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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1116901
審判番号 不服2000-9828  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-08-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-29 
確定日 2005-05-12 
事件の表示 平成 8年特許願第 46566号「パチンコ用遊技部品のセット保護部材」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 8月19日出願公開、特開平 9-215832〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成8年2月7日の出願であって、平成12年5月23日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年7月28日付で手続補正がなされたものである。

2.平成12年7月28日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成12年7月28日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「パチンコ用の遊技盤(P)の裏側に装備される図柄表示装置(D)を内蔵保護した状態で遊技盤(P)裏面の所要位置に整合される合成樹脂成形の保護ケース(21)と、遊技盤(P)裏面の所定位置に固定されて保護ケース(21)を組付け保持し得る合成樹脂成形のセット台(32)とを備え、
前記保護ケース(21)は、前後開口された前ケース(21A)と前面開口された後ケース(21B)とを互いの取着片(22)およびボス部(23)を利用してビス(24)で組付け整合されて構成され、前記前ケース(21A)の左右外側に、嵌合孔(26)を有する上下一対の位置決め用の連結片(25,25)と、支孔(28)を有する中央の係合用の支片(27)とが夫々一体に成形されると共に、該支片(27)に施錠具(29)が予じめ組付けられており、
前記セット台(32)では、左右一対の保持具(33,33)を備え、各保持具(33)の遊技盤(P)にビス止めされる本体(34)には、その上下端部に前記保護ケース(21)の連結片(25,25)に対する位置決め用の当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)が一体に成形されると共に、その中央部に前記施錠具(29)の係合筒(29A)に対する係合用の係合孔(38)を有する係合片(37)が一体に成形されており、
前記セット台(32)に対して保護ケース(21)が、前記連結片(25)と当接台部(35)とを当接すると共に嵌合孔(26)と保持片(36)とを嵌合したもとで、前記支片(27)と係合片(37)を合わせて前記施錠具(29)の係合筒(29A)を係合孔(38)に嵌挿係合することで、着脱可能に組付けセットされるようになっていることを特徴とするパチンコ用遊技部品のセット保護部材。」
と補正された。
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「保護ケース(21)」について「前後開口された前ケース(21A)と前面開口された後ケース(21B)とを互いの取着片(22)およびボス部(23)を利用してビス(24)で組付け整合されて構成され」との限定を付加し、「保護ケース(21)の左右外側の所定位置に一体に成形した連結部(25)」について「前ケース(21A)に成形した嵌合孔(26)を有する上下一対の連結片(25,25)」との限定を付加し、「保護ケース(21)の左右外側に有する係合用の施錠部(29)」について「前ケース(21A)に成形した支孔(28)を有する中央の係合用の支片(27)に施錠具(29)が予じめ組付けられており」との限定を付加し、「保持具(33)の本体(34)の所定位置に一体に成形した連結部(36)」について「上下端部に当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)が一体に成形される」との限定を付加し、「保持具(33)の本体(34)の所定位置に一体に成形した係合用の施錠部(37)」について「中央部に施錠具(29)の係合筒(29A)に対する係合用の係合孔(38)を有する係合片(37)が一体に成形されており」との限定を付加し、「互いの連結部(25,36)の連結」について「連結片(25)と当接台部(35)とを当接すると共に嵌合孔(26)と保持片(36)とを嵌合したもと」との限定を付加し、「互いの施錠部(29,37)の係合」について「支片(27)と係合片(37)を合わせて施錠具(29)の係合筒(29A)を係合孔(38)に嵌挿係合すること」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭56-133579号(実開昭58-40187号)のマイクロフイルム(以下、引用例1という。)には、以下の事項が記載されている。
ア.「この考案は、パチンコ機の電気的作動機器、例えば電磁ソレノイドの駆動により打球の受け入れ状態を変換する変動打球入賞装置、ランプ又はLED等の発光源を組み込んだ表示器等を電気信号により制御する電気的制御装置の取付構造に関するものである。」(第1頁第18行〜第2頁第4行。)
イ.「電気的制御装置を金属製ケース内に収納し、このケースの外面に第1係止部材を設けると共に、パチンコ機裏側の賞球排出樋の外面に第2係止部材を設け、第1係止部材と第2係止部材とを係脱可能に係止することにより電気的制御装置をパチンコ機に簡単に取付けることができ、保守、点検、修理作業を容易に行うことができ、また電気的ノイズに影響され難いパチンコ機における電気的制御装置の取付け構造を提しようとするものである。」(第3頁第7〜17行。)
ウ.「賞球排出樋25の縦部分25aと傾斜部分25bが接合する折曲部分は、背面がほぼ平らであり、この平面部分に電気的制御装置31を取付ける。」(第7頁第10〜12行。)
エ.「そして本案においてはこの電気的制御装置31を金属製ケース35内に収納する。ケース35は、アルミニウム等の金属板を成形したケース本体35aと蓋体35bとからなる。ケース本体35aの上面には多数の通気孔36…を開設し、外面(図示の実施例では左側面と右側面)には第1係止部材37を設け、」(第8頁第1〜7行。)
オ.「ケース35の外面に設けた第1係止部材37は、賞球排出樋25の外面に設けた第2係止部材44と係脱可能であればどのような構造でもよい。」(第9頁第3〜5行。)
カ.「図示の実施例によれば第1係止部材37は、ケース本体35aの外面に突出させた取付片45に、大径な頭部46を有する操作ノブ47を前後動自在に設けると共に、該頭部46の外側に縦断面く字状の脚48,48を対向状に設けたものである。また第2係止部材44は、第1係止部材37に対応する位置に、係止穴49を有し奥行きが脚48の長さよりも長いボス50を設けたものである。
この様な第1係止部材37と第2係止部材44とにより電気的制御装置31を賞球排出樋25に取付けるには、第5図で示すように、接続端子群34を下にして操作ノブ47を引いた状態で第1係止部材37の先端、即ち脚48の先端を係止穴49からボス50内に挿入し、次に第6図中実線で示すように操作ノブ47を押す。操作ノブ47を押すと大径な頭部46が脚48の先端間隔に侵入し、脚48,48を横方向に押し拡げる。脚48,48が拡張すると各脚48の基端部が係止穴49に引掛るので第1係止部材37と第2係止部材44とが係止状態を維持する。したがつて電気的制御装置31は賞球排出樋25の背面に強固に取付けられる。
なお電気的制御装置31を取り外すには操作ノブ47を第6図中鎖線で示すように引く。操作ノブ47を引くと頭部46が脚48,48の先端間隔から外れるので脚48,48の間隔が弾性により縮少し、係止穴49から外すことができる。したがつて電気的制御装置31をパチンコ機1から簡単に外すことができる。」(第9頁第6行〜第10頁第13行。)
キ.「第1係止部材と第2係止部材とを係脱することによりパチンコ機に電気的制御装置を簡単に取付けることができ、また、取り外すことができる。したがつて組立工場においては組立作業を簡略にすることができる。またパチンコ店においては、電気的制御装置が故障した場合に予備の電気的制御装置と簡単に交換することができ、遊技者に迷惑をかけることがなく、閉店後の保守、点検作業も従来よりも作業しやすい。」(第11頁第5〜14行。)
また、第3図、第5図及び第6図を見て、下部に対向状に縦断面く字状の脚48,48を設けた鍔付きの筒状体と大径な頭部46を有する操作ノブ47とが、該筒状体部分でケース本体35aから突出させた取付片45に形成した支孔に予め組付けられている。
また、第5図を見て、第2係止部材44は賞球排出樋25の外面に、ボス50を一体に成形して設けた本体がビス止めされている。
また、第3図、第5図及び第7図を見て、ケース本体35aに設けた第1係止部材37は、ケース本体35aの左側外面上下部2カ所と右側外面下部1カ所とにそれぞれ位置している。

(3)対比・判断
「ア.」〜「キ.」の摘記事項及び図面から判断して、引用例1には、「電気的制御装置31を、アルミニウム等の金属板を成形したケース本体35aと蓋体35bとからなる金属製ケース35内に収納し、ケース本体35aの左側外面上下部2カ所と右側外面下部1カ所とにそれぞれ第1係止部材37を設け、それぞれの第1係止部材37は、ケース本体35aの左側外面と右側外面に突出させた取付片45の支孔に、下部に対向状に縦断面く字状の脚48,48を設けた鍔付きの筒状体と大径な頭部46を有する操作ノブ47とを予め組付けてなり、また賞球排出樋25の外面に本体がビス止めされた左右一対の第2係止部材44を設け、第2係止部材44は、第2係止部材44本体の第1係止部材37に対応する位置に、係止穴49を有し奥行きが脚48の長さよりも長いボス50を設けてなり、操作ノブ47を引いた状態で第1係止部材37の先端、即ち脚48の先端を係止穴49からボス50内に挿入し、次に操作ノブ47を押し、大径な頭部46が脚48の先端間隔に侵入し、脚48,48を横方向に押し拡げ、各脚48の基端部が係止穴49に引掛り、第1係止部材37と第2係止部材44とが係止状態を維持するようになされ、また、操作ノブ47を引くと頭部46が脚48,48の先端間隔から外れるので脚48,48の間隔が弾性により縮少し、係止穴49から外すことができるようになされ、そのため、第1係止部材37と第2係止部材44のボス50とを係脱することにより、パチンコ機に電気的制御装置を、取付け取り外しできるようになされているパチンコ用部品のケース35と第1、第2の係止部材。」が記載されている(以下、引用例1発明という。)。
そこで、本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「ケース35」は、本願補正発明の「保護ケース(21)」に、「取付片45」は「支片(27)」に、「支孔」は「支孔(28)」に、「第1係止部材37」は「施錠具(29)」に、「下部に対向状に縦断面く字状の脚48,48を設けた鍔付きの筒状体」は「係合筒(29A)」に、「第2係止部材44」は「保持具(33)」に、「本体」は「本体(34)」に、「係止穴49」は「係合孔(38)」にそれぞれ相当し、引用例1発明の「下部に対向状に縦断面く字状の脚48,48を設けた鍔付きの筒状体」と「大径な頭部46を有する操作ノブ47」とは、本願補正発明の「施錠具(29)」に対応し、引用例1発明の「左右一対の第2係止部材44,44」は「セット台(32)」に対応し、引用例1発明の「ボス50」は、本願補正発明の「係合片(37)」に「係合孔形成部」として共通しているから、両者は、
「保護ケースと、保護ケースを組付け保持し得るセット台とを備え、保護ケースの左右外側に、支孔を有する係合用の支片が一体に成形され、該支片に施錠具が予じめ組付けられており、前記セット台では、左右一対の保持具を備え、各保持具のビス止めされる本体には、前記施錠具の係合筒に対する係合用の係合孔を有する係合孔形成部が一体に成形されており、前記セット台に対して保護ケースが、前記支片と係合孔形成部を合わせて前記施錠具の係合筒を係合孔に嵌挿係合することで、着脱可能に組付けセットされるようになっているパチンコ用部品のセット保護部材。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]本願補正発明は、「保護ケース(21)が、パチンコ用の遊技盤(P)の裏側に装備される図柄表示装置(D)を内蔵保護した状態で遊技盤(P)裏面の所要位置に整合されるものであるとともに、前記保護ケース(21)は、前後開口された前ケース(21A)と前面開口された後ケース(21B)とを互いの取着片(22)およびボス部(23)を利用してビス(24)で組付け整合されて構成され、保護ケースを組付け保持し得るセット台(32)が、遊技盤(P)裏面の所定位置に固定されている」のに対し、引用例1発明は「ケース35は、ケース35内に電気的制御装置31を収納し賞球排出樋25の外面に取付けられるものであるとともに、ケース本体35aと蓋体35bとからなり、第1係止部材と係脱することでパチンコ機に電気的制御装置を取付けることができる左右一対の第2係止部材44,44が、賞球排出樋25の外面に設けられている」点。
[相違点2]本願補正発明は、「保護ケース(21)が、合成樹脂成形のものであり、セット台(32)が、合成樹脂成形のものである」のに対し、引用例1発明は「ケース35が、金属製」であり、左右一対の第2係止部材44,44は、材質の特定がない点。
[相違点3]本願補正発明は、「前ケース(21A)の左右外側に、嵌合孔(26)を有する上下一対の位置決め用の連結片(25,25)と、支孔(28)を有する中央の係合用の支片(27)とが夫々一体に成形されると共に、各保持具(33)の本体(34)には、その上下端部に前記前ケース(21A)の連結片(25,25)に対する位置決め用の当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)と、係合孔形成部である係合孔(38)を有する中央部の係合片(37)とが夫々一体に成形されており、前記セット台(32)に対して保護ケース(21)が、前記連結片(25)と当接台部(35)とを当接すると共に嵌合孔(26)と保持片(36)とを嵌合したもとで、前記支片(27)と係合片(37)を合わせて施錠具(29)で着脱可能に組付けセットされるようになっている」のに対し、引用例1発明は「ケース本体35aの左側外面上下部2カ所と右側外面下部1カ所に、第1係止部材37を設け、第2係止部材44の本体には、第1係止部材37に対応する位置に、係合孔形成部である係止穴49を有するボス50を設け、第1係止部材37と第2係止部材44のボス50とを係脱することにより、取付け取り外しできるようになされている」ものであって、引用例1発明のケース本体35aには、本願補正発明の連結片(25,25)に相当するものがなく、また、引用例1発明の第2係止部材44の本体には、本願補正発明の当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)に相当するものがない点。
以下、上記[相違点1]〜[相違点3]について検討する。
[相違点1]について
引用例1発明において、ケース35に収納されるパチンコ用部品は、電気的制御装置31に限られるものでなく、また、ケース35の取付位置も、収納されるパチンコ用部品によって変更できるものであり、賞球排出樋25の外面に限られるものでないことは、当業者にとって明らかなことである。そして、図柄表示装置を内蔵保護したケースを、パチンコ用の遊技盤の裏側に、ケースを組付け保持し得るセット台を介して取り付ける点が周知の技術手段であり(特開平5-329251号公報、特開平6-246045号公報参照。)、また、図柄表示装置を内蔵保護したケースを、前ケースと後ケースとで構成し、前ケースと後ケースとを互いの取着片およびボス部を利用してビスで組付け整合する点が周知の技術手段であるから(特開平6-296740号公報、特開平7-24116号公報参照。)、相違点1に係る本願補正発明の構成は、引用例1発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
[相違点2]について
パチンコ用部品を収納するケースを合成樹脂製とする点は、当該技術分野において周知の技術手段であり(実願昭63-78121号(実開平1-180278号)のマイクロフイルム、実公平3-57266号公報、特開平6-15050号公報参照。)、また、ケースを組付け保持し得るセット台の材質として、ケースと同じ材質を選択採用することは当業者が容易に推考し得る事項であるから、相違点2に係る本願補正発明の構成は、引用例1発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
[相違点3]について
引用例1発明が、係合孔形成部を「係止穴49を有するボス50」としているのに対し、本願補正発明が、係合孔形成部を「係合孔(38)を有する係合片(37)」とした点は単なる設計変更程度のことに過ぎない。そして、本願補正発明において、「前ケース(21A)に、支孔(28)を有する係合用の支片(27)とともに、嵌合孔(26)を有する位置決め用の連結片(25,25)を一体に成形し、各保持具(33)の本体(34)に、係合孔(38)を有する係合片(37)とともに、前記前ケース(21A)の連結片(25,25)に対する位置決め用の当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)を一体に成形し、セット台(32)に対して保護ケース(21)が、前記連結片(25)と当接台部(35)とを当接すると共に嵌合孔(26)と保持片(36)とを嵌合したもとで、前記支片(27)と係合片(37)を合わせて施錠具(29)で着脱可能に組付けセットされるようになっている」のは、「連結片(25)と当接台部(35)とが当接すると共に、嵌合孔(26)と保持片(36)が嵌合して、上下および左右の方向へのガタ付きを制止する」ためである(【0013】参照。)。ところが、固着具を挿通するための支孔及び固着具を止め付けるための係合孔とともに、支孔及び係合孔の近傍に、相嵌合する突起と嵌合孔を設け位置決めすることが周知の技術手段であり(特開昭63-315082号公報の第10図、特開平5-96051号公報の図5、6、7参照。)、また、突起部を当接台部とボス状の保持片とで構成すること、及び、突起部先端を球頭状に形成することも周知の技術手段であり(前者については、特開昭63-315082号公報の第15図、特開平5-96051号公報の図6、7参照。後者については、特開昭63-315082号公報の第15図、実公昭58-46868号公報の第2,3,4図参照。)、そして上記のように支孔及び係合孔の近傍に、相嵌合する突起と嵌合孔を設け位置決めする場合に、本願補正発明が支孔(28)を有する係合用の支片(27)の位置を「前ケース(21A)の左右外側の中央」とし、嵌合孔(26)を有する位置決め用の連結片(25,25)の位置を「前ケース(21A)の左右外側の上下」とし、係合孔(38)を有する係合片(37)の位置を「保持具(33)の本体(34)の中央部」とし、位置決め用の当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)の位置を「保持具(33)の本体(34)の上下端部」とした点は、これらの配置位置を特定しただけであり、単なる設計事項程度のことに過ぎない(なお、ケース体を基体にケース体の左右上下部で嵌合位置決めし、ケース体の左右中央部で係止固着する点は、特開平6-23099号公報により公知でもある。)。したがって、相違点3に係る本願補正発明の構成は、引用例1発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用例1発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成12年7月28日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成12年4月21日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「パチンコ用の遊技盤(P)の裏側に装備される図柄表示装置(D)を内蔵保護した状態で遊技盤(P)裏面の所要位置に整合される合成樹脂成形の保護ケース(21)と、遊技盤(P)裏面の所定位置に固定されて保護ケース(21)を組付け保持し得る合成樹脂成形のセット台(32)とを備え、
前記保護ケース(21)では、左右外側の所定位置に、セット台(32)に対する位置決め用の連結部(25)を夫々一体に成形すると共に係合用の施錠部(29,41)を夫々有し、前記セット台(32)では、左右位置に、遊技盤(P)にビス止めされる本体(34)の所定位置に保護ケース(21)に対する位置決め用の連結部(36)および係合用の施錠部(37,34a)を一体に成形した保持具(33)を夫々備え、セット台(32)に対して保護ケース(21)が、互いの連結部(25,36)の連結と、施錠部(29,41,37,34a)の係合とを利用して、着脱可能に組付けセットされたことを特徴とするパチンコ用遊技部品のセット保護部材。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から、「保護ケース(21)」の限定事項である「前後開口された前ケース(21A)と前面開口された後ケース(21B)とを互いの取着片(22)およびボス部(23)を利用してビス(24)で組付け整合されて構成され」との構成を省き、「保護ケース(21)の左右外側の所定位置に一体に成形した連結部(25)」の限定事項である「前ケース(21A)に成形した嵌合孔(26)を有する上下一対の連結片(25,25)」との構成を省き、「保護ケース(21)の左右外側に有する係合用の施錠部(29)」の限定事項である「前ケース(21A)に成形した支孔(28)を有する中央の係合用の支片(27)に施錠具(29)が予じめ組付けられており」との構成を省き、「保持具(33)の本体(34)の所定位置に一体に成形した連結部(36)」の限定事項である「上下端部に当接台部(35,35)および球頭ボス状の保持片(36,36)が一体に成形される」との構成を省き、「保持具(33)の本体(34)の所定位置に一体に成形した係合用の施錠部(37)」の限定事項である「中央部に施錠具(29)の係合筒(29A)に対する係合用の係合孔(38)を有する係合片(37)が一体に成形されており」との構成を省き、「互いの連結部(25,36)の連結」の限定事項である「連結片(25)と当接台部(35)とを当接すると共に嵌合孔(26)と保持片(36)とを嵌合したもと」との構成を省き、「互いの施錠部(29,37)の係合」の限定事項である「支片(27)と係合片(37)を合わせて施錠具(29)の係合筒(29A)を係合孔(38)に嵌挿係合すること」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり、引用例1発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-10 
結審通知日 2005-03-15 
審決日 2005-03-28 
出願番号 特願平8-46566
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 前田 建男
鉄 豊郎
発明の名称 パチンコ用遊技部品のセット保護部材  
代理人 山本 喜幾  
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