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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08G
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
管理番号 1114613
異議申立番号 異議2003-70644  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-12-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-03-10 
確定日 2005-02-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3334494号「エポキシ樹脂の粒状製品化方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3334494号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3334494号は、平成8年6月4日に特許出願された特願平8-141357号の出願に係り、平成14年8月2日に設定登録されたものであって、その後、ジャパンエポキシレジン株式会社及び富田洋司により特許異議の申立てがなされ、平成15年8月12日付けで1回目の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年10月27日付けで1回目の特許異議意見書ともに訂正の請求がなされ、平成16年2月26日付けで2回目の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年5月7日付けで2回目の特許異議意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
特許請求の範囲の請求項1の
「過冷却状態または溶融状態にある結晶性エポキシ樹脂を、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめる工程および粒状化工程を順に受けさせることを特徴とするエポキシ樹脂の粒状製品化方法。」との記載を、
「過冷却状態または溶融状態にあるメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂を、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめ結晶化させる工程および粒状化工程を順に受けさせることを特徴とするメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂の粒状製品化方法。」と訂正する。

(2)訂正の適否の判断
上記訂正事項のうち、「結晶性エポキシ樹脂」と「エポキシ樹脂」を「メソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂」と限定する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当するものであり、しかも結晶性エポキシ樹脂としてメソゲン骨格を有するものを使用することは願書に添付した明細書の段落【0006】〜【0007】に記載されており、また、段落【0015】〜【0016】の実施例で使用されているエポキシ樹脂もメソゲン骨格を有するものであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
また、上記訂正事項のうち、「結晶核を成長せしめる工程」を「結晶核を成長せしめ結晶化させる工程」とする訂正は、結晶核を成長せしめることと結晶化との関係が不明りょうであったのを、結晶核を成長せしめ結晶化させるものであることを明りょうにする訂正であり、明りょうでない記載の釈明を目的としたものであり、明細書の段落【0009】、段落【0011】〜【0016】の実施例等の記載から、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめる工程は、結晶核を成長せしめ結晶化させる工程を意味していることは明らかであるから、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)特許異議申立の理由の概要
特許異議申立人ジャパンエポキシレジン株式会社は、甲第1号証(特開平7-179564号公報)、甲第2号証(特開平2-300255号公報)、甲第3号証(特開平8-73563号公報)及び甲第4号証(特開平2-275872号公報)を提示し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証あるいは甲第2号証に記載された発明であり、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号及び第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、また、明細書の記載が不備であるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第36条第4項第1号及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消すべきものである旨を主張している。
特許異議申立人富田洋司は、甲第1号証(特開平7-179564号公報)、甲第2号証(特開平8-73563号公報)、甲第3号証(特開平2-300255号公報)、甲第4号証(特開平6-198644号公報)及び甲第5号証(特開平5-222158号公報)を提示し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものである旨を主張している。

(2)取消理由の概要
刊行物1:特開平7-179564号公報(特許異議申立人 ジャパンエポキシレジン株式会社が提出した甲第1号証及び富田洋司が提出した甲第1号証)
刊行物2:特開平2-300255号公報(特許異議申立人 ジャパンエポキシレジン株式会社が提出した甲第2号証及び特許異議申立人 富田洋司が提出した甲第3号証)
刊行物3:特開平8-73563号公報(特許異議申立人 ジャパンエポキシレジン株式会社が提出した甲第3号証及び特許異議申立人 富田洋司が提出した甲第2号証)
刊行物4:特開平2-275872号公報(特許異議申立人 ジャパンエポキシレジン株式会社が提出した甲第4号証)
刊行物5:特開平6-198644号公報(特許異議申立人 富田洋司が提出した甲第4号証)
刊行物6:飯村一賀、他2名編、「液晶高分子-その基礎と応用-」、株式会社シグマ出版発行、昭和63年2月8日発行、100頁

訂正前の請求項1に係る発明は、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、また、明細書の記載が不備であるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消すべきものである。

(3)訂正後の請求項1に係る発明
訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載の事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】過冷却状態または溶融状態にあるメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂を、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめ結晶化させる工程および粒状化工程を順に受けさせることを特徴とするメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂の粒状製品化方法。」

(4)特許法第29条第2項違反について
(4-1)刊行物の記載事項
刊行物1(特開平7-179564号公報)には、下記の事項が記載されている。
「【請求項1】下記一般式(1)【化1】


(1)
(但し、Gはグリシジル基を示し、Rは1価の基を示し、nは0〜4の整数を示し、Xは2価の基を示す)で表される液体状態のエポキシ樹脂100重量部に、別途用意した当該エポキシ樹脂の結晶状微粉末0.05〜10重量部を加え、当該エポキシ樹脂の融点より20℃以下の温度で液状を保った状態で攪拌下、結晶化させることを特徴とする低粘度結晶性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項2】エポキシ樹脂の融点が40〜130℃であることを特徴とする請求項1記載の低粘度再結晶性エポキシ樹脂の製造方法。
【請求項3】エポキシ樹脂が3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエーテル化合物、4,4’-〔(1,4-フェニレン)ビス(イソプロピリデン)〕ビス(2-メチルフェノール)のジグリシジルエーテル化合物又は4,4’-〔(1,4-フェニレン)ビス(イソプロピリデン)〕ビスフェノールのジグリシジルエーテル化合物であることを特徴とする請求項1記載の低粘度結晶性エポキシ樹脂の製造方法。」
「【0007】上記一般式(1)において、Rは1価の基であり、nは0〜4の整数である。Rの具体例としては、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、グリシジル基の反応性の観点より3、4位、あるいは3’、4’位が同時に炭素数3以上の2級又は3級炭素置換基であることは好ましくない。また、連結基Xは2価の基であり、例えば酸素原子、硫黄原子、ケトン基、スルホン基又は下記一般式(a)【化3】


(a)
(但し、R9、R10は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す)
又は下記一般式(b)【化4】


(b)
(但し、R11〜R14は水素原子又はメチル基を示す)で表される炭化水素基であるが、好ましくは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、エチリデン基又は1,4-ビス(イソプロピリデン)フェニル基である。非対称性の連結基は、エポキシ樹脂としての結晶性が悪く、結晶化の際の速度が遅くなり好ましくない。」
「【0015】また、本発明の結晶化は、当該エポキシ樹脂の融点より20℃以下の温度に冷却して行われる。結晶化温度は低い程好ましいが、温度を下げるに従い樹脂粘度が高くなり操作性が低下する。より好ましい温度範囲は、本発明を適用するエポキシ樹脂の種類によって異なる。例えば、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエーテルを用いた場合、その好ましい温度範囲は10〜50℃である。」
「【0018】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、参考例、実施例、比較例で用いた部、%はいずれも重量部、重量%である。
参考例1
3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン120部をエピクロロヒドリン960部に溶解し、・・・淡黄色液状エポキシ樹脂99部を得た。得られた樹脂の加水分解性塩素は150ppmであり、エポキシ当量は189であった。また、m-クレゾール類(固形分;30%)での25℃における溶融粘度は45cPsであった。」
「【0021】実施例1
参考例1で得た液状エポキシ樹脂50部に、種結晶として別途調整した3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタンジグリシジルエーテルの微粉末結晶0.5部を加え、40℃にて攪拌下、結晶化を行った。攪拌は3枚プロペラ型攪拌羽根を用い、100rpmにて行った。攪拌開始後20分で結晶の析出が認められ、40分後にほぼ全体が固化した。得られた結晶の融点は、79.5℃であった。」
「【0024】実施例4
操作温度を30℃として、実施例1と同様に結晶化を行ったところ、攪拌開始後5分で結晶の析出が認められ、20分後にほぼ全体が固化した。」

刊行物2(特開平2-300255号公報)には、下記の事項が記載されている。
「(1)全エポキシ樹脂中30重量%以上の常温で固体の結晶性エポキシ樹脂と常温で固体の非結晶性エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を含む成分を溶融混合して得られる、加熱硬化可能な常温で固体の未硬化のエポキシ樹脂組成物。」(特許請求の範囲第1項)
「 (4)結晶性エポキシ樹脂、非結晶性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び必要な他の添加剤を加熱して溶融混合する溶融混合工程と、該溶融混合工程で得られた溶融物を冷却して該結晶性エポキシ樹脂及び非結晶性エポキシ樹脂の硬化温度以下の温度で且つ該エポキシ樹脂の結晶化が実質的に進行する温度以上に保つ結晶化工程よりなる請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の製造法。」(特許請求の範囲第4項)
「本発明で用いられる結晶性エポキシ樹脂としては従来公知の常温で固体のエポキシ樹脂が用いられ、例えば4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)-3,3’,5,5’,-テトラメチルビフェニル、・・・等を挙げることができる。」(2頁右下欄10〜18行)
「次に溶融混合で得られた組成物を結晶化工程に付する。・・・この工程は溶融した組成物をベルトコンベア上に、又は恒温槽或いは恒温室中に移して、一定温度に一定時間保つことにより達成することができる。・・・(略)・・・。
結晶化工程の温度は通常-10〜50℃の範囲にあり、実際に適用される結晶化工程の温度はこの温度範囲から簡単な試験により容易に選択することができる。結晶成長のための分子運動が拡散律速であるから、結晶化工程の温度が-10℃よりも低い温度では、結晶化速度は極めて遅くなり、・・・また結晶化工程の温度が50℃以上では、硬化剤による硬化反応が進行して、組成物がゲル化したり、使用時に加熱したときの流動性が損なわれる。」(4頁左下欄7行〜同頁右下欄15行)
「本発明のエポキシ樹脂組成物は常温で固体であり、シート状、塊状、粒状として使用され、またこれを粉砕して粉末状としても使用できる。」(5頁左上欄13行〜15行)

刊行物3(特開平8-73563号公報)には、下記の事項が記載されている。
「【請求項1】下記一般式(1)、
【化1】


(但し、 Rは水素原子またはメチル基を示し、nは0〜5の整数である。)で表されるエポキシ樹脂であって、nが1以上の多量体の含有量が0. 2〜8wt%であり、かつ融点が40℃以上であることを特徴とする結晶状エポキシ樹脂。」
「【0013】 ・・・しかし、通常、これらのエポキシ樹脂は常温においても液状であるため、本発明に用いるためには結晶化を行う必要がある。結晶化の方法としては、溶媒を用いての結晶化あるいはあらかじめ調整した種結晶を加えることによる結晶化等の方法がある。・・・」
「【0023】実施例1・・・・(略)・・・
【0025】得られた液状のエポキシ樹脂に別途調整した4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタンのジグリシジルエーテルの微粉末結晶1gを加えた後、30℃で静置し樹脂の結晶化を行った。得られた結晶の融点は58〜65℃であった。・・・」
「【0030】実施例4、5
エポキシ樹脂成分として実施例1で得られたエポキシ樹脂結晶を粉砕機により最大粒径が1mm以下の粉末状とした後、・・・」

刊行物4(特開平2-275872号公報)には、下記の事項が記載されている。
「1種以上のメソ形もしくはロッド状成分を含むエポキシ樹脂であって、下式I(略)で表わされるエポキシ樹脂。」(特許請求の範囲第1項)
「エポキシ樹脂組成物の加工及び/又は硬化の間、内部に含まれる又は生ずる液晶成分を配向し機械特性を改良するため電場もしくは磁場又は剪断応力が加えられる。」(17頁左下欄12〜15行)
「B. 4,4’-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのエポキシ化・・・ 生成物は、181.46のエポキシド当量を有する結晶質のホフホワイト色の固体として回収された・・・。
C. 4,4’-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエーテルの液晶度の特性決定・・・
偏光顕微鏡によるジグリシジルエーテルの分析は20℃/minの加熱速度を用いプログラム可能なホットステージを取り付けた顕微鏡を用いて行なわれた。結果を表IIに示す。」(20頁左下欄4行〜21頁右上欄4行)
また、表IIは、「4,4’-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエーテルの偏光顕微鏡分析」と題され、サイクルとして、最初の冷却において、実測転移温度(℃)が51℃の時に、最初の結晶化がみられた、と記載され、また、第2の冷却においても同様に、実測転移温度(℃)が51℃の時に、最初の結晶化がみられた、と記載されている。
「B.4,4’-ジヒドロキシベンズアニリドのエポキシ化・・・
最終生成物はオフホワイト色の結晶(142.03g、収率95.8パーセント)であり、180〜185℃の融点及び178.0のエポキシド当量を有していた。
C.液晶特性についての4,4’-ジヒドロキシベンズアニリドのジグリシジルエーテルの特性決定
Bで製造した4,4’-ジヒドロキシベンズアニリドのジグリシジルエーテルのサンプルを交差偏光源を用いる光学顕微鏡下(70×)のホットステージ上で加熱した。イソトロープ状態への溶融が179℃〜185℃において観察された。185℃から冷却すると、複屈折相の形成が165℃において最初にみられ、160℃で完了した。この温度範囲において、樹脂はまだ液体であった。さらに冷却すると、樹脂は約150℃で結晶化した。」(26頁左上欄1行〜同頁左下欄2行)
「B. 4,4’-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのエポキシ化・・・ 生成物は、183.33のエポキシド当量を有する結晶質の固体として回収された・・・。
C. 4,4’-ジヒドロキシ-α-メチルスチルベンのジグリシジルエーテルの液晶度の特性決定・・・
偏光顕微鏡によるジグリシジルエーテルの分析は10℃/minの加熱速度を用いプログラム可能なホットステージを取り付けた顕微鏡を用いて行なわれた。以下の結果が得られた。」(29頁右上欄9行〜30頁右上欄4行)
また、その結果が、サイクルとして、最初の冷却(136℃から30℃)において、実測転移温度(℃)が56.5℃の時に、結晶化、と記載され、また、第2の冷却(129℃から30℃)において、実測転移温度(℃)が57℃の時に、結晶化と記載されている。

刊行物5(特開平6-198644号公報)には、下記の事項が記載されている。
「【請求項1】 室温において過冷却状態にある液状エポキシ樹脂に結晶核を添加して該樹脂を結晶化現象を起こさせて結晶固化させ、これにより常温、常圧下でタブレット状に成形加工することを特徴とするエポキシ樹脂タブレットの成形方法。」
「【請求項2】 前記結晶核が潜在硬化剤または充填剤である請求項1の成形方法。」
「【請求項3】 前記室温において過冷却状態にある液状エポキシ樹脂が次の化合物A、BおよびCのうち、少なくとも二つの化合物を総和で80重量%以上含有する請求項1の成形方法。・・・
化合物B:
【化2】

R=H、またはCH3・・・」
「【0016】 さらに、本発明の成形に際しては、これら潜在硬化剤、充填剤等の粉体を結晶核として前記室温において過冷却状態にある液状エポキシ樹脂に添加し、この状態で液状エポキシ樹脂をあらかじめ用意された所望形状の成形型に流し込むことによって、常温、常圧下で高密度のエポキシ樹脂タブレットを得る。」
「【0027】複雑な形状のタブレットの成形
表1の実施例1〜7の液状エポキシ樹脂を図1のような成形型に流し込み、25℃で3〜6時間放置すると、図2のような形状の未反応固形樹脂(エポキシ樹脂タブレット)2を得ることができた。この方法で得られたタブレット樹脂はリレーの封止等に有効である。」

刊行物6(飯村一賀、他2名編、「液晶高分子-その基礎と応用-」、株式会社シグマ出版発行、昭和63年2月8日発行、100頁 )には、下記の事項が記載されている。
「メソゲン基の構造は、芳香環あるいは複素芳香環などが共役性の原子団で互いに結合したp-置換型式のものが多く、……ビフェニル……のようなタイプのものである。」(100頁10〜15行)

(4-2)判断
甲第1号証に記載された発明は、一般式(1)


(但し、Gはグリシジル基を示し、Rは1価の基を示し、nは0〜4の整数を示し、Xは2価の基を示す)で表される液体状態のエポキシ樹脂100重量部に、別途用意した当該エポキシ樹脂の結晶状微粉末0.05〜10重量部を加え、当該エポキシ樹脂の融点より20℃以下の温度で液状を保った状態で攪拌下、結晶化させることを特徴とする低粘度結晶性エポキシ樹脂の製造方法に関するものである。そして、上記液体状態のエポキシ樹脂として具体的に開示されているのは、上記一般式(1)において、Rが1価の基(nは0〜4の整数である。)であり、具体例としては、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であるが、グリシジル基の反応性の観点より3、4位、あるいは3’、4’位が同時に炭素数3以上の2級又は3級炭素置換基であることは好ましくなく、連結基Xは2価の基であり、例えば酸素原子、硫黄原子、ケトン基、スルホン基又は下記一般式(a)【化3】

(但し、R9、R10は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す) 又は下記一般式(b)【化4】


(但し、R11〜R14は水素原子又はメチル基を示す)で表される炭化水素基であるが、好ましくは酸素原子、硫黄原子、メチレン基、エチリデン基又は1,4-ビス(イソプロピリデン)フェニル基を有するものであり、また、実施例1では融点79.5℃のエポキシ樹脂を40℃で結晶化させている。
そこで、本件発明と刊行物1に記載された発明とを比較すると、刊行物1の実施例1で79.5℃のエポキシ樹脂を40℃で結晶化させる温度は、本件発明の「40℃以上融点未満」の温度範囲と一致するので、両者は、過冷却状態にある結晶性エポキシ樹脂を40℃以上融点未満の温度範囲に保持して結晶核を成長せしめ結晶化させる工程を含むエポキシ樹脂の製品化方法である点で一致しているが、結晶性エポキシ樹脂について、本件発明はメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂を用いるのに対して、刊行物1には上記一般式(1)で表される結晶性エポキシ樹脂を用いることが記載されているだけであり、メソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂については何ら記載も示唆もされていない点(相違点1)、刊行物1に記載された発明は、別途用意したエポキシ樹脂の結晶状微粉末を添加しているが、本件発明にはこの点について特に記載されていない点(相違点2)、および、本件発明は粒状化工程を有するが、刊行物1にはこの点について記載がない点(相違点3)において相違している。
上記相違点のうち、まず相違点1について検討する。

刊行物6にビフェニル構造はメソゲン基の構造であることが記載されていることを考慮すると、刊行物2(4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)-3,3’、5,5’-テトラメチルビフェニル)及び刊行物5(ビフェニル構造を有する化合物B)には、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を含む組成物を結晶化させることが記載され、また、メソ形エポキシ樹脂はメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と同義であることを考慮すると、刊行物4(メソ形エポキシ樹脂)にはメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂の特定条件の冷却サイクルにおいて最初に結晶化する温度が記載されているということができる。
しかしながら、これらの刊行物2,4及び5には、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂の結晶化を40℃以上融点未満の温度に保持して行うことが具体的に記載されているわけではなく、また、刊行物1に記載の結晶性エポキシ樹脂として、刊行物2,4及び5に記載のメソゲン骨格を有するものを採用することを示唆する記載もない。
そして、本件発明は、メソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂を特定温度条件で結晶化させる工程を採用することにより、結晶化に要する時間を短縮し、生産性、経済性に優れるという訂正明細書に記載されたとおりの効果を奏する。
したがって、相違点2〜3について検討するまでもなく、本件発明は、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、本件発明に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものではない。

(5)特許法第36条第6項第2号違反について
特許異議申立人ジャパンエポキシレジン株式会社は、「自然放冷による従来法も、40℃以上融点未満の温度条件である時間が長く、この間に結晶成長することは十分起こり得るのであり、「40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめる工程」を経たことになる。すると、本件発明と自然放冷による従来法との区別が明確ではなく、本件発明が明確であるとはいえない。」旨を主張している。
しかしながら、自然放冷による従来法は、40℃未満の温度域での結晶化工程を含んでいるのに対し、本件発明は40℃未満の温度域での結晶化工程は含まないものであるから、この点で、本件発明と自然放冷による従来法とは明確に相違する。
したがって、本件発明は明確でないとはいえない。

なお、取消理由に採用しなかった、特許異議申立人富田洋司提出の甲第5号証(特開平5-222158号公報)にも、メソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂については記載も示唆もされていないので、刊行物1〜6に加えて該甲第5号証を検討しても、本件発明は、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、特許異議申立人ジャパンエポキシレジン株式会社は、「融点が過度に高いあるいは過度に低いエポキシ樹脂を用いた場合は、発明の目的を達成し得ないことが十分に推定される。また、本件特許明細書にはいかなる種類のエポキシ樹脂をどの程度の温度範囲にどれ程の時間保持すれば所期の効果が得られるかについての記載は全くない。従って、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されておらず、明細書の記載が不備である。」旨を主張する。
しかしながら、本件発明において、結晶性エポキシ樹脂は、メソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂と訂正されており、当該樹脂の中で40℃より
高い融点を有する樹脂を用いればよいことは当業者にとって自明であり、また、融点が高い樹脂であっても、40℃以上融点未満の温度範囲の中で最適な温度を選択して結晶化を行うことは当業者が適宜なし得る事項にすぎない。そして、実施例には、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を用いた結晶化工程が示されているのであるから、当該記載を参考にすれば、本件発明を実施することは十分可能であるといえるから、本件特許明細書の記載が不備であるとはいえない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
エポキシ樹脂の粒状製品化方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過冷却状態または溶融状態にあるメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂を、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめ結晶化させる工程および粒状化工程を順に受けさせることを特徴とするメソゲン骨格を有する結晶性エポキシ樹脂の粒状製品化方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】
本発明は、接着、塗料、絶縁材料や積層板等の電気電子材料、特に、電子部品の封止用として有用なエポキシ樹脂の粒状製品化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
室温で固体である非晶性エポキシ樹脂は一般に製法上、溶融状態で取り出され、室温に冷却固化したのち粉砕され製品にいたる。また、室温以上の融点を有する結晶性エポキシ樹脂は取り出し後結晶化させてから粉砕工程を経て製品に至る。しかし、室温以上の融点を有する結晶性エポキシ樹脂で過冷却性を有するものは、合成工程から室温にて粘稠な液体あるいは半固体状態で取り出され、取り扱い性が悪い。
一般に室温以上の融点を持つ結晶性のエポキシ樹脂の製品形態は、耐ブロッキング性、取り扱い性の面から、粒状(粉末状を含む、以下同じ)物とすることが好ましい。しかし、結晶性エポキシ樹脂で過冷却性を有するものは室温で結晶固体の他に、半結晶性固体、非晶性固体、非晶性半固体、液体等の様々な形態をとりうる。このため粒状製品化は樹脂を一旦結晶固体にしてから粉砕等の工程を経て行われ、この場合いかに早く樹脂の結晶核を成長せしめるかという点が大きなポイントとなる。ここでいう過冷却性とは、融点以上で溶融させた樹脂を放冷した際に融点以下になっても結晶化が十分に起こらず、粘稠な液体、粘着性固体で存在する性質を意味する。
【0003】
このような樹脂の粒状製品化においてこれまでは一般に、貧溶媒を用いて晶析するという方法がとられてきた。しかしながら、この方法ではろ過・乾燥工程が必須で工程数が増えてしまう上に、溶媒の最適化を行わないとロス分が多量に発生し収率が低下する恐れがある。また、乾燥工程において高温処理が必要となる場合が多くエポキシ樹脂の安定性が懸念されたり、残留溶媒も問題となりうる。
一方、溶媒を用いない方法としては、溶融状態で取り出された樹脂を放冷し結晶化するまで静置しておき、その後、粉砕等の加工を施し粒状製品化するという方法がとられてきた。この方法によれば前述のような問題点はないが、結晶化するまでに多大な時間が必要となり経済的に不利という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、過冷却性を有する結晶性エポキシ樹脂について、生産性、経済性に優れた粒状製品化方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み本発明者らは、鋭意検討を行った結果、結晶化工程を工夫することにより上記目的を達成しうることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、過冷却状態または溶融状態にある結晶性エポキシ樹脂を、40℃以上融点未満の温度に保持して結晶核を成長せしめる工程および粒状化工程を順に受けさせることを特徴とするエポキシ樹脂の粒状製品化方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、過冷却性を有する結晶性のエポキシ樹脂ならば特に限定されないが、メソゲン骨格を有するもの、あるいはビスフェノール骨格を有するものでかつ分子量が低いもの等が挙げられる。これらのものを具体的に例示すると、メソゲン骨格を有するものとしては一般式(1)
【0007】
【化1】

で表されるようなエポキシ樹脂が挙げられる。この中で、特にXの両端にある置換フェニレン基が異なる構造のものや、自己重合反応が進行しオリゴマー成分を含むものなどは、過冷却性が高く本発明方法を適用するのに好適である。
ビスフェノール骨格を有するものでかつ分子量が低いものの例としては一般式(2)
【0008】
【化2】

で表されるようなものが挙げられる。
またこれらのエポキシ樹脂は2種以上の混合物で用いてもよい。
本発明方法では、過冷却状態または溶融状態にある結晶性エポキシ樹脂を融点未満の温度に保持し結晶核を成長させる。これは分子の運動性を保持し、結晶性を発現するような部分(例えばメソゲン基)の配列を促すことによる。この時の温度は40℃以上融点未満であれば特に限定されないが、上限は融点より約10℃低い温度の範囲が望ましい。40℃未満の温度では分子の運動性が低下し結晶化が起こりにくく、融点に限りなく近い温度では、分子の凝集力が低下するために結晶化が起こりにくい。
【0009】
本発明方法は、結晶化させる樹脂の厚みが厚いときには特に有効である。樹脂の厚みが厚いものを加熱しない状態で放置した場合、結晶化は周囲から始まるため内部はより流動性を失うことになる。このため内部が結晶化に至るにはかなり長い時間を要することになる。しかし、本方法に示すように分子の運動性を保つことで、樹脂厚が厚くなっても内部まで結晶化を促進させることが可能となる。ここでいう結晶核が成長して結晶化が促進された状態とは、樹脂が不透明になり、かつ粘着性がなくなることや、あるいは十分な硬度が発現することをいう。
本発明方法を用いて粒状製品化する方法としては、例えば、溶融状態にある樹脂を融点以下の温度に加熱したプレート上に滴下し結晶化と同時に造粒する方法や、一旦結晶化させた樹脂を粉砕する方法があげられる。粉砕には公知の方法を用いることができるが、例示すると、造粒法としては二軸押し出し機で結晶化樹脂をストランドとして取り出しその後ペレタイザーを用いて造粒する方法、粉砕法としてはジョークラッシャー、インペラクラッシャー、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、ピンミル等を用いた粉砕が挙げられる。
【0010】
本発明方法によって得られるエポキシ樹脂の粒状製品は、接着、塗料、絶縁材料や積層板等の電気電子材料、特に、電子部品の封止用として有用である。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
参考例1 原料フェノールの合成-1
温度計、撹拌機、コンデンサーを備えた2リットル四ツ口フラスコに2,6-キシレノール(以下26XYと略す。)195.5g(1.6mol)と2-ターシャリーブチル-5-メチルフェノール(以下3M6Bと略す。)65.7g(0.4mol)、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール124.5g(1.0mol)および酢酸376gを仕込み、撹拌、溶解し、5℃まで冷却した。次に、濃硫酸122g(1.2mol)を酢酸84gに混合した溶液を10℃にて3時間かけて滴下、その後25℃で6時間反応系を保温し、終夜室温で撹拌を続けた。系の温度を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。結晶を500gの水で6回洗浄し、その後40℃にて8時間真空乾燥し、結晶を得た。
【0013】
参考例2 原料フェノールの合成-2
温度計、撹拌機、コンデンサーの付いた2リットル四ツ口フラスコに48.3%苛性ソーダ水溶液245.2gとN-メチルピロリドン552gを仕込み、内部を窒素で置換した。窒素シール下、溶液を140℃まで昇温した。参考例1で得られたフェノール中間体225.6g及びN-メチルピロリドン676gの溶液を140℃×1.5時間で滴下し、同温度で2時間保温した。その後反応系を60℃まで冷却し、濃塩酸226gで中和した。減圧下に溶媒を回収してから、反応混合物をイオン交換水1000gに排出し、析出した結晶を濾別した。結晶をイオン交換水1000g×3回で洗浄後、80℃で8時間真空乾燥を行い結晶を得た。
【0014】
参考例3 エポキシの合成
参考例2で得られた原料フェノール100gを温度計、撹拌機、滴下漏斗、分離管付きコンデンサーの付いた反応容器に仕込、エピクロルヒドリン485.6g、ジメチルスルホキシド243.1gに溶解した。反応系内を43torrに保ちながら、温度48℃で、48.3%苛性ソーダ61.71gを5時間で連続的に滴下した。 この間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロルヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反応させた。
反応終了後に、未反応エピクロルヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含むグリシジルエーテルをメチルイソブチルケトン644gに溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシドを水洗により除去した。 その後160℃、10torrにてメチルイソブチルケトンを減圧留去し目的物を得た(XMCC-20Eとする)。
このものの取り出し直後の性状は室温にて褐色の粘稠な液体であった。
なお、結晶化した後の示差走査熱量分析(セイコー電子(株)製、SSC5000シリーズ・DSC200)による融点は130℃であった。
【0015】
実施例1
参考例3で得られたエポキシ樹脂0.5gを一度、150℃に加熱して溶融状態にし、シャーレーに厚みが各5mm、10mm、20mmになるように流し込み、各40、60、100℃のオーブン中に静置し、樹脂が結晶化するまでに要した時間を表1に示す。結晶化させた樹脂をコーヒーミル型粉砕機にて粉砕したところ0.5mm以下の粉末が得られた。
【0016】
【表1】

【0017】
比較例1
参考例3で得られたエポキシ樹脂0.5gを一度、150℃に加熱して溶融状態にし、シャーレーに厚みが各5mm、10mm、20mmになるように流し込み、室温静置したところ樹脂が結晶化するまでに要した時間は5mm、10mmで約1週間、20mmは一週間たっても、内部は結晶化していなかった。
【0018】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂の粒状製品化方法は、生産性、経済性に優れる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-01-26 
出願番号 特願平8-141357
審決分類 P 1 651・ 537- YA (C08G)
P 1 651・ 121- YA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 ▲吉▼澤 英一  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 佐野 整博
藤原 浩子
登録日 2002-08-02 
登録番号 特許第3334494号(P3334494)
権利者 住友化学株式会社
発明の名称 エポキシ樹脂の粒状製品化方法  
代理人 久保山 隆  
代理人 久保山 隆  
代理人 重野 剛  

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