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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K
管理番号 1112152
審判番号 不服2003-17354  
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-01-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-09-05 
確定日 2005-02-16 
事件の表示 平成 6年特許願第162640号「マシンおよび装置のセッティング・パラメータの変更方法および変更用デバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 1月24日出願公開、特開平 7- 21332〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 (手続の経緯、本件発明)
本願は、平成6年6月21日(パリ条約による優先権主張1993年6月12日、ドイツ)の出願であって、その請求項1乃至6に係るそれぞれの発明は、平成13年4月26日付け、平成14年4月12日付けの各手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものであるところ、その請求項5に係る発明(以下、本件発明という。)は、次のとおりのものである。
「装置の動作条件を決定するためのデバイスであって、
セッティング・パラメータの値を変更するためのユーザ・フォームであって、装置の現在の動作条件を決定するセッティング・パラメータの値を表示する第1のマークが、ユーザが装置の現在の動作条件を読み取りおよび解釈するのが容易であるように、その上に直接作成されるユーザ・フォームを、薄層媒体上に作成するプリント手段と、
光ビームを発し、反射された光ビームを検出し、前記薄層媒体につけられた、ユーザが定めた第2のマークを読み取る光学読み取りヘッドと、
光読み取りヘッドに応答して、薄層媒体上で読み取られた第2のマークにしたがって、装置の動作条件を決定する、装置のセッティング・パラメータの値を変更するセッティング手段とを含むデバイス。」
(刊行物記載の発明)
これに対し、原審において拒絶の理由に引用された特開平5-35938号公報(以下、刊行物1という。)には、画像処理装置に関する発明が記載されており、「【0004】・・・本発明はジョブコントロールシートに定義された機械の動作指示情報を基に原稿から読み取られる入力画情報に対して画像処理を施して出力画情報を得る画像処理装置において、前記ジョブコントロールシートの4隅に原稿とを区別する特定のマークや模様を点対称に配置し、該特定のマークや模様の属性を一部または全部異ならせたものである。」、「【0006】・・・。図1はペーパーユーザインタフェースを用いた画像処理装置の制御回路のブロック図が示されている。CPU1はROM2内に格納されている制御プログラムを実行し、各種の入力装置からの入力画情報を基に画像処理を施して出力画情報を作成した後に本機の記録部(IOT)50またはネットワーク回線LANを通じて他の画像処理装置あるいは電話回線を通じてFAXに出力させる。ここで、入力画情報とは少なくともジョブコントロールシートに定義された機械の動作指示情報および原稿の画像情報を持っており、他にユーザのID情報を含めて構成される。また出力画情報とは原稿の出力画像情報の他に変更されたジョブコントロールシートの出力画像情報も含まれている。更に入力装置は本機のコントロールパネル、キーボード、マウス等のユーザインタフェース(UI)20,自動原稿送り装置(ADF)30にセットされたジョブコントロールシートと原稿の束(以下、バッチと称す)の読み取りを行う画像読取り部(IIT)40およびその他ネットワーク回線や電話回線で本機に接続された他の画像処理装置(図示せず)によって構成される。」、「【0007】 ジョブコントロールシートの入力画情報は、シリアルI/O(3),インタフェース(IF)4,5を介してCPU1に取り込み、原稿のセット方向などのシート検知マークからの情報および用紙サイズ、枚数、宛て先などのジョブの属性が認識され、確定したジョブの属性情報が当該ジョブのID情報と一緒にバックアップRAM6やメモリカード7に記憶される。同時にグラフィックコントローラ8が起動され、ROM2に格納されたフォーマット生成タスクを実行してマルチプレクサ14を通してデータバスに取り込まれた入力画情報あるいはインタフェース4,5、ゲート15を介してデータバスに取り込まれた入力画情報を基に描画メモリ9上に作画すると共に、フォントROM10から文字を読み出して描画メモリ9に書き込んでジョブコントロールシートのイメージパターンを生成する。上記グラフィックコントローラ8の機能は原稿の入力画情報に対しても同一であって、描画メモリ上には原稿のイメージパターンを生成する。」、「【0008】・・・。次にジョブコントロールシートについて説明する。図2は、ジョブコントロールシートのフォーマットが示されている。ジョブコントロールシート100は、図2に示されるように、4隅でかつ点対称にシートの属性が異なるシート検知マーク101(a〜d)が配置され、このマークの内側にジョブの属性をチェックする記入欄103を有するジョブコントロール指定部102(a,b,…)が設けられている。 シート検知マーク101が4隅に配置されていることによりスキャン開始直後に識別でき、しかも点対称に配置されているため、どの方向からでもシートを読み取ることができる。各マークのシート属性にはスキャン方向を表す属性、例えば縦順方向、縦逆方向、横順方向および横逆方向などの情報を持たせている。」、「【0014】 次にジョブコントロールシートの作用について説明する。ユーザが指定したいジョブをジョブコントロールシートのチェック欄に、例えば塗りつぶしやXマークでチェックし、このジョブコントロールシートを図3に示すように原稿に重ねる。この原稿の束を原稿送り装置(ADF)にセットすると、ジョブコントロールシートから画像読取り部(IIT)に送られる。画像読取り部は原稿またはジョブコントロールシートの画像を電気信号、すなわち入力画情報に変換する。この入力画情報はマルチプレクサを通して描画メモリに記録されると共に、CPUでは入力画情報からシート検知マークを識別すると、現在スキャンしている画像はジョブコントロールシートであると判断し、ジョブコントロールシートのジョブ内容の認識処理を実行する。尚、ジョブ内容認識処理はジョブコントロールシート以外の原稿のときには実行しない。」と説明されている。
(対比)
本件発明と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、
(a)上記刊行物1記載の発明は画像読取り部40を備えているところ、画像読取手段が、光ビーム発生手段及び光ビーム検出手段を備え、光ビーム発生手段からの光ビームをマークの付された媒体に照射し、そこで反射された光ビームを光ビーム検出手段で検出するといった本件出願前普通に知られたことであるから、本件発明が、光ビームを発し、反射された光ビームを検出し、薄層媒体につけられた、ユーザが定めた第2のマークを読み取る光学読み取りヘッドを備えるとする点は、上記刊行物1記載の発明との実質的な差異には当たらない。
(b)上記刊行物1にはジョブコンロールシートが記載されており、本件発明のセッティング・パラメータの値を変更するためのユーザ・フォームと実質的な差異はない。
そして、上記刊行物1記載の発明においては、ジョブコンロールシートを読み取り、そのジョブコンロールシート中の機械の動作指示方法等の属性情報を確定、記憶して以降の処理を行うようにしており、本件発明が、薄層媒体上で読み取られた第2のマークにしたがって、装置の動作条件を決定する、装置のセッティング・パラメータの値を変更するセッティング手段とを含むとする点と実質的な差異はない。
したがって、本件発明と上記刊行物1記載の発明とは、次の点で相違し、その余では一致する。
本件発明が、装置の現在の動作条件を決定するセッティング・パラメータの値を表示する第1のマークが、ユーザが装置の現在の動作条件を読み取りおよび解釈するのが容易であるように、その上に直接作成されるユーザ・フォームを、薄層媒体上に作成するプリント手段を含むとしているのに対し、上記刊行物1にはその点についての記載がない点
(相違点についての検討)
しかるに、プリンタを備え、機器の設定に際して、以前に設定した設定内容を初期設定用紙にプリントしたり、同じフォーマットで且つチェック印のない未設定の初期設定用紙をプリントし、その用紙にチェック印を付して初期設定を行なうとすることは本件出願前普通に知られたことである(必要ならば、例えば、特開平4-163078号公報を参照されたい。)から、これを関連する技術分野に属する上記刊行物1記載の発明に適用し、本件発明のように、装置の現在の動作条件を決定するセッティング・パラメータの値を表示する第1のマークが、ユーザが装置の現在の動作条件を読み取りおよび解釈するのが容易であるように、その上に直接作成されるユーザ・フォームを、薄層媒体上に作成するプリント手段を含むとすることは、当業者が容易になし得ることにすぎない。
(まとめ)
したがって、本件発明は、上記刊行物1記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2004-09-06 
結審通知日 2004-09-14 
審決日 2004-09-30 
出願番号 特願平6-162640
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 桜井 茂行前田 仁  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 小田 浩
山中 実
発明の名称 マシンおよび装置のセッティング・パラメータの変更方法および変更用デバイス  
代理人 岡田 次生  

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