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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1119391
異議申立番号 異議2003-71268  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-12-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-05-16 
確定日 2005-04-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3346540号「弾球遊技機」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3346540号の請求項1、2に係る特許を取り消す。 
理由 1・手続の経緯
特許第3346540号の請求項1及び2に係る各発明についての特許出願(本件出願)は、平成7年5月31に出願された特許出願(特願平7-158744号)の一部が特許法第44条の規定により、平成9年10月22日に新たな特許出願(特願平9-309253号)とされ、この新たな特許出願の一部が特許法第44条の規定により、平成11年5月21日に新たな特許出願とされたものであって、平成14年9月6日にその特許権の設定登録がなされ、その後、榊原吉保、町田彬、松浦正子よりそれぞれ特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年5月10日に訂正請求(後日取下げ)がなされ、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年8月31日に訂正請求がなされたものである。
2・訂正の適否についての判断
(2-1)訂正の内容
ア・訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1中の「始動手段(14)が遊技球を検出したときに発生する発生乱数の内、・・・を含む特定乱数を判定する乱数判定手段(44)」を、「始動手段(14)が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、・・・を含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段(44)」と訂正する。
イ・訂正事項b
特許請求の範囲の請求項1中の「変動図柄表示手段(30)の変動動作の停止前に」を、「変動図柄表示手段(30)が変動動作を開始する前に」と訂正する。
ウ・訂正事項c
特許請求の範囲の請求項1中の「特定の画像を表示させる」を、「特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる」と訂正する。
エ・訂正事項d
明細書の段落【0008】中の「始動手段14が遊技球を検出したときに発生する発生乱数の内、・・・を含む特定乱数を判定する乱数判定手段44」を、「始動手段14が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、・・・を含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段44」と訂正する。
オ・訂正事項e
明細書の段落【0008】中の「変動図柄表示手段30の変動動作の停止前に」を、「変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に」と訂正する。
カ・訂正事項f
明細書の段落【0008】中の「特定の画像を表示させる」を、「特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる」と訂正する。
キ・訂正事項g
明細書の段落【0058】中の「始動手段14が遊技球を検出したときに発生する発生乱数の内、・・・を含む特定乱数を判定する乱数判定手段44」を、「始動手段14が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、・・・を含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段44」と訂正する。
ク・訂正事項h
明細書の段落【0058】中の「変動図柄表示手段30の変動動作の停止前に」を、「変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に」と訂正する。
ケ・訂正事項i
明細書の段落【0058】中の「特定の画像を表示させる」を、「特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる」と訂正する。
(2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、特定乱数の判定時期を、「始動手段(14)が遊技球を検出した」「時点」に限定し、また、乱数判定手段(44)の動作を、「特定乱数であるか否かを判定する」と明確化するものであり、これらのことは、願書に添付した明細書(以下、特許明細書という。平成14年4月17日及び平成14年7月5日付け手続補正によってそれぞれ補正されたもの)の段落【0019】に「44は乱数判定手段で、始動ゲート14が遊技球の通過を検出した時に、その検出時点の乱数を乱数発生手段から読み込んで、その乱数を判定する機能と、その乱数が当たり乱数、リーチ乱数及び一定数の外れ乱数であるか否かを判定する機能とを有する」と記載されていることからみて、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正、また、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正、に該当し、
訂正事項bは、「変動動作の停止前に」を「変動動作を開始する前に」と限定するものであり、このことは、特許明細書の段落【0052】に「変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に特定表示ランプ33が点滅するように構成しても良い」及びその段落【0056】に「特定表示ランプ33を例示しているが、変動図柄表示手段30を兼用する液晶式の画像表示手段を用い、特定乱数が発生した時に、その画像表示手段に特定の画像、例えば鼠が走る画像等を表示させるようにしても良い」とそれぞれ記載されていることからみて、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項bは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項cは、「特定の画像」を、「特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像」と限定するものであり、このことは、特許明細書には直接記載されていないが、その段落【0018】の「当たり乱数は・・・1個の乱数、例えば7と定められ、またリーチ乱数は27と47の2個と定められている」、その段落【0020】の「一定数の外れ乱数とは・・・ある一定数の乱数、例えば17,37,57,67,77,及び87の6個の乱数を言う。そして、この6個の外れ乱数と当たり乱数及びリーチ乱数を特定乱数と言う」、その段落【0025】の「乱数が当たり乱数、リーチ乱数及び一定数の外れ乱数を含む特定乱数の時に、特定表示ランプ33を点滅点灯させる」、その段落【0032】の「乱数57が発生すると、この乱数57は・・・特定乱数の中の1個であるので・・・各特定表示ランプ33が点滅点灯し」、その段落【0034】の「他の乱数17,37等の外れ乱数が発生した時にも、同様の動作をする」、その段落【0035】の「乱数27、47のリーチ乱数が発生した時には・・・前述と同様に・・・各特定表示ランプ33が点滅点灯をする」、その段落【0043】の「特定乱数の中には、当たり乱数以外に、リーチ乱数を含む8個の外れ乱数があるので・・・特定表示ランプ33が点滅点灯し始めても、必ずしも直ちに当たりが発生するものではなく」、その段落【0044】の「当たり乱数のみを特定乱数とする場合、又は当たり乱数とリーチ乱数とを特定乱数とする場合であれば、遊技者の経験等から、特定表示ランプ33が点滅点灯する意味合いを遊技者に簡単に察知されることになるが」及びその段落【0052】の「特定乱数の時には・・・特定表示ランプ33が点滅点灯を開始する」の記載からみて、特定乱数が発生したとき、その特定乱数が7,17,27,37,47,57,67,77及び87の何れであるかに拘わらず、特定表示ランプ33が点滅点灯されることは明らかであり、かつ、その段落【0056】の「表示手段として、特定表示ランプ33を例示しているが・・・特定乱数が発生した時に・・・特定の画像、例えば鼠が走る画像等を表示させるようにしても良い」の記載からみて、特定表示ランプ33の点滅点灯に代えて特定の画像を用いてよいことは明らかであるから、訂正事項cは、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項cは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項d及びgは、上記訂正事項aと整合を図るものであり、
訂正事項e及びhは、上記訂正事項bと整合を図るものであり、
訂正事項f及びiは、上記訂正事項cと整合を図るものでありるから、
それぞれ明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、
いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(2-3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正は認められるものである。
3・特許異議の申立てについての判断
(3-1)本件発明
上記2・で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1及び2に係る各発明(本件発明)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。
「1・遊技盤(5)に、遊技球を検出する始動手段(14)と、この始動手段(14)が遊技球を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が変動して停止する変動図柄表示手段(30)とを備え、変動図柄表示手段(30)の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となったときに利益状態を発生させるようにした弾球遊技機において、遊技盤(5)に変動図柄表示手段(30)を兼用する液晶式の画像表示手段を設け、始動手段(14)が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、停止図柄が前記当たり図柄になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数とを含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段(44)と、この乱数判定手段(44)が特定乱数と判定したときに、変動図柄表示手段(30)が変動動作を開始する前に画像表示手段に特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる表示制御手段(48)とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
2・効果音を発生させるスピーカを備え、乱数判定手段(44)が特定乱数を判定したときに、前記スピーカから効果音を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。」
(3-2)引用例に記載された発明
上記再度の取消しの理由の3・において刊行物4として引用された本件出願前に国内において頒布された刊行物である「特開平7-68027号公報(平成7年3月14日公開)」(以下、引用例1という)には、
特に、
(ア)「遊技領域3は、動画を表示可能なLCD表示装置5からなる可変表示装置4が設けられているとともに、始動入賞口7が設けられている。この始動入賞口7内に入賞したパチンコ玉は、始動入賞玉検出器8により検出される・・・始動入賞玉検出器8の検出信号に基づき、可変表示装置4のLCD表示装置5により複数種類の図柄等からなる識別情報が可変表示される・・・その可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様・・・となった場合に・・・所定の遊技価値が付与可能な状態となる」(第3頁第3欄第11〜25行)の記載、
(イ)「S1により読出される。その読出されたカウント値(乱数)が、3のときにはS2以降に示す大当りを発生させるための制御がなされ」(第4頁第5欄第40〜42行)、「S9に進み、可変表示装置4のLCD表示装置5の表示動作制御を行ない、LCD表示装置5により大当り状態・・・が発生することを事前に予告表示させる。このS9による表示動作の具体的内容は、S4による大当り予告1のフラグがセットされているときには、図4、図5のそれぞれの(B)に示された表示動作であり」(第4頁第6欄第36〜42行)、「大当り予告1の場合には、打玉の始動入賞により左図柄52と中図柄3と右図柄52との全図柄が逆方向に1/2図柄分だけスクロールした後元の位置まで戻ってから、全図柄が下方向にスクロール表示される可変表示が開始される」(第6頁第10欄第31〜35行)、「図5は、可変表示中の画面を切換えて予告表示を行なう例を示す図である・・・(B)は大当り予告1を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51、52、53が可変表示されている最中に、「フィーバー!」のメッセージ55を表示させ、次に通常の可変表示に戻り」(第6頁第10欄第46行〜第7頁第11欄第7行)、【図3】(第10頁)、【図4】(第11頁)及び【図5】(第11頁)の記載から、
制御のステップS1→S2が特定の表示態様になるときの乱数を判定し、S4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むときに、制御のステップS9は、LCD表示装置5が可変表示動作を開始する前にLCD表示装置5において全図柄を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後元の位置に戻し、それから全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にフィーバー!を表示させるという構成が開示されているものと認められること(なお、念のために付け加えると、S5においてリーチ予告のフラグがセットされS9に進んで行われるリーチは、大当たりに結び付くリーチであるから、「1個の停止図柄が特定の表示態様と異なるリーチ」ではない)、
(ウ)「S1により読出される。その読出されたカウント値(乱数)が・・・3以外のときにはS16以降に示す外れとなる制御が行なわれる」(第4頁第5欄第40〜43行)、「S1により読出されたランダム1カウンタのカウント値が3以外のときには、S16に進み、ランダム2カウンタのカウント値を読出し、その・・・カウント値が、左図柄のカウント値と中図柄のカウント値と右図柄のカウント値とがすべて同じ値であった場合には・・・S17によりぞろめが生じないように強制的に中図柄をずらし・・・一方、ランダム2カウンタの値が左図柄と右図柄とが同じで中図柄だけ違う値であった場合には、そのままS18に進み」(第5頁第7欄第27〜43行)、「S21に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされ」(第5頁第8欄第6、7行)、「S22に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされ」(第5頁第8欄第8、9行)、「S18により読出されたメモリ内のランダム1カウンタの値の中に「3」がないときには・・・S24に進み、リーチ予告を行なうためのフラグがセットされ」(第5頁第8欄第34〜38行)、「S27に進み、大当り予告2のフラグがセットされている場合には図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2のときのLCD表示装置5の表示動作を行ない、リーチ予告のフラグがセットされている場合には、図4、図5のそれぞれの(A)に基づいて後述するリーチ予告時のLCD表示装置5の表示動作制御を行なう」(第5頁第8欄第21〜28行)、「大当り予告2の場合には、打玉の始動入賞により全図柄51、52、53が下方向にスクロールして可変表示され」(第6頁第10欄第38〜40行)、「リーチ予告を行なうことが事前決定されている場合には、パチンコ玉の始動入賞によりまず中図柄53が1/2図柄分逆方向(上方向)にスクロールした後元の位置まで戻ってから、左図柄51と中図柄53と右図柄52とが一斉に下方向にスクロール表示されて可変開始される」(第6頁第10欄第20〜25行)、「図5は、可変表示中の画面を切換えて予告表示を行なう例を示す図である。(A)はリーチ予告を行なう場合であり、LCD表示装置5によりすべての図柄51、52、53が可変表示されている最中に、「リーチ!」のメッセージ54を表示させ、その後通常の可変表示に戻り・・・(C)は大当り予告2を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51、52、53が可変表示されている最中に、「チャンス!」のメッセージ56が表示され、次に通常の可変表示に戻り」(第6頁第10欄第46行〜第7頁第11欄第13行)、【図3】(第10頁)、【図4】(第11頁)及び【図5】(第11頁)の記載から、
制御のステップS1→S16(→S17)→S18が1個の停止図柄が特定の表示態様と異なるリーチとなるときのリーチ乱数を判定し、S21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むときに、制御のステップS27は、LCD表示装置5が全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にチャンス!を表示させ、S22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むときに、制御のステップS27は、LCD表示装置5が可変表示動作を開始する前にLCD表示装置5において中図柄52を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後元の位置に戻し、それから全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にリーチ!を表示させるという構成が開示されているものと認められること、
(エ)上記(ウ)に示した第4頁第5欄第40〜43行、「S16により読出されたランダム2カウンタの値の左と右の図柄が一致しない場合にはS33に進み」(第6頁第9欄第2〜4行)、「S33に進み・・・メモリ内に3が記憶されている場合には・・・S35に進み、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされ」(第6頁第9欄第4〜9行)、「S38に進み、LCD表示装置5を制御して図4、図5のそれぞれの(C)に基づいて後述する大当り予告2の表示制御が行なわれる」(第6頁第9欄第18〜20行)、上記(ウ)に示した第6頁第10欄第38〜40行、「図5は、可変表示中の画面を切換えて予告表示を行なう例を示す図である・・・(C)は大当り予告2を行なう場合が示されており、LCD表示装置5によりすべての図柄51、52、53が可変表示されている最中に、「チャンス!」のメッセージ56が表示され、次に通常の可変表示に戻り」(第6頁第10欄第46行〜第7頁第11欄第13行)、【図3】(第10頁)、【図4】(第11頁)並びに【図5】(第11頁)の記載から、
制御のステップS1→S16→S33が特定の表示態様及びリーチ以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てを判定し、S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むときに、制御のステップS38は、全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にチャンス!を表示させるという構成が開示されているものと認められること、
(オ)上記(イ)の第4頁第5欄第40〜42行、上記(ウ)の第4頁第5欄第40〜43行及び第5頁第7欄第27〜43行、上記(エ)の第6頁第9欄第2〜4行並びに【図3】(第10頁)の記載から、
制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33は、ランダム1、2、3、4又は5の乱数が、停止図柄が前記特定の表示態様になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記特定の表示態様と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、特定の表示態様及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てとを含む乱数であるか否かを判定しているという構成が開示されているものと認められること、
(カ)「S6に進み、予告なしの状態となり」(第4頁第6欄第19、20行)、「S23に進み、予告なしの状態となり」(第5頁第8欄第10、11行)、「S40に進み、予告なしの状態となり」(第6頁第9欄第11行)及び【図3】(第10頁)の記載から、
制御のステップS6、S23、S40において予告なしのときに報知を行わないという構成が開示されているものと認められること、
(キ)「制御回路は、可変表示装置4を構成するLCD表示装置5を表示駆動するためのLCD回路26が接続されているとともにスピーカ37から音を発生させる」(第3頁第4欄第47〜50行)、「カウント値が0のときにはS8に進み、音・・・を制御する処理が行なわれる。このS8の処理を行なうに際し、前記S4により大当り予告1を行なうためのフラグがセットされている場合には・・・スピーカ37から大当り予告音を発生させ」(第4頁第6欄第25〜31行)、「S26に進み、音・・・を制御する処理が行なわれる。このS26の処理は、大当り予告2を行なうためのフラグがセットされている場合には・・・スピーカ37から大当り予告音を発生させ、S22によるリーチ予告のフラグがセットされているときは・・・スピーカ37からリーチ予告音を発生させる」(第5頁第8欄第13〜21行)、「S37に進み、音・・・の制御がなされる。このS37の制御は、前記S26と同様の制御である」(第6頁第9欄第15〜17行)及び【図3】(第10頁)の記載から、
予告音を発生させる制御のステップS8、S26、S37と、スピーカ37と、制御のステップS8、S26、S37がそれぞれ乱数を判定したときに、前記スピーカから予告音を発生させる制御のステップS8、S26、S37とが開示されているものと認められること、
(ク)「S10に進み、ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる処理が行なわれる」(第4頁第6欄第45、46行)、「S28に進み、ラッキーナンバー表示LED20をLCD表示装置の可変開始時から変動させ、LCD表示装置5の可変停止時にラッキーナンバー表示LED20の変動開始時と同じ位置に停止させる処理が行なわれる」(第5頁第8欄第29〜33行)、「S39に進み、前記S28と同様のラッキーナンバー表示LEDの変動制御が行なわれ」(第6頁第9欄第21、22行)及び【図3】(第10頁)の記載から、
ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる制御のステップS10、S28、S39が開示されているものと認められること、
(ケ)「S33に進み・・・メモリ内に3が記憶されていないときにはそのままS41に進む」(第6頁第9欄第4〜6行)、「S40に進み、予告なしの状態となり直接S41に進む」(第6頁第9欄第11、12行)、「S41では、可変入賞球装置9を開成させない外れ制御が行なわれる」(第5頁第8欄第50行、第6頁第9欄第1行)及び【図3】(第10頁)の記載から、
S33、S40から直接S41の「はずれ制御」に進むことがある制御のステップS33、S40が開示されているものと認められること、
からみて、
「遊技盤1に、パチンコ玉を検出する始動入賞玉検出器8と、この始動入賞玉検出器8がパチンコ玉を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が可変表示して停止するLCD表示装置5とを備え、LCD表示装置5の停止図柄が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値が付与可能となるようにした遊技機において、遊技盤1にLCD表示装置5を兼用するLCDの可変表示装置4を設け、ランダム1、2、3、4又は5の乱数が、停止図柄が前記特定の表示態様になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記特定の表示態様と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、特定の表示態様及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てとを含む乱数であるか否かを判定する制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33と、この制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33が制御のステップS1→S2において特定の表示態様になるときの乱数を判定しS4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むときに、制御のステップS9は、LCD表示装置5が可変表示動作を開始する前にLCD表示装置5において全図柄を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後元の位置に戻し、それから全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にフィーバー!を表示させ、この制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33が制御のステップS1→S16(→S17)→S18において1個の停止図柄が前記特定の表示態様と異なるリーチとなるときのリーチ乱数を判定しS21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むときに、制御のステップS27は、LCD表示装置5が全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にチャンス!を表示させ、S22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むときに、制御のステップS27は、LCD表示装置5が可変表示動作を開始する前にLCD表示装置5において中図柄52を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後元の位置に戻し、それから全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にリーチ!を表示させ、この制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33が制御のステップS1→S16→S33において特定の表示態様及びリーチ以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てを判定しS35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むときに、制御のステップS38は、全図柄を下方向にスクロール表示させる可変表示を開始させ、可変表示の最中に可変表示装置4にチャンス!を表示させ、かつ、制御のステップS6、S23、S40において予告なしのときに報知を行わない制御のステップS9、27、S38と、予告音を発生させる制御のステップS8、S26、S37と、スピーカ37と、制御のステップS8、S26、S37がそれぞれ乱数を判定したときに、前記スピーカから予告音を発生させる制御のステップS8、S26、S37と、ラッキーナンバー表示LEDを変動制御させる制御のステップS10、S28、S39と、S33、S40から直接S41の「はずれ制御」に進むことがある制御のステップS33、S40とを備えた遊技機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
同じく、刊行物3として引用された本件出願前に国内において頒布された刊行物である「最新パチンコ勝大作戦 vol.5(発行所;株式会社竹書房、発行日;平成6年1月16日)」(以下、引用例2という)には、
特に、
「大当たりの期待感が高いのは、中デジタルが8コマスベってリーチがかかった時だ。8コマスベること自体は少なくないのだが、それがリーチに繋がることは少ない」(第7頁上段右から第11行〜次段右から第1行)の記載から、
停止図柄が大当たりになるときと、リーチとなって外れになるときと、リーチに繋がらない外れになるときとがあり、中デジタルが8コマスベってリーチがかかった時は大当たりの期待感が高く、中デジタルが8コマスベってリーチがかかっても外れになることがあり、中デジタルが8コマスベってもリーチに繋がらないで外れになることがあるという構成、すなわち、8コマスベリを経て大当たりになるときと、8コマスベリを経てリーチとなって外れになるときと、8コマスベリを経てリーチに繋がらない外れになるときとがあるという構成、が開示されているものと認められること、
からみて、
「8コマスベリを経て大当たりになるときと、8コマスベリを経てリーチとなって外れになるときと、8コマスベリを経てリーチに繋がらない外れになるときとがあるデジパチ」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
(3-3)本件発明と引用例に記載された発明との対比及び判断
(3-3-1)本件請求項1に係る発明について
本件請求項1に係る発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、
後者の
「パチンコ玉」、「始動入賞玉検出器8」、「可変表示」、「LCD表示装置5」、「予め定められた特定の表示態様」、「所定の遊技価値が付与可能となる」、「遊技機」、「LCD」、「可変表示装置4」、「特定の表示態様」、「制御のステップS1→S2、S1→S16(→S17)→S18、S1→S16→S33」、「フィーバー!」、「リーチ!」、「チャンス!」、「報知」及び「制御のステップS9、27、S38」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「遊技球」、「始動手段」、「変動」、「変動図柄表示手段」、「予め定められた組み合わせの当たり図柄」、「利益状態を発生させる」、「弾球遊技機」、「液晶式」、「画像表示手段」、「当たり図柄」、「乱数判定手段」、「特定の画像」、「特定の画像」、「特定の画像」、「表示」及び「表示制御手段」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「遊技盤に、遊技球を検出する始動手段と、この始動手段が遊技球を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が変動して停止する変動図柄表示手段とを備え、変動図柄表示手段の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となったときに利益状態を発生させるようにした弾球遊技機において、遊技盤に変動図柄表示手段を兼用する液晶式の画像表示手段を設け、乱数が、停止図柄が前記当たり図柄になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数とを含む乱数であるか否かを判定する乱数判定手段と、この乱数判定手段が乱数を判定したときに特定の画像を表示させる表示制御手段とを備えた弾球遊技機」である、
点において一致し、
ア・用いられる乱数が、
前者は、始動手段が遊技球を検出したときの時点での発生乱数である、
のに対し、
後者は、ランダム1、2、3、4又は5の乱数である、
イ・乱数判定手段によって判定される外れ乱数が、前者は、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数である、
のに対し、
後者は、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てである、
ウ・前者においては、(a)特定の画像が表示されるときが、特定乱数と判定されたときであり、(b)特定の画像の表示が行われるのが、変動図柄表示手段が変動動作を開始する前であり、(c)特定の画像が、特定乱数の種類に拘わらず同一である、
のに対し、
後者においては、(a)特定の画像が表示されるときが、S4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むとき、S21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むとき、S22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むとき、S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むときであり、「停止図柄が当たり図柄になるなるとき」であっても、S6の予告なしの制御のステップに進むとき、S8の予告音を発生させる制御のステップに進むとき、S10のラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップに進むとき、は表示されず、「1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄」となるときであっても、S23の予告なしの制御のステップに進むとき、S26の予告音を発生させる制御のステップに進むとき、S28のラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップに進むとき、は表示されない、(b)特定の画像の表示が行われるのが、変動図柄表示手段が変動の最中であり、(c)特定の画像が、S4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むときと、S22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むときと、S21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むとき、及び、S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むときとで異なる、
点において相違するものと認められる。
相違点について検討する。
相違点ア・についてみる。
弾球遊技機において、前者のように、始動手段が遊技球を検出したときの時点での発生乱数を遊技に用いることは、従来周知の技術的事項である(必要なら、特開平7-80139号公報(同公報第4頁第6欄第18〜23行の「大当り外れカウンタ33は、例えば、0〜234までの数値が刻々と変化しており、始動入賞時に抽出された値が、例えば「0」であるときに当りと判定され、「1〜20」であるときにリーチであると判定され(ただし、最終的に外れ)、それ以外の値であるときに外れと判定される」を参照)、特開平6-233862号公報(同公報第4頁第5欄第36〜41行の「当り外れカウンタは、例えば、0〜234までの数値が刻々と変化しており、始動入賞時に抽出された値が、例えば「0」であるときに当りと判定され、「1〜20」であるときにリーチであると判定され(ただし、最終的に外れ)、それ以外の値であるときに外れと判定される」を参照)、特開平4-5981号公報(同公報第6頁第19欄第15〜19行の「S2に進み、始動入賞時の乱数・・・がたとえば10〜22の範囲内であった場合にはS3に進み」、同頁第20欄第8〜11行の「前記S2によるチェックの結果、始動入賞時の乱数が23〜63の範囲内であった場合にはS5に進み、さらに64〜899の範囲内であった場合にはS6に進む」、同欄第15〜17行の「前記S2によるチェックの結果、始動入賞時の乱数が5〜9の範囲内であった場合にはS10に進み」、同頁第22欄第11〜13行の「前記S2による乱数チェックの結果、乱数が0〜4の範囲内のものであった場合にはS15に進み大当りの図柄がセットされる」、第7頁第23欄第5〜18行の「始動入賞時の乱数が900〜901であった場合には・・・S7により第1中当りの図柄がセットされる・・・始動入賞時の乱数が902〜906であった場合には・・・S8により第2中当りの図柄がセットされる・・・始動入賞時の乱数が907〜999であった場合には・・・S9により小当りの図柄がセットされる」を参照)を参照)から、複数のランダムの乱数に代えて、始動手段が遊技球を検出したときの時点での発生乱数を採用することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
また、相違点ア・の前者の構成の効果は、後者及び従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
相違点イ・についてみる。
前者が相違点イ・の前者の「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数」という構成を採用した主たる理由は、外れのときに特定の画像が表示されたりされなかったりするということを生じさせたいがためであると認められる(特許明細書の【0060】の「画像表示手段の表示状態が変化する意味合いを遊技者に直ちに察知されることがなく」参照)。ところで、後者においては、確かに、乱数判定手段によって、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の全てが判定される。しかし、後者には、外れ乱数の全てが判定された後に、S33、S40から直接S41の「はずれ制御」に進むことがある制御のステップS33、S40を備えており、この制御のステップS33、S40から「はずれ制御」に進むときには特定の画像が表示されず、さらに、S37の予告音を発生させる制御のステップ、S39のラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップ、に進むときにも特定の画像が表示されないから、乱数判定手段によって、外れ乱数の全てが判定されたとしても、後者においては、特定の画像が表示されたりされなかったりし、そうすると、相違点イ・の両者間に実質的な相違がないというべきであり、その上、相違点ア・のところに示したように、始動手段が遊技球を検出したときの時点での発生乱数を遊技に用いることは、従来周知の技術的事項であるから、後者において従来周知の技術的事項を採用し、そして、始動入賞時点に抽出される乱数の中に、外れ乱数の全てが判定されたとしても特定の画像が表示されたりされなかったりするという後者を踏まえて、外れであっても特定の画像を表示することがある乱数、すなわち、「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数」、を設定することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
また、相違点イ・の前者の構成の効果は、後者及び従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
相違点ウ・についてみる。
先ず、(a)について。
前者の特定乱数は、「停止図柄が当たり図柄になるときの乱数」と、「1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数」と、「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数」とであるところ、後者のS4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むとき、とは、停止図柄が当たり図柄になるときであり、後者のS21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むとき及び後者のS22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むとき、とは、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときであり、S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むとき、とは、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄になる(なお、後者において、「S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むとき」だけが当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄になるわけではないことは、上記相違点イ・の判断の所に示したように、S33あるいはS40からS41の「はずれ制御」に進むことがあることからも明らかであり、さらに、後者においては、「S35において大当たり予告2のフラグがセットされ」ても、S37の予告音を発生させる制御のステップ、S39のラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップに進むときには特定の画像が表示されないから、後者における「S35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むとき」が、前者における「当たり図柄及びリーチ図柄以の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数」と実質的に相違がないことは上記相違点イ・の判断の所に示したとおりである)とき、であり、基本的には、両者間に実質的な相違はなく、ただ、後者には、「停止図柄が当たり図柄になるとき」に、予告なしの制御のステップS6や、予告音を発生させる制御のステップS8や、ラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップS10があって特定の画像が表示されないこともあり、また、「1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるとき」に、予告なしの制御のステップS23や、予告音を発生させる制御のステップS26や、ラッキーナンバー表示LEDを変動表示させる制御のステップS28があって特定の画像が表示されないこともある、という余分な構成がある。しかし、この余分な構成は、「特定の画像が表示されるとき」をより変化のあるものとする(引用例1の第8頁第14欄第4〜7行「報知が行なわれない場合には必ず特定の表示態様が発生しないと遊技者が思うことがなく、報知が行なわれない場合に遊技者が完全に失望してしまうことを防止できる」参照)ためのものであって、その必要がなければ無視し得るものであり、しかも、この余分な構成があっても、その基本とするところは、上記したように実質的に相違がないというべきである上に、相違点ア・のところに示したように、始動手段が遊技球を検出したときの時点での発生乱数を遊技に採用することは、従来周知の技術的事項であるから、始動入賞時点に抽出される乱数の中に、後者の基本とするところを踏まえて、特定の図柄が表示されることとなる「停止図柄が当たり図柄になるときの乱数」及び特定の図柄が表示されることとなる「1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数」、また、後者の基本とするところ及び上記相違点イ・の判断を踏まえて、特定の図柄が表示されることとなる「当たり図柄及びリーチ以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数」、を設定することは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。そして、これらの乱数に特定乱数という名前を与えることは単なる設計事項にすぎない。
また、相違点(a)の前者の構成の効果は、後者及び従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
次に、(b)について。
後者(上記(3-2)参照)をみると、後者は、当たり図柄になるとき、変動図柄表示手段が変動動作を開始する前に変動図柄表示手段において全図柄を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後、元の位置に戻すという動作を行い、また、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチとなるとき、変動図柄表示手段が変動動作を開始する前に変動図柄表示手段において中図柄52を逆方向(上方向)に1/2図柄分だけスクロールさせた後元の位置に戻すという動作を行っているものと認められる。要するに、後者には、変動図柄表示手段が変動動作を開始する前に表示を行うという構成がそもそも備わっているものと認められる。そうすると、後者において、変動の最中に行っている特定の画像の表示を、変動動作を開始する前に行うようにすることは、当業者が必要に応じて適宜採用し得る単なる設計事項にすぎないというべきである。
最後に、(c)について。
上記(a)の判断の所に示したように、後者において、「S4において大当たり予告1のフラグがセットされS9に進むとき、とは、停止図柄が当たり図柄になるとき」であり、「S22又はS24においてリーチ予告のフラグがセットされS27に進むとき、とは、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるとき」であり、また、「S21において大当たり予告2のフラグがセットされS27に進むとき及びS35において大当たり予告2のフラグがセットされS38に進むとき、とは、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるとき」であるから、(c)における後者の構成は、「特定の画像が、停止図柄が当たり図柄になるときと、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときと、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときとで異なる」というものであるものと認められる。
そこで、引用例2に記載された発明をみると、
引用例2に記載された発明の
「8コマスベリ」、「大当たり」、「リーチとなって外れ」、「8コマスベリを経てリーチに繋がらない外れ」及び「デジパチ」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「特定の画像の表示」、「当たり図柄」、「1個の停止図柄が当たり図柄と異なるリーチ図柄」、「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの一部の外れ」及び「弾球遊技機」
に相当するものと認められるから、
引用例2に記載された発明には、
「特定の画像の表示を経て当たり図柄になるときと、特定の画像の表示を経て1個の停止図柄が当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときと、特定の画像の表示を経て当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの一部の外れとなるときとがある弾球遊技機」という構成、
すなわち、
特定の画像が、「当たり図柄になるとき」、「1個の停止図柄が当たり図柄と異なるリーチ図柄となるとき」及び「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの一部の外れとなるとき」に、必ず表示されるというわけではないが、
「特定の画像が、当たり図柄になるとき、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるとき、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄になるときで同一である」という構成が備わっているものと認められる。
そして、特定の図柄が必ず表示されるのかどうかという事項は、相違点(c)と直接関係ない事項であるから、引用例2に記載された発明に、特定の画像が同一であるという構成があれば足り、かつ、上記(a)の所で判断したように、特定乱数に関し、両者間に実質的な相違はないから、後者に引用例2に記載された発明を適用し、後者において、「当たり図柄になるとき」、「1個の停止図柄が当たり図柄と異なるリーチ図柄となるとき」及び「当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの一部の外れとなるとき」に、同一の特定の画像を表示するべく、特定の画像を特定乱数の種類に拘わらず同一にすることは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
また、相違点ウ・の前者の構成の効果は、後者及び引用例2に記載された発明並びに従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
したがって、前者は、当業者が後者、引用例2に記載された発明及び従来周知の技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものである。
(3-3-2)本件請求項2に係る発明について
本件請求項2に係る発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、
後者の「予告音」がその機能に照らし、前者の「効果音」に相当するものと認められるから、
両者は、
「効果音を発生させるスピーカを備え、該スピーカから効果音を発生させる」
という点で一致し、
両者間には、上記相違点ア・〜ウ・の他に、
エ・スピーカから効果音を発生させるのが、
前者は、乱数判定手段が特定乱数を判定したときである、
のに対し、
後者は、制御のステップS8、S26、S37がそれぞれ乱数を判定したときである、
という新たな相違点が認められる。
そこで、この新たな相違点エ・についてみるに、要するにこの相違は、効果音を発生させるのが、前者は特定の画像を表示させるときである、のに対し、後者はそうではない、というものである。 しかし、引用例1の第6頁第9欄第26〜28行に「LCD表示装置5の表示動作による事前報知に加えて、音による報知・・・を行なうようにしてもよい」と記載されていることからみて、後者において、効果音を特定の画像を表示させるときに発生させることは、当業者が必要に応じて採用し得る単なる設計事項にすぎないというべきである。
そして、上記相違点ア・〜ウ・については、上記(3-3-1)の所で判断したとおりである。
また、前者の効果は、後者、引用例2に記載された発明及び従来周知の技術的事項の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
したがって、前者は、当業者が後者、引用例2に記載された発明及び従来周知の技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものである。
(3-4)むすび
以上のとおり、本件発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明及び従来周知の技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明の特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技盤(5)に、遊技球を検出する始動手段(14)と、この始動手段(14)が遊技球を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が変動して停止する変動図柄表示手段(30)とを備え、変動図柄表示手段(30)の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となったときに利益状態を発生させるようにした弾球遊技機において、遊技盤(5)に変動図柄表示手段(30)を兼用する液晶式の画像表示手段を設け、始動手段(14)が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、停止図柄が前記当たり図柄になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数とを含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段(44)と、この乱数判定手段(44)が特定乱数と判定したときに、変動図柄表示手段(30)が変動動作を開始する前に画像表示手段に特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる表示制御手段(48)とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】 効果音を発生させるスピーカを備え、乱数判定手段(44)が特定乱数を判定したときに、前記スピーカから効果音を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の弾球遊技機、例えばパチンコ機において、遊技盤に、複数個の図柄表示部を有する変動図柄表示手段と、遊技球を検出して変動図柄表示手段の各図柄表示部の図柄を一定時間変動させる始動ゲートとを備え、始動ゲートが遊技球の入球又は通過を検出した時に、変動図柄表示手段の各図柄表示部の図柄を変動させて、その変動後の停止図柄が予め定められた当たり図柄の組み合わせとなった時に、大入賞手段を所定回数開放するか、又は他の入賞手段に入賞した遊技球がその内部の特別作動領域を通過した後、特定の始動ゲートに遊技球が入賞することを条件に、その始動ゲートに遊技球が入賞する毎に他の大入賞手段を所定回数開閉する等、遊技者に利益を還元するようにしたものがある。
【0003】
変動図柄表示手段の変動制御に際しては、例えば当たりの発生確率が1/150と仮定すると、乱数発生手段で0〜149までの乱数を発生させておき、始動ゲートが遊技球の入球又は通過を検出した時に、その乱数を読み込んで乱数処理により変動図柄表示手段の各図柄表示部の停止図柄を決定し、これに基づいて変動図柄表示手段の各図柄表示部を一定時間変動させる制御方法を採っており、始動ゲートが遊技球を検出する毎に、これを繰り返すだけである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の変動図柄表示手段を備えたパチンコ機では、通常、変動図柄表示手段の各図柄表示部の図柄の変動処理を前述の如く乱数処理によって行っており、予め定められた確率で当たりが発生するようになっている。このため、パチンコ機によっては、始動ゲートに遊技球が入り易いか否かの差はあるが、始動ゲートが遊技球を検出して変動図柄表示手段の図柄の変動が続くならば、所定の確率で当たりが発生することになる。
【0005】
従って、変動図柄表示手段の変動動作がある程度続き、未だ当たりが発生していなければ、そのパチンコ機は、その後、変動図柄表示手段が数回乃至数十回の変動動作を繰り返す間に、実際に当たりが発生するか否かはともかくとして、確率的には当たりの発生する可能性が徐々に高くなってくる。
【0006】
しかし、従来のパチンコ機では、始動ゲートが遊技球を検出した時に、変動図柄表示手段の各図柄表示部の図柄が一定時間変動する動作を繰り返すだけであるため、ゲーム中の遊技者は、ただ当たりの発生を待つだけになり、ゲーム自体が非常に単調で思考性がなく興趣に欠ける欠点がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑み、始動手段が遊技球を検出した時の発生乱数に応じて液晶式の画像表示手段による表示画像に変化を持たせて、その変化を感知し得る遊技者の思考性を喚起し、遊技者が思考しながら興趣に優れたゲームを行うことができる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技盤5に、遊技球を検出する始動手段14と、この始動手段14が遊技球を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が変動して停止する変動図柄表示手段30とを備え、変動図柄表示手段30の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となったときに利益状態を発生させるようにした弾球遊技機において、遊技盤5に変動図柄表示手段30を兼用する液晶式の画像表示手段を設け、始動手段14が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、停止図柄が前記当たり図柄になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数とを含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段44と、この乱数判定手段44が特定乱数と判定したときに、変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に画像表示手段に特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる表示制御手段48とを備えている。
【0009】
【作用】
始動手段14が遊技球を検出すると、乱数判定手段44による乱数処理によって変動図柄表示手段30の複数個の図柄が一定時間変動し、その時の乱数に応じた図柄で停止する。そして、停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となった時に利益状態を発生させる。
【0010】
乱数判定手段44は始動手段14が遊技球を検出する都度、その発生乱数を判定する。そして、その時の発生乱数が特定乱数、即ち、当たり乱数とリーチ乱数と一部の外れ乱数とを含む特定乱数であれば、表示制御手段48が働いて液晶式の画像表示手段に特定の画像表示をさせて、その表示状態を変化させる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
【0012】
図1は本発明を採用したパチンコ機を示す。図1において、1は前枠で、パチンコ機本体2の前面側に開閉自在に枢着されている。前枠1にはガラス扉3及び前面板4が装着され、これらの後側に遊技盤5が着脱自在に装着されている。
【0013】
前面板4には上皿6が装着され、この上皿6の前縁部に球払いレバーが設けられている。前枠1の下部には下皿7と発射手段8の操作ハンドル9とが設けられ、操作ハンドル9を操作した時に、上皿6から遊技球が1個ずつ発射部に供給され、その遊技球を発射モータの作動により遊技盤5側に発射するようになっている。前枠1の上部には大当たり表示ランプ10が設けられている。
【0014】
遊技盤5の前面には、発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に設けられている。そして、このガイドレール11の内側には、表示ユニット12、ランプ風車13、始動ゲート14、入賞口16〜21、特定入賞手段22、第3種始動手段(以下、第3種始動ゲートという)23、大入賞手段24、コーナーランプ25等が装着され、またガイドレール11の外側には上部表示ランプ26及び側部表示ランプ27が装着されている。
【0015】
表示ユニット12は遊技盤5の中央部に配置され、この表示ユニット12の周辺部分に始動ゲート14、入賞口16〜21、特定入賞手段22、第3種始動ゲート23、大入賞手段24等が配置されている。表示ユニット12は、図2に示すように、前方に突出する廂部28を有する表示ケース29と、廂部28の下側で表示ケース29に上下に装着された変動図柄表示手段30と、廂部28に設けられた始動ゲート入賞個数表示ランプ31及びカウント表示ランプ32を備えている。表示ケース29には、その廂部28に表示ランプ34が設けられると共に、変動図柄表示手段30の左右両側に特定表示ランプ33が設けられている。
【0016】
変動図柄表示手段30は、左右方向に3個の図柄表示部39,40,41を備え、始動ゲート14を遊技球が通過して、この始動ゲート14が遊技球を検出した時に、後述の乱数処理により各図柄表示部39,40,41の表示図柄が所定時間だけ変動するように構成されている。なお、各図柄表示部39,40,41は、例えば0〜9までの数字図柄を表示するようになっている。
【0017】
始動ゲート14、特定入賞手段22、第3種始動ゲート23、大入賞手段24は、1個又は複数個の表示ランプ35〜38を夫々備え、ゲーム中に所定の条件が満たされた時に、点滅点灯又は連続点灯するようになっている。特定入賞手段22は、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の停止図柄が「7・7・7」等の所定の組み合わせの当たり図柄となった時に開放するようになっている。そして、この特定入賞手段22の内部は3分割されており、その中央が特別作動領域42となっている。
【0018】
図3は制御装置のブロック図である。図3において、43は乱数発生手段で、例えば当たりの発生確率が1/150の時には、0から149までの乱数を発生するようになっている。この乱数発生手段43で発生する乱数には、当たり乱数と外れ乱数とがあり、その外れ乱数にはリーチ乱数とリーチ乱数以外の乱数とがある。そして、当たり乱数は、0〜149までの乱数の内の1個の乱数、例えば7と定められ、またリーチ乱数は27と47の2個と定められている。
【0019】
44は乱数判定手段で、始動ゲート14が遊技球の通過を検出した時に、その検出時点の乱数を乱数発生手段43から読み込んで、その乱数を判定する機能と、その乱数が当たり乱数、リーチ乱数及び一定数の外れ乱数であるか否かを判定する機能とを有する。
【0020】
なお、一定数の外れ乱数とは、0〜149までの150の乱数から当たり乱数の7、リーチ乱数の27及び47を除いた147個の外れ乱数の内、ある一定数の乱数、例えば17、37、57、67、77、及び87の6個の乱数を言う。そして、この6個の外れ乱数と当たり乱数及びリーチ乱数を特定乱数と言うものとする。
【0021】
45は変動処理手段で、各乱数に応じて変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,441の停止図柄が予め指定されているので、乱数判定手段44での判定結果に従って、その時の乱数によって指定された図柄で各図柄表示部39,40,41が停止するように、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄を一定時間だけ変動させるためのものである。また変動処理手段45は、各図柄表示部39,40,41の図柄を左・右・中の順で停止させるようになっている。
【0022】
なお、変動処理手段45では、乱数判定手段44が当たり乱数と判定した時に、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄を例えば「7・7・7」等の予め定められた組み合わせの当たり図柄で停止させ、リーチ乱数と判定した時に、変動図柄表示手段30の左右の2個の図柄表示部39,41の図柄が一致し、中の図柄表示部40の図柄のみが異なるように3個の各図柄表示部39,40,41の図柄を停止させ、更にこれら以外の外れ乱数の時には、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の全てを異なる図柄で停止させるようになっている。
【0023】
46は図柄判定手段で、変動処理手段45での変動処理時の乱数から変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の停止図柄を判定して、各停止図柄が当たり図柄となる当たり時に特定入賞手段22を開放させるようになっている。
【0024】
47は権利状態発生手段で、図柄判定手段46が当たり図柄と判定して特定入賞手段22が開放し、且つ遊技球がその特別作動領域42を通過した時に、遊技者に有利な権利状態(大当たり状態)を発生させるようになっている。即ち、権利状態発生手段47は、遊技球が特定入賞手段22の特別作動領域42を通過すれば、その後、第3種始動ゲート23に遊技球が入る毎に、大入賞手段24を一定時間開放し、この大入賞手段24の開閉動作を最大16回まで繰り返すようになっている。
【0025】
48は表示制御手段で、始動ゲート14が遊技球を検出した時に、その表示ランプ35を点灯させる機能と、変動図柄表示手段30の変動動作中に表示ユニット12の表示ランプ34を点滅点灯させる機能と、リーチ時にランプ風車13、コーナーランプ25、表示ランプ35〜38等のランプ群50を点滅点灯させる機能と、乱数が当たり乱数、リーチ乱数及び一定数の外れ乱数を含む特定乱数の時に、特定表示ランプ33を点滅点灯させる機能と、権利状態発生手段47により権利状態が発生した大当たり時に大当たり表示ランプ10を点滅点灯させる機能とを有する。
【0026】
次に上記パチンコ機における動作について説明する。
【0027】
ゲームに際して、発射手段8の操作ハンドル9を操作すると、発射手段8の発射動作に連動して発射レールの発射位置に遊技球を1個ずつ供給し、その遊技球をガイドレール11に沿って順次遊技盤5の上部側に発射させる。
【0028】
そして、この遊技盤5の上部側に発射された遊技球が遊技盤5の盤面に沿って落下する間に、その遊技球が始動ゲート14に入ると、変動処理手段45が働いて変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄を変動させ、所定の変動時間が経過した時に各図柄表示部39,40,41の図柄を左・右・中の順に停止させる。
【0029】
なお、図4のA及びBに示すように、始動ゲート14が遊技球を検出すると、その表示ランプ35が点滅点灯し、また図4のC及びDに示すように、変動図柄表示手段30が変動動作をすると、その動作中、表示ランプ34が点滅点灯する。
【0030】
乱数発生手段43は、常時、0から149までの乱数が発生しており、始動ゲート14が遊技球を検出すると、その検出時点の乱数を乱数判定手段44が読み込んで判定し、その乱数の判定結果に従って変動処理手段45が変動処理を行い、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄を一定時間変動させる。そして、変動後の各図柄表示部39,40,41の停止図柄は、当たり乱数の時には「7・7・7」となり、リーチ乱数の時には左右の2個の図柄表示部39,41の図柄が共に「7」となり、またリーチ乱数以外の外れ乱数の時には、これら以外の外れ図柄を表示する。
【0031】
この実施例では、当たりの発生確率が1/150であり、リーチの発生確率が2/150であるので、始動ゲート14が遊技球を検出して変動図柄表示手段30が作動しても、殆どの場合、各図柄表示部39,40,41の停止図柄は外れ図柄となる。そして、遊技盤5上の各表示ランプ等の内、始動ゲート14が遊技球を検出した時に表示ランプ35が、また変動図柄表示手段30の作動中に表示ランプ34が夫々点滅点灯するだけである。
【0032】
このような動作を繰り返す間に、乱数発生手段43から例えば乱数57が発生すると、この乱数57は当たり乱数、リーチ乱数及び一定の外れ乱数を含む特定乱数の中の1個であるので、乱数判定手段44が特定乱数であることを判定し、この乱数判定手段44からの信号によって表示制御手段48が働き、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄が変動し始めると同時に、図4のEに示すように、変動図柄表示手段30の左右両側にある各特定表示ランプ33が点滅点灯して特定表示を行う。
【0033】
しかし、この時の乱数57は外れ乱数であるため、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41が一定時間変動するだけであって、その停止図柄は外れ図柄となる。
【0034】
他の乱数17、37等の外れ乱数が発生した時にも、同様の動作をする。
【0035】
また乱数27、47のリーチ乱数が発生した時には、乱数判定手段44からの信号で表示制御手段48が働き、前述と同様に、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41が変動動作を開始すると同時に各特定表示ランプ33が点滅点灯をする。ただ、この時の乱数は、リーチ乱数であるため、変動図柄表示手段30の左右の図柄表示部39,41の図柄が共に「7」になり、リーチ状態で停止する。
【0036】
そして、左右の図柄表示部39,41の図柄がリーチ状態を表示すると同時に、図4のFに示すように、コーナーランプ25、表示ユニット12の表示ランプ34、及びその周辺のランプを含むランプ群50が点滅点灯を開始して、遊技者の持つ当たり発生への期待感を高めて行くように演出する。
【0037】
なお、リーチ時には図柄表示部40は、図4のCに点線で示すように、外れ時よりも長く変動して停止する。しかし、停止図柄は外れである。
【0038】
乱数発生手段43から当たり乱数が発生した時にも、同様にしてランプ群50が点滅点灯をする。そして、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄が一定時間変動した後、その停止図柄が「7・7・7」の当たり図柄を表示する。
【0039】
この種のパチンコ機では、乱数発生手段43の乱数発生のタイミングが一定であり、また発射手段8により遊技球を発射する間隔が略一定であるため、遊技球が始動ゲート14を通過した時点で抽出した乱数にも一定の周期性ができる傾向にある。
【0040】
従って、外れ乱数ではあっても、特定乱数の中のリーチ乱数又はこれに近い乱数が頻繁に出始めると、現実に当たり乱数が発生するか否かはともかくとして、当たり乱数が発生する確率が非常に高くなる。
【0041】
そこで、特定乱数が発生する都度、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の変動中に、表示ユニット12の特定表示ランプ33を点滅点灯させるようにすれば、常に表示状態の変化に注意を払いながらゲームを行っている遊技者の場合には、遊技者の思考性を喚起することができ、遊技者は思考しながら興趣に優れたゲームを行うことができる。
【0042】
即ち、遊技者は、特定表示ランプ33が点滅点灯することの意味合いは全く知り得ないとしても、特定表示ランプ33の点灯によって何等かの変化が起こりつつあることを感知し、その点灯の原因、条件等を色々と推測し思考して、遊技者自身で当たりの発生に対する期待感を高めながらゲームを行うことになり、思考性を伴ないつつゲームを行うことができる。
【0043】
しかし、特定乱数の中には、当たり乱数以外に、リーチ乱数を含む8個の外れ乱数があるので、変動図柄表示手段30の作動前に特定表示ランプ33が点滅点灯し始めても、必ずしも直ちに当たりが発生するものではなく、殆どの場合には遊技者の期待感に反して外れとなる。
【0044】
従って、当たり乱数のみを特定乱数とする場合、又は当たり乱数とリーチ乱数とを特定乱数とする場合であれば、遊技者の経験等から、特定表示ランプ33が点滅点灯する意味合いを遊技者に簡単に察知されることになるが、特定乱数の中にリーチ乱数と一定数の外れ乱数を含んでいるので、遊技者の思考性を喚起させるものの、直ちに察知されることはなく、却ってゲーム攻略への意欲と期待感を喚起し、興趣に溢れたゲームを行うことができる。
【0045】
変動処理手段45が変動処理を開始すると、図柄判定手段46が変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の停止図柄を判定する。そして、各図柄表示部39,40,41の停止図柄が当たり図柄となる当たり乱数以外であれば、図柄判定手段46が外れと判定するので、特定入賞手段22は開放しない。
【0046】
変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41が当たり図柄で停止すると、図柄判定手段46からの信号によって特定入賞手段22が開放し、遊技球がその特別作動領域42を通過した時に権利状態発生手段47が働いて、遊技者に有利な権利状態、即ち、大当たり状態を発生させる。即ち、遊技球が特定入賞手段22の特別作動領域42を通過すれば、その後、第3種始動ゲート23に遊技球が入る毎に、大入賞手段24が一定時間開放し、この大入賞手段24が開閉動作を最大16回まで繰り返すので、大入賞手段24に多数の遊技球が連続して入ることになり、遊技者に非常な利益を還元する。
【0047】
一方、この大当たりが発生すれば、表示制御手段48を介して大当たり表示ランプ10が点滅点灯すると共に、遊技盤5側のコーナーランプ25、その他の各表示ランプ33が点滅点灯する。
【0048】
なお、この実施例では、遊技盤5に、遊技球を検出する始動手段14と、この始動手段14が遊技球を検出した時に乱数処理により複数個の図柄が一定時間変動する変動図柄表示手段30とを備え、変動図柄表示手段30の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となった時に利益状態を発生させるようにした弾球遊技機の表示制御装置において、遊技盤5に液晶式の画像表示手段を設け、変動図柄表示手段30の変動動作毎に、始動手段14が遊技球を検出した時に発生する発生乱数の内、変動図柄表示手段30の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄になる時の当たり乱数と、1個の図柄が当たり図柄と異なるリーチ図柄となる時のリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となる時の外れ乱数の一部の外れ乱数とを含む特定乱数の有無を判定する乱数判定手段44と、この乱数判定手段44が特定乱数を判定した時に、変動図柄表示手段30の変動動作の停止前に前記液晶式の画像表示手段に特定の画像を表示させる表示制御手段48とを備えている。
【0049】
また液晶式の画像表示手段に遊技者に対して思考性を喚起させる特定の画像を表示するようにしている。更に液晶式の画像表示手段により変動図柄表示手段30を兼用するようにしている。また変動図柄表示手段30の変動動作中に前記液晶式の画像表示手段が前記特定画像を表示するようにしている。
【0050】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0051】
例えば、実施例では、当たりの発生確率を1/150として、特定乱数に当たり乱数を1個、リーチ乱数を2個、外れ乱数を6個設定しているが、その各個数はゲーム構成の全体の中で適宜決定すれば良い。
【0052】
また特定乱数の時には、変動図柄表示手段30の各図柄表示部39,40,41の図柄が変動し始めると同時に、特定表示ランプ33が点滅点灯を開始することとしているが、変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に特定表示ランプ33が点滅するように構成しても良い。
【0053】
要するに、特定乱数の時に、遊技者にインパクトを与え得るタイミングで特定表示ランプ33を点滅させれば十分である。なお、特定表示ランプ33は連続点灯させるようにしても良い。
【0054】
更に、実施例では、変動図柄表示手段30の近傍の特定表示ランプ33を点滅させるようにしているが、その位置は特に限定されるものではない。
【0055】
また特定乱数の時に、特定表示ランプ33を点滅点灯させると同時に、スピーカーから効果音を発生させるようにして、視覚と聴覚との双方から遊技者の注意を喚起するようにしても良い。
【0056】
実施例では、特定位置の表示手段として、特定表示ランプ33を例示しているが、変動図柄表示手段30を兼用する液晶式の画像表示手段を用い、特定乱数が発生した時に、その画像表示手段に特定の画像、例えば鼠が走る画像等を表示させるようにしても良い。
【0057】
始動手段は、遊技球が上から下に通過する始動ゲート14の他、入球した遊技球を遊技盤5の後側に通過させる入球口によって構成しても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技盤5に、遊技球を検出する始動手段14と、この始動手段14が遊技球を検出したときに乱数処理により複数個の図柄が変動して停止する変動図柄表示手段30とを備え、変動図柄表示手段30の停止図柄が予め定められた組み合わせの当たり図柄となったときに利益状態を発生させるようにした弾球遊技機において、遊技盤5に変動図柄表示手段30を兼用する液晶式の画像表示手段を設け、始動手段14が遊技球を検出したときに、その時点での発生乱数が、停止図柄が前記当たり図柄になるときの乱数と、1個の停止図柄が前記当たり図柄と異なるリーチ図柄となるときのリーチ乱数と、当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数とを含む特定乱数であるか否かを判定する乱数判定手段44と、この乱数判定手段44が特定乱数と判定したときに、変動図柄表示手段30が変動動作を開始する前に画像表示手段に特定乱数の種類に拘わらず同一の特定の画像を表示させる表示制御手段48とを備えているので、特定乱数の発生時に、画像表示手段の表示状態に変化を持たせることができる。
【0059】
従って、表示状態の変化を感知し得る遊技者に対しては、液晶式の画像表示手段に特定の画像を表示することによって遊技者の思考性を喚起することができ、遊技者は常に思考しながら興趣に優れたゲームを行うことができる。
【0060】
しかも、特定乱数には当たり図柄及びリーチ図柄以外の外れ図柄となるときの外れ乱数の一部の外れ乱数を含ませているので、特定乱数の発生時に液晶式の画像表示手段に特定の画像を表示して、その表示状態に変化を持たせているにも拘わらず、その画像表示手段の表示状態が変化する意味合いを遊技者に直ちに察知されることがなく、ゲームに対する思考性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】
本発明の一実施例を示す表示ユニットの正面図である。
【図3】
本発明の一実施例を示す制御系のブロック図である。
【図4】
本発明の一実施例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
5 遊技盤
12 表示ユニット
14 始動手段
30 変動図柄表示手段
43 乱数発生手段
44 乱数判定手段
48 表示制御手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-09 
出願番号 特願平11-141614
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 瀬津 太朗土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 國分 直樹
渡戸 正義
登録日 2002-09-06 
登録番号 特許第3346540号(P3346540)
権利者 株式会社藤商事
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 谷藤 孝司  
代理人 谷藤 孝司  
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