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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G06F
審判 一部申し立て 4項(5項) 請求の範囲の記載不備  G06F
管理番号 1114525
異議申立番号 異議2003-70393  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-10-05 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-02-10 
確定日 2004-11-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3313359号「複合機及びステータス通知方法」の請求項1、4ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3313359号の請求項5に係る特許を取り消す。 同請求項1、4、6ないし9に係る特許を維持する。 
理由 1. 手続の経緯
本件特許第3313359号に係る発明についての出願は、平成11年1月28日(1999.1.28)に特許出願した特願平11-1951号を分割して平成13年1月23日に新たな特許出願(特願2001-14908号)し、平成14年5月31日にその発明について特許の設定登録がなされた(請求項の数10)後、その特許について、特許異議申立人キャノン株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年9月16日に訂正請求がされた後、訂正拒絶理由通知がなされ、訂正拒絶理由に対して手続補正書が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正請求に対する補正の適否について
当該補正は、訂正請求における請求項5についての訂正事項を削除し、請求項5を元に戻すものであるから、適法なものと認める。
2-2.訂正の適否について
上記補正が認められるので、特許権者が求めている訂正の内容は、特許請求の範囲について、請求項6を削除すると共に、以下のように訂正するものである。
「【請求項1】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、
構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルとから構成され、ホームページに機能表示画面部分及びステータス画面部分を分割表示させるホームページファイルを蓄積した記憶部と、
前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す前記各デバイス右欄毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換えるステータス情報生成手段と、
ネットワーク経由で接続されたクライアント端末からの要求に対して該当ファイルを前記クライアント端末へ送信してホームページを前記クライアント端末のブラウザで閲覧可能にするWWWサーバ部とを備え、
前記WWWサーバ部がクライアント端末から受信したホームページファイルの要求に対して前記メインファイル及びステータスファイルを送信して前記クライアント端末にて前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とから構成されるホームページ画面を表示し、前記クライアント端末から前記ステータスファイルが要求されたら最新のステータスファイルだけを送信して前記ステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機。
【請求項2】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、
構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルとから構成され、ホームページに機能表示画面部分及びステータス画面部分を分割表示させるホームページファイルを蓄積した記憶部と、
前記各デバイスのいずれかに状態変化があると状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換えるステータス情報生成手段と、
ネットワーク経由で接続されたクライアント端末からの要求に対して該当ファイルを前記クライアント端末へ送信してホームページを前記クライアント端末のブラウザで閲覧可能にするWWWサーバ部とを備え、
前記WWWサーバ部がクライアント端末から受信したホームページファイルの要求に対して前記メインファイル及びステータスファイルを送信して前記クライアント端末にて前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とから構成されるホームページ画面を表示し、前記クライアント端末から前記ステータスファイルが要求されたら最新のステータスファイルだけを送信して前記ステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機において、
前記ステータスファイルは、ステータス情報を更新する更新時間が設定されていて、前記クライアント端末において前記ホームページを表示したまま前記更新時間が経過したら当該クライアント端末から自動的に前記ステータスファイルの要求を発生させて、前記クライアント端末へ前記ステータスファイルだけを送信することによりホームページのうちステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機。
【請求項3】 前記ステータス画面部分にステータス情報の更新指示ボタンを設け、前記更新時間が経過する前に前記更新指示ボタンが選択されたならば即座に前記ステータスファイルの要求を発生させることを特徴とする請求項2記載の複合機。
【請求項4】 前記ステータス情報生成手段は、前記各デバイス毎に複数に分類されたデバイス状態と複数のステータス情報とを対応づけるテーブルを参照して、状態変化が検出されたデバイスの変化後のステータス情報を選択する請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合機。
【請求項5】 前記機能表示画面部分には、文書の転送指示を行うための指示ボタンを表示することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の複合機。
【請求項6】 前記ステータス情報は、デバイス状態を画像で示す状態アイコンとして表示され、この状態アイコンは、前記ステータスファイルの中に書き換え可能なファイル名で設定され、複数の状態にそれぞれ対応して登録された複数のファイル名の中からいずれか1つを選んで前記ステータスファイルに設定されて前記ステータス画面部分に表示されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合機。
【請求項7】 前記状態アイコンは、デバイスの状態を記述したコメントを含むことを特徴とする請求項6に記載の複合機。
【請求項8】 前記ステータス情報としてアイドルの情報を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の複合機。
【請求項9】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルと、を別々に管理し、前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す情報を前記各デバイス毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイス状態変化後ののステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記ステータスファイルの書き換えを実行し、前記複合機にネットワーク経由で接続されたクライアント端末からホームページファイルの要求を受信したら、前記メインファイル及びステータスファイルを前記クライアント端末へ送信し、前記クライアント端末において開かれたホームページに前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とを分割表示する、ことを特徴とするステータス通知方法。」

2-3.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正は、【請求項1】については、
a.冒頭の「プリンタ機能、コピー機能を併せ持つ複合機において」なる記載を「プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において」に、
b.ステータスファイルについての記載における「前記各機能」なる記載を「前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイス」に、
c.ステータスファイルについて「ステータス情報を機能毎に表示する」なる記載を「ステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示する」に、
d.ステータスファイル情報生成手段について「前記機能に対応するデバイスに状態変化があると状態変化後の」を「前記各デバイスのいずかれに状態変化があると、変化した状態を示す情報を前記各デバイス毎にに記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後の」に、それぞれ訂正するものである。
上記aの訂正事項は、当該請求項における「複合機」について明りょうにしたもので、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当し、明細書の段落【0001】の記載に基づいたものである。上記b,cの訂正事項は、当該請求項に係る発明における「ステータスファイル」についてさらに具体的に限定し明りょうにしたもので、特許請求の範囲の減縮および明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当し、主に明細書の段落【0050】及び図6の記載に基づくものである。
上記dの訂正事項は、当該請求項に係る発明の構成要素である「ステータス情報生成手段」について更に具体的に限定するもので、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当し、主に明細書の段落【0055】〜【0059】及び図9の記載に基づくものである。
同じく請求項2についての訂正は、請求項1と請求項2を組み合わせたもので、請求項1に対応する部分は上記a〜dと同様の訂正をするものであり、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当する。
(請求項4について)
「各機能毎に」を「前記各デバイス毎に」に訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当し、主に明細書の段落【0060】、【0061】及び図8の記載に基づくものである。
【請求項6】(旧請求項7)について
状態アイコンについて、「前記ステータス情報としてデバイス状態を画像で示す状態アイコンを用いる」との記載を「この状態アイコンは、前記ステータスファイルの中に書き換え可能なファイル名で設定され、複数の状態にそれぞれ対応して登録された複数のファイル名の中からいずれか1つを選んで前記ステータスファイルに設定されて前記ステータス画面部分に表示される」と訂正するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当し、主に明細書の段落【0051】、【0060】、【0061】、図7及び図8の記載に基づくものである。また、当該請求項は、請求項の従属関係の整合性をとるための訂正もされていることから、明りょうでない記載の釈明を目的としたものにも該当する。
【請求項7】、【請求項8】について
当該請求項における訂正事項は、請求項の従属関係の整合性をとるためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当する。
【請求項9】(旧請求項10)について
当該請求項における訂正の内容は、【請求項1】の場合と同様であり、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当し、【請求項1】の場合と同様の段落及び図面の記載に基づくものである。
また、上記各訂正は、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を実質上拡張し、又は変更するものでもない。
2-4.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。

3. 特許異議の申立てについて
3-1.申立ての理由の概要
特許異議申立人は、甲第1号証乃至甲第4号証及び参考文献1,2を提出して、本件の特許査定時の特許請求の範囲の請求項1、4乃至10に記載された発明は、甲第1号証乃至甲第4号証に記載された発明と周知技術とから当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の特許査定時の特許請求の範囲の請求項1、4乃至10に記載された発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、また、本件の特許査定時の特許請求の範囲の請求項1、5、6及び10の記載は不明りょうであり、本件の特許査定時の特許請求の範囲の請求項1、5、6及び10に記載された発明の特許は特許法第36条第4項又は第6項の規定に違反してなされてものであり、取り消されるべき旨主張する。

3-2.記載不備について
請求項1,10について検討すると、特許査定時の請求項1、10は上記訂正によりそれぞれ上記【請求項1】、【請求項9】に訂正された結果、申立人が指摘した不明りょうな点は解消したので、請求項1,10は特許法第36条第4項又は第6項に規定する要件は満たしているものと認める。
請求項5について検討すると、当該請求項に記載されている「文書を転送する指示ボタン」とは如何なるものであるか発明の詳細な説明を参照しても不明である。
したがって、当該請求項は特許法第36条第5項に規定する要件を満たしていないので当該請求項に係る特許は取り消されるべきものである。
特許査定時の請求項6については上記訂正により削除された。

3-3.進歩性について
3-3-1.本件発明
上記のとおり、訂正は認められるから、本件特許の発明(請求項1、請求項4、請求項6〜8、請求項9)は、訂正された特許明細書に記載されたとおりのものであると認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、次のとおりである。
「プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、
構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタ及びスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルとから構成され、ホームページに機能表示画面部分及びステータス画面部分を分割表示させるホームページファイルを蓄積した記憶部と、
前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す前記各デバイス右欄毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換えるステータス情報生成手段と、
ネットワーク経由で接続されたクライアント端末からの要求に対して該当ファイルを前記クライアント端末へ送信してホームページを前記クライアント端末のブラウザで閲覧可能にするWWWサーバ部とを備え、
前記WWWサーバ部がクライアント端末から受信したホームページファイルの要求に対して前記メインファイル及びステータスファイルを送信して前記クライアント端末にて前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とから構成されるホームページ画面を表示し、前記クライアント端末から前記ステータスファイルが要求されたら最新のステータスファイルだけを送信して前記ステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機。」

3-3-2.取消しの理由で引用された刊行物に記載された発明
刊行物1:特開平10-164115号公報(申立人の提出した甲第1号証)
同刊行物には、ネットワーク周辺機器と通信する方法及び装置に関し、複写機にネットワークインターフェースボード(NIB)を接続し、NIBは、複写機との間で通信を行って複写機のステータスなどの情報を取り込み、複写機のステータスをHTTPプロトコルを用いて外部にあるパソコン端末で閲覧可能にすることや、閲覧の際、パソコン端末に、ステータス画面とメイン画面とからなるホームページ画面を表示されることが記載されている。
刊行物2:特開平7-79307号公報(申立人の提出した甲第2号証)
同刊行物には、ファクシミリ機能を備えた複写装置において、画像メモリコントローラ、各装置及びソータ等の使用状態、割り当ての状態等、デバイスの状態を表示することが記載されている。
刊行物3:特開平10-173890号公報(申立人の提出した甲第3号証)
同刊行物には、パーソナルコンピュータ内部のファイルを遠隔地のファクシミリ装置において取り出すことが可能なファクシミリ装置に関し、記憶しているデータをブラウザからの操作により、所定の宛先にファックス送信することが記載されている。
刊行物4:特開平10-191010号公報(申立人の提出した甲第4号証)
同刊行物には、LANに接続可能であり、かつ、LANに接続された端末からファクシミリ送信可能なファクシミリ装置に関し、WWWブラウザ上で電話帳の情報を登録、修正、削除することが可能であることが記載されている。
刊行物5:特開平9-18639号公報(申立人の提出した参考文献1)
同刊行物には、デジタル複写機及びその機能をネットワークのユーザから利用するためのネットワークインターフェースボードに関し、デジタル複写機の機能、例えばスキャニングとプリンティングの機能をネットワークのユーザから利用できるようにすることが記載されている。
刊行物6:特開平9-325925号公報(申立人の提出した参考文献2)
同刊行物には、ワールドワイドウェブなどの相互接続ネットワークとの組み合わせで使用される周辺装置を制御するための方法に関し、その周辺装置がウェブサーバを内蔵し、ウェブサーバを介して周辺装置を制御することが記載されている。
刊行物7:特開平10-269039号公報(原審で引用された文献)
同刊行物には、ネットワーク環境で使用する印刷システムに関し、プリンタ構成に応じた絵を含めた表現別の複数のHTMLファイルを予め用意しておくことにより更新手順を容易にすることが記載されている。
刊行物8:特開平9-244860号公報(原審で引用された文献)
同刊行物には、ラインを介して出力装置を接続するアイコンの表示制御装置に関し、プリンタの状態をアイコンで表示することが記載されている。

3-3-3.対比・判断
本件発明1と上記各刊行物に記載された発明とを対比すると、本件発明1は、「構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタ及びスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイル」という構成要件を備えると共に更に「前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す前記各デバイス右欄毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換える」という構成要件を備えるものであり、これらの構成要件により、いずれかのデバイスに状態変化があった場合に、状態変化のないデバイスも含めて、複数の異なるデバイスの状態に関する情報を複合機に内蔵のWWWサーバ部からクライアント端末に対して一度に送信することができ、クライアント端末では、一度に複数の異なるデバイスの状態を確認することが可能になるものである。しかし、刊行物1〜8のいずれにも本件発明の前記構成要件についての記載がなく示唆もない。
したがって、本件発明1は、刊行物1〜8に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができない。
請求項4、6、7、8、9に係る発明は、請求項1に記載された上記構成要件を含むものであるから、請求項1の場合と同様に、刊行物1〜8に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1、4、6〜8及び9に係る発明の特許については取り消しの理由を発見しない。
また、請求項5に係る発明の特許については、特許法第36条第4項又は第5、6項の規定に違反してされたものであるから取り消されるものである。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
複合機及びステータス通知方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、
構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルとから構成され、ホームページに機能表示画面部分及びステータス画面部分を分割表示させるホームページファイルを蓄積した記憶部と、
前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す情報を前記各デバイス毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換えるステータス情報生成手段と、
ネットワーク経由で接続されたクライアント端末からの要求に対して該当ファイルを前記クライアント端末へ送信してホームページを前記クライアント端末のブラウザで閲覧可能にするWWWサーバ部とを備え、
前記WWWサーバ部がクライアント端末から受信したホームページファイルの要求に対して前記メインファイル及びステータスファイルを送信して前記クライアント端末にて前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とから構成されるホームページ画面を表示し、前記クライアント端末から前記ステータスファイルが要求されたら最新のステータスファイルだけを送信して前記ステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機。
【請求項2】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、
構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルとから構成され、ホームページに機能表示画面部分及びステータス画面部分を分割表示させるホームページファイルを蓄積した記憶部と、
前記各デバイスのいずれかに状態変化があると状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記記憶部に蓄積された前記ステータスファイルを書き換えるステータス情報生成手段と、
ネットワーク経由で接続されたクライアント端末からの要求に対して該当ファイルを前記クライアント端末へ送信してホームページを前記クライアント端末のブラウザで閲覧可能にするWWWサーバ部とを備え、
前記WWWサーバ部がクライアント端末から受信したホームページファイルの要求に対して前記メインファイル及びステータスファイルを送信して前記クライアント端末にて前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とから構成されるホームページ画面を表示し、前記クライアント端末から前記ステータスファイルが要求されたら最新のステータスファイルだけを送信して前記ステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機において、
前記ステータスファイルは、ステータス情報を更新する更新時間が設定されていて、前記クライアント端末において前記ホームページを表示したまま前記更新時間が経過したら当該クライアント端末から自動的に前記ステータスファイルの要求を発生させて、前記クライアント端末へ前記ステータスファイルだけを送信することによりホームページのうちステータス画面部分だけを更新することを特徴とする複合機。
【請求項3】 前記ステータス画面部分にステータス情報の更新指示ボタンを設け、前記更新時間が経過する前に前記更新指示ボタンが選択されたならば即座に前記ステータスファイルの要求を発生させることを特徴とする請求項2記載の複合機。
【請求項4】 前記ステータス情報生成手段は、前記各デバイス毎に複数に分類されたデバイス状態と複数のステータス情報とを対応づけるテーブルを参照して、状態変化が検出されたデバイスの変化後のステータス情報を選択する請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合機。
【請求項5】 前記機能表示画面部分には、文書の転送指示を行うための指示ボタンを表示することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の複合機。
【請求項6】 前記ステータス情報は、デバイス状態を画像で示す状態アイコンとして表示され、この状態アイコンは、前記ステータスファイルの中に書き換え可能なファイル名で設定され、複数の状態にそれぞれ対応して登録された複数のファイルの中からいずれか1つを選んで前記ステータスファイルに設定されて前記ステータス画面部分に表示されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の複合機。
【請求項7】 前記状態アイコンは、デバイスの状態を記述したコメントを含むことを特徴とする請求項6に記載の複合機。
【請求項8】 前記ステータス情報としてアイドルの情報を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の複合機。
【請求項9】 プリンタ手段、コピー手段を併せ持つ複合機において、構造化記述言語で作成されホームページから提供可能な各種機能を表示する機能表示画面部分を構成するメインファイルと、構造化記述言語で作成され前記プリンタ手段、前記コピー手段を構成するプリンタおよびスキャナの各デバイスが動作可能状態であるかエラー状態であるかを示すステータス情報を前記各デバイス毎に一画面で表示するステータス画面部分を構成するステータスファイルと、を別々に管理し、前記各デバイスのいずれかに状態変化があると、変化した状態を示す情報を前記各デバイス毎に記憶し、この記憶した情報に基づいて、前記各デバイスの状態変化後のステータス情報が前記ステータス画面部分に表示されるように前記ステータスファイルの書き換えを実行し、前記複合機にネットワーク経由で接続されたクライアント端末からホームページファイルの要求を受信したら、前記メインファイル及びステータスファイルを前記クライアント端末へ送信し、前記クライアント端末において開かれたホームページに前記機能表示画面部分と前記ステータス画面部分とを分割表示する、ことを特徴とするステータス通知方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話回線網やインターネット又はLAN等のネットワークに接続してファクシミリデータや電子メールデータの送受信を行うことができコピー機能やプリンタ機能を持つインターネットFAX等の複合機に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近は、インターネットFAXとWWWサーバとを組み合わせてファクシミリ受信データを再利用する方法が提案されている。これは、インターネットFAXが電話回線から受信したデータを電子メールに変換する機能を利用したものである。
【0003】
図12に、インターネットFAXとWWWサーバを使用してファクシミリデータの送受信を行う場合のシステム構成を示す。
【0004】
まず、インターネットFAX1101が電話回線を介して受信したイメージデータは、インターネットFAX内で電子メールの添付ファイル形式に変換されて電子メールの添付ファイルとしてWWWサーバ1103宛てに送信される。
【0005】
インターネットFAX1101から転送された電子メールは、ネットワークを介して電子メールサーバ1102に受信される。電子メールサーバ1102に受信された電子メールは、再度ネットワークを介して宛先であるWWWサーバ1103へ転送される。
【0006】
WWWサーバ1103は、電子メールの添付ファイルをイメージデータとして蓄積し、ファクシミリ受信用ホームページにリンクする。ここまででファクシミリ受信データの蓄積が終了する。
【0007】
受信データをクライアントマシン1104に取り込むためには、ユーザがクライアントマシン1104上でWWWブラウザを起動してWWWサーバ1103のファクシミリ受信ホームページにアクセスする。そして、WWWサーバ1103からネットワークを介してクライアントマシン1104にイメージデータファイルを読み出す。
【0008】
ところで、上記ファクシミリ通信システムは大容量のイメージデータがネットワーク上を何度も転送されるためネットワークトラフィックが増大する問題がある。インターネットFAXにWWWサーバを組み込むことはネットワークトラフィックの増大を抑える上で有効な手段である。WWWサーバを組み込んだインターネットFAXの場合、イメージデータの送信者と受信者の双方がアクセスするため、これまでよりも多数のユーザが使用することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように多数のユーザが1つのインターネットFAXを使うようになると、インターネットFAXの機能(ファクシミリ通信機能、電子メール通信機能、サーバ機能、プリンタ機能等)の一部に故障が発生しても多くのユーザに影響がでることから、ユーザがいつでも現在の状況を簡単に把握できることが望まれる。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みて為されたもので、クライアントから装置各部の状況をホームページ形式で簡単に見ることのできる複合機及びステータス通知方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各機能の状態を表示するための構造化文書に登録される各ステータス情報を対応するデバイスの状態変化に応じて切替える一方、クライアントからの要求に応じて前記構造化文書を送信することで、クライアントに最新のステータス情報をホームページ形式で見られるようにした。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、装置各部の状態アイコンを表示させる構造化文書が保存された記憶部と、前記構造化文書上の状態アイコンを対応するデバイスの状態変化に応じて切替えるアイコン切替手段と、前記記憶部に保存された構造化文書を閲覧可能にするWWWサーバと、を具備する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、記憶部に保存された構造化文書をホームページ形式で閲覧可能であるとともに、構造化文書上の状態アイコンを対応するデバイスの状態変化に応じて切替えるので、ユーザに最新の状態が反映された状態アイコンを提示できる。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様のネットワークファクシミリ装置において、前記アイコン切替手段は、複数に分類されたデバイス状態と複数の状態アイコンとを対応づけるテーブルを参照して、状態変化が検出されたデバイスの変化後の状態アイコンを選択する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、テーブルによって複数に分類されたデバイス状態と複数の状態アイコンとが対応づけられるので、細分化されたデバイス状態の中から迅速に対応する状態アイコンを決定することができ、構造化文書中の状態アイコン名を書きかえることにより状態アイコンの変更を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1、2の態様のネットワークファクシミリ装置において、前記構造化文書を取込んで状態アイコンを表示しているクライアントから所定時間経過すると再びWWWサーバに対して前記構造化文書のファイル要求を発生させるように当該構造化文書上に命令文及び更新時間を埋め込んでおく構成を採る。
【0017】
この構成によれば、アイコン切替手段によって常に最新の状態が反映されている構造化文書が定期的にクライアントへ送られて更新されるので、クライアントに表示される状態アイコンを自動更新することができる。
【0018】
本発明の第4の態様は、第3の態様のネットワークファクシミリ装置において、クライアントからの処理要求を受けて、前記構造化文書に埋め込む更新時間を指定された更新時間へ変更する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、クライアントからの処理要求を受けて更新時間を更新するので、ユーザが所望の更新時間を設定できる。
【0020】
本発明の第5の態様は、第1、2、3、4の態様のネットワークファクシミリ装置において、前記状態アイコンは、デバイスの状態を記述したコメントを含む構成を採る。
【0021】
この構成によれば、デバイスの状態を記述したコメントが合わせて表示されるので状態をより確実にユーザに伝えることができる。
【0022】
本発明の第6の態様は、装置各部の状態アイコンを表示させる構造化文書を記億部に保存するステップと、装置各部のデバイスの状態変化を検出するステップと、状態変化の検出されたデバイスについて状態変化後のデバイス状態に対応した状態アイコンが表示されるように構造化文書の内容を更新するステップと、クライアントからのファイル要求に応えて前記構造化文書を送信するステップと、を具備する状態アイコン提示方法である。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1に本実施の形態にかかるネットワークファクシミリ装置の機能ブロックを示す。オペレーティングシステム上で動作するCPU1に、ROM2、RAM3及び外部記憶部4がCPU1からアクセス可能に接続されている。ROM2にはサーバ側処理プログラムを初めとした各種プログラムが記憶され、RAM3はROM2に記憶されるプログラムの作業エリア等として使用される。また、外部記憶部4には圧縮されたイメージデータやHTMLファイルなどが格納される。
【0025】
また、本実施の形態にかかるネットワークファクシミリ装置は、スキャナ部5、プリンタ部6、パネル部7、圧縮・伸長部8、FAX・音声通信部9及びネットワーク制御部10を備えており、これら構成要素がCPU1の管理下で動作するように構成されている。
【0026】
このネットワークファクシミリ装置は、スキャナ部5によって原稿などのイメージデータの読み取りを行い、読み取ったイメージデータ又は受信したイメージデータの印刷をプリンタ部6にて行う。また、パネル部7からユーザがイメージの読み込み指示や送信先の宛先入力などの操作を行えるようになっており、圧縮・伸長部8が受信したイメージデータの伸長または読み取ったイメージデータの圧縮を行う。FAX・音声通信部9は電話回線に接続し、ファクシミリ通信や音声通信を行い、ネットワーク制御部10はネットワークに接続し、ネットワークデータ通信及びデータ電子メール通信を行う。
【0027】
ROM2に格納されたプログラムには、HTMLファイル生成部11、WWWサーバー部12、電子メール通信部13、TIFF変換部14の各プログラムが含まれている。HTMLファイル生成部11、WWWサーバー部12、電子メール通信部13、TIFF変換部14は、CPU1がそれらのプログラムを実行することにより提供される機能であるが、説明の便宜上は図1に示すようにプログラム自体に付与した参照符号をつかってそれらの機能を説明する。
【0028】
HTMLファイル生成部11は、スキャナ部5、プリンタ部6、パネル部7、FAX・音声通信部9の状態(アイドル、動作中、エラー等)を、ホームページ形式で閲覧できるようにHTMLファイルに変換してサーバ登録する機能ブロックである。
【0029】
WWWサーバー部12は、WWWブラウザとの間でHTTPプロトコルにしたがった通信を行い、ホームページデータ(HTMLファイル)の受け渡しをする等のサーバ機能を提供する。
【0030】
電子メール通信部13は、ネットワークを介して電子メールの送受信を行う他、電子メールサーバとして機能する。また、TIFF変換部14は、符号化されたファクシミリデータや文書ファイルデータをTIFF形式に変換する機能を提供する。スキャナ部5又は蓄積されているファクシミリデータを電子メールで送信する場合は、TIFF変換部14でTIFF形式に変換し、このTIFFファイルを添付ファイルとして含む電子メールを作成する。すなわち、TIFFファイルをテキストコード化し、MIMEのような複合構造化メールのデータ部に入れる。一方、電子メールで受信したデータをファクシミリ送信する場合は、電子メールの電子ファイル部分をテキストコードからTIFFファイルにバイナリ変換する。また、TIFF変換部14でTIFFファイルを展開する。非圧縮であればさらに圧縮・伸長部8でMH等の圧縮処理を加えたデータを送信する。
【0031】
図2に、本実施の形態にかかるネットワークファクシミリ装置を電話回線及びネットワークに接続した場合のシステム構成を示す。図2において、ネットワークファクシミリ装置201は電話回線に接続するとともにネットワークインタフェースを介してネットワークに接続している。クライアントマシン202上でWWWブラウザを動作させることで、ネットワークファクシミリ装置201上で提供しているホームページの閲覧を行うことができるようになる。
【0032】
図3に、HTMLファイル生成部11、WWWサーバー部12、電子メール通信部13及びFAX・音声通信部9の機能ブロック及びブロック間のデータ処理の流れを示す。
【0033】
WWWサーバー部12は、WWWサーバ通信部31がHTTPプロトコルにしたがってクライアントマシン202上で動作しているWWWブラウザと通信する。WWWサーバ通信部31がクライアントマシン202から受信したコマンドはCGIストリング解析部32で解析される。
【0034】
CGIストリング解析部32は、受信データに含まれたCGIストリングを解析して、その解析結果をCGIアプリ判断部33に渡して該当するCGIアプリケーション34を起動する。CGIアプリケーション34は、受信データを用いて所定の処理を実行する。CGIアプリケーション34には、送信、HTML文書の削除、アドレス帳生成、装置設定などのアプリケーションが含まれる。例えば、送信CGIアプリケーションはクライアントマシンから指定された文書を指定された宛先にファクシミリ送信又は電子メール送信するように該当デバイスを制御する。
【0035】
ファイル送出部35は、クライアントマシン202からファイル要求の出されたファイルをファイル管理部36から受け取りWWWサーバ通信部31へ渡す。CGI処理の要求されていないファイル要求の場合にはファイル送出部35がファイル管理部36に対して該当ファイルを要求する。
【0036】
HTMLファイル生成部11は、ドキュメントリストのHTMLファイルを作成するドキュメントリスト生成部37、アドレス帳のHTMLファイルを作成するアドレス帳生成部38を備える。
【0037】
ドキュメントリスト生成部37は、受信電子メール、受信FAXを表示した受信リストのHTMLファイルを作成したり、CGIアプリケーション34から与えられる命令及び受信データによってHTMLファイルの一部を削除、編集、移動などする。
【0038】
アドレス帳生成部38は、アドレス帳CGIアプリケーションからの命令及び受信データによってアドレス帳のHTMLファイルを修正する。またアドレス帳生成部38は、電源投入時やアドレス帳の内容を変更などしたときに最新のアドレステーブルデータをアドレス帳のHTMLファイルに組み込む処理も実行する。
【0039】
また、HTMLファイル生成部11は、通信結果リスト生成部39及びステータス情報生成部41を備える。通信結果リスト生成部39は、FAX・音声通信部9及び電子メール通信部13から通信結果を示すログ情報を貰って通信結果リストを表したHTMLファイルを作成・更新する。
【0040】
ステータス情報生成部41は、スキャナ部5、プリンタ部6、パネル部7、FAX・音声通信部9からそれらの状態を示すステータス信号を取込んで上記各部の状態が登録されたHTMLファイルを作成・更新する。例えば、プリンタの状態としてアイドル、動作中、エラー(ジャム、トナー切れ)があるとすれば、これら各状態を視覚的に訴えるアイコンを作成しておく。そして、プリンタ部6からのステータス信号に応じて該当する状態のアイコンをHTMLファイル(ステータスhtml)に登録する。
【0041】
FAX・音声通信部9は、送信CGIアプリケーションから送信処理の指示、送信文書番号、宛先端末のFAX番号等を渡される。送信文書番号が渡された場合は該当文書番号の送信データ(イメージ)を外部記憶部4から取り出して送信バッファに入れ、電話回線に接続して宛先端末のFAX番号へ送信する。
【0042】
電子メール通信部13は、送信CGIアプリケーションから送信処理の指示、送信文書番号、宛先端末のメールアドレス等を渡される。送信文書番号が渡された場合は該当文書番号の送信データを外部記憶部4から取り出して送信バッファに入れ、LAN又はダイヤルアップでインターネットに代表される各種ネットワークに接続して宛先端末のアドレスへ送信する。
【0043】
次に、本実施の形態にかかるネットワークファクシミリ装置の動作について説明する。本装置の各部の現在の状態を表すアイコンをクライアントマシン202上に表示させる動作を、図4のフロー図に従って説明する。
【0044】
ネットワークファクシミリ装置は、ホームページアドレス(URLアドレス)が入力されるまでは待機状態にある。
【0045】
ネットワークに接続されたクライアントマシン202が、WWWブラウザ(閲覧ソフト)を起動し、ネットワークファクシミリ装置のURLを入力してアクセスする(ST401)。
【0046】
アクセスを受けたネットワークファクシミリ装置は、WWWサーバー部12がURLを受け取って応答する。WWWサーバー部12は、クライアントマシン202からURLを受信した場合、ホームページのメイン画面のファイルを表示するためのHTML文書であるインデックスファイル(index.html)を送出する(ST402)。
【0047】
クライアントマシン202のWWWブラウザは、index.htmlの内容を解析して必要なファイルを要求するコマンドをWWWサーバー部12に対して送出する(ST403)。
【0048】
図5に示すように、インデックスファイル(index.html)はメインファイル(main.html)とステータスファイル(status.html)とからなる。クライアントマシン202は、メインファイルとステータスファイルとをWWWサーバー部12に対してファイル要求する。メインファイルにはパーソナルアイコン、掲示板アイコン等のホームページのメイン画面部分を構成する各種ファイルが含まれているので、これらのファイル要求が出される。ステータスファイルにはパネル部7の状態を示すパネル状態アイコン(pnlxx.gif)、プリンタ部6の状態を示すプリンタ状態アイコン(prtxx.gif)、スキャナ部5の状態を示すスキャナ状態アイコン(scnxx.gif)、FAX・音声通信部9の状態を示す通信状態アイコン(faxxx.gif)のステータス画面部分を構成する各ファイルが含まれているので、これらのファイル要求が出される。
【0049】
クライアントマシン202では、上記ファイル要求で必要なファイルを取得してホームページメイン画面を表示させる(ST405)。図6に示すように、メイン画面はメインファイルに基づいて構成されたドキュメントフォルダ及び設定・ツールの各アイコンと、ステータスファイルに基づいて構成されたステータスの各アイコンとが表示される。
【0050】
パネル状態アイコン61、プリンタ状態アイコン62、スキャナ状態アイコン63及び通信状態アイコン64は、それぞれ各部の形態を観念的に表した形状のシンボルマークと、各シンボルマークのすぐ下に表記される各部の状態を示すコメントと、から構成される。シンボルマークは各状態に応じてその表示色が異なるようにしている。例えば、アイドル状態の色はグレー、動作中の色はグリーン、エラーはレッドとする。本実施の形態では、シンボルマークの表示色とコメントとで状態を表現している。図6に示す例では、プリンタ状態アイコン62は、プリンタの形態を観念的に表した形状のシンボルマーク65と、シンボルマーク65のすぐ下に表記された状態を示すコメント66=「パワーセーブ」とから構成される。
【0051】
図7にステータスファイルのソースファイルを示す。「IMG SRC=…」の行に状態アイコンのファイル名が設定されている。パネル状態アイコン61のファイル名は「pnl00.gif」、プリンタ状態アイコン62のファイル名は「prt00.gif」、スキャナ状態アイコン63のファイル名は「scn00.gif」、通信状態アイコン64のファイル名は「fax00.gif」である。これら状態アイコンのファイルを本ネットワークファクシミリ装置から取得して、図6に示すステータス画面部分を表示している。
【0052】
また、ステータスファイルには「META HTTP-EQUIV=…」の行に状態アイコンを更新する時間を設定している。「“Refresh” CONTENT=”xx”」で更新時間が定められる。
【0053】
ここで、本ネットワークファクシミリ装置におけるステータスファイルの生成動作について説明する。外部記憶部4にはステータスhtmlが保存されており、ステータス情報生成部41が、各部に状態の変化を検出するとステータスhtmlの該当データを更新している。
【0054】
図9にステータス情報生成部41によるステータスhtmlの更新動作のフローチャートを示す。スキャナ部5、プリンタ部6、パネル部7、FAX・音声通信部9では自己の動作状態を管理していて、定期的に又はリアルタイムで現在の状態を示すステータス信号をCPU1に通知する。又は、自己の動作状態をデバイス内に保持していて、CPU1がそのステータス信号を取りに行く。
【0055】
ステータス情報生成部41は、パネル部7のステータス信号をチェックして、前回チェック時のパネル状態と今回のパネル状態とが異なっているか否か判断する(ST901)。状態変化が検出されれば、今回のパネル状態に対応したパネル状態番号をセットし、フラグをONさせる(ST902)。このフラグは状態変化があったことを示すフラグである。パネル状態番号はパネル状態としてパネル状態アイコン61で表示予定の個々の状態に対して付与されている。他の状態番号も同様である。状態変化が検出されない場合は、プリンタ部6のチェックに移行する。
【0056】
次に、プリンタ部6のステータス信号をチェックして、前回チェック時のプリンタ状態と今回のプリンタ状態とが異なっているか否か判断する(ST903)。状態変化が検出されれば、今回のプリンタ状態に対応したプリンタ状態番号をセットし、フラグをONさせる(ST904)。状態変化が検出されない場合は、スキャナ部5のチェックに移行する。
【0057】
次に、スキャナ部5のステータス信号をチェックして、前回チェック時のスキャナ状態と今回のスキャナ状態とが異なっているか否か判断する(ST905)。状態変化が検出されれば、今回のスキャナ状態に対応したスキャナ状態番号をセットし、フラグをONさせる(ST906)。状態変化が検出されない場合は、FAX・音声通信部9のチェックに移行する。
【0058】
次に、FAX・音声通信部9のステータス信号をチェックして、前回チェック時の通信状態と今回の通信状態とが異なっているか否か判断する(ST907)。状態変化が検出されれば、今回の通信状態に対応した通信状態番号をセットし、フラグをONさせる(ST908)。
【0059】
このようにして各部の状態チェックが終了したら、フラグがONされたデバイスがあったかどうかチェックする(ST909)。フラグがONされたデバイスがあればステータスhtmlの更新を行う(ST910)。
【0060】
ステータスhtmlの更新について、プリンタを例に説明する。図8にプリンタ状態番号とファイル名の対応テーブルを示す。プリンタ部6で発生する個々の状態に対してプリンタ状態番号が付与されている。対応テーブルには、各プリンタ状態番号に対応してプリンタ状態アイコンのファイル名(gifファイル)が登録されている。このgifファイルに、プリンタ状態番号に対応したプリンタ状態を視覚的に示すシンボルマークとコメントが含まれている。対応テーブルに登録されている状態アイコンのgifファイルは外部記憶部4に状態アイコンファイル群として保存されている。
【0061】
ステップST910では、図8の対応テーブルを参照して、フラグONされたデバイスの状態番号に対応する状態アイコンのファイル名を取得する。そして、外部記憶部4から図7のステータスhtmlを取り出す。いま、プリンタ部6の状態がパワーセーブ状態から用紙切れ状態に変化したものとする。この場合、更新前のステータスhtmlにはプリンタ状態アイコンのファイル名として”prt00.gif”が設定されている。更新処理では、プリンタ状態アイコンのファイル名を”prt00.gif”から”prt02.gif”に書換える。”prt02.gif”のファイルには、プリンタシンボルをレッドで表示したシンボルマークと「用紙切れ」のコメントとからなるプリンタ状態アイコンが登録されている。したがって、クライアントマシン202が更新後のステータスhtmlを読み込むと、プリンタ状態アイコン62が用紙切れを表すアイコンに変わる。
【0062】
このように、本ネットワークファクシミリ装置側ではステータス情報生成部41が、スキャナ部5、プリンタ部6、パネル部7、FAX・音声通信部9の状態を監視していて、状態に変化があれば変化後の状態に対応した状態アイコンをステータスhtmlに反映させている。
【0063】
図10にクライアントマシン202でステータスhtmlを読み込むタイミングのフローチャートを示す。上記したように図6のホームページのメイン画面を開いたときに(ST1001)、ステータスhtmlを読み込んでステータスに関連する状態アイコン等を表示させる(ST1002)。ホームページのメイン画面に状態アイコンを表示させたまま更新時間が経過すると(ST1003)、またネットワークファクシミリ装置からスタータスhtmlを読み込み、この新しく読み込んだスタータスhtmlにて状態アイコンを表示させる。更新時間は、図7のソースファイル(ステータスhtml)において”Refresh CONTENT=xx”で指定された時間である。WWWブラウザは、読み込んだステータスhtmlに上記更新時間の行が挿入されていれば、更新時間が経過する度にステータスhtmlを更新する。これにより、指定時間の間にネットワークファクシミリ装置側でデバイスに状態変化があれば変化後の状態アイコンが表示されることになる。
【0064】
また、更新時間内にユーザから読込指示があれば(ST1004)、更新時間に達しなくてもネットワークファクシミリ装置からステータスhtmlを読み込んで更新する。図7に示すステータスhtmlのソースファイルの5行目(AHREF=・・・)に、画面表示の「ステータス」を選択したら”status.html”を読み込む、といった命令の行を入れている。したがって、ステップST1004において、図6のメイン画面を表示した状態のとき「ステータス」と書かれたアイコンが選択されると、ステップST1002へ移行してステータスhtmlを読み直すことになる。メイン画面の表示が終了するまで、上記各ステップの処理を繰り返す(ST1005)。
【0065】
これにより、ユーザはネットワークファクシミリ装置の現在の状態を知りたいときに、「ステータス」と書かれたアイコンを選択することにより、即座に更新された状態アイコンを見ることができる。
【0066】
次に、図4のフローチャートに戻ってステータス情報更新時間をクライアントマシン202から設定する動作について説明する。いま、ステップST405でホームページのメイン画面が表示されているときに、図6の更新時間設定アイコン67が選択されたものとする。WWWブラウザは更新時間設定アイコン67が選択されると、設定画面ファイルの要求を出す(ST406)。
【0067】
図11に更新時間を設定するための設定画面の構成例を示す。この設定画面のHTMLファイルが外部記憶部4に保存されている。ファイル要求を受けたWWWサーバー部12はファイル管理部36に該当ファイルを要求する。外部記憶部4から読み出された設定画面のHTMLファイルはクライアントマシン202へ送信される(ST407)。
【0068】
設定画面のHTMLファイルを受信したクライアントマシン202は、図11に示す設定画面を表示させる(ST408)。設定画面にはステータス情報の更新時間を入力するボックスが設けられている。ユーザは、このボックスに所望の更新時間を入力してから決定ボタンを押すことになる。設定画面の決定ボタンが押されると、ステータスhtmlの指定時間を更新する処理を要求するCGI処理要求が出力される(ST409)。
【0069】
WWWサーバー部12は、CGIストリング解析部32が受信データのURLエンコーディングされているCGIストリングをデコードして解析する(ST410)。解析結果をCGIアプリ判断部33へ与える。CGIアプリ判断部33はCGI処理要求されているアプリケーションを判定し(ST411)、装置設定CGIアプリケーションが指定されていれば(ST412)、装置設定CGIアプリケーションを起動して更新時間データを渡す。装置設定CGIアプリケーションは、ステータスhtmlの更新時間に関する処理要求である場合は、ステータス情報生成部41に更新時間データを渡して、ステータスhtml内の更新時間データを指定された更新時間に更新するように命令する。これにより、ステータス情報生成部41がステータスhtml内の該当データをクライアント側から指定されたデータに書換える(ST413)。
【0070】
これにより、クライアントマシン202からネットワークファクシミリ装置にステータス情報の更新時間を指示することが出来る。更新時間の指示はネットワークファクシミリ装置から自動的に表示される設定画面に任意の時間を入力するだけで完了する。
【0071】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、クライアントから装置各部の状況をホームページ形式で簡単に見ることのできる複合機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施の形態に係るネットワークファクシミリ装置の機能ブロック図
【図2】
上記実施の形態のネットワークファクシミリ装置とクライアントマシンとを接続したシステムの構成図
【図3】
上記実施の形態のネットワークファクシミリ装置における一部の処理の流れを示す機能ブロック図
【図4】
上記実施の形態においてホームページの表示から更新時間の設定までの処理を示すフロー図
【図5】
HTMLファイルの関連表を示す図
【図6】
ホームページのメイン画面の構成図
【図7】
ステータスhtmlのソースファイルを示す図
【図8】
プリンタ状態番号とファイル名の対応テーブルを示す図
【図9】
上記実施の形態のネットワークファクシミリ装置におけるステータスhtmlの更新動作を示すフロー図
【図10】
上記実施の形態のクライアントマシンにおけるステータスhtmlの読み込みタイミングのフロー図
【図11】
上記実施の形態におけるステータス情報の更新時間の設定画面の構成図
【図12】
従来のインターネットFAXとWWWサーバとを用いたファクシミリ通信システムの構成図
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 外部記憶部
5 スキャナ部
6 プリンタ部
7 パネル部
8 圧縮・伸長部
9 FAX・音声通信部
10 ネットワーク制御部
11 HTMLファイル生成部
12 WWWサーバー部
13 電子メール通信部
14 TIFF変換部
31 WWWサーバ通信部
32 CGIストリング解析部
33 CGIアプリ判断部
34 CGIアプリケーション
35 ファイル送出部
36 ファイル管理部
37 ドキュメントリスト生成部
38 アドレス帳生成部
39 通信結果リスト生成部
41 ステータス情報生成部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-09-28 
出願番号 特願2001-14908(P2001-14908)
審決分類 P 1 652・ 121- ZD (G06F)
P 1 652・ 532- ZD (G06F)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 後藤 和茂  
特許庁審判長 下野 和行
特許庁審判官 治田 義孝
矢島 伸一
登録日 2002-05-31 
登録番号 特許第3313359号(P3313359)
権利者 パナソニック コミュニケーションズ株式会社
発明の名称 複合機及びステータス通知方法  
代理人 大塚 康弘  
代理人 大塚 康徳  
代理人 鷲田 公一  
代理人 高柳 司郎  
代理人 鷲田 公一  
代理人 木村 秀二  

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