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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B62M
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B62M
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B62M
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する B62M
管理番号 1116733
審判番号 訂正2005-39016  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-06-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-01-26 
確定日 2005-04-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3065656号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3065656号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の趣旨
本件審判の請求の要旨は、特許第3065656号発明(平成 2年11月14日出願、平成12年 5月12日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(3)のとおり訂正することを求めるものである。

(1)【特許請求の範囲】の【請求項1】について、
「変速用のワイヤー(I)を巻取る巻取体(2)を固定部材(1)に回動自在に支持し、前記巻取体(2)を前記ワイヤー(I)の巻取り方向に回転操作するようにワンウエイ機構(W)を介して前記巻取体(2)に操作体(4)を連動連結し、前記巻取体(2)をワイヤー(I)の巻取長さに応じて段階的に位置保持する位置保持機構(P)を設け、前記操作体(4)とは別体の解除体(7)を操作することで前記位置保持機構(P)による位置保持を解除して前記巻取体(2)を前記巻戻方向に回転させる位置保持解除手段(R)を設け、前記操作体(4)及び解除体(7)変速操作の度に所定の原位置に復帰可能に構成した自転車用変速操作であって、
前記操作体(4)及び解除体(7)の操作方向を互いに反対方向に設定し、前記操作体(4)の操作部(4A)及び解除体(7)の操作部(7A)をそれら両操作部(4A),(7A)が操作により近接可能な関係で配置してある自転車用変速操作装置。」とあるのを、
「変速用のワイヤー(I)を巻取る巻取体(2)を固定部材(1)に回動自在に支持し、前記巻取体(2)を前記ワイヤー(I)の巻取り方向に回転操作するようにワンウエイ機構(W)を介して前記巻取体(2)に操作体(4)を連動連結し、前記巻取体(2)をワイヤー(I)の巻取長さに応じて段階的に位置保持する位置保持機構(P)を設け、前記操作体(4)とは別体の解除体(7)を操作することで前記位置保持機構(P)による位置保持を解除して前記巻取体(2)を前記巻戻方向に回転させる位置保持解除手段(R)を設け、前記操作体(4)及び解除体(7)変速操作の度に所定の原位置に復帰可能に構成した自転車用変速操作であって、
前記操作体(4)及び解除体(7)を、それらが自転車のハンドルバー(H)に取り付けられた使用状態ではそれぞれの原位置においてハンドルバー(H)の中央部から遠ざかる方向に延びるレバー形状にするとともに、それらの操作方向を互いに反対方向に設定し、前記操作体(4)の操作部(4A)及び解除体(7)の操作部(7A)をそれら両操作部(4A),(7A)が操作により近接可能な関係で配置してある自転車用変速操作装置。」と訂正する。

(2)【発明の詳細な説明】の欄の〔課題を解決するための手段〕における、
「変速操作用の解除体の・・・」を、
「変速操作用の解除体を、それらが自転車のハンドルバーに取り付けられた使用状態ではそれぞれの原位置においてハンドルバーの中央部から遠ざかる方向に延びるレバー形状にするとともに、それらの・・・・・・」と訂正する。

(3)【発明の詳細な説明】の欄の〔課題を解決するための手段〕における、
「前記操作体の操作・・・」を、
「前記操作体の操作部・・・」と訂正する。

2.当審の判断
以下、これらの訂正事項について検討する。
(イ)上記(1)の訂正は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことのできない事項である操作体及び解除体について、その使用状態における形状を具体的に特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(ロ)上記(2)の訂正は、上記(1)の訂正事項との整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(ハ)上記(3)の訂正は、願書に最初に添付した明細書には、「前記操作体の操作部及び解除体の操作部」とあるように、もともと「前記操作体の操作部」とするべきところを、「前記操作体の操作」としたに過ぎないから、誤記の訂正を目的とするものである。
そして、上記訂正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(ニ)また、訂正後における特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により構成される発明は、明細書の発明の効果の欄に記載された作用効果を奏するものであるから、英国公開第2012893号明細書の記載事項を考慮しても特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

3.むすび
したがって、上記訂正は、平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
自転車用変速走査装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速用のワイヤー(I)を巻取る巻取体(2)を固定部材(1)に回動自在に支持し、前記巻取体(2)を前記ワイヤー(I)の巻取り方向に回転操作するようにワンウエイ機構(W)を介して前記巻取体(2)に操作体(4)を連動連結し、前記巻取体(2)をワイヤー(I)の巻取長さに応じて段階的に位置保持する位置保持機構(P)を設け、前記操作体(4)とは別体の解除体(7)を操作することで前記位置保持機構(P)による位置保持を解除して前記巻取体(2)を前記巻戻方向に回転させる位置保持解除手段(R)を設け、前記操作体(4)及び解除体(7)変速操作の度に所定の原位置に復帰可能に構成した自転車用変速操作であって、
前記操作体(4)及び解除体(7)を、それらが自転車のハンドルバー(H)に取り付けられた使用状態ではそれぞれの原位置においてハンドルバー(H)の中央部から遠ざかる方向に延びるレバー形状にするとともに、それらの操作方向を互いに反対方向に設定し、前記操作体(4)の操作部(4A)及び解除体(7)の操作部(7A)をそれら両操作部(4A),(7A)が操作により近接可能な関係で配置してある自転車用変速操作装置。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、変速用のワイヤーを巻取る巻取体を固定部材に回動自在に支持し、前記巻取体を前記ワイヤーの巻取り方向に回動操作するようにワンウエイ機構を介して前記巻取体に操作体を連動連結し、前記巻取体を前記ワイヤーの巻取長さに応じて段階的に位置保持する位置保持機構を設け、前記操作体とは別体の解除体を操作することで前記位置保持機構による位置保持を解除して前記巻取体を前記巻戻方向に回転させる位置保持解除手段を設け、前記操作体及び解除体を変速操作の度に所定の原位置に復帰可能に構成した自転車用変速操作装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、上記の如き自転車用変速操作装置においては、例えば特開平2-88384号公報に見られるように、前記操作体たる操作レバーと、解除体たる解除レバーとを夫々同一方向に操作することにより、ワイヤーの巻取、及び、巻戻し方向の変速を行う如く構成してあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述の従来構成は、前記操作レバーが操作の度に原位置に復帰するのであるから、多段階離れた変速段位まで変速操作する場合においても、操作レバーを操作しやすい適切なストローク範囲内で用いることができる利点を有している。すなわち、前記ワイヤーの巻取方向に対する変速をするには、例えば前記操作レバーを複数回押圧操作すればよく、前記ワイヤーの巻戻方向に対する変速操作をするには、前記解除レバーの操作によって前記位置保持手段による位置保持を解除すればよいのである。
しかし、上述の従来構成においては、2本のレバーの操作方向が同一であるから、操作レバーと解除レバーとを取り間違えて操作し易く、その結果変速方向を誤る虞が大きいという問題があった。又、例えばハンドルバーのグリップ近傍にこの種の変速操作装置を設ける場合には、一般的に親指1本で2本のレバーを操作するように配置するが、その変速操作に最も適した操作部の位置は一箇所であるから、2本のレバーを設けると、そのうちの1本による操作が非常に困難になり易い欠点があった。
本発明の目的は、変速方向を誤ることなく、且つ、操作しやすい位置で操作体を用いることの可能な自転車用変速操作装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的を達成するため、本発明にかかる自転車用変速操作装置の特徴構成は、巻取方向への変速操作用の操作体及び巻戻し方向への変速操作用の解除体を、それらが自転車のハンドルバーに取り付けられた使用状態ではそれぞれの原位置においてハンドルバーの中央部から遠ざかる方向に延びるレバー形状にするとともに、それらの操作方向を互いに反対方向に設定し、前記操作体の操作部及び解除体の操作部を、それら両操作部が操作により近接可能な関係で配置したことにある。
〔作用〕
上記本発明の特徴構成によれば、前記両操作体の操作方向を反対方向に設定し、且つ、前記両操作部を、操作により近接可能な関係で配置したあることにより、両操作部は、原位置に復帰した状態では互いに離隔している。したがって、例えば、親指と人差し指との異なる2本の指等で前記各操作部を別々に操作することができ、各操作部を間違えるとおそれは殆ど無い。また、原位置にある両操作部は互いに離隔しているので、相互に配置上の制約を受けることがない。
〔発明の効果〕
したがって、本発明の上記特徴構成によれば、操作しやすい位置から各操作部を間違えることなく2方向に対する変速操作を確実に行うことでき、それによって、自転車用変速操作装置の操作性を向上させ得るに至った。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
第1図及び第2図に示すように、本発明の自転車用変速操作装置は、マウンテンバイクのグリップ(G)近傍に取り付けるブレーキレバー装置のブラケット(B)を介して、ハンドルバー(H)の下側に取り付けてある。本装置は、操作体たる後述の操作レバー(4)と、解除体たる後述の解除レバー(7)を備えている。これら各レバー(4),(7)はハンドルレバー(H)の下側において、操作方向が反対となるように後述の支持軸周りで揺動自在に枢支してある。また、操作レバー(4)のうち指の接当する操作部(4A)と解除レバー(7)のうち指の接当する操作部(7A)とが操作により近接するように、両レバーを原位置を夫々定めてある。この場合、操作レバー(4)をグリップ(G)を把持する手の親指で押圧操作可能に、且つ、解除レバー(7)を同人差指で操作可能に構成してある。すなわち、かかる配置によって、ブレーキレバー(BL)と、変速操作装置の前記各レバー(4),(7)とを、グリップ(G)を把持したままで合理的に操作できる。尚、図中、(I)は変速用のインナーワイヤ、(0)はインナーワイヤに外嵌するアウター筒、(1′)は固定側のケース(1a′)はアウター受である。
次に、本装置の機構に付いて詳細に説明する。
第3図〜第5図中、(1)は、前記ブラケット側に固定される固定部材であり、この固定部材(1)からハンドルバーの長手方向に直交させるように下側に向かって延長させた支持軸(11)にインナーワイヤの巻取体(2)を回動自在に支持してある(第3図は上下逆に描いてある。)。
巻取体(2)は下側外周部にインナーワイヤの巻取部(22a)とインナーワイヤの係止部(22b)とを備え、リターンばね(20)を設けてインナーワイヤの巻戻し方向に復帰付勢してある。この巻取体(2)は、位置保持機構(P)によりその回動位置を保持され、位置保持解除手段(R)によりその位置保持を解除され、規則機構(L)によって巻戻し方向の回動量を一定量に規制される。また、後述するように、前記操作レバー(4)と前記巻取体(2)との間に介在させたワンウエイ機構(W)により、操作レバー(4)の原位置と巻取体(2)の回動位置を分断して、操作レバー(4)の操作性を図っている。さらに、後述するように、前記位置保持機構(P)は段階的に係合する第1係合部(31)及び第1係合体(32)を備え、位置保持解除手段(R)は第1カム装置(C1)を備え、規制機構(L)は第2係合部(61)、第2係合体(62)及び第2カム装置(C2)を備えている。
前記巻取体(2)の外周面には、前記ワンウエイ機構(W)の一部たる多数の送り歯(21)を小さいピッチで周方向に多数設けると共に、内周面に夫々多数の歯よりなる前記第1係合部(31)と前記第2係合部(61)とを設けている。
図中(12)は、前記支持軸(11)に回転不能に支持した保持筒であり、前記第1係合体(32)と第2係合体(62)とを、前記支持軸(11)とほぼ平行な爪軸(35),(65)をもって保持筒(12)に対して揺動可能に枢支している。また、前記第1係合体(32)を前記第1係合部(31)方向に付勢する付勢ばね(33)と、前記第2係合体(62)を前記第2係合部(61)に対し離脱方向に付勢する付勢ばね(63)を設けている。
前記支持軸(11)の軸方向(以下、単に「軸方向」とする。)下端側には前記操作レバー(4)を操作レバーばね(5)で復動方向に復帰付勢する状態で揺動自在に支持し、また、上端側には前記解除レバー(7)を解除レバーばね(7a)により操作レバー(4)とは反対方向に復帰付勢する状態で揺動自在に支持してある。操作レバー(4)の原位置は、支持軸(11)の中間部に突出させた設定部(13)に、操作レバー(4)に設けた当接部(43)を接当させることにより定めている。また、操作レバー(4)の原位置は、固定部材(1)に突出させた設定部(1a)に、解除レバー(7)に設けた当接部(7b)を接当させることにより定めている。
前記操作レバー(4)には、前記送り歯(21)と係合して操作レバー(4)のワイヤー巻取方向への操作力を前記巻取体(2)に伝達させるために送り爪(41)を枢支し、該送り爪(41)を付勢ばね(42)で前記送り歯(21)方向に付勢して前記ワンウエイ機構(W)を構成してある。ここで、操作レバー(4)が原位置にあるときのみワンウエイ機構(W)の係合を解くべく、送り爪(41)から上方に向かって突出させた突起(44)を、支持軸(11)に回動不能に嵌合した固定板(14)の周部に形成した固定カム(45)に乗り上げさせるように構成してある。
この解除レバー(7)と前記各係合体(32),(62)との間に、前記第1、第2カム装置(C1),(C2)を設けてある。それら各カム装置の原動節は、前記解除レバー(7)の基部から前記軸方向に突出させた第1、第2カム(71),(72)よりなり、それらの従動節は前記第1、第2係合体(32),(62)の上面から前記軸方向に各別に突出させた第1、第2カムフォロア(36),(64)よりなる。そして、前記解除レバー(7)の揺動操作に伴って、まず、第2カム装置(C2)が前記第2係合体を押圧してこの第2係合体(62)が第2係合部と係合可能な位置に至るまで移動させ、次に、第1係合体(32)と第1係合部(31)との係合が解かれるように、これらカム装置を構成する。
次に、上述の如く構成した自転車用操作装置の動作について説明する。
第1図及び第2図に示すように前記ハンドルバーのグリップを把持する手の親指をもって操作レバー(4)の操作部(4A)をX方向に押圧操作し、第4図の状態から時計方向に往動操作すると、ワンウエイ機構(W)の前記突起(44)が固定カム(45)から滑り落ちて送り爪(41)が第4図のZ方向に回動し、送り歯(21)と係合する。そして、送り爪(41)を介して巻取体(2)が往動すると共に、第1係合体(32)の第1係合部(31)との係合が離脱して、操作ワイヤを牽引する。この際、操作レバー(4)の往動方向への回動が前記係合部(31)の1ピッチのストロークに達すると1段変速でき、また、2ピッチのストロークに達すると2段変速できる。3段変速までは前記親指の1回の操作で、複数段を一挙に変速操作することができる。なお、4段以上の変速は、前記操作レバー(4)を原位置に一旦復帰させた後、改めて前記操作レバー(4)を往動操作することにより再び行える。所望の大径ギヤ側段位に変速した状態では、前記第1係合体(32)は所望の第1係合部(31)と係合し、巻取体(2)の復動方向への回動が阻止され、大径ギヤ側段位に変速した変速状態を確実に保持できる。そして、以上の如く変速した後、前記操作レバー(4)の操作を解放すると、該レバー(4)は、操作レバーばね(5)の力で復動方向(第4図反時計方向)に復動し、当接部(43)と設定部(13)との当接によって前記操作レバー(4)は原位置に復帰して停止し、次の操作に備える。このとき、前記突起(44)が固定カム(45)に乗り上げて、送り爪(41)と送り歯(21)との係合が解かれる。
上述の構成によれば、変速段位数が5〜6段である場合、前記操作レバー(4)を指の押し操作で2回往動操作することにより無理なく小径ギヤ側段位から大径ギヤ側段位に変速することができる。
次に、大径ギヤ側段位に変速した状態から再び小径ギヤ側段位に変速するには、第1図及び第2図に示すように、前記グリップを把持する人差指をもって、原位置にある解除レバー(7)の操作部(7A)をY方向に引くように操作し、該解除レバー(7)を第4図の状態から反時計方向、即ち、前記操作レバー(4)と反対方向に往動操作する。この操作により、まず、第2係合体(62)が第2係合部(61)方向に強制的に押圧されて、該第2係合体(62)の爪部が第2係合部(61)内に進入した後、第1係合体(32)と第1係合部(31)との係合が第5図に示すように解かれている。そのとき、前記巻取体(2)は、前記第2係合体(62)と第2係合部(61)との間の隙間相当量だけ、即ち、前記第1係合部(31)の1ピッチ以内で反時計方向に往動する。そして、前記解除レバー(7)の操作をやめて該解除レバー(7)が時計方向に復帰すると、前記第1係合体(32)が第1係合部(31)との係合可能な位置に進入した後、前記第2係合体(62)の押圧が解除され、該第2係合体(62)の第2係合部(61)との係合が離脱すると共に、前記第1係合体(32)が1段小径ギヤ側の第1係合部(31)と係合し、この係合により前記巻取体(2)のリターンばね(10)による復動が阻止され、第1係合部(31)の1ピッチ分だけ小径ギヤ側段位に変速した変速状態を確実に保持できる。また、復帰した前記解除レバー(7)は、前記当接部(7b)と設定部(1a)との接当により原位置に停止し、次の操作に備える。なお、各レバーの操作部(4A),(7A)は、操作により近接可能な状態であれば足り、操作後には、第2図の2点鎖線で示す如く各操作部の位置が入れ替わってもよい。
〔別実施例〕
次に、本発明の別実施例を列挙する。
(イ)第6図及び第7図に示すように、解除レバー(7)の操作部(7A)をブレーキレバー(BL)の基端部に配置すると、ブレーキレバー上に載置する指を移動させて、迅速な解除レバーの操作が可能となる。本実施例における操作部(7A)は、ブレーキレバー(BL)下側に位置する解除レバー(7)先端部から、上方に向かうと共にグリップ(G)側へ向って延出させ、揺動方向に対する直交面(7B)のみならず、揺動方向に沿った上面(7C)においても操作も操作可能に構成してある。
前記操作部(7A)の内側は、逆L字状に凹ませてあり、解除レバー(7)の揺動時において、操作部(7A)の内側にブレーキレバー(BL)の基端が嵌入するように、この基端上面に凹部(B1)を形成してある。従って、操作部(7A)が広い割に、解除レバー(7)のストロークが小さくて迅速な操作が可能となると共に、操作部(7A)とブレーキレバー(BL)との間の隙間が小さくなって指詰めや異物の狭まりを防止でき、さらに、外観上の一体感をブレーキレバー(BL)と操作部(7A)との間にもたせることができる。なお、図に示すように、前記凹部(B1)の上下方向深さを、ブレーキレバー(BL)上面と操作部(7A)の上面(7C)とがほぼ面一状となるように形成しておけば、指の横移動が妨げられず前記操作が迅速となる。また、操作部(7A)と上面(7C)には滑り止め用の突起等を設けてもよい。
(ロ)操作レバー(4)及び解除レバー(7)の配置は任意に選択でき、例えば、操作レバー(4)を人差指で操作し、解除レバー(7)を親指で操作するように構成してもよい。また、人差指の替わりに中指等で操作できるように配置してもよい。
(ハ)前記実施例では、リターンばね(20)を設けて巻取体(2)を復動させるように構成したが、その他、例えば、インナーワイヤ(I)を介して変速機におけるリターンばねの力を利用し、このリターンばねの力で前記巻取体(2)を復動させるようにしてもよい。従って、前記巻取体(2)と固定部材(1)との間に設ける前記リターンばね(20)は必ずしも必要でない。
(ニ)操作レバー(4)及び解除レバー(7)は同一の軸に支持する必要はなく、各レバーを異なる軸に枢支してもよいし、その場合、各レバー(4),(7)を支持する軸どうしを平行に配向しなくてもよい。
(ホ)前記実施例において、第1、第2係合体(32),(62)を爪形状のものとし、第1、第2係合部(31),(61)を多数の歯としたが、これらの関係を全く構成してもよい。
(ヘ)前記位置保持機構(P)、位置保持解除手段(R)、規制機構(L)及びワンウエイ機構(W)は、前記実施例に示すものに限定させるものではなく、公知技術に基づいて種々の改変が可能である。
(ト)前記操作体及び前記解除体は、前記実施例の如くレバー(4),(7)として形成する必要はなく、グリップ自体をその操作体及び解除体として用いてもよい。
(チ)本発明はリアー・フロント双方のディレーラー操作用として実施でき、外装変速装置の他、内装変速装置の操作用として実施できる。尚、特許請求の範囲の項に図面との対象を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明にかかる自転車用変速操作装置の実施を示し、第1図はグリップ近傍に取り付けた状態を示す低面図、第2図は操作部とグリップとの関係を示す説明図、第3図は縦断面図、第4図及び第5図は作動状態を示す横断面図である。第6図及び第7図は別実施例を示し、第6図はグリップ近傍に取付けた状態を示す平面図、第7図は要部の縦断面図である。
(I)・・・変速用のワイヤー、(2)・・・巻取体、(1)・・・固定部材、(W)・・・ワンウエイ機構、(4)・・・操作体、(P)・・・位置保持機構、(7)・・・解除体、(R)・・・位置保持解除手段、(4A),(7A)・・・操作部。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-04-01 
出願番号 特願平2-309557
審決分類 P 1 41・ 853- Y (B62M)
P 1 41・ 852- Y (B62M)
P 1 41・ 851- Y (B62M)
P 1 41・ 856- Y (B62M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小山 卓志  
特許庁審判長 大野 覚美
特許庁審判官 藤井 俊明
鈴木 久雄
登録日 2000-05-12 
登録番号 特許第3065656号(P3065656)
発明の名称 自転車用変速操作装置  
代理人 小野 由己男  
代理人 小野 由己男  

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