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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B01D
審判 全部申し立て 2項進歩性  B01D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B01D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B01D
管理番号 1119468
異議申立番号 異議2003-72767  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-05-21 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-11-12 
確定日 2005-06-27 
異議申立件数
事件の表示 特許第3405536号「多孔質セラミックハニカム構造体」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3405536号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 1.本件発明
本件請求項1、2に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、「本件発明1、2」という)。
「【請求項1】セル開口部両端を交互に目封じして、排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する、コーディエライト組成からなる多孔質ハニカム構造体であって、セル壁の気孔率が60〜80%、平均細孔径が15〜25μmで、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上であることを特徴とする多孔質セラミックハニカム構造体。
【請求項2】単位体積あたりのフィルター表面積が7〜13cm2/cm3であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックハニカム構造体。」

2.特許異議申立てについて
2-1.取消理由通知の概要
当審の取消理由通知の概要は、(1)請求項1、2に係る発明は、刊行物1又は2に記載された発明であるから、請求項1、2に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号に該当し取り消すべきものである、(2)請求項1、2に係る発明は、刊行物1〜5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2に係る発明の特許は特許法第29条第2項に該当し取り消すべきものである、(3)本件出願は、明細書の記載が不備であるから、請求項1、2に係る発明の特許は特許法第36条第4項又は同条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず取り消すべきものである、というものである。
2-2.上記取消理由(1)(2)について(特許法第29条第1項第3号、同条第2項)
2-2-1.刊行物の記載内容
(1)刊行物1:特開平9-158710号公報:特許異議申立人日本碍子株式会社(以下、「申立人A」という)の提出した甲第1号証、特許異議申立人株式会社デンソー(以下、「申立人B」という)の提出した甲第1号証
(a)「連続気泡を有する多孔質セラミックハニカム構造体のセル開口部の片端が1個おきに目封じされ、この端で目封じのされていないセル開口部は反対側の端を目封じされており、セル壁中の細孔を通過してガスが流通するようになっているハニカム型フィルタであって、セル側壁の表面及びセル側壁の細孔内部に高比表面積材料粒子を含むコーティング材料が付着している構造体、を有する、セル壁の中の細孔を通過してガスが流通するディーゼル排ガス浄化フィルタ。」(請求項1)
(b)「前記高比表面積材料を担持した後のフィルタのセル壁の気孔率が40〜65%で、平均細孔径が5〜35μmである請求項1に記載のフィルタ。」(請求項2)
(c)「本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出されるガスに含まれている物質のうち少なくともパティキュレートを除去し、排気ガスを浄化するために用いられるパティキューレート捕集用のフィルタに関する。」(第2頁左欄第49行〜右欄第3行)
(d)「本発明の第1の態様は、連続気泡を有する多孔質セラミックハニカム構造体のセル開口部の片端が1個おきに目封じされ、この端で目封じのされていないセル開口部は反対側の端を目封じされており、セル壁中の細孔を通過してガスが流通するようになっているハニカム型フィルタであって、セル側壁の表面及びセル側壁の細孔内部に高比表面積材料粒子(以下単に「高比表面積材料」という)を含むコーティング材料が付着している構造体、を有する、セル壁の中の細孔を通過してガスが流通するディーゼル排ガス浄化フィルタである。」(第3頁左欄第15〜25行)
(e)「本発明に用いる多孔質セラミックハニカム構造体は、従来低熱膨張性セラミックスとして知られているコーディエライト(化学組成式2MgO・2Al2 O3・5SiO2)で作られていることが好ましい。これの気孔率は当業者に周知の方法で自由に調節することができる。」(第3頁左欄第37〜42行)
(f)「通常は前記多孔質セラミックハニカム構造体に活性アルミナ等の高比表面積材料を担持させた後に、この高比表面積材料を担体として排ガス中のパティキュレートを燃焼させる性能のすぐれた触媒金属を担持させ、上記目封じをしてディーゼル排ガス浄化フィルタができ上がる。この場合の触媒金属の量はわずかであって上記ディーゼル排ガスフィルタの気孔率は、上記高比表面積材料を担持させた段階の気孔率でほぼ定まってしまう。前記高比表面積材料を担持させた段階でのハニカム構造体のセル壁の気孔率は40〜65%が好ましく、45〜60%が更に好ましい。またこのセル壁の平均細孔径は5〜35μmが好ましく、10〜30μmが更に好ましい。この気孔率が40%以上で平均細孔径が5μm以上であれば、このフィルタを排ガスが通過するときの圧損失が小さく、エンジンの出力が低下しない。一方前記気孔率が65%以下で、平均細孔径が30μm以下であればパティキュレート捕獲能がさほど低くならない。」(第3頁第1〜18行)
(g)「(例1)コーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)組成のセラミックハニカム構造体を公知の押し出し製法で作製し、1350℃〜1450℃の最高温度、5℃〜200℃の昇温速度、2〜20時間の保持時間で焼成して、気孔率が55%、平均細孔径25μmの細孔特性を持ち、セル壁厚さ0.45mm、1平方インチあたりのセル数が150個の直径140mm、長さ130mmの多孔質コーディエライトハニカム構造体を得た。一方、高比表面積材料として、中心粒径5μmの活性アルミナ(γ-アルミナ)(住友化学製)1330gと、アルミナゾル(日産化学製)670gを水4Lと共に混合し、撹拌して活性アルミナスラリーを作製し、これに中心粒径5μmのカーボン(SEC製)を活性アルミナの重量を基準に添加割合を変化させたサンプル(カーボン添加割合10wt%〜100wt%)を6種類作製した。前記の多孔質コーディエライトハニカムフィルタを前記カーボン入り活性アルミナスラリーに完全に浸す(ウォッシュコート)。その後、エアークリーナーおよび圧縮エアーで余分に付着したスラリーをできるだけ完全に取り除く。さらにその後、120℃で2時間乾燥し、800℃で焼成し、カーボンを完全に焼失させた。焼成後にフィルタ重量を測定し、ウォッシュコート前のフィルタとの重量差より1Lあたりのコート量(g/L)を求めた。ウォッシュコート処理したハニカム構造体のガス入口側のセル開口部を一個おきに目封じし、ガス出口側では入口側で目封じしてないセルについてのみ目封じする。目封じ材はコーディエライト、アルミナ、ジルコニアなどの1000℃以上の耐熱性のあるセラミック材料であれば特に限定されず、セラミック製の接着剤でもよい。このようにして、触媒担体付きフィルタを作製した(担体A〜担体F)。」(第4頁右欄第29行〜第5頁左欄第11行)
(2) 刊行物2:特開昭61-129015号公報 :申立人Aの提出した甲第2号証
(a)「フィルタ基体の軸方向一端で開口し、該フィルタ基体の他端で閉塞される軸方向に平行な多数の導入通路と、該一端で閉塞され、該他端で開口する軸方向に平行な多数の排出通路と、該導入通路および該排出通路の間に位置し、該導入通路と該排出通路を区画する多孔質な隔壁とからなる排出ガス浄化用フィルタにおいて、該隔壁の少なくとも該導入通路側の表面には、孔径5〜40μmの小孔と、孔径40〜100μmの大孔からなり、該小孔の数が該大孔の数の5〜40倍となるように構成された、該隔壁の内部の内部細孔と連通する表面細孔を具備していることを特徴とする排出ガス浄化用フィルタ。」(特許請求の範囲第1項)
(b)「本発明は自動車等の内燃機関から排出される排ガス中のカーボンを主成分とする微粒子物質(パテイキュレート)を捕集し、排出ガスを浄化する排出ガス浄化用フィルタに関し、詳しくはハニカム構造を有するセラミック製の排出ガス浄化用フィルタの構造およびその製造方法に関するものである。」(第2頁左上欄第17行〜右上欄第3行)
(c)「従来ハニカム構造を有する排出ガス浄化用フィルタは、第9図および第10図に示すように互いに隔壁5をへだてた多数の通路1、2を有している。そして円筒状のフィルタの軸方向の一端面の該通路の開口を略市松状に閉塞し、この一端面で閉塞されなかった通路の他端面の開口を閉塞した構造のものが用いられている。この排出ガス浄化用フィルタを内燃機関の排気系へ装着すると、一方の端面の導入通路2の開口から通路に入った排出ガスは閉塞材4によりそのまま他端面から出られず、該通路を区画構成する多孔質な隔壁5の細孔を通過する。そしてこの細孔によりパティキュレートが捕集され、浄化された排出ガスは隣接する排出通路1を通り他端面の該排出通路1の開口より排出される。」(第2頁右上欄第5行〜第19行)
(d)「内部細孔は累積細孔容積が0.3〜0.7cm3/gであるのが好ましく、孔径および細孔容積は第4図に示す分布を有していることが好ましい。ここで第4図は各孔径ごとに細孔容積の和を求め、その積分値を示したもので、水銀圧入法で測定される値である。」(第4頁左上欄第12〜17行)
(e)「(第1実施例)・・・次に乾燥後の成形体を1400℃で20時間焼成してコージェライト質のハニカム構造体を得た。・・・この内部細孔の分布を第4図に示す。この曲線は水銀圧入法で求めたものであり、平均細孔径は40μm、累積細孔容積は0.58cm3/gであった。」(第6頁左上欄第17行〜右下欄第6行)
(f)「次に実施例1における発泡剤の添加量を0.3部、1.0部、3.0部および5.0部とすること以外は実施例1と同一の原料を同量使用し、同様の工程で実施例1と同一形状の実施例2、実施例3、実施例4および実施例5の排出ガス浄化用フィルタを製造した。」(第6頁右下欄第7〜12行)
(g)「(第2実施例)・・・第1実施例と同一形状の実施例6の排出ガス浄化用フィルタを得た。・・・なお第1実施例と同様に水銀圧入法を用いて隔壁の内部細孔分布を測定したところ、平均細孔率は15μm、累積細孔容積は0.3cm3/gであった。分布の詳細は第4図に示す。」(第7頁左下欄第8行〜右下欄)
(3)刊行物3:特開平8-281036号公報:申立人Aの提出した甲第3号証
(a)「可燃性微粒子を多孔質壁で捕集し、捕集した可燃性微粒子を加熱焼却することによって再生するハニカム構造体において、多孔質壁の全気孔容積に対する気孔径50〜70μmの気孔が占める割合が30〜50体積%であることを特徴とするハニカム構造体。」(請求項1)
(b)「 すなわち、本発明の特徴は、可燃性微粒子を多孔質壁で捕集し、捕集した可燃性微粒子を加熱焼却することによって再生するハニカム構造体であって、多孔質壁の全気孔容積に対して気孔径50〜70μmの気孔が占める割合が30〜50体積%であるハニカム構造体である。また、このハニカム構造体の多孔質壁の気孔率が40%以上で平均気孔径が 5〜40μmであるものがより好ましく、また、このハニカム構造体の材質が炭化珪素を主成分とするものがより好ましい。またこのハニカム構造体の製造方法の特徴は、平均粒子径 5〜 50μm、粒度分布の累積粒度において 10%の径(D10)と 50%径(D50)の粒径比(D10/D50)が0.2以上の炭化珪素粉末に内割りで10体積% 以下の焼結促進剤を添加した粉末100体積部に平均粒子径40〜 100μmの造孔剤を15〜25体積部配合し成形した後、1600℃以上の非酸化性雰囲気で焼成することである。さらに、本発明の特徴は、これらのハニカム構造体を使用したディーゼルパティキュレートフィルタである。」(第3頁左欄第10〜27行)
(c)「本発明のハニカム構造体は、例えばディーゼルパティキュレートフィルタ用ハニカム構造体の場合、排気ガスが多孔質壁の気孔を通過する時に、排気ガス中に含まれる可燃性微粒子がこの多孔質壁によって補集される構造となっている。多孔質壁の全気孔容積に対して、気孔径 50〜70μmの気孔が占める割合が30〜50体積%必要である理由は、可燃性微粒子の捕集による目詰まりを抑制するためで、50μm未満の気孔は可燃性微粒子をほぼ完全に捕集するのに適し、フィルタ性能として捕集効率を極めて高くすることができるが、可燃性微粒子が容易に堆積し目詰まりする問題がある。一方、70μmより大きな気孔は、可燃性微粒子をほとんど捕集することができないため、捕集効率が著しく低下する。従って、捕集効率を損なわずに、多孔質壁に含ませることができる気孔径50〜70μmの割合は、全気孔容積の30〜50体積%の範囲で、30体積%未満では可燃性微粒子が目詰まりしやすく、排ガスの通気抵抗が短時間で上昇し、50体積%を越えると捕集効率が低下するとともに、ハニカム自体の強度が低下する。また、100μmより大きな気孔が5体積%より多く存在すると同様に捕集効率が低下するとともに、ハニカム自体の強度が低下する。ここで言う気孔径とは、実施例にその測定法を詳細に述べるが水銀圧入法により求めたものを言う。」(第3頁左欄第36行〜右欄第8行)
(d)「そして、本発明の多孔質壁の気孔率は40%以上、好ましくは50〜70%、より好ましくは 45%〜65%であり、40%より低いと通気抵抗が高く、70% を越えると機械的強度が低下する。また、平均気孔径は5〜40μmの範囲で、5μmより小さいと可燃性微粒子が目詰まりしやすく、短時間で排ガスの通気抵抗が高くなる。また、平均気孔径が40μmを越えると、捕集効率が低下しフィルター性能が低下する。」
(e)「また、ハニカム構造体の材質は、金属、セラミックス、或いはこれらの複合材料が使用できるが、ハニカム構造体内を通過する排気ガス中の可燃性微粒子を効率よく補集するには、多孔質壁表面の表面粗さが粗い方が良く、材質としてはセラミックス材料が好ましい。特に炭化珪素を主成分とするものは結晶粒子の間隙が大きいので表面粗度が高く、排気ガスを多孔質壁内に取り込み易く、さらに多孔質壁内部の気孔構造が結晶粒子が複雑に絡み合った状態の間隙で、連通気孔が形成されているため、強度が高く、50〜70μmの気孔を特定量含有することによって、可燃性微粒子の補集効率が高い。ここでいう炭化珪素を主成分とするものとは、炭化珪素の含有量が 80重量%以上、好ましくは 90重量%以上、より好ましくは、95重量%以上のものである。また、主成分となる炭化珪素以外の成分としては、Al,Fe,Cr 等の金属単体及びこれらの酸化物、炭化物、窒化物等、他の無機材料を含んでもよい。このような多孔質壁を有するハニカム構造体を使用したディーゼルパティキュレートフィルタは、上述したように多孔質壁の気孔特性において、特定の割合で気孔径50〜70μmの気孔を含み、また適当な平均気孔径及び気孔率を有するので、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる可燃性微粒子を多孔質壁で捕集することができ、かつこの際、捕集された可燃性微粒子による多孔質壁の目詰まりによる通気抵抗の上昇を適当に抑制することができる。また、材質を炭化珪素を主成分としたものは、その気孔構造は結晶粒が複雑な状態で絡みあった間隙が気孔となることから、強度が高く、特に良好な捕集効率を示す。従って、可燃性微粒子の捕集時間が長く、フィルタのコンパクト化が可能なディーゼルパティキュレートフィルタを得ることができる。」(第3頁右欄第17行〜47行)
(f)「 次に、得られたハニカム状の成形体の入口端面と出口端面の貫通孔は、母材となる炭化珪素を主成分とする封止材料によって交互に目封じし、1600℃以上、好ましくは1700〜2300℃のAr,N2真空等の非酸化性の雰囲気で焼成する。また、造孔剤として添加する粉末が非酸化性の雰囲気で1600℃以上の温度での焼成で焼失しない場合は、残存する炭素質成分を除去するため 500〜℃〜1000℃の酸化性雰囲気で熱処理する必要がある。」(第4頁左欄第40〜47行)
(g)「(実施例1〜5比較例1〜3)出発原料として、表1記載の平均粒径5〜70μmの炭化珪素粉末 100体積部に対して、造孔剤として平均粒径20〜100μmのスチレン又は黒鉛粉末を表1記載のように添加し、さらに、これら混合粉末に水20重量%、バインダーとしてメチルセルロース8.0 重量%を混合した後、ヘンシェル混合機で10分間混合した。次いでニーダ式混練機を用いて30分間混練し、高圧真空押出成形機を用いて、成形圧力60kg/cm2で外径寸法□ 100mm、セルピッチ2.0mm 、壁厚0.4mm のハニカム形状に押出成形した。得られた成形体は、長さ100mmに切断し、乾燥後、入口端面と出口端面を交互に目封じするため、平均粒径 1.0μmの炭化珪素粉末を主成分とする固形分80%のスラリーを、それぞれの端面から深さ10mm程度まで流し込み、乾燥固化後、2100℃×1hr、Ar雰囲気で焼成した。そのうち、実施例3、4、実施例1、2、5及び比較例1、2については、得られた焼結体をさらに大気中900℃×3hの酸化処理を行い残存する黒鉛を焼却した。このようにして得られたディーゼルパティキュレートフィルタ用ハニカム構造体については以下の特性を測定し、その結果を表2、表3に示した。(1) 気孔率:アルキメデス法。(2) 気孔径:水銀圧入法により、気孔が円筒形であると仮定して、全細孔容積を細孔比表面積によって割算することにより求めた気孔径の平均値及び全細孔容積における気孔径50〜70μmの気孔の占める割合を測定した。(3)機械的強度:ハニカム構造体を□10×10mmに切断し、目封じされていない部分の入口端面と出口端面の貫通孔に対して水平方向の圧縮強度を測定した。(4)可燃性微粒子の捕集性能:□ 100×100mm 形状のディーゼルパティキュレートフィルタとして、ディーゼルエンジンから排出される排ガス成分において、可燃性微粒子濃度が0.15g/Nm3、排ガス流速10Nm3/min、温度250℃の条件で捕集試験を行い、初期の圧力損失が可燃性微粒子の捕集によって 150mmHg まで到達する時間を測定した。また、ハニカム構造体の出口端部にペーパーフィルタを取り付け、付着する可燃性微粒子の重量からフィルタの捕集効率を算出した。」(第4頁第1〜38行)
(4)刊行物4:「学術講演会前刷集911」社団法人自動車技術会 第75〜78頁 (1991年4月25日):申立人Bの提出した甲第2号証
(a)「図 2の形状のセラミック製ウオール フロー フィルタ」(第75頁右欄第8行)
(b)「この表の細孔率分布は、水銀圧入法によって求めた値である。εmについては、次の節で、他の用語を含め、定義とそれぞれの関係を説明する。
4.隔壁空隙部の用語と定義 本論に入る前に、フィルター隔壁の空隙について、用語を定義し、以下の取扱の考え方を説明して置く。
ρc:フィルター構成材の真の密度
εm,ρm:フイルター隔壁部の見掛けの空隙率と密度
εM,ρM:εmにフィルターのチャンネル流路部の空隙も加えた見掛けの空隙率と嵩密度
εT:フィルター単体の空隙率」(第76頁左欄第1〜11行)
(c)第76頁Table2供試フィルターの主要諸元には、TYPE Bとして、εm が0.50、DPF Pore Size20.0〜40.0が25.64であることが記載されている。
(5)刊行物5:特開平9-77573号公報 :申立人Bの提出した甲第3号証
(a)「化学組成がSiO2 45〜55重量%,Al2O3 33〜42重量%,MgO12〜18重量%よりなるコージェライトを主成分とするハニカム構造体であって,25〜800℃の間における熱膨張係数が0.3×10-6/℃以下,気孔率が55〜80%,平均細孔径が25〜40μmであり,かつ隔壁表面の細孔は5〜40μmの小孔と40〜100μmの大孔とよりなり,上記小孔の数は上記大孔の数の5〜40倍であることを特徴とするハニカム構造体。」(請求項1)
(b)「本発明は,ディーゼル機関から排出されるパティキュレートを捕集するフィルタに用いるコージェライト製のハニカム構造体及びその製造方法に関する。」(第2頁右欄第6〜8行)
(c)「このようなハニカム構造体を用いたフィルタにおいては,パティキュレートを高い捕集効率で捕集する特性の他に,低圧損,低熱膨張率という特性が要求されている。即ち,特に重要な特性として上記3つの要求特性がある。」(第2頁右欄第35〜39行)
2-3.対比・判断
(1)本件発明1について
(1-1)刊行物1を主引例とする対比・判断
刊行物1の上記(1)(a)には、「連続気泡を有する多孔質セラミックハニカム構造体のセル開口部の片端が1個おきに目封じされ、この端で目封じのされていないセル開口部は反対側の端を目封じされており、セル壁中の細孔を通過してガスが流通するようになっているハニカム型フィルタであって、セル側壁の表面及びセル側壁の細孔内部に高比表面積材料粒子を含むコーティング材料が付着している構造体、を有する、セル壁の中の細孔を通過してガスが流通するディーゼル排ガス浄化フィルタ」が記載されている。
上記(1)(c)には、「ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出されるガスに含まれている物質のうち少なくともパティキュレートを除去し、排気ガスを浄化するために用いられる」ことが記載されている。
上記(1)(e)(g)には、上記多孔質セラミックハニカム構造体は、「コーディエライト組成」からなることが記載されている。
そして、上記(1)(b)には、高比表面積材料を担持した後、すなわち、コーティング材料が付着した後の「セル壁の気孔率が40〜65%で、平均細孔径が5〜35μmである」ことが記載されている。
これら記載を本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には「セル開口部の片端が1個おきに目封じされ、この端で目封じのされていないセル開口部は反対側の端を目封じされており、セル壁中の細孔を通過してガスが流通させ、排気ガス中に含まれるパティキュレートを除去する、高比表面積材料粒子を含むコーティング材料が付着している、コーディエライト組成からなる多孔質セラミックハニカム構造体であって、コーティング材料が付着した後のセル壁の気孔率が40〜65%で、平均細孔径が5〜35μmである多孔質セラミックハニカム構造体」という発明(以下、「刊行物1発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本件発明1と刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明の「パティキュレート」は、本件発明1の「微粒子」に相当するから、両者は「セル開口部両端を交互に目封じして、排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する、コーディエライト組成からなる多孔質ハニカム構造体」という点で一致し、次の点で相違している。
相違点(イ):本件発明1では、多孔質ハニカム構造体が「コーディエライト組成からなる多孔質セラミックハニカム構造体」であるのに対して、刊行物1発明では、「高比表面積材料粒子を含むコーティング材料が付着している、コーディエライト組成からなる多孔質セラミックハニカム構造体」である点
相違点(ロ):本件発明1では、「セル壁の気孔率が60〜80%、平均細孔径が15〜25μmで、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上である」のに対して、刊行物1発明では、「コーティング材料が付着した後のセル壁の気孔率が40〜65%で、平均細孔径が5〜35μmである」点
これら、相違点のうち相違点(ロ)を検討する。
刊行物1発明では、気孔率、平均細孔径の数値範囲が本件発明1の気孔率、平均細孔径の数値範囲と重複しているが、「細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上である」点については記載も示唆もされていない。
申立人Aは、刊行物1の図4のコーティング前の平均細孔径25μmのグラフから算出すると「細孔径20〜40μmの総細孔容積」が全細孔容積の「35%」であることを主張している(申立人A提出特許異議申立書第22頁)。
しかしながら、刊行物1発明は、「高比表面積材料粒子を含むコーティング材料が付着している、コーディエライト組成からなる多孔質セラミックハニカム構造体」において、セル壁で微粒子を捕集しているのであるから、「排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する」のは、図4で云えば、コーティング後の平均細孔径15μmの場合である。したがって、図4の平均細孔径15μmのグラフから申立人Aの手法と同じに算出すると、「細孔径20〜40μmの総細孔容積」が全細孔容積の[(0.218-0.154)/0.48]×100=13.3%となり、本件発明1の数値範囲外の数値となる。
申立人Bも、甲第4号証において刊行物1の図5のコーティング前の平均細孔径25μmのグラフから算出すると「細孔径20〜40μmの総細孔容積」が全細孔容積の「32.6%」であることを主張している。
しかしながら、上述と同じ理由で、「排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する」のは、図5で云えば、コーティング後の平均細孔径3μmの場合であり、申立人Bと同じ手法で算出すると、「細孔径20〜40μmの総細孔容積」が全細孔容積の[(0.12-0.093)/0.506]×100=5.3%となり、本件発明1の数値範囲外の数値となる。
なお、申立人A、Bとも、上述のとおり、コーティング前の多孔質コーディエライトハニカム構造体を本件発明1の多孔質セラミックハニカム構造体に相当するとしているが、刊行物1には、コーティング前の多孔質コーディエライトハニカム構造体により、「排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する」ことは記載も示唆もされていないし、加えて実施例とされる平均細孔径25μmの場合は気孔率が55%で本件発明1の数値範囲外の数値である。
してみると、刊行物1には、本件発明1の、気孔率、平均細孔径、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合の三つの数値範囲の組み合わせは記載も示唆もされていない。
刊行物2には、下記(1-2)で述べたとおり、本件発明1の、気孔率、平均細孔径、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合の三つの数値範囲の組み合わせは記載も示唆もされていない。
刊行物3には、「排気ガスが多孔質壁の気孔を通過する時に、排気ガス中に含まれる可燃性微粒子が、気孔率50〜70%、平均気孔径5〜40μmの範囲の多孔質壁によって補集される構造のディーゼルパティキュレートフィルタ用ハニカム構造体」が記載されている。
しかしながら、刊行物3には、特定の数値範囲の気孔が全気孔容積に対して占める割合については、「多孔質壁の全気孔容積に対して、気孔径 50〜70μmの気孔が占める割合が30〜50体積%必要である理由は、可燃性微粒子の捕集による目詰まりを抑制するためで、50μm未満の気孔は可燃性微粒子をほぼ完全に捕集するのに適し、フィルタ性能として捕集効率を極めて高くすることができるが、可燃性微粒子が容易に堆積し目詰まりする問題がある。一方、70μmより大きな気孔は、可燃性微粒子をほとんど捕集することができないため、捕集効率が著しく低下する。」(上記(3)(c))と、50〜70μmの気孔が全気孔容積に対して占める割合についての技術的意義が記載されているだけであって、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合については記載も示唆もされておらず、ましてや、本件明細書に記載された「本発明者らは、フィルタ中に存在する細孔の大きさについて検討を行い、細孔径20〜40μmの細孔容積が圧力損失、捕集効率、強度を両立させるために有効に作用することを見出し本発明に想到した。」(本件特許掲載公報第3頁第5欄第23〜27行)ということについては何も教示されていない。
刊行物4には、平均細孔径19.5μm(申立人B提出甲第5号証参照)、細孔径20〜40μmの容積分率25.64%のセラミック製ウオールフローフィルターは記載されているが、気孔率が50%であり(上記(4)(c))、本件発明1の気孔率、平均細孔径、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合の三つの数値範囲の組み合わせは記載も示唆もされていない。
刊行物5には、ディーゼル機関から排出されるパティキュレートを捕集するフィルタに用いる、気孔率が55〜80%,平均細孔径が25〜40μmであるコージェライト製のハニカム構造体が記載されているが、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合については記載も示唆もされていない。
そして上記相違点(ロ)により、本件発明1は「気孔率が大きいにも拘わらず、低圧力損失を維持しつつ、強度を確保し、また排気ガス中の微粒子を高効率に捕集することができる。」(本件特許掲載公報第5頁第10欄第19〜21行)という効果を奏すると云える。
してみると、上記相違点(ロ)の構成は当業者が容易に想到し得るものであるとすることはできない。
したがって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物1に記載された発明であるとすることはできないし、また刊行物1〜5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
(1-2)刊行物2を主引例とする対比・判断
刊行物2の上記(2)(a)には、「フィルタ基体の軸方向一端で開口し、該フィルタ基体の他端で閉塞される軸方向に平行な多数の導入通路と、該一端で閉塞され、該他端で開口する軸方向に平行な多数の排出通路と、該導入通路および該排出通路の間に位置し、該導入通路と該排出通路を区画する多孔質な隔壁とからなる排出ガス浄化用フィルタにおいて、該隔壁の少なくとも該導入通路側の表面には、孔径5〜40μmの小孔と、孔径40〜100μmの大孔からなり、該小孔の数が該大孔の数の5〜40倍となるように構成された、該隔壁の内部の内部細孔と連通する表面細孔を具備していることを特徴とする排出ガス浄化用フィルタ。」が記載されている。
上記(2)(b)には「排ガス中のカーボンを主成分とする微粒子物質(パティキュレート)を捕集」することや、「ハニカム構造を有するセラミック製の排出ガス浄化用フィルタ」が記載されている。
上記(2)(c)には「円筒状のフィルタの軸方向の一端面の該通路の開口を略市松状に閉塞し、この一端面で閉塞されなかった通路の他端面の開口を閉塞した構造のものが用いられている。この排出ガス浄化用フィルタを内燃機関の排気系へ装着すると、一方の端面の導入通路の開口から通路に入った排出ガスは閉塞材によりそのまま他端面から出られず、該通路を区画構成する多孔質な隔壁の細孔を通過する。そしてこの細孔によりパテイキュレートが捕集され、浄化された排出ガスは隣接する排出通路を通り他端面の該排出通路の開口より排出される。」ことが記載されている。
上記(2)(e)には「コージェライト質のハニカム構造体」が記載されている。
上記(2)(d)には「内部細孔は累積細孔容積が0.3〜0.7cm3/gであるのが好ましく、孔径および細孔容積は第4図に示す分布を有していることが好ましい。」ことが記載されている。
これら記載を本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物2には「フィルタ基体の軸方向一端で開口し、該フィルタ基体の他端で閉塞される軸方向に平行な多数の導入通路と、該一端で閉塞され、該他端で開口する軸方向に平行な多数の排出通路と、該導入通路および該排出通路の間に位置し、該導入通路と該排出通路を区画する多孔質な隔壁とからなり、隔壁の細孔により排出ガス中のパティキュレートを捕集するコージェライト質のセラミック製ハニカム構造体であって、隔壁の少なくとも導入通路側の表面には、孔径5〜40μmの小孔と、孔径40〜100μmの大孔からなり、該小孔の数が該大孔の数の5〜40倍となるように構成された、隔壁の内部の内部細孔と連通する表面細孔を具備し、内部細孔は累積細孔容積が0.3〜0.7cm3/gであり、孔径および細孔容積は第4図に示す分布を有しているセラミック製ハニカム構造体」という発明(以下、「刊行物2発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本件発明1と刊行物2発明とを対比すると、両者は、「セル開口部両端を交互に目封じして、排気ガスをセル壁の細孔を通過させて隣接セルに流し、排気ガスに含まれる微粒子をセル壁で捕集する、コーディエライト組成からなる多孔質セラミックハニカム構造体」という点で一致し、次の点で相違している。
相違点:本件発明1では、「セル壁の気孔率が60〜80%、平均細孔径が15〜25μmで、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の25%以上である」のに対して、刊行物2発明では「隔壁の少なくとも導入通路側の表面には、孔径5〜40μmの小孔と、孔径40〜100μmの大孔からなり、該小孔の数が該大孔の数の5〜40倍となるように構成された、隔壁の内部の内部細孔と連通する表面細孔を具備し、内部細孔は累積細孔容積が0.3〜0.7cm3/gであり、孔径および細孔容積は第4図に示す分布を有している」点
この相違点を検討する。刊行物2発明の内部細孔が本件発明1の細孔に対応するから、刊行物2の累積細孔容積の「0.3〜0.7cm3/g」と第4図から算出すると(申立人Aの特許異議申立書第19、20、22頁を参照)、実施例1は気孔率59%、平均細孔径40μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の27%、実施例2は気孔率50%、平均細孔径37μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の35%、実施例5は気孔率64%、平均細孔径43μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の22%、実施例6は気孔率43%、平均細孔径15μm、細孔径20〜40μmの総細孔容積が全細孔容積の22%である。
してみると、実施例1では気孔率、平均細孔径が、実施例2では気孔率、平均細孔径が、実施例5では、平均細孔径、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合が、実施例6では気孔率、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合が、本件発明1の数値範囲外の数値である。
申立人Aは、参考資料6において刊行物2の第4図に挿画できる曲線Rが本件発明1の数値範囲を満たす旨主張しているが(申立人A提出特許異議申立書第24頁)、曲線Rは実施例1、2、5、6の曲線とは明らかに異なる曲線であるから、曲線Rは第4図から当業者が容易に推考できる程度のものとは云えないと云える。
してみると、刊行物2には、本件発明1の気孔率、平均細孔径、細孔径20〜40μmの総細孔容積の全細孔容積に対する割合の三つの数値範囲の組み合わせは記載も示唆もされていない。
他の刊行物1、3〜5については上記(1-1)に述べたとおりである。
したがって、本件発明1は、刊行物2に記載された発明であるとすることはできないし、また刊行物1〜5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
(2)本件発明2について
本件発明2は、請求項1を引用しさらに限定した発明であるから、上記(1)と同じ理由で、刊行物1又は2に記載された発明であるとすることはできないし、また、刊行物1〜5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

2-3.上記取消理由(3)について(特許法第36条第4項、同条第6項第2号)
記載不備を詳細にみると、(1)本件明細書には本件特許発明に係るフィルタを得るための製造条件が記載されていない、(2)単位体積あたりのフィルター表面積が7〜13cm2/cm3ということが必須の構成要件である、というものである。
しかしながら、上記(1)については、本件明細書の段落【0022】〜【0026】に(原料粉末の調整)、(成形助剤及び造孔剤の添加と坏土の精製)、(焼成)、(目封じ)が記載され、とりわけ「造孔剤として、グラファイト、小麦粉、でん粉などの量を変えて添加し」(本件特許掲載公報第3頁第6欄第39〜40行)と記載されているから、本件特許発明に係るフィルタを得るための製造条件が記載されていないとまでは云うことができない。また、上記(2)については、本件明細書に記載された発明例1、6において、単位体積あたりのフィルター表面積が本件発明2の単位体積あたりのフィルター表面積が7〜13cm2/cm3という数値範囲外の6.8、14.0cm2/cm3という数値であるにもかかわらず効果を奏するのであるから、「単位体積あたりのフィルター表面積が7〜13cm2/cm3という数値範囲」が必須の構成要件であるとは云えない。

3.むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2005-06-07 
出願番号 特願2000-341644(P2000-341644)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (B01D)
P 1 651・ 536- Y (B01D)
P 1 651・ 121- Y (B01D)
P 1 651・ 537- Y (B01D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 吾一森 健一  
特許庁審判長 大黒 浩之
特許庁審判官 岡田 和加子
野田 直人
登録日 2003-03-07 
登録番号 特許第3405536号(P3405536)
権利者 日立金属株式会社
発明の名称 多孔質セラミックハニカム構造体  
代理人 伊藤 高順  
代理人 宮寺 利幸  
代理人 千葉 剛宏  
代理人 加藤 大登  
代理人 碓氷 裕彦  

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