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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1114490
審判番号 不服2000-9026  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-03-03 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-15 
確定日 2005-03-31 
事件の表示 平成 8年特許願第214842号「遊技機製造用加熱装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 3月 3日出願公開、特開平10- 57551〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本件出願は、平成8年8月14日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成12年4月13日付けの手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】 加熱対象品を一方向に移動と停止とを間欠的に繰り返すように搬送し、当該搬送停止中で搬送方向に隣接する複数の加熱対象品にそれらを覆う大きさのホットプレートを押し付けて、複数の加熱対象品を温める遊技機製造用加熱装置において、ホットプレートで覆われる搬送方向に隣接する加熱対象品と同数のヒータブロックと、ホットプレートに覆われる複数の加熱対象品をヒータブロックの間隔に相当する送り幅で間欠的に搬送する搬送機構とを備え、各ヒータブロックはホットプレートに搬送方向に並列配置された複数の発熱体を備えたことを特徴とする遊技機製造用加熱装置。」

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本件出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭61-240981号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、
「遊技機の遊技盤を構成するための基板・・・を一枚宛加熱乾燥させる加熱手段と、・・・貼合手段と、・・・押圧手段とを上記順序で配設するとともに、・・・複数の基板を一枚宛分離して上記加熱手段に送り出す送出手段を設け、・・・基板を間欠的に移動させる移送手段を設けた・・・化粧板貼付システム。」(特許請求の範囲、請求項第(1)項)、
「この発明は、パチンコ機のような遊技機の遊技盤を構成する際の基板となるベニヤ板への化粧板の貼付システムに利用して有効な技術に関する。」(第1頁右欄下段第8〜10行)、
「手段10は、遊技盤の基板となるベニヤ板1を一枚宛送り出す送出手段で、・・・。上記送出手段10によって送り出されたベニヤ板1は次段の加熱手段30内に入り、一旦停止される。そして、加熱部を有する昇降機31が降下して・・・乾燥させる。加熱が終了するとベニヤ板1は、・・・糊付手段40内へ入る。」(第3頁左欄上段第7〜18行)、
「ベニヤ板が一枚ずつ分離されて前方へ送り出され、・・・送出手段10が次の加熱手段30へ次々とベニヤ板を送り出して行く。」(第4頁右欄上段第9〜17行)、
「加熱手段30としてのホットプレスの詳細・・・送出手段10から加熱手段30にまたがって配設された上記移送用チェーン17間には、・・・底盤32が配設され・・・移送方向の長さがベニヤ板1の長さの3倍以上になるように形成され・・・昇降盤31が底盤32と対峙されている。昇降盤31は、・・・、その下面にはパイプヒーター等を内蔵する加熱部34が設けられ、約150〜160°の温度を保つように加熱されている。」(第4頁右欄上段第18行〜同頁左欄下段第11行)、
「昇降盤31が上昇した状態で、チェンバー20によって底盤32上を移送されて来たベニヤ板1が所定の位置に来ると、・・・停止される。それから・・・チェンバー20によってベニヤ板1が前方へ移動される。一定距離(ベニヤ板1の長さよりも少し長い距離)移動すると再びモータ16が停止され、昇降盤31が降下される。ベニヤ板1が加熱手段30を通過する間に上記加熱圧縮が3回繰り返えされ、・・・加熱される。」(第4頁右欄下段第1〜17行)、
「本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。」(第7頁左欄下段第1〜4行)、
「各手段もしくはこれらの手段間にはベニヤ板を間欠的に移動させる移送手段を設けるようにした・・・」第7頁左欄下段第19行〜同頁右欄第1行)、
との記載が認められ、
また、第7図の記載を参照すると、
「昇降盤31に設けた加熱部34が移動方向に隣接する2枚幅のベニヤ板1を覆う大きさになっており、また、加熱部34は、ベニヤ板1を移動方向に3回加熱する3つの加熱領域を持ち、ベニヤ板1の間欠的な移動により3つの加熱領域内で最大2枚のベニヤ板1を加熱するように」構成されていることは、当業者にとって明らかである。これらの記載によれば、引用例1には、
「ベニヤ板1を前方に移動と停止とを間欠的に繰り返すように移動させ、当該移動停止中で移動方向に隣接する2枚幅のベニヤ板1を覆う大きさの昇降盤31に設けた加熱部34を押し付けて、最大2枚のベニヤ板1を温める遊技機の化粧板貼付システムのホットプレスにおいて、昇降盤31に設けた加熱部34で覆われる移動方向にベニヤ板1を3回加熱する3つの加熱領域と、昇降盤31に設けた加熱部34に覆われる最大2枚のベニヤ板1を1つの加熱領域の間隔に相当する送り幅で間欠的に移動させる移送手段とを備え、加熱部34はパイプヒーターを内蔵するようにした遊技機の化粧板貼付システムのホットプレス。」
との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。
次に、原査定の拒絶の理由に引用された本件出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開平7-155431号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、
「遊技盤を構成する・・・合板の表面を複数工程で加熱するためのホットプレスと、・・・密着用プレスとからなる弾球遊技機遊技盤の化粧板貼付装置。」(特許請求の範囲【請求項1】)、
「合板を最適な接着状態に保つためには、例えば合板表面を80度Cに加熱する必要がある。この表面温度を得るには加熱器を140度Cに保つ必要がある。しかしながら、140度Cで合板表面を一気に加熱すると、木製のために表面に焼き焦げが生じることがある。」(段落【0004】)、
「この発明の目的は、合板と化粧板と貼付時の合板の加熱を複数工程で行い、合板表面の焼付きを防止する弾球遊技機遊技盤の化粧板貼付装置を提供することにある。」(段落【0007】)、
「この発明の・・・装置は、・・・移送コンベヤ上で複数枚の合板を同時並行的に順送りし、移送方向に順に並べられたホットプレスにより複数枚の合板の表面を複数工程で順に加熱する。」(段落【0015】)、
「さらに、この発明の・・・装置は、・・・、複数のホットプレスにより低温より高温に順次加熱し、段々と高温にする。」(段落【0016】)、
「移送コンベヤ6により移送される合板は、・・・バフ加工される。次にホットプレス8により合板は加熱される。ホットプレス8は、3工程で合板を加熱する。」(段落【0020】)、
「図9、図10に、合板Gを加熱するためのホットプレス8,8,8が示されている。ホットプレス8は、前記各移送コンベヤ6,6の各移送路についてそれぞれに3組が移送方向に並んで設けられている。移送コンベヤ本体102に3組の油圧シリンダ120,120,120が移送方向に並んで設けられている。以下、この1組について説明する。油圧シリンダ120の下方から鉛直方向に延びるピストンロッド121の下端に加熱装置122が取り付けられている。加熱装置122の下端面は平面に形成されている。」(段落【0037】)、
「加熱装置122の下端面に熱が供給されるように、加熱装置122はヒーター123を内部に備えている。移送方向に並ぶホットプレスの加熱装置122は、移送方向に温度が高くなるヒーター123を内部に備えている。搬送方向に並ぶ3つの・・・ホットプレス8,8,8は、移送するにつれ低温より高温に順次加熱しながらプレスする手段である。」(段落【0038】)、
「このような停止状態の合計6枚の合板に対して、6台のホットプレス8の加熱押圧体122が降下する。・・・駆動搬送面と加熱押圧体122とで挟まれ加熱押圧体122のヒーター123から熱を受けて、各合板は平面度が高い合板に成形される。このような成形が終わると、・・・、移送コンベヤ6により次の工程部に移送される。」
(段落【0075】)
との記載が認められ、これらによれば、引用例2には、
「移送方向に隣接する3枚の合板Gと同数の3台のホットプレス8の加熱押圧体122」を設けている技術的事項が記載されているものと認められる。

3.対比
そこで、本願発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「ベニヤ板1」、「前方に」、「2枚幅のベニヤ板1を覆う大きさ」、「昇降盤31に設けた加熱部34」、「遊技機の化粧板貼付システムのホットプレス」、「加熱領域」、「最大2枚のベニヤ板1を1つの加熱領域の間隔に相当する送り幅」、「移送手段」および「パイプヒーター」は、順に、本件請求項1に係る発明における「加熱対象品」、「一方向に」、「複数の加熱対象品にそれらを覆う大きさ」、「ホットプレート」、「遊技機製造用加熱装置」、「ヒータブロック」、「複数の加熱対象品をヒータブロックの間隔に相当する送り幅」、「搬送機構」および「発熱体」に相当する。したがって、両者は、
「加熱対象品を一方向に移動と停止とを間欠的に繰り返すように搬送し、当該搬送停止中で搬送方向に隣接する複数の加熱対象品にそれらを覆う大きさのホットプレートを押し付けて、複数の加熱対象品を温める遊技機製造用加熱装置において、ホットプレートで覆われる加熱対象品に対するヒータブロックと、ホットプレートに覆われる複数の加熱対象品をヒータブロックの間隔に相当する送り幅で間欠的に搬送する搬送機構とを備え、ホットプレートに発熱体を備えたことを特徴とする遊技機製造用加熱装置。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、ヒータブロックと加熱対象品の対応関係について、本願発明は、ホットプレートで覆われる搬送方向に隣接する加熱対象品と同数のヒーターブロックであるのに対し、引用例1発明は、そのように構成されているかどうか不明である点。
相違点2、ヒータブロックの発熱構造について、本願発明は、各ヒータブロックがホットプレートに搬送方向に並列配置された複数の発熱体を備えているのに対し、引用例1発明は、そのように構成されているかどうか不明である点。

4.判断
上記相違点について検討する。
相違点1について検討すると、引用例1発明は、1枚のベニヤ板1を移動方向に3回加熱するため、3つの加熱領域を持つ加熱部34で対応し、それぞれの加熱領域には、ベニヤ板1が1移動ごとに有り・無しの配置となって、それを繰り返している。つまり、加熱部34へのベニヤ板1の供給が断続的に行われ、加熱領域の数だけベニヤ板1が供給されていない。しかし、引用例2記載のように「移送方向に隣接する3枚の合板Gと同数の3台のホットプレス8の加熱押圧体122を設け」て、合板Gと加熱押圧体122とが1対1で対応するようにしたことがすでに知られており、ベニヤ板等の加熱対象物の供給とその加熱に当たり、前記引用例1発明の昇降盤31に設けた加熱部34の加熱領域に代えて、本願発明のように、ホットプレートで覆われる搬送方向に隣接する加熱対象品と同数のヒータブロックを設けることは、当業者が容易に想到し得る事項である。
相違点2について検討すると、引用例1発明は、加熱部にパイプヒーターを内蔵しているがその内部構造が不明である。しかし、加熱部としての熱板を複数の領域に分けてそれぞれの領域にヒータを設けることは、従来周知であり(例えば、特開昭62-234695号公報、特開平4-182100号公報参照。)、そしてまた、ヒータを被加工物の搬出・搬入方向に対して直角に、所定等間隔で内設することも、例えば、特開平4-187400号公報のように従来周知である。してみると、前記引用例1発明の加熱部の加熱領域を、本願発明のように、各ヒータブロックをホットプレートに搬送方向に並列配置された複数の発熱体を備えたものにすることは、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。
そして、本願発明が上記相違点に係る構成を採ることによりもたらされる効果は、引用例1および引用例2に記載された発明および周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって格別のものとは認められない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用例1および引用例2に記載の発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本願の他の請求項に係る発明を検討するまでもなく本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-01-24 
結審通知日 2005-01-25 
審決日 2005-02-15 
出願番号 特願平8-214842
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
林 晴男
発明の名称 遊技機製造用加熱装置  
代理人 宮園 純一  
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