替部品を使用する必要がある。
【0008】この場合の従来例での処理は、ステップ#21において、部品切れが発生すると、部品切れカセット表示部10に部品切れしたパーツカセット5が表示され、ステップ#22に進む。
【0009】ステップ#22において、前記部品切れパーツカセット5を取り替え、ステップ#23に進む。
【0010】ステップ#23において、自動実装機の制卸部7は、取り替えたパーツカセット5に搭載されている部品が取替え前の部品と同一か否かを判断し、同一部品の場合にはステップ#26に進み、同一部品でない場合、即ち、正規部品を搭載したパーツカセット5の手持ちが品切れし、在庫も無く、特性、サイズが充分類似し代替可能な代替部品が使用されている場合には、ステップ#24に進む。
【0011】ステップ#24において、この代替部品が正規部品と同一サイズかどうかを判定し、同一サイズの場合には、ステップ#26に進み、同一サイズでない場合にはステップ#25に進む。この場合、同一サイズでも、色等が異なる場合がある。ステップ#25において、前記代替部品を使用する登録部品について、プログラムされているその登録部品の部品データの修正を行い、ステップ#26に進む。ステップ#26において、生産を再開する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例の方法では、電子部品自動実装機を動作させるプログラムは、登録されている正規部品の部品データのみを使用しているので、代替品のサイズが同一の場合に、そのまま使用すれば、能率上は問題がないが、カラー画像認識の基準になる色等が正規部品と異なる代替部品を使用すると、高精度、高信頼度の部品実装を行うのが困難になる。代替品を高精度、高信頼度で実装するためには、プログラムされた登録部品の部品データを修正してから生産を再開する必要があるが、この場合には、部品データの修正に工数が必要で、電子部品自動実装機の稼働率が低下するという問題点がある。
【0013】又、サイズが異なる代替部品を使用する場合に、プログラムが使用している正規部品の部品データを修正する必要があり、電子部品自動実装機の稼働率が低下するのは勿論である。
【0014】本発明は、上記の問題点を解決し、部品をパーツカセットから取り出して実装する部品実装機およびその部品実装機を使用する部品実装方法において、パーツカセットを取り替える際に、稼働率を低下することなく代替部品を使用できる部品実装方法および部品実装機を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の部品実装方法は、上記の課題を解決するために、部品をパーツカセットから取り出して実装する部品実装方法であって、パーツカセット取替え時に、取り替えたパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り工程と、前記読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかに合致するか否かを判定する判定工程と、前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装する部品実装工程と、を備えたものである。また、前記部品実装方法は、更に、部品のサイズまたは特性を含む部品データを、実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品について、その部品名に基づいていずれか選択可能に使用して部品を実装する動作プログラムを制御部に設定した実装機において、実装すべき正規部品およびその正規部品に代替使用できる代替部品の部品名を登録する登録工程を備え、判定工程において、パーツカセットから読み取った部品名が、前記登録工程で登録した部品名のいずれかに合致するか否かを判定し、部品実装工程において、パーツカセットから読み取った部品名に基づく部品データを選択して前記動作プログラムに基づき部品実装を行うものである。また、本発明の部品実装機は、上記の課題を解決するために、パーツカセットと、パーツカセットを固定する部品供給テーブルと、パーツカセットから部品を取り出して実装するヘッドと、前記パーツカセット、ヘッドの動作を制御する制御部とを備えた部品実装機であって、パーツカセット取替え時に、新たに部品供給テーブルに固定したパーツカセットからその部品名を読み取る読み取り手段を備え、前記制御部は、前記読み取り手段が読み取った部品名が、予め登録した実装すべき正規部品とその正規部品の手持ちまたは在庫がない場合に代替使用できる代替部品の部品名のいずれかの部品名に合致するか否かを判定し、前記判定した結果が、予め登録したいずれかの部品名に合致する部品である場合に、そのパーツカセットから部品を取り出し部品を実装するように制御するものである。
【0016】
【作用】本発明の部品実装方法は、部品をパーツカセットから取り出して実装する実装機の部品実装方法において、先ず、実装すべき各部品毎に、正規部品を設定すると共に、正規部品が品切れの場合に使用できる代替部品を、特性やサイズや電極位置や極性等から判断して、予め設定する。
【0017】そして、実装機の動作プログラムを、各部品毎に、実際に使用する部品の部品名に基づいて、動作プログラムが使用する部品の部品データを、予めプログラムされた正規部品又は代替部品の部品データの中から選択して使用するようにするか、又は、他のメモリから読み出して使用するようにする。
【0018】又、実装機の制御部には、各部品毎に、正規部品と代替部品の部品名を登録しておく。
【0019】何れかのパーツカセットが空になり、このパーツカセットを取り替える際に、実装機の制御部に、取り替え時に、取り付けたパーツカセットの部品名を読み取らせ、その部品名が、前記の登録されている部品名か否かを判断させ、登録済であれば、その部品名に基づいて、その部品の部品データを前記によって使用して、停止時間なしに、実装作業を継続させる。
【0020】
【実施例】本発明の部品実装方法の一実施例方法を図1〜図3に基づいて説明する。
【0021】図1は、本実施例方法を使用する電子部品自動実装機の概略構成を示す斜視図であるが、前記の従来例と同様部分の説明を省略する。
【0022】本実施例方法を使用する電子部品自動実装機と従来例方法を使用する電子部品自動実装機との相違点を図1、図3に基づいて説明する。
【0023】図1の制御部7には、実装機の動作プログラムが格納されているが、この動作プログラムは、各部品毎に、実際に使用する部品の部品名に基づいて、使用する部品データを、予めプログラムされた正規部品又は代替部品の部品データの中から選択して使用するようにするか、又は、他のメモリから読み出して使用するようになっている。又、図1の制御部7には、各部品毎に、正規部品と代替部品の部品名を登録しておく。
【0024】図3は、本実施例方法を使用するパーツカセット5の正面図で、このパーツカセット5には、テープ上に並べて梱包された部品15が取り付けられ、固定レバー16で図1の部品供給テーブル4に固定される。そして、パーツカセット5には、記憶手段14が設けられ、この記憶手段14には、部品名と部品データが記憶されている。カメラ13が部品切れを検出する。
【0025】記憶手段14とデータ通信部6とは、記憶手段14がメモリでデータ通信部6にこのメモリの読み取り手段があっても良く、記憶手段14が情報パターンでデータ通信部6にこの情報パターンの読み取り手段であっても良い。
【0026】図1、図3のデータ通信部6は、制御部7からの指示を受けて、前記記憶手段14から部品名、部品データを読み取って制御部7に送る。
【0027】図2は、本実施例方法の動作を示すフローチャートである。
【0028】ステップ#1において、実装機の段取として、実装すべき各部品毎に正規部品と、特性やサイズや電極位置や極性等の部品データから、正規部品に代替使用できる代替部品とを設定し、ステップ#2に進む。
【0029】ステップ#2において、制御部7に、前記の正規部品と代替部品の部品名を登録し、ステップ#3に進む。
【0030】ステップ#3において、制御部7に、各部品毎に、実際に使用する部品の部品名に基づいて、使用する部品データを、予めプログラムされた正規部品又は代替部品の部品データの中から選択して使用するようにするか、又は、他のメモリから読み出して使用するようになっている動作プログラムを格納し、ステップ#4に進む。
【0031】ステップ#4において、パーツカセット5に、その部品の部品名と部品データとを記憶させ、予備段取りを終了し、ステップ#5に進む。
【0032】ステップ#5において、生産開始し、ステップ#6に進む。
【0033】ステップ#6において、部品実装を行い、ステップ#7に進む。
【0034】ステップ#7において、部品切れの判定を行い、部品切れでない場合には、ステップ#6に戻り、部品切れの場合には、ステップ#8に進む。
【0035】ステップ#8において、実装機を停止して、パーツカセット5を交換し、ステップ#9に進む。
【0036】ステップ#9において、データ通信部6が、交換したパーツカセット5の記憶手段14から、パーツカセット5の部品名及び部品データを読み取り、制御部7に送り、制御部7は、この部品名と部品データとをメモリに記憶し、ステップ#10に進む。
【0037】ステップ#10において、制御部7が、データ通信部6から送られてきた部品名が、制御部7に正規部品又は代替部品として登録済であるかを判定し、登録済であれば、ステップ#11に進み、登録済でなければ、ステップ#12に進む。
【0038】ステップ#11において、制御部7は、使用する部品データを、動作プログラム中から選択するか、又は、メモリから読み出して選択使用し、実装機を動作させ、ステップ#5に戻り、実装動作を継続する。
【0039】ステップ#12において、制御部7は、実装機をエラー停止する。
【0040】本発明の部品実装方法は、上記の実施例に限らず、種々の態様が可能である。
【0041】例えば、実施例では、部品データをパーツカセットに記憶させているが、制御部に一括記憶させても良い。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、正規部品が品切れしても、稼働率が低下したり、実装作業の信頼性が低下することなく、代替部品を使用して、実装作業を継続できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例方法を使用する電子部品自動実装機の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例方法の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例方法に使用するパーツカセットの正面図である。
【図4】従来例方法の動作のフローチャートである。
【符号の説明】
5 パーツカセット
6 データ通信部
7 制御部
14 記憶手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-09-29 
出願番号 特願平4-272204
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H05K)
P 1 651・ 113- YA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 深澤 幹朗内田 博之  
特許庁審判長 八日市谷 正朗
特許庁審判官 ぬで島 慎二
田々井 正吾
登録日 2002-08-02 
登録番号 特許第3335675号(P3335675)
権利者 松下電器産業株式会社
発明の名称 部品実装方法および部品実装機  
代理人 石原 勝  
代理人 石原 勝  

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