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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G03G |
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管理番号 | 1111141 |
異議申立番号 | 異議2003-70932 |
総通号数 | 63 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-04-08 |
確定日 | 2004-11-17 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3347505号「画像形成装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3347505号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3,347,505号の請求項1に係る発明は、平成7年1月13日に特許出願され、平成14年9月6日にその特許権の設定登録がなされ、その後、中石幸明より特許異議の申立てがなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成16年3月15日に特許異議意見書が提出されるとともに、訂正請求がなされたものである。 その後、異議申立人、特許権者それぞれから相手方の意見に対する反論が当審の審尋に対する回答書として提出されたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 [訂正事項a] 特許請求の範囲の請求項1に 「【請求項1】 静電潜像が形成される像担持体と、 前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、 前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させ、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始した後は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了しても前記カラートナー像の前記記録媒体への転写が終了するまでは前記所定電位の印加を停止させることなく継続することを特徴とする画像形成装置。」 とあるのを、 「【請求項1】 静電潜像が形成される像担持体と、 前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、 前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させ、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始した後は、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了しても、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写が終了するまでは前記所定電位の印加を停止させることなく継続することを特徴とする画像形成装置。」 と訂正する。 [訂正事項b] 発明の詳細な説明の段落【0015】の記載を削除する。 [訂正事項c] 発明の詳細な説明の段落【0016】の記載を 「【課題を解決するための手段】 上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、 前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、 前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させ、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始した後は、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了しても、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写が終了するまでは前記所定電位の印加を停止させることなく継続することを特徴とする画像形成装置である。」 と訂正する。 [訂正事項d] 発明の詳細な説明の段落【0122】の記載を 「【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発明による画像形成装置は、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始する前は、像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写中に中間転写体に所定電位を印加するとともにトナー像の中間転写体への転写終了後は所定電位の印加を停止させ、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始した後は、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写が終了しても、カラートナー像の記録媒体への転写が終了するまでは所定電位の印加を停止させることなく継続するので、1次転写と2次転写が同時に行なわれることによる画像への悪影響を防止できる。」 と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 訂正事項aについては、「カラートナー像の記録媒体への転写が終了」する場合を、「前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了」する場合に限定するもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 訂正事項bないしdは、発明の詳細な説明を特許請求の範囲の記載と整合させるものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 そして、訂正事項aないしdは、いずれも新規事項の追加には該当しないし、特許請求の範囲を実質上拡張したり変更したりするものではない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立てについて (1)本件発明 上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、平成16年3月15日付けの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2.(1)[訂正事項a]参照) (2)刊行物1記載の発明 当審が通知した取消しの理由で引用した刊行物1(特開平6-43765号公報)には次のような技術事項が対応する図面と共に記載されている。 a)【課題を解決するための手段】 本発明は、上記の課題を、トナー像を形成する像担持体と接触可能に配置される無端ベルト状中間転写体を有し、該中間転写体に転写されたトナー像を転写材に転写する画像形成装置において、潜像担持体より離間している中間転写体を像担持体より中間転写体への転写時と共に中間転写体上のトナー像を転写材に転写するときにも潜像担持体に当接することを特徴とした画像形成装置により解決した。 【作用】 本発明により、画像形成装置ではトナー像を中間転写体より転写材に転写するときに、中間転写体を潜像担持体に当接するので中間転写体は潜像担持体よりも駆動力を受けることができ、転写材の押圧による中間転写体の駆動力不足を防止できる。 潜像担持体を帯電することにより、より大きな駆動力を潜像担持体より受けることができる。 中間転写体に清掃手段を当接して清掃するときにも潜像担持体又は転写材転写手段に当接することにより潜像担持体より駆動力を受け、清掃手段の押圧による中間転写体の駆動力不足を防止できる。 又潜像担持体又は転写材転写手段を帯電することにより、大きな駆動力を潜像担持体又は転写材転写手段より受けることができる。(段落【0006】〜【0010】参照) b)次にカラープリンター2の概要を説明する。書き込み光学ユニット8は、カラースキャナー1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行ない、潜像担持体としての感光体ドラム9に静電潜像を形成する。 感光体ドラム9は矢印の如く反時計方向に回転するが、その回りには感光体クリーニングユニット(クリーニング前除電器を含む)10、除電ランプ11、帯電器12、電位センサー13、Bk現像器14、C現像器15、M現像器16、Y現像器17、現像濃度パターン検知器18、担持体としての中間転写ベルト19などが配置されている。各現像器は、静電潜像を原稿するために現像剤を感光体9に対向させるよう回転する現像スリーブ14a、15a、16a、17aと、現像剤を汲み上げ・攪拌するために回転する現像パドル14b、15b、16b、17bおよび現像剤のトナー濃度検知センサー14c、15c、16c、17cなどで構成されている。現像動作の順序(カラー画像形成順序)を、Bk、C、M、Yの例で以下説明する。ただし、画像形成順序はこれに限定されるものではない。(段落【0016】〜【0017】参照) c) 中間転写ベルト19の動き方は、1色目のBkトナー像のベルト転写が後端部まで終了した後の動作方式として次の3通りが考えられるが、この中の1方式かまたはコピーサイズに応じて(コピー速度面などで)効率的な方式の組合わせによって動作させる。 1)一定速往動方式 1.Bkトナー像のベルト転写後も、そのまま一定速で往動を続ける。 ・・・ 2)スキップ往動方式 1.Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9の面からベルト19を離間させ、そのままの往動方向に高速スキップさせて所定量を移動したら当初の往動速度に戻す。 ・・・ 3)往復動(クイックリターン)方式 1.Bkトナー像のベルト転写が終了したら、感光体9の面からベルト19を離間させ、そして往動を停止させると同時に逆方向に高速リターンさせる。 リターンは、ベルト19の面上のBk画像先端位置がベルト転写相当位置を逆方向に通過し、さらに予め設定された距離分を移動した後に停止させて待機状態にする。 ・・・(段落【0028】〜【0045】参照) d)中間転写ベルトユニットの本発明における接離動作は、一例として図3に従って制御される。図3において、a〜xの各項は夫々の作動工程を示し、例えばaはプリントスタート信号、bはPCドラム駆動モータ、cはPCC、クリーニングユニット、除電ランプ、帯電器の作動、dは読み取りスキャナスタート信号、eはスキャナモータ速度、fは原稿先端位置信号(LE信号)、gは原稿画像読み取り、hはポリゴン同期信号、iは画像データ書き込み、jは転写基準信号、kはBk現像スリーブ、lはC現像スリーブ、mはM現像スリーブ、nはY現像スリーブ、oは現像パドル、o′は現像バイアス、pは中間転写ベルト駆動速度、qはベルト転写バイアス若しくは感光体ドラムの帯電バイアス、rはベルト接離(対PC面)、sは紙転写バイアス、tはパイアスローラ接離、uはベルトクリーナ接離、vは給紙コロ、wはレジストローラ、xは定着搬送モータの各作動工程を示す。図では紙面の都合で工程a〜jを示す図3Aと、工程k〜pを示す図3Bと、工程q〜xを示す図3Cに分割して示すので、図3A〜図3Cを合わせて1つの図として見る必要がある。 中間転写ベルト19の面に形成された画像はs項に示す紙転写接離のタイミングで接離機構23cにより紙転写ユニット23が押圧され転写紙に一括転写される。そのとき中間転写ベルト19はr項に示すベルト接離(対PC面)のタイミングで感光体ドラム9に接離機構(図示なし)で押圧され、また感光体ドラム9はq項に示す帯電バイアスのタイミングで帯電器12により帯電される。(段落【0054】〜【0055】参照) 以上の記載を対比のためにまとめると、 図3cの中間転写ベルト駆動速度の作動行程p、ベルト転写バイアス若しくは感光体ドラムの帯電バイアスの作動行程q、ベルト接離(対PC面)の作動行程rによれば、感光体ドラム9上に形成されるトナー像の中間転写ベルトへの転写中に中間転写ベルトに所定電位を印加するとともに、3色目のトナー像まではトナー像の中間転写ベルトへの転写終了後は中間転写ベルトを感光体ドラムから離脱させるとともに所定電位の印加を停止させ、4色目のトナー像については中間転写ベルトへの転写が終了しても、少なくとも中間転写ベルト上のカラートナー像を転写紙に転写する間までは、中間転写ベルトを感光体ドラムに当接させ続けるとともに所定の電位を印加し続けるものであり、 刊行物1には次のような発明が対応する図面と共に記載されている。 「ア)静電潜像が形成される感光体ドラム9と、静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して感光体ドラム9上にトナー像を形成する現像器14〜17と、感光体ドラム9と接触回転し各色のトナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写ベルト19と、中間転写ベルト19上に形成されたカラートナー像を転写紙に転写する紙転写ユニット23とを有する画像形成装置。 イ)感光体ドラム9上に形成されるトナー像の中間転写ベルトへの転写中に中間転写ベルトに所定電位を印加するとともに、3色目まではトナー像の中間転写ベルトへの転写終了後は中間転写ベルトへの所定電位の印加を停止させる。 ウ)4色目のトナー像については中間転写ベルトへの転写が終了しても、少なくとも中間転写ベルト上のカラートナー像を転写紙に転写する間までは、中間転写ベルトに所定の電位を印加し続ける。」 (3)対比・判断 まず、本件発明は像担持体上に形成された各色トナー像を中間転写体に転写する際の中間転写体の動き方について特に規定するものではない。 そこで、本件発明を刊行物1記載の発明と対比すると、 a)刊行物1記載の発明の「感光体ドラム9」、「現像器14〜17」、「中間転写ベルト19」、「転写紙」、「紙転写ユニット23」は、それぞれ本件発明の「像担持体」、「現像手段」、「中間転写体」、「記録媒体」、「転写手段」に相当し、 b)刊行物1記載の発明は、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始する前である3色目までは、像担持体上に形成されるトナー像を中間転写体へ転写する間は中間転写体を像担持体に当接させるとともに中間転写体に所定電位を印加し、転写が終了すると中間転写体を像担持体から離脱させるとともに所定電位の印加を停止させるものであり、 以上のことから、両者間には次のような一致点、相違点がある。 (一致点) 静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させる画像形成装置。 (相違点) 本件発明が、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始した後は、カラートナー像の記録媒体への転写中に像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写が終了しても、カラートナー像の記録媒体への転写が終了するまでは所定電位の印加を停止させることなく継続するものであるのに対して、刊行物1記載の発明は像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写が終了しても、引き続きカラートナー像の記録媒体への転写が終了するまで中間転写体に対して所定電位の印加を停止させることなく継続するものである点 (相違点の検討) まず、刊行物1の図3A、図3B、図3Cに図示されたカラー複写装置の基本動作タイミングチャートについてみてみる。 発明の詳細な説明には基本動作タイミングチャートについて充分な説明はないが、図3A、図3B、図3Cには、刊行物1記載の発明の基本動作タイミングについて当業者ならば具体的な作動行程が理解できる程度に記載されている。ただし、使用している記録媒体のサイズについて明確な記載はない。 しかし、図3Cの紙転写バイアス作動工程sにA4:3.2sec、ベルトクリーナ接離作動工程uにA4:0.9secと記載されていること、 また、A4サイズの記録媒体が通常よく使用されるサイズであること、 さらに特許権者が平成16年3月15日に提出した特許異議意見書の14頁以降において主張するように、中間転写体から記録媒体への転写が開始される前にトナー画像の中間転写体上への転写が終了するものであって、中間転写体の周長の半分くらいしか使用していないこと、 A4サイズの倍の長さのA3サイズを最大使用サイズとする画像形成装置が周知であること(特開平5-303288号公報の段落【0030】、特開平6-59593号公報の段落【0014】参照) 以上のことを合わせ考慮すると、当業者ならば図3A、図3B、図3Cに図示された画像記録装置の基本動作タイミングチャートはA4サイズのものであると理解するのが普通である。 そこで、刊行物1には「なお、転写紙カセット30、31、32、33には各種サイズの転写紙が収納されており、操作パネル(図示なし)で指定されたサイズ紙の収納カセットからタイミングを取ってレジストローラ26の方向に給紙、搬送される。OHP用紙や厚紙などのために手差し給紙トレイ34を設けることもできる。」(段落【0052】参照)とあり、複数サイズの記録媒体に画像形成が可能な画像形成装置が記載されており、一方上記したようにA3を使用最大サイズとすることが周知であるから、刊行物1記載の発明の画像形成装置の基本動作タイミングチャートに基づいて、A3サイズの記録媒体に画像形成できるように動作タイミングチャートを変更することは当業者ならば普通に考えつくことである。 その場合、トナー像を中間転写体に転写開始する位置から中間転写体上のカラートナー像を記録媒体に転写開始する位置までの中間転写体の移動距離は記録媒体のサイズにかかわらず同じであるから、A3サイズの場合は紙転写バイアスの作動行程sにおいて中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始した後に、像担持体上に形成されたトナー像の中間転写体への転写が終了することになり(この点に関しては異議申立人が平成16年6月25に提出した回答書の5頁以降に説明されている。)、刊行物1記載の発明は中間転写体への転写が終了してもカラートナー像の記録媒体への転写が終了するまでは中間転写体が像担持体に当接し続けるとともに、所定電位の印加を停止させることなく継続するというものであるから、結局のところ「中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始した後は、カラートナー像の記録媒体への転写中に像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写が終了しても、カラートナー像の記録媒体への転写が終了するまでは所定電位の印加を停止させることなく継続する」というタイミングチャートとなる。 このように、上記相違点は刊行物1記載の発明をA3サイズの記録媒体で実行しようとしたとき、当業者ならば容易に考えつくことができた構成の変更である。 (4)特許権者の主張に対する見解 特許権者は平成16年9月6日付け回答書において、次のように主張している。 (4-1)刊行物1には、図3に単にシーケンスチャートのみ例示される中間転写ベルトユニットの動作がどのようなサイズの転写紙を対象とするものであるかの明示はなく、ましてやA3サイズの転写紙が利用できることについては記載も示唆もありません。 (4-2)このように、そもそも、刊行物1の発明は、本件発明における「1次転写バイアスの変動による悪影響が2次転写に生じる」という問題認識を全く有しておらず、刊行物1に記載されている発明の解決する技術課題(目的)は、本件発明が解決する技術課題(目的)、即ち、「1次転写と2次転写が同時に行われることによる画像への悪影響を防止する」こととは全く異なるものです。 (4-1)については、上の(3)(相違点の検討)で述べたように、図3A、図3B、図3Cに図示された画像記録装置の基本動作タイミングチャートは当業者ならばA4サイズのものと理解するのが普通であるし、上記したようにA3を最大使用サイズとする画像形成装置は周知であるから、この点に関する特許権者の主張は採用できない。 (4-2)については、刊行物1記載の発明は転写紙への転写時に中間転写ベルトを感光体ドラムに当接させることによって転写材の押圧による中間転写体の駆動力不足を防止するものであり、具体的には当接している間、中間転写ベルトへ所定の電位を印加し続けるものである。 本件発明と刊行物1記載の発明はその解決すべき課題を異にするものではあるが、刊行物1記載の発明の画像形成装置でA3サイズの記録媒体に画像を形成しようとすれば、上でも述べたようにその作動行程は本件発明と同様の作動行程となるものであり、刊行物1に1次転写バイアスの変動による悪影響が2次転写に生じるという問題認識が記載されていないからといって、本件発明が刊行物1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないとすることはできず、この点に関する特許権者の主張も採用できない。 (5)むすび 以上のとおりであるから、本件発明は刊行物1記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像形成装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 静電潜像が形成される像担持体と、 前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、 前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させ、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始した後は、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了しても、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写が終了するまでは前記所定電位の印加を停止させることなく継続することを特徴とする画像形成装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、例えばプリンタ或は複写機等とされる電子写真プロセスを利用した画像形成装置に関し、特に、中間転写体を備えた画像形成装置に関するものである。 【0002】 上記画像形成装置における電子写真感光体としてはローラ形状体(ドラム形状体)、ベルト形状体等であり、また、中間転写体は、ローラ形状体(ドラム形状体)、ベルト形状体等である。さらに、記録媒体としては、転写紙、記録紙、印刷紙、カード、封書、葉書等であり、その材質は紙に限られない。 【0003】 【従来の技術】 従来この種の画像形成装置は、図17に示すような構成を備えていた。すなわち、その略中央に像担持体である感光ドラム51を有し、その周囲に回転方向に沿って、一次帯電器57、イエロー現像器(以下Y現像器と略す)53、マゼンタ現像器(以下M現像器と略す)54、シアン現像器(以下C現像器と略す)55、ブラック現像器(以下Bk現像器と略す)56、中間転写体としての中間転写ドラム50、感光ドラムクリーナ60を備えている。 【0004】 また、中間転写体50の周囲には、中間転写体クリーナ60及び転写ローラ61を備え、それぞれ中間転写体50に対して接離可能とされている。さらに、画像形成装置は中間転写体50と転写ローラ61とのニップ部にタイミングを合わせて転写紙などの記録媒体64を送給するレジストローラ63、記録媒体64を中間転写体50から分離するため除電するコロナ帯電器58、及び定着器62を備えている。 【0005】 以下に上記構成の画像形成装置の動作を説明する。感光ドラム51は帯電ローラ57によって帯電される。次に不図示のコントローラより出力された画像データに基づき、レーザ走査ユニット52によって感光ドラム51に潜像が形成される。潜像はY現像器53により現像され、感光ドラム51上にイエローのトナー像が形成される。イエローのトナー像は不図示の高圧電源により中間転写体50に印加されたバイアスにより感光ドラム51から中間転写体50に一次転写される。このとき中間転写体50に転写されずに感光ドラム51に残ったトナーは感光ドラムクリーナ60によってクリーニングされる。以下、上記と同様にして、M現像器54、C現像器55、Bk現像器56によって形成されたトナー像が中間転写体50に重ね転写される。 【0006】 このようにして中間転写体50上に4回転でフルカラー画像が形成される。5回転目に中間転写体50上のトナー像に同期するように不図示の給紙部より給紙された記録媒体64がレジストローラ63によりタイミングをとられて、中間転写体50と転写ローラ61のニップ部に送られる。このとき転写ローラ61は記録媒体64がニップ部にくる直前に中間転写体50に当接される。そして記録媒体64にトナー像が転写され、コロナ帯電器58にACバイアスが印加されることにより、記録媒体64が中間転写体50より分離される。次いで定着器62においてトナー像は永久画像として記録媒体64に定着される。中間転写体50上に残ったトナーは中間転写体クリーナ59が当接されることによりクリーニングされる。 【0007】 なお、次頁以降の印字動作は、トナー像が記録媒体へ二次転写された後に行なわれる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来例では、中間転写体50上にフルサイズの画像を形成する場合に、1回の画像形成に中間転写体50を5回転させる必要があった。 【0009】 また、4回転フルサイズの画像形成を行なおうとした場合には、感光ドラム51から中間転写体50への1次転写と、中間転写体50から記録媒体64への2次転写が、4色目のブラックのとき、画像の一部でオーバーラップしてしまうため、中間転写体50を接地電位にし、感光ドラム51にトナーの帯電極性と同極性の電位を印加しなければならなかった。 【0010】 この場合、1次転写バイアスの変動による悪影響が2次転写に生じることがあった。 【0011】 また、中間転写体50の周長が例えばA3サイズであって、中間転写体1回転でA4横サイズの画像を2枚分形成する場合に、給紙カセット内の記録媒体の残量は0枚か1枚以上であるかのいずれかであることしか検知できず、前記2枚分の画像形成時に記録媒体の残量が1枚である場合に、その1枚の転写を行なった後、残りの1枚分のトナー像をクリーニングしなければならなかった。このため中間転写体クリーナの負担が大きく、機内汚れが発生することがあった。 【0012】 従って、本発明の第1の目的は、1次転写と2次転写が同時に行なわれることによる画像への悪影響を防止できる画像形成装置を提供することである。 【0013】 本発明の第2の目的は、中間転写体の4回転目の、感光体から中間転写体への1次転写バイアス印加中に、中間転写体から記録媒体への2次転写を開始しても、画像への悪影響を与えることのない画像形成装置を提供することである。 【0014】 本発明の第3の目的は、連続印字を行なう際に、n枚目の印字の2次転写の途中から、n+1枚目の印字の1色目の1次転写が開始される時に画像へ悪影響を与えることのない画像形成装置を提供することである。 【0015】 【0016】 【課題を解決するための手段】 上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、 前記静電潜像を複数色のトナーのいずれかで現像して前記像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、 前記像担持体と接触回転し各色の前記トナー像を順次転写してカラートナー像を形成する中間転写体と、 前記中間転写体上に形成された前記カラートナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始する前は、前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写中に前記中間転写体に所定電位を印加するとともに前記トナー像の前記中間転写体への転写終了後は前記所定電位の印加を停止させ、 前記中間転写体上に形成される前記カラートナー像の前記記録媒体への転写を開始した後は、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写中に前記像担持体上に形成される前記トナー像の前記中間転写体への転写が終了しても、前記カラートナー像の前記記録媒体への転写が終了するまでは前記所定電位の印加を停止させることなく継続することを特徴とする画像形成装置である。 【0017】 【0018】 【0019】 【実施例】 以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。 【0020】 実施例1 本発明による画像形成装置の実施例1について図1を参照して説明する。同図において画像形成装置は、略中央に像担持体である感光ドラム2を有し、その上方にレーザ走査ユニット12、またその周囲に一次帯電器である帯電ローラ7、現像器ユニット16、中間転写体1、及び感光ドラムクリーナ10を備えている。また中間転写体1の周囲には中間転写体1に接離可能な転写ローラ11、コロナ帯電器8、中間転写体1に接離可能な中間転写体クリーナ9、及び定着器15を備えている。 【0021】 現像器ユニット16はイエロー現像器3(以下Y現像器と略す)、マゼンタ現像器4(以下M現像器と略す)、シアン現像器5(以下C現像器と略す)、ブラック現像器6(以下Bk現像器と略す)から構成されており、それぞれの現像器が回転可能で感光ドラム2に順次当接可能とされている。 【0022】 中間転写体1の周長は、例えばA3サイズの画像を形成可能として、(A3サイズの縦長)+(現像器切替え時間)×(プロセススピード)に所定のマージンを持たせた設定とされている。 【0023】 次に図1〜図3を用いて本実施例の画像形成装置におけるA3サイズのフルカラー1枚または間欠の印字動作について説明する。 【0024】 感光ドラム2は帯電ローラ7によりマイナスに均一に帯電される。そして、不図示の画像データ生成部より送出されるデータによってレーザ走査ユニット12のレーザ光により、感光ドラム2上に潜像が形成される。この潜像はY現像器3によって、マイナスに帯電されたイエローのトナーによって現像され、トナー像とされる。 【0025】 このようにして感光ドラム2上に形成されたイエローのトナー像は、感光ドラム2が図1で示す矢印方向に回転し、中間転写体1と接触する部分で中間転写体1に印加されたプラスのバイアス(接地電位に対して+100〜2000V位)により1次転写される。 【0026】 このとき、中間転写体1が図2(a)に示す位置にくる直前に中間転写体1に対して1次転写バイアスが印加開始され、図2(b)の位置まできた直後に1次転写バイアスの印加が終了する。このときのタイミングは図3のシーケンスチャートに示すY1次転写バイアスのようになる。 【0027】 中間転写体1上に転写されずに感光ドラム2上に残ったトナーはクリーナ10によりクリーニングされる。 【0028】 次にイエローのトナー像と同じ位置にマゼンタのトナー像が転写されるタイミングで、イエローの場合と同様にしてマゼンタのトナー像が形成、転写される。このときのマゼンタの1次転写バイアスの出力タイミングは図3のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0029】 次に上記2色のトナー像と同じ位置にシアンのトナー像が転写されるタイミングで、上記と同様にしてシアンのトナー像が形成、転写される。このときのシアンの1次転写バイアスの出力タイミングは図3のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0030】 イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が中間転写体1上に形成された後、4回転目にブラックのトナー像が転写され、4色のフルカラー画像が記録媒体14に転写される。以下にその手順を示す。 【0031】 図2(a)に示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。 【0032】 そして、図2(c)で示されるように4色のフルカラー画像の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に、2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。このときの2次転写バイアスの値は中間転写体電位に対して1〜5kV位が適している(接地電位に対しては中間転写体電位(100〜2000V)+(1〜5kV)。 【0033】 なお、記録媒体14に転写が開始され、画像後端が中間転写体クリーナ9のブレード位置を過ぎたところで、クリーナ9が中間転写体1に当接され、中間転写体のクリーニングが開始される。 【0034】 そして、図2(d)で示されるように画像後端の1次転写が終わったところででも中間転写体1に1次転写のための印加バイアスは継続される。 【0035】 さらに図2(e)で示されるように中間転写体1のフルカラーのトナー像が記録媒体に2次転写が終わった直後に1次転写バイアス、2次転写バイアスともに印加終了する。 【0036】 以上のバイアスの印加シーケンスは図3のシーケンスチャートに示される通りである。中間転写体1上のトナー画像の後端部分がクリーナ9の位置を過ぎたところでクリーナ9は離間され、中間転写体1の回転が終了する。2次転写された記録媒体14はコロナ帯電器8にACバイアスを印加することにより除電分離され、定着器15により定着され、フルカラーの印字出力を得る。 【0037】 なお、図2中、中間転写体上の画像領域外の画像後端から画像先端までの部分は多色印字時に現像器ユニット16を切替えるためのものであり、(画像領域外の周長)>(現像器切替え時間)×(プロセススピード)である。 【0038】 なお、上記説明においては4色カラー印字の動作について説明したが、単色の印字動作の場合には最終色(上記説明ではブラック)の潜像形成、現像、1次転写、2次転写のシーケンスのみとなる。 【0039】 次に上記画像形成装置のA3サイズのフルカラー連続印字のシーケンスについて、図4のシーケンスチャートを更に参照して説明する。 【0040】 1枚目の印字ではY、M、Cの1次転写に関しては上記A3の1枚印字の場合と同様である。4回転目に図2(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。 【0041】 次に、図2(c)で示されるように、4色のトナー像の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に転写ローラ11が中間転写体1に当接され、レジストローラ13により中間転写体1のトナー像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体14にトナー像が接触する直前に2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。 【0042】 次いで、記録媒体14に画像が2次転写され始めた後、画像後端がクリーナ9のブレード位置を過ぎたところで、クリーナ9が中間転写体1に当接され、クリーニングが開始される。中間転写体1への1次転写バイアスは記録媒体への2次転写中も維持され、図2(f)で示されるように画像先端位置が感光ドラムと接触する位置で2枚目のイエローのトナー像が転写されるように、2枚目のイエロー画像の潜像形成、現像が行なわれる。 【0043】 なお、図2(e)で示されるように記録媒体に1枚目のトナー像が転写され終わった時点で2次転写バイアスの印加が終了し、転写ローラ11が離間される。そしてトナー像後端がクリーナ9のブレードを過ぎたところで、クリーナ9が離間される。図2(b)で示すようにイエローのトナー像が中間転写体1に転写された時点で1次転写バイアスの印加が終わる。 【0044】 以下1枚目の印字と同様にしてマゼンタ以降のトナー像形成が行なわれる。以上のシーケンスは図4のシーケンスチャートに示す通りである。 【0045】 次に本実施例の装置のA4横サイズの1枚または間欠の印字動作について図1、図5及び図6を用いて説明する。 【0046】 感光ドラム2は帯電ローラ7によりマイナスに均一に帯電される。そして、不図示の画像データ生成部より送出されるデータによってレーザ走査ユニット12のレーザ光により、感光ドラム2上に潜像が形成される。この潜像はY現像器3によって、マイナスに帯電されたイエローのトナーによって現像されトナー像とされる。 【0047】 このようにして感光ドラム2上に形成されたイエローのトナー像は、感光ドラム2が、図1に示す矢印方向に回転し、中間転写体1と接触する部分で中間転写体1に印加されたプラスのバイアス(接地電位に対して+100〜2000V位)により1次転写される。このとき、図5(a)の位置の直前で中間転写体に1次転写バイアスが印加開始され、図5(b)で示されるA4横の画像後端位置まできた直後でバイアス印加が終了する。このときのタイミングは図6のシーケンスチャートに示すY1次転写バイアスのようになる。中間転写体1上に転写されずに感光ドラム2上に残ったトナーはクリーナ10によりクリーニングされる。 【0048】 次に上記イエローのトナー像と同じ位置にマゼンタのトナー像が転写されるタイミングで、イエローの場合と同様にしてマゼンタのトナー像が形成、転写される。このときのマゼンタの1次転写バイアスの出力タイミングは図6のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0049】 次に上記2色のトナー像と同じ位置にシアンのトナー像が転写されるタイミングで、上記と同様にしてシアンのトナー像が形成、転写される。このときのシアンの1次転写バイアスの出力タイミングは図6のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0050】 イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が中間転写体1上に形成された後、4回転目にブラックのトナー像が転写され、4色のフルカラー画像が記録媒体14に転写される。以下にその手順を示す。 【0051】 まず、図5(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラムとのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。そして、図5(b)で示されるようにA4横の画像後端位置まできた直後でバイアス印加が終了する。 【0052】 その後、図5(c)で示されるように、4色のフルカラー画像の先端が転写ローラ11のニップ部に来る直前に転写ローラ11は中間転写体1に当接される。そして、レジストローラ13により中間転写体1の画像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体14にトナー像が接触する直前にプラスの2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。このときの2次転写バイアスの値は中間転写体(接地)電位に対して1〜5kVが適している。 【0053】 なお転写が開始され、画像先端がクリーナ9のブレード位置に来る前に、クリーナ9が中間転写体9に当接され、中間転写体のクリーニングが開始される。そして、図5(e)で示されるように中間転写体1のフルカラーのトナー像が記録媒体に2次転写が終わった直後に2次転写バイアスが印加終了する。以上のバイアスの印加シーケンスは図6に示されるとおりである。中間転写体1上のトナー画像の後端部分がクリーナ9の位置を過ぎたところでクリーナ9は離間され、中間転写体1の回転が終了する。 【0054】 2次転写された記録媒体はコロナ帯電器8にACバイアスを印加することにより除電分離され、定着器15により定着され、フルカラーの印字出力を得る。 【0055】 つぎにA4横サイズのフルカラー連続印字のシーケンスについて説明する。なお、1枚目の印字ではイエロー、マゼンタ、シアンの1次転写に関しては上記A4横の1枚印字の場合と同様なので省略し、以下に連続印字時の1枚目の4回転目以降についてのみ、図1、5及び7を参照して説明する。 【0056】 図5(a)に示されるように、4回転目に中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。図5(a)から図5(b)の状態まで1次転写バイアスが印加され、中間転写体1上に4色のトナー像が形成される。 【0057】 次いで、図5(c)に示されるように、4色のトナー像の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に転写ローラ11は中間転写体1に当接され、レジストローラ13により中間転写体1のトナー像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体14にトナー像が接触する直前に1次転写バイアス及び2次転写バイアスが印加される。このときのバイアス値はA3の印字の場合と同じである。 【0058】 なお、記録媒体に転写が開始され、画像先端がクリーナ9のブレード位置に来る前に、クリーナ9が中間転写体1に当接され、中間転写体1のクリーニングが開始される。 【0059】 次に、図5(d)に示されるように、中間転写体1上に2枚目のイエローのトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でイエローのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれ、図5(d)に示される位置でイエローの2枚目の1次転写が開始される。 【0060】 次いで、図5(e)に示されるように、中間転写体1上の1枚目のフルカラーのトナー像が記録媒体14に2次転写が終わった直後に2次転写バイアスの印加が終了する。以下1枚目の場合と同様にして2枚目以降の印字が行なわれる。 【0061】 実施例2 次に、本発明による画像形成装置の実施例2について、図8〜12を参照して説明する。なお図8において、図1に示す部材と同一の部材については同符号を付してある。 【0062】 図8において画像形成装置は、略中央に像担持体である感光ドラム2を有し、その上方にレーザ走査ユニット12、またその周囲に一次帯電器である帯電ローラ7、現像器ユニット16、中間転写体1、及び感光ドラムクリーナ10を備えている。さらに中間転写体1の周囲には中間転写体1に接離可能な転写ローラ11、コロナ帯電器8、中間転写体1に接離可能な中間転写体クリーナ9、及び定着器15を備えている。 【0063】 現像器ユニット16はY現像器3、M現像器4、C現像器5、Bk現像器6から構成されており、それぞれの現像器が回転可能で感光ドラム2に順次当接可能とされている。 【0064】 中間転写体1の周長は、例えばA3サイズの画像を形成可能として、(A3サイズの縦長)+(現像器切替え時間)×(プロセススピード)に所定のマージンを持たせた設定とされている。 【0065】 次に図8〜図10を用いて本実施例の画像形成装置におけるA3サイズのフルカラー1枚または間欠の印字動作について説明する。 【0066】 感光ドラム2は帯電ローラ7によりマイナスに均一に帯電される。そして、不図示の画像データ生成部より送出されるデータによってレーザ走査ユニット12のレーザ光により、感光ドラム2上に潜像が形成される。この潜像はY現像器3によって、マイナスに帯電されたイエローのトナーによって現像されトナー像とされる。 【0067】 このようにして感光ドラム2上に形成されたイエローのトナー像は感光ドラム2が、図8で示す矢印方向に回転し、中間転写体1と接触する部分で中間転写体1に印加されたプラスのバイアス(接地電位に対して+100〜2000V位)により1次転写される。このとき、中間転写体1が図9(a)に示す位置にくる直前に中間転写体1に対して1次転写バイアスが印加開始され、図9(b)の位置まできた直後に1次転写バイアスの印加が終了する。このときのタイミングは図10のシーケンスチャートに示すY1次転写バイアスのようになる。 【0068】 中間転写体1上に転写されずに感光ドラム2上に残ったトナーはクリーナ10によりクリーニングされる。 【0069】 次にイエローのトナー像と同じ位置にマゼンタのトナー像が転写されるタイミングで、イエローの場合と同様にしてマゼンタのトナー像が形成、転写される。このときのマゼンタの1次転写バイアスの出力タイミングは図10のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0070】 次に上記2色のトナー像と同じ位置にシアンのトナー像が転写されるタイミングで、上記と同様にしてシアンのトナー像が形成、転写される。このときのシアンの1次転写バイアスの出力タイミングは図10のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0071】 イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が中間転写体1上に形成された後、4回転目にブラックのトナー像が転写され、4色のフルカラー画像が転写媒体14に転写される。以下にその手順を示す。 【0072】 図9(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。 【0073】 そして、図9(c)で示されるように4色のフルカラー画像の先端が転写ローラ11のニップ部に来る直前に、転写ローラ11が中間転写体1に当接される。そして、レジストローラ13により中間転写体1の画像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体14にトナー像が接触する直前にプラスの2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。このときの2次転写バイアスの値は中間転写体電位に対して1〜5kV位が適している(接地電位に対しては中間転写体電位(100〜2000V)+(1〜5kV)。 【0074】 なお、記録媒体14に転写が開始され、画像先端が中間転写体クリーナ9のブレード位置を過ぎたところで、クリーナ9が中間転写体9に当接され、中間転写体のクリーニングが開始される。 【0075】 そして、図9(d)で示されるように画像後端の1次転写が終わったところででも中間転写体1に1次転写のための印加バイアスは継続される。 【0076】 さらに図9(e)で示されるように中間転写体1のフルカラーのトナー像が記録媒体に2次転写が終わった直後に1次転写バイアス、2次転写バイアスともにが印加終了する。 【0077】 以上のバイアスの印加シーケンスは図10のシーケンスチャートに示される通りである。 【0078】 中間転写体1上のトナー画像の後端部分がクリーナ9の位置を過ぎたところでクリーナ9は離間され、中間転写体1の回転が終了する。2次転写された記録媒体はコロナ帯電器8にACバイアスを印加することにより除電分離され、定着器15により定着され、フルカラーの印字出力を得る。 【0079】 なお、図9中、中間転写体上の画像領域外の画像後端から画像先端までの部分は多色印字時に現像器ユニット16を切り替えるためのものであり、(画像領域外の周長)>(現像器切り替え時間)×(プロセススピード)である。 【0080】 なお、上記説明においては4色カラー印字の動作について説明したが、単色の印字動作の場合には最終色(上記説明ではブラック)の潜像形成、現像、1次転写、2次転写のシーケンスのみとなる。 【0081】 次に上記画像形成装置のA3サイズのフルカラー連続印字のシーケンスについて説明する。 【0082】 1枚目の印字ではY、M、Cの1次転写に関しては上記A3の1枚印字の場合と同様である。4回転目に図9(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。 【0083】 次に、図9(c)で示されるように、4色のトナー像の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に転写ローラ11は中間転写体1に当接され、レジストローラ13により中間転写体1のトナー像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体にトナー像が接触する直前に2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。 【0084】 次いで、記録媒体に画像が2次転写され始めた後、画像後端がクリーナ9のブレード位置を過ぎたところで、クリーナ9が中間転写体1に当接され、クリーニングが開始される。中間転写体1への1次転写バイアスは記録媒体への2次転写中も維持され、図9(f)で示されるように画像先端位置が感光ドラムと接触する位置で2枚目のイエローのトナー像が転写されるように、2枚目のイエロー画像の潜像形成、現像が行なわれる。 【0085】 なお、図9(e)で示されるように記録媒体に1枚目のトナー像が転写され終わった時点で2次転写バイアスの印加が終了し、転写ローラ11が離間される。そしてトナー像後端がクリーナ9のブレードを過ぎたところで、クリーナ9が離間される。図9(b)で示すようにイエローのトナー像が中間転写体1に転写された時点で1次転写バイアスの印加が終わる。 【0086】 以下1枚目の印字と同様にしてマゼンタ以降のトナー像形成が行なわれる。以上のシーケンスは図11のシーケンスチャートに示すようになる。 【0087】 次に本実施例の装置のA4横サイズの印字動作について図8、図12及び図13を用いて説明する。 【0088】 感光ドラム2は帯電ローラ7によりマイナスに均一に帯電される。そして、不図示の画像データ生成部より送出されるデータによってレーザ走査ユニット12のレーザ光により、感光ドラム2上に潜像が形成される。前記潜像はY現像器3によって、マイナスに帯電されたイエローのトナーによって現像される。 【0089】 このようにして感光ドラム2上の形成されたイエローのトナー像は、感光ドラム2が、図1に示す矢印方向に回転し、中間転写体1と接触する部分で中間転写体1に印加されたプラスのバイアス(接地電位に対して+100〜2000V位)により1次転写される。このとき、図12(a)の位置の直前で中間転写体に1次転写バイアスが印加開始され、図12(b)で示されるA4横の画像後端位置まできた直後でバイアス印加が終了する。 【0090】 中間転写体1上に転写されずに感光ドラム2上に残ったトナーはクリーナ10によりクリーニングされる。 【0091】 次に上記イエローのトナー像と同じ位置にマゼンタのトナー像が転写されるタイミングで、イエローの場合と同様にしてマゼンタのトナー像が形成、転写される。 【0092】 次に上記2色のトナー像と同じ位置にシアンのトナー像が転写されるタイミングで、上記と同様にしてシアンのトナー像が形成、転写される。 【0093】 イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が中間転写体1上に形成された後、4回転目にブラックのトナー像が転写され、4色のフルカラー画像が記録媒体14に転写される。以下にその手順を示す。 【0094】 4回転目に図12(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラム2とのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。図12(a)の状態から1次転写バイアスが印加され、中間転写体1上に4色のトナー像が形成される。 【0095】 その後、図12(c)で示されるように、4色のトナー像の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に転写ローラ11は中間転写体1に当接され、レジストローラ13により中間転写体1のトナー像に同期して記録媒体14が搬送され、記録媒体14にトナー像が接触する直前に2次転写バイアスが印加される。このときの2次転写バイアスの値は中間転写体電位に対して1〜5kV位が適している(接地電位に対しては中間転写体電位(100〜2000V)+(1〜5Kv))。 【0096】 1次転写バイアスは図12(d)で示されるように画像の1次転写位置を過ぎても印加が継続される。記録媒体に転写が開始され、画像先端がクリーナ9のブレード位置に来る前に、クリーナ9が中間転写体のクリーニングが開始される。 【0097】 そして、図12(e)で示されるように中間転写体1上の1枚目のフルカラーのトナー像が記録媒体に2次転写が終わった直後に1次転写バイアス、2次転写バイアスともに印加終了する。以下1枚目の場合と同様にして2枚目以降の印字が行なわれる。以上のシーケンスを図13に示す。 【0098】 実施例3 次に、本発明による画像形成装置の実施例3について図14〜16を参照して説明する。なお図14において、図1に示す部材と同一の部材については同符号を付してある。 【0099】 図14において画像形成装置は、略中央に像担持体である感光ドラム2を有し、その上方にレーザ走査ユニット12、またその周囲に一次帯電器である帯電ローラ7、現像器ユニット16、中間転写体1、及び感光ドラムクリーナ10を備えている。さらに中間転写体1の周囲には中間転写体1に接離可能な転写ローラ11、コロナ帯電器8、中間転写体1に接離可能な中間転写体クリーナ9、及び定着器15を備えている。 【0100】 現像器ユニット16はY現像器3、M現像器4、C現像器5、Bk現像器6から構成されており、それぞれの現像器が回転可能で感光ドラム2に順次当接可能とされている。 【0101】 また、記録媒体14を収容する記録媒体積載手段である給紙カセット22は、給紙カセット22から記録媒体14を1枚ずつ送給するための給紙ローラ21、及びカセット22内の記録媒体14の残量を検知するための検知手段である紙残検知センサ23を備えており、記録媒体14は、搬送手段である搬送ガイド20、中間転写体1と転写ローラ11とのニップ部にタイミングをみて記録媒体14を送給する給紙レジストローラ13を介して上記ニップ部に搬送可能とされている。また、給紙ローラ21は2次転写前に記録媒体14を搬送ガイド20を通り給紙レジストローラ13のところまであらかじめ搬送可能とされている。 【0102】 中間転写体1の周長は、例えばA4横サイズ2枚またはA3サイズの画像を形成可能として、(A3サイズの縦長)+(現像器切り替え時間)×(プロセススピード)+(A4横サイズ2枚貼時の紙間)に所定のマージンを持たせた設定である。 【0103】 以下に図14〜16を用いて本実施例の装置のA4横サイズのトナー像を中間転写体上に2枚形成する連続印字で給紙カセットに記録媒体が3枚ある場合について説明する。なお、A3サイズの印字などについては実施例1と同じである。 【0104】 感光ドラム2は帯電ローラ7によりマイナスに均一に帯電される。そして、不図示の画像データ生成部より送出される。データによってレーザ走査ユニット12のレーザ光により、感光ドラム2上に潜像が形成される。前記潜像はY現像器3によって、マイナスに帯電されたイエローのトナーによって現像される。 【0105】 このようにして感光ドラム2上に形成されたイエローのトナー像は感光ドラム2が、図14で示す矢印方向に回転し、中間転写体1と接触する部分で中間転写体1に印加されたプラスのバイアス(接地電位に対して+100〜2000V位)により1次転写される。このとき、図15(a)に示す状態の直前で中間転写体に1次転写バイアスが印加開始され、1枚目のトナー像が1次転写され、図15(b)の位置から2枚目のトナー像が1次転写される。 【0106】 次いで、図15(c)の位置まできた直後に1次転写バイアス印加が終了する。このときのタイミングは図16のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0107】 中間転写体1上に1次転写されずに感光ドラム2上に残ったトナーはクリーナ10によってクリーナ10によってクリーニングされる。 【0108】 また、装置がトナー像を形成するのに平行して、中間転写体1が図15(c)で示す位置になるより以前に、図14に示すように給紙ローラ21によって記録媒体14がレジストローラ13の位置まで搬送される。 【0109】 次に上記イエローのトナー像と同じ位置にマゼンタのトナー像が転写されるタイミングで、イエローの場合と同様にしてマゼンタのトナー像が形成、転写される。このときのマゼンタの1次転写バイアスの出力タイミングは図16のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0110】 次に上記2色のトナー像と同じ位置にシアンのトナー像が転写されるタイミングで、上記と同様にしてシアンのトナー像が形成、転写される。このときのシアンの1次転写バイアスの出力タイミングは図16のシーケンスチャートで示されるようになる。 【0111】 イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が中間転写体1上に形成された後、4回転目にブラックのトナー像が転写され、4色のフルカラー画像が記録媒体に転写される。以下にその手順を示す。 【0112】 まず、図15(a)で示されるように中間転写体1上の3色分のトナー画像の先端が感光ドラムとのニップ部でブラックのトナー像が1次転写されるように潜像形成、トナーの現像が行なわれる。 【0113】 次に図15(d)で示されるように、4色のフルカラー画像の1枚目の先端が転写ローラ11とのニップ部に来る直前に転写ローラ11は中間転写体1に当接される。 【0114】 そして、レジストローラ13の位置まで予め搬送されていた記録媒体14が中間転写体1のトナー像に同期して搬送され、記録媒体にトナー像が接触する直前にプラスの2次転写バイアスが転写ローラ11に印加される。このときの2次転写バイアスの値は中間転写体電位に対して1〜5kV位が適している(接地電位に対しては中間転写体電位(100〜2000V)+(1〜5kV))。 【0115】 なお、記録媒体14がレジストローラ13により2次転写ニップに搬送され始めたところで、給紙ローラ21により2枚目の記録媒体が搬送される。また、記録媒体に転写が開始され、2枚目のトナー像の画像後端がクリーナ9のブレード位置を過ぎたところで、クリーナ9が中間転写体1に当接され、中間転写体のクリーニングが開始される。 【0116】 次いで、図15(f)で示されるように2枚目の2次転写が開始されたところで3枚目の記録媒体がレジストローラ13のところまで搬送開始される。 【0117】 3枚目の記録媒体は図15(g)で示される状態になるまでには、レジストローラ13のところまで搬送される。それにより紙残量検知センサ23によって、不図示の装置制御部は記録媒体が無い場合のシーケンスを実行する。以下にそれを示す。なお、1枚目の2次転写の途中で図16及び図15(e)に示すように3枚目の1次転写が開始される。 【0118】 不図示の制御部は3枚目、4枚目のイエローの1色目を上記1枚目、2枚目と同様に1次転写する(図16参照)。そして、2色目以降のマゼンタ、シアン、ブラックのとき、3枚目のトナー像を前記同様に1次転写するが、4枚目のトナー像が感光ドラム2上にあり、かつそれが中間転写体1と接触する部分で(図15(b)から15(c)で示される間)中間転写体1にマイナスのバイアス(-1〜-3kV)を印加することによって、感光ドラム上のマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が中間転写体1に転写されないようにし、かつイエローのトナー像を感光ドラム2上に戻しそのトナーをクリーナ10でクリーニングする。 【0119】 4色目の3枚目のトナー像を形成し終わった時(図15(b))中間転写体に印加されたマイナスの逆転写バイアスは図15(f)から図15(g)で示される3枚目の記録媒体への2次転写中も印加され続け、記録媒体への2次転写バイアスの印加終了とともに印加終了する。 【0120】 また図15(f)で示される位置で印加開始される2次転写バイアスは1〜5kVに中間転写体電位(-1〜-3kV)を加えたものとなる。以上のシーケンスは図16のシーケンスチャートに示されるようになる。 【0121】 なお、制御部(不図示)は画像形成部(不図示)に4枚目の画像を形成できなかったことを所定の信号で伝達し、画像制御部は給紙カセット22に記録媒体が補給された後、4枚目からの画像を出力する。 【0122】 【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発明による画像形成装置は、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始する前は、像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写中に中間転写体に所定電位を印加するとともにトナー像の中間転写体への転写終了後は所定電位の印加を停止させ、中間転写体上に形成されるカラートナー像の記録媒体への転写を開始した後は、カラートナー像の記録媒体への転写中に像担持体上に形成されるトナー像の中間転写体への転写が終了しても、カラートナー像の記録媒体への転写が終了するまでは所定電位の印加を停止させることなく継続するので、1次転写と2次転写が同時に行なわれることによる画像への悪影響を防止できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明による画像形成装置の第1実施例を示す概略構成図である。 【図2】 図1の画像形成装置のA3サイズのフルカラー1枚又は間欠の印字動作を説明するための説明図である。 【図3】 図2に示す印字動作に関するシーケンスチャートである。 【図4】 図1の画像形成装置のA3サイズのフルカラー連続印字動作を説明するためのシーケンスチャートである。 【図5】 図1の画像形成装置のA4横サイズの1枚又は間欠の印字動作を説明するための説明図である。 【図6】 図5に示す印字動作に関するシーケンスチャートである。 【図7】 図1の画像形成装置のA4横サイズのフルカラー連続印字動作を説明するためのシーケンスチャートである。 【図8】 本発明による画像形成装置の第2実施例を示す概略構成図である。 【図9】 図8の画像形成装置のA3サイズのフルカラー1枚又は間欠の印字動作を説明するための説明図である。 【図10】 図9に示す印字動作に関するシーケンスチャートである。 【図11】 図8の画像形成装置のA3サイズのフルカラー連続印字動作を説明するためのシーケンスチャートである。 【図12】 図8の画像形成装置のA4横サイズの1枚又は間欠の印字動作を説明するための説明図である。 【図13】 図12に示す印字動作に関するシーケンスチャートである。 【図14】 本発明による画像形成装置の第3実施例を示す概略構成図である。 【図15】 図1の画像形成装置のA4横サイズのトナー像を中間転写体に2枚形成する連続印字動作を説明するための説明図である。 【図16】 図15の印字動作に関するシーケンスチャートである。 【図17】 従来の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 【符号の説明】 1 中間転写体 2 感光ドラム(像担持体) 11 転写ローラ(転写手段) 14 記録媒体 16 現像手段 20 搬送ガイド(搬送手段) 22 給紙カセット(記録媒体積載手段) 23 紙残検知センサ(検知手段) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-09-28 |
出願番号 | 特願平7-19887 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZA
(G03G)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 小宮山 文男 |
特許庁審判長 |
石川 昇治 |
特許庁審判官 |
井出 和水 伏見 隆夫 |
登録日 | 2002-09-06 |
登録番号 | 特許第3347505号(P3347505) |
権利者 | キヤノン株式会社 |
発明の名称 | 画像形成装置 |
代理人 | 倉橋 暎 |
代理人 | 倉橋 暎 |