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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  A61L
審判 一部無効 1項3号刊行物記載  A61L
管理番号 1121878
審判番号 無効2004-80137  
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-03-04 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-09-02 
確定日 2005-06-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3476604号発明「薬剤を付着・コーティングしたステントの製造方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由
1.手続の経緯

本件特許第3476604号に係る発明についての出願は、平成7年8月22日に特許出願され、平成15年9月26日にその発明について特許権の設定の登録がされた。
これに対して、平成16年9月2日に請求人により本件特許無効審判が請求され、被請求人は答弁書と同時に平成16年11月29日付けで訂正請求書を提出して、明細書の訂正を請求した。その後、平成17年4月7日に口頭審理が行われた。


2.訂正請求について

(1)訂正の内容
特許請求の範囲の請求項1の
「生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液に薬剤を溶解または懸濁して得られる液でステントを塗布し乾燥させる操作または当該液にステントを浸漬し乾燥させる操作を少なくとも1回以上繰り返すことにより、あるいは少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることを特徴とする、薬剤の付着・コーティングしたステントの製造方法。」
を、
「少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることを特徴とする、薬剤の付着・コーティングしたステントの製造方法。」
に訂正する。

(2)訂正の適否
上記訂正は、ステントへの薬剤の付着及びポリマーのコーティング方法について、特許請求の範囲の請求項1に択一的に記載されていた2種の方法のうち、第1の方法を削除して第2の方法に限定するもの、すなわち、「生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液に薬剤を溶解または懸濁して得られる液でステントを塗布し乾燥させる操作または当該液にステントを浸漬し乾燥させる操作を少なくとも1回以上繰り返すことにより」という方法を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。
また、上記訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、且つ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでないことが明らかである。
したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項及び同条第5項で準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、訂正を認める。


3.本件特許発明

上記2.のとおり訂正が認容されるので、本件特許の請求項1〜6に係る発明は、訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。
「【請求項1】 少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることを特徴とする、薬剤の付着・コーティングしたステントの製造方法。
【請求項2】 薬剤が一般式(I)
(式は省略)
〔式中、xは水素原子、-OR5 (但し、R5 はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシ基、C1 〜C5 のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は-COOR6 (但し、R6 はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシカルボニル基を表し、R1 は水素原子、C1 〜C3 のアルキル基、又はR7 CO-(但し、R7 フェニル基、又はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアシル基を表し、R2 は水素原子、又はC1 〜C5 のアルキル基を表し、R3 は-COOR8 (但し、R8 は水素原子、又はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)で表される基、又はアミドを表し、R4 はシアノ基、又はR9 SO2 -(但し、R9 はC1 〜C4 のアルキル基を示す。)で示されるアルキルスルフォニル基を表し、又はR3 とR4 は互いに結合して-CO-Y-CH(R10)-CH2 -もしくは-CO-Y-CH2 -CH(R10)-(但し、R10は水素原子、又はC1 〜C4 のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNH基を示す。)、又は-CO-N(C6 H5 )-NH-CO-を表し、nはxがハロゲン原子のとき、1〜5の整数を表し、xがその他の基のときは1を表し、mは0〜3の整数を表す。〕で表される3-フェニルチオメチルスチレン誘導体、又はその造塩可能なものの塩である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】 薬剤が一般式(II)
(式は省略)
〔式中、xは水素原子、-OR5 (但し、R5 はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシ基、C1 〜C5 のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は-COOR6 (但し、R6 はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシカルボニル基を表し、R1 は水素原子、C1 〜C3 のアルキル基、又はR7 CO-(但し、R7 フェニル基、又はC1 〜C3 のアルキル基を示す。)で表されるアシル基を表し、R2 は水素原子、又はC1 〜C5 のアルキル基を表し、nはxがハロゲン原子のとき、1〜5の整数を表し、xがその他の基のときは1を表し、mは0〜3の整数を表す。〕で表されるα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体、又はその造塩可能なものの塩である請求項1記載の製造方法。
【請求項4】 薬剤が、α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミドである請求項1記載の製造方法。
【請求項5】 生体適合性ポリマーが、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、およびフィブリンからなる群より選択される1以上である請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法。
【請求項6】 生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、ポリアミノ酸、澱粉、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリ-β-ヒドロキシアルカノエート、及びエポキシド共重合体からなる群より選択される1以上である請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法。」


4.請求人の主張

請求人は、甲第1号証及び甲第2号証を提出して、本件特許の請求項1、5及び6に係る発明(以下それぞれ「本件第1、第5、第6発明」という。)は、甲第1号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に掲げる発明に該当し(無効理由1)、また、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり(無効理由2)、本件特許は、特許法第123条第1項第2号の規定に該当するので、無効にすべき旨を主張している。


5.被請求人の主張

一方、被請求人は、請求人の主張はいずれも失当であると主張し、乙第1号証を提出している。


6.甲第1号証及び甲第2号証の記載事項

甲第1〜2号証には、それぞれ以下のことが記載されている(摘示した各記載事項を以下、「記載(a)」などという)。

<甲第1号証>欧州特許出願公開第623354号明細書
(翻訳文として対応する特開平8-33718号公報を参照)

(a)「以下に挙げるステップを含んでいることを特徴とする血管内ステントを製造する方法:
(a)全般的に円筒形のステント本体を与える;
(b)溶媒と、溶媒に溶解されたポリマーと、溶媒に分散された治療のための物質を含む溶液をステント本体に適用する;そして
(c)溶媒を蒸発させる。」
(原文のクレーム1;翻訳文の請求項1を参照。以下同様に表示する。)

(b)「溶液が噴霧によって適用される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。」
(クレーム4;請求項4)

(c)「溶液が浸漬によって適用される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。」
(クレーム5;請求項5)

(d)「溶液が複数回の適用及び乾燥ステップにより適用される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。」
(クレーム6;請求項6)

(e)「ポリマーが生体吸収性のポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載の方法。」
(クレーム8;請求項8)

(f)「ポリマーが、ポリ(L-乳酸)、乳酸-グリコール酸共重合体及びヒドロキシ酪酸-吉草酸共重合体よりなる群から選択されたものである請求項8に記載の方法。」
(クレーム9;請求項9)

(g)「ポリマーが生体安定性のポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載の方法。」
(クレーム10;請求項10)

(h)「ポリマーが、シリコン、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルホモポリマー及びコポリマー、アクリレートホモポリマー及びコポリマー、ポリエーテル及びセルロース誘導体よりなる群から選択されたものである請求項10に記載の方法。」
(クレーム11;請求項11)

(i)「方法は又、単にステントを溶液に浸すか、ステントに溶液を噴霧することによって適用することができるという、非常に単純なものである。」
(3頁1〜2行;段落0016)

(j)「溶液がステントに適用され、そして溶媒は蒸発し、それによってステントの表面にポリマーと治療のための物質のコーティングを残す。典型的には、溶液は、ステントの上へ溶液を噴霧するか、溶液にステントを浸すことによってステントに適用することができる。浸漬による適用か噴霧による適用を選ぶかは、主に溶液の粘度と表面張力に依存するが、しかしながら、例えばエアブラシから得られるような微細なスプレーで噴霧することは、最も一様性のコーティングを供給し、そしてステントに適用されるべきコーティング材料の量に対する最も有効な制御を与えることがわかっている。噴霧により又は浸漬により適用されたコーティングは、いずれも改良されたコーティングの一様性と、ステントに適用されるべき治療のための物質の量に対する改良された制御を与えるには、複数の適用ステップが一般に望ましい。」
(4頁1〜9行;段落0026)

<甲第2号証>瀬崎仁編「ドラッグデリバリーシステム」(1986-4-15)株式会社南江堂、pp109-114,220

(k)「VI. 放出制御型製剤
1968年に Alejandro Zaffaroni 博士によって,“薬物の適正な量が,目的とする部位に,必要な時に必要な時間だけ適用されるような製剤を開発する”という趣旨のもとに,アルザ社が設立されて以来,次々に新しいドラッグデリバリーシステム(DDS)が開発されてきている.」
(109頁1〜5行)

(l)「VI-1. 放出制御の基礎理論
薬物の製剤からの放出の機構としては,いろいろの要因が重なり合っているため並列に分類することは困難なところもあるが,例えば次のようになる.
1.拡散型
1.1. カプセル型(膜透過型)
1.2. マトリックス型」
(109頁19〜24行)

(m)「[1.] 拡散型
・・・薬物の拡散を制御する方法としては、次の二つが主に用いられる.一つは高分子膜を用いて薬物粒子を被覆する方法(カプセル法)であり,もう一つは高分子層中に薬物粒子を分散させる方法(マトリックス法)である.
[1.1.] カプセル型(膜透過型)
このタイプは図1に示すように膜透過が律速であり,カプセル,マイクロカプセル,リポソーム,中空繊維など,広く用いられている.」
(110頁4〜12行)

(n)「[1.2.] マトリックス型
このタイプは図2に示すように,薬物は不溶性マトリックス中に分散しており,薬物の放出は溶解速度よりもむしろ拡散速度に依存している場合である.」
(111頁9〜12行)


7.対比・判断

(1)無効理由1について(特許法第29条第1項第3号)

上記「2.訂正請求について」のとおり訂正が認容されるので、本件第1発明は甲第1号証に記載された発明と明らかに同一でないものとなった。
また、本件第5発明及び本件第6発明は本件第1発明の特定事項を全て含むものであるから、やはり甲第1号証に記載された発明と同一でない。
したがって、無効理由1はもはや妥当でない。

(2)無効理由2について(特許法第29条第2項)

(2-1)請求人は、本件第1、第5及び第6発明は甲第1〜2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであると主張するので、この主張に関し、まず本件第1発明について検討する。

記載(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)によれば、甲第1号証には、
「溶媒と、溶媒に溶解された生体吸収性又は生体安定性のポリマーと、溶媒に分散された治療のための物質を含む溶液を、全般的に円筒形のステント本体に噴霧又は浸漬によって1回又は複数回適用し、そして溶媒を蒸発させる、血管内ステントを製造する方法」
が記載されているものと認められる。

そこで本件第1発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、前者の「薬剤」は後者の「治療のための物質」に相当し、前者の(薬剤溶液を適用する前の)「ステント」は後者の「ステント本体」に相当し、前者において「塗布」及び「乾燥」することは後者においてそれぞれ「噴霧」及び「溶媒を蒸発」することに相当し、また後者の「生体安定性のポリマー」としては「シリコン、ポリウレタン」が、後者の「生体吸収性のポリマー」としては「ポリ(L-乳酸)、乳酸-グリコール酸共重合体」が、それぞれ甲第1号証に例示されており(記載(f)、(h))、これらは本件で具体的に使用されるポリマーと同じ物であることから(本件訂正明細書の段落0017〜0018を参照)、前者の「生体適合性ポリマー」及び「生分解性ポリマー」は後者の「生体安定性のポリマー」及び「生体吸収性のポリマー」にそれぞれ相当する。

また、本件第1発明の「1回以上繰り返して」は「1回以上行う」の意味である(第1回口頭審理調書を参照)。

してみると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。

<一致点>
本件第1発明も甲第1号証に記載された発明も、ともに、
「薬剤と生体適合性ポリマー又は生分解性ポリマー(以下単に「ポリマー」という。)の溶液を用いて、ステントに塗布・乾燥又はステントを浸漬・乾燥することを少なくとも1回以上行うことにより、薬剤を付着させポリマーをコーティングしたステントを製造する方法」
である点。

<相違点>
ステントに薬剤を付着させ、ポリマーをコーティングする工程に関し、本件第1発明は薬剤溶液をステントに塗布・乾燥又は浸漬・乾燥した後で、ポリマー溶液をステントに浸漬・乾燥するのに対し、甲第1号証に記載された発明は薬剤とポリマーの両者を溶解させた混合溶液をステントに適用(塗布・乾燥又は浸漬・乾燥)する点。

(2-2)そこで、この相違点につき以下に検討する。

<相違点の検討>

記載(k)、(l)、(m)、(n)によれば、甲第2号証には、薬剤を目的の部位にデリバリーするための一般的な放出理論が記載され、より具体的には、薬物の拡散を制御する方法として、カプセル、マイクロカプセル、リポソーム、中空繊維にみられるような、高分子膜を用いて薬物粒子を被覆する方法(以下、「カプセル法」という。)と、高分子層中に薬物粒子を分散させる方法(以下、「マトリックス法」という。)とが存在することが記載されている。

甲第2号証に記載のカプセル法は、ステントの上に被覆された薬剤の上にポリマーをコーティングする技術ではなく、また、ステントに限らずある一定の機能を備えた物品上に被覆された薬剤の上にポリマーをコーティングする技術でもない。むしろ、甲第2号証は、種々の放出制御型製剤の形態及びメカニズムそれ自体を説明することを目的としており、製剤化した薬剤を単独で使用することを主眼とした文献であるから、たとえ甲第1号証にステント上に薬剤を被覆することが記載されていても、甲第2号証は、甲第1号証のような物品上に薬剤を被覆する場合におけるポリマーのコーティング工程を改良しようとする示唆や動機付けを与えるものではない。

また、甲第2号証は、カプセル法についてもマトリックス法についても、薬剤及びポリマーが製剤化された後の断面構造を開示するにとどまり、当該製剤化に係る具体的な製造工程、すなわち塗布、浸漬、乾燥等の具体的な被覆又は分散工程の詳細については何ら記載されていないから、甲第2号証は、製造工程の改良の示唆、すなわち、甲第1号証に記載された薬剤及びポリマーの混合溶液をステントに塗布・乾燥又は浸漬・乾燥する工程を具体的にどのように改良するかについての示唆、を与えるものでないことは明らかである。

さらに、甲第2号証に記載のカプセル法は、主に経口投与により消化管内において通常1日程度で完了するような薬剤の徐放を行うための製剤化技術であるから、主に血管内に留置されそれ自体として所定の機能を備えた医療器具であるステントの被覆に用いて、血液中における1週間にも亘る薬剤の徐放に適用することは、当業者にとって容易であるとは言えない。

そして、甲第1号証に記載の方法により製造されたステントが薬剤の混入したポリマー層を直接ステント上に形成したものであるのに対して、本件第1発明は、薬剤溶液をステントに塗布・乾燥又は浸漬・乾燥した後で、ポリマー溶液を浸漬・乾燥することにより、ステント上に薬剤層が付着し、その上に薬剤を含まないポリマー層がコーティングされたステントが得られ、その結果として、薬剤をステントに強固に付着・コーティングしてステントの薬剤保持力を向上させ、ステントへの薬剤付着量を増加させ、且つステントにコーティングした薬剤の放出を徐放性にするという、訂正明細書に記載の作用効果を奏するものである。

ところで請求人は、カプセル法はその構造上の特徴に基づき、マトリックス法よりも薬剤保持量が多くなるのは自明であるから、ステントへの薬剤付着量が増加するという本件第1発明の作用効果は顕著なものではないと主張するものの、製剤技術として記載されたカプセル法を医療器具であるステントにただちに適用できないことは上述したとおりであるうえ、甲第2号証にはカプセル法がマトリックス法よりも薬剤保持量が多くなるとの記載は何ら見当たらず、このことは自明であるとも認められない。また、甲第2号証の図1〜2に記載の断面図は、薬剤の貯蔵・拡散システムの挙動を表現するための模式図に過ぎず、薬剤保持量を定量的に表すためのものではない。もっとも、甲第2号証のカプセル法の断面図(図1)をみると中心部が殆ど薬剤のみからなる構造なので薬剤の量が多くなる可能性が一応示唆されているとしても、これを仮に甲第1号証のようなステントに薬剤を被覆した構造に対して適用しようとした場合には、中心部は殆どステントになるのであるから、かえってこのような適用を阻害するものであって、薬剤保持量が多くなることが自明であるとは言えない。さらに、ステントは身体の適用部位によりその大きさがほぼ一定に定まる医療器具であることを考慮すれば、特定のサイズのステントが保持可能な薬剤量にはおのずから特定の限界があると認識するのが自然であるから、当業者といえども、公知の製剤技術に係るカプセル法をステントにそのまま適用した場合に薬剤保持量がただちに増加すると予測できないことは明らかである。

また、本件第1発明は、第1工程で薬剤溶液をステントに適用する際には「塗布又は浸漬」のどちらの手法も採用可能であるとする一方、第2工程でポリマー溶液をステントに適用する際には「浸漬」の手法に限定しており、本件第1発明は、このようなポリマー溶液の適用方法を採用したことによって、ポリマーの浸漬操作を行っていない例(本件訂正明細書の「実施例12」)と比較しても、薬剤保持量を増加させることを可能にしたものである(なお、「実施例12」はポリマーの浸漬操作を行っていないので、本件第1発明の実施例ではなく実質的には比較例である。第1回口頭審理調書を参照)。

(2-3)以上にみたとおり、本件第1発明は甲第1〜2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとは言えない。

(2-4)また、本件第5発明及び本件第6発明はいずれも本件第1発明の特定事項を全て含むものであるから、本件第1発明が上述のとおり甲第1〜2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであると言えない以上、本件第5発明及び本件第6発明もやはり甲第1〜2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとは言えない。


8.むすび

以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び証拠方法によっては、本件請求項1、5及び6に係る発明の特許を無効にすることはできない。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
薬剤を付着・コーティングしたステントの製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることを特徴とする、薬剤の付着・コーティングしたステントの製造方法。
【請求項2】薬剤が一般式(I)
【化1】

〔式中、xは水素原子、-OR5(但し、R5はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシ基、C1〜C5のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は-COOR6(但し、R6はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシカルボニル基を表し、R1は水素原子、C1〜C3のアルキル基、又はR7CO-(但し、R7フェニル基、又はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアシル基を表し、R2は水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表し、R3は-COOR8(但し、R8は水素原子、又はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表される基、又はアミドを表し、R4はシアノ基、又はR9SO2-(但し、R9はC1〜C4のアルキル基を示す。)で示されるアルキルスルフォニル基を表し、又はR3とR4は互いに結合して-CO-Y-CH(R10)-CH2-もしくは-CO-Y-CH2-CH(R10)-(但し、R10は水素原子、又はC1〜C4のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNH基を示す。)、又は-CO-N(C6H5)-NH-CO-を表し、nはxがハロゲン原子のとき、1〜5の整数を表し、xがその他の基のときは1を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
で表される3-フェニルチオメチルスチレン誘導体、又はその造塩可能なものの塩である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】薬剤が一般式(II)
【化2】

〔式中、xは水素原子、-OR5(但し、R5はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシ基、C1〜C5のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は-COOR6(但し、R6はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシカルボニル基を表し、R1は水素原子、C1〜C3のアルキル基、又はR7CO-(但し、R7フェニル基、又はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアシル基を表し、R2は水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表し、nはxがハロゲン原子のとき、1〜5の整数を表し、xがその他の基のときは1を表し、mは0〜3の整数を表す。〕
で表されるα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体、又はその造塩可能なものの塩である請求項1記載の製造方法。
【請求項4】薬剤が、α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミドである請求項1記載の製造方法。
【請求項5】生体適合性ポリマーが、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、およびフィブリンからなる群より選択される1以上である請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法。
【請求項6】生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、ポリアミノ酸、澱粉、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリ-β-ヒドロキシアルカノエート、及びエポキシド共重合体からなる群より選択される1以上である請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬剤、特に動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤をステントに付着及びコーティングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活習慣の欧米化に伴い、我が国でも、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が急速に増加しつつある。虚血性心疾患は、主として、心表面を走行する太い冠動脈の動脈硬化症を基盤に、これに冠動脈血栓や冠れん縮が加わり惹起される。今日、冠動脈硬化病変を軽減させる確実な方法として、冠動脈形成術(percutaneous transuluminal coronary angioplasty、以下、PTCAと略す。)の有効性が確立されつつあるが、PTCAにより冠狭窄病変の開大に成功した例の約30〜40%に再狭窄が生じる。この再狭窄は、再PTCAを要することから、その予防法、治療法の確立は世界的な緊急課題である。
【0003】
この課題を解決するため、近年開発されたのが血管内のステントである。ここで言う「ステント」とは、血管内に挿入されて所望の場所に保持されるいかなる器具をも含むものである。ステントは、金属または高分子よりなる器具で、金属の冠状のもの、金属製または高分子製の糸を編み上げ筒状に成形したもの等、種々の形態のものが知られている。ステントは末梢もしくは冠状動脈内へ膨らんだ形で埋め込まれるものである。ステントの目的は、血管狭窄の予防であるが、これまでの臨床成績では、ステントのみでは狭窄を顕著に抑制することが出来ていないのが現状である。
【0004】
またこれまでに、PTCA後の再狭窄を予防するため、世界中で、実に様々な薬剤の試みが行われてきた。例えば、抗血小板薬(アスピリン、ジピリミダモール、ヘパリン、抗トロンビン製剤、魚油等)、血管平滑筋の増殖を重視する立場から増殖抑制薬(低分子ヘパリン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬など)、炎症性変化を重視する立場から抗炎症薬(ステロイド等)、カルシウムイオンの役割を重視する立場からカルシウム拮抗薬、脂質の役割を重視する立場から脂質改善薬(ロバスタチン、魚油など)等の使用が試みられているが、これらの臨床治験の多くは治療に関し、満足できる結果を与えていないのが現状である。これらの薬剤が十分に治療効果を発揮し得ない理由は明らかでないが、副作用により十分量の薬剤を投薬できない場合や、薬剤の血管局所での濃度が薬効を発揮するために十分量得られない場合があるものと推察されている。このような情況に鑑み、血管の再狭窄が発生する局所に薬物を送達することができれば、薬剤の有効性が向上し、毒性軽減にも結びつくことが期待される。米国ウオルフ ロドニー ジーらは、このような発想に基づき、ステントに薬剤を付着、又はコーティングすることにより、治療を必要とする血管局所に必要量の薬剤をデリバリーする器具を提案している。彼らの提案によるステントへの薬剤の付着、又はコーティングする方法としては、高分子物質の官能基に薬剤をリンクさせる方法、生分解性または生体適合性高分子物質を用いて薬剤をステントに含浸、付着又はコーティングする方法等が開示されている(特表平5-502179号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、動脈内膜肥厚の機構とその予防・治療法に関し研究を継続しており、既に3-フェニルチオメチルスチレン誘導体が動脈の内膜肥厚の予防、治療効果を有し、冠動脈硬化、特にPTCA後における冠動脈再狭窄の予防、治療に有用であることを見出している(第59回日本循環器学会、講演番号250)。更に、本薬剤を血管局所へ送達する方法を確立するため、本薬剤をステントへ付着、又はコーティングする方法を検討したところ、公知の方法では、ステントに付着又はコーティングされ得る薬剤の量が極めて微量であること、ステントに付着及び/又はコーティングした薬剤が容易にステントより脱離、剥落することより、薬剤を含浸、付着又はコーティングしたステントの取扱いが極めて困難であることが明らかとなった。また、公知の方法では付着、又はコーティングした薬剤は、血清等の体液中で速やかに溶出されてしまい、長時間持続的に溶出させることが困難であることが判明した。
【0006】
従って、本発明の目的は、動脈の内膜肥厚の予防、治療効果を有する薬剤を強固に付着し、かつ該薬剤を体液中で徐放することができるように生体適合性ポリマーや生分解性ポリマーでコーティングしたステントの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を克服するため、鋭意検討を重ねた結果、薬剤、特に動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤、更に詳しくは3-フェニルチオメチルスチレン誘導体及びその造塩可能なものの塩のステントへの付着を生体適合性ポリマー又は生分解性ポリマーを用いて補強することにより、ステントの薬剤保持力を向上でき、薬剤付着量を格段に増加させ得ること、及び該薬剤の放出を徐放性にできることを発見し、更に検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の要旨は(1)生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液に薬剤を溶解または懸濁して得られる液でステントを塗布し乾燥させる操作または当該液にステントを浸漬し乾燥させる操作を少なくとも1回以上繰り返すことにより、あるいは少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることを特徴とする、薬剤の付着・コーティングしたステントの製造方法、(2)薬剤が一般式(I)
【0009】
【化学式3】

【0010】
〔式中、xは水素原子、-OR5(但し、R5はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシ基、C1〜C5のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、又は-COOR6(但し、R6はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアルコキシカルボニル基を表し、R1は水素原子、C1〜C3のアルキル基、又はR7CO-(但し、R7フェニル基、又はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表されるアシル基を表し、R2は水素原子、又はC1〜C5のアルキル基を表し、R3は-COOR8(但し、R8は水素原子、又はC1〜C4のアルキル基を示す。)で表される基、又はアミドを表し、R4はシアノ基、又はR9SO2-(但し、R9はC1〜C4のアルキル基を示す。)で示されるアルキルスルフォニル基を表し、又はR3とR4は互いに結合して-CO-Y-CH(R10)-CH2-もしくは-CO-Y-CH2-CH(R10)-(但し、R10は水素原子、又はC1〜C4のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNH基を示す。)、又は-CO-N(C6H5)-NH-CO-を表し、nはxがハロゲン原子のとき、1〜5の整数を表し、xがその他の基のときは1を表し、mは0〜3の整数を表す。〕で表される3-フェニルチオメチルスチレン誘導体、又はその造塩可能なものの塩である前記(1)記載の製造方法、(3)薬剤が一般式(II)
【0011】
【化学式4】

【0012】
(式中、x、R2、n及びmは一般式(I)におけるx、R2、n及びmと同一の意義を表す。)で表されるα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体、又はその造塩可能なものの塩である前記(1)記載の製造方法、
【0013】
(4)薬剤が、α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミドである前記(1)記載の製造方法、(5)生体適合性ポリマーが、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、およびフィブリンからなる群より選択される1以上である前記(1)〜(3)いずれかに記載の製造方法、並びに(6)生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、ポリ-L-グルタミン酸、澱粉、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリ-β-ヒドロキシアルカノエート、ポリアミノ酸、及びエポキシド共重合体からなる群より選択される1以上である前記(1)〜(3)いずれかに記載の製造方法、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤としては、実質的にヒトにおいて動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤であれば何れの薬剤でも適用可能であり、単独で用いることも、複数の薬剤を適宜組み合わせて用いることもできる。動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤としては、例えば、既にヒト及び/又は実験動物で血管内膜肥厚の抑制作用が報告されているところの抗血小板薬(アスピリン、ジピリミダモール、ヘパリン、抗トロンビン製剤、魚油など)、血管平滑筋増殖抑制薬(低分子ヘパリン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬など)、抗炎症薬(ステロイド等)、カルシウム拮抗薬(ニフェジピン等)、脂質改善薬(ロバスタチン、シンバスタチン、魚油など)、抗アレルギー剤(トラニラストなど)、及び試験管内で血管平滑筋の増殖または走化性を抑制することが示されている、DNA合成阻害剤(マイトマイシンC、アドリアマイシンなど)、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲニステイン、チルフォスチン、アーブスタチンなど)、更には、一般式(I)で示される3-フェニルチオメチルスチレン誘導体、又はその造塩可能なものの塩、好ましくは一般式(II)で示されるα-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸アミド誘導体、又はその造塩可能なものの塩、さらに好ましくは、α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミド(以下、ST638と略称する。)等が挙げられる。
【0015】
上記、抗血小板薬(アスピリン、ジピリミダモール、ヘパリン、抗トロンビン製剤、魚油など)、血管平滑筋増殖抑制薬(低分子ヘパリン、アンギオテンシン変換酵素阻害薬など)、抗炎症薬(ステロイド等)、カルシウム拮抗薬(ニフェジピン等)、脂質改善薬(ロバスタチン、シンバスタチン、魚油など)、抗アレルギー剤(トラニラストなど)、DNA合成阻害剤(マイトマイシンC、アドリアマイシンなど)、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲニステイン、チルフォスチンなど)は市販医薬品または試薬として入手可能である。また、一般式(I)、(II)で示される誘導体およびST638の製造法は、それぞれ特開昭62-111962号公報、特開昭62-29570号公報、特開昭62-39564号公報、及びケミカル・ファマシュテイカル・ブルテン(Chem.Pharm.Bull.)36,974-981,1988に記載されている。
【0016】
本発明に用いられるステントは、金属製のものであれ、高分子よりなるものであれ、血管内に留置することによって血管の開在を補助する器具であればよく、形態としては冠状のもの、糸を編み上げ筒状に成形したもの等、種々の形態のものが用いられる。このようなステントの代表例としては、パルマッツ-シャッツ(Palmaz-Schatz)ステント、ストレッカー(Strecker)ステント、ウォルステント(Wallstent)等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられる生体適合性ポリマーとしては、本質的に血小板が付着し難く、組織に対しても刺激性を示さず、薬剤の溶出が可能なものであれば何れの生体適合性ポリマーでも利用しうるが、例えば合成ポリマーとしては、ポリエーテル型ポリウレタンとジメチルシリコンのブレンド或いはブロック共重合体、セグメント化ポリウレタン等のポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリカーボネート等が、また天然生体適合性ポリマーとしてはフィブリン、ゼラチン、コラーゲン等が利用しうる。これらのポリマーは単独でも、適宜組み合わせても利用しうる。
【0018】
本発明に用いられる生分解性ポリマーとしては、生体内で酵素的、非酵素的に分解され、分解産物が毒性を示さず、薬物の放出が可能なものであれば、何れの生分解性ポリマーも利用可能である。例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸との共重合体、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ-L-リジン等のポリアミノ酸、澱粉、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリ-β-ヒドロキシアルカノエート等から適宜選択された物を使用し得る。これらのポリマーは単独でも、適宜組み合わせても利用しうる。
【0019】
本発明において、薬剤は溶液状態でステントに添加した後、溶媒を除去することによって、ステントに付着させることができる。生体適合性ポリマー及び生分解性ポリマーは、液状または適切な溶媒、例えば、水、緩衝液、酢酸、塩酸等の酸溶液、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、塩化メチレン等の溶液としてステントに接触させた後、溶媒を除去することにより薬剤の付着したステントをコーティングすることができる。具体的には、生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーを低沸点溶媒に溶解して調製した溶液に薬剤を溶解または懸濁して得られる液でステントを塗布し乾燥させる操作または当該液にステントを浸漬し乾燥させる操作を少なくとも1回以上繰り返すことにより、あるいは少なくとも1回以上繰り返して薬剤の溶液をステントに塗布・乾燥させた後または薬剤の溶液にステントを浸漬・乾燥した後、薬剤の溶解し難い低沸点溶媒に溶解して調製した生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーの溶液への浸漬・乾燥を少なくとも1回以上行うことにより、ステントへの薬剤の付着および生体適合性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーによるコーティングをすることができる。
【0020】
本発明に使用する動脈内膜肥厚予防剤の有効成分は、治療を必要とする患者(動物およびヒト)に対し、毒性を示さない用量であり、ステントの本来の機能に悪影響を及ぼさない量であれば、任意の量をステントに付着・コーティングしうるが、好ましくは、ステント当たり0.1〜100mg、さらに好ましくはステント当たり0.1〜10mgの範囲で付着・コーティングするのが望ましい。また、本発明に使用する生分解性ポリマーは、治療を必要とする患者(動物およびヒト)に対し、毒性を示さない用量であり、実質的に血管内膜肥厚予防剤のステントへの付着を増強し得る量を用いることができるが、ステント当たり0.1〜100mg、好ましくはステント当たり1〜10mgの範囲で使用するのが望ましい。
【0021】
本発明に使用する動脈内膜肥厚予防剤の有効成分は単独あるいは適宜組み合わせて用いることもできる。また、動脈内膜肥厚予防剤を単独でステントへ付着・コーティングしても良く、あるいは動脈内膜肥厚予防剤の安定化剤、保存剤等の補助剤と共に付着・コーティングしてもよい。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0023】
実施例1α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミド(ST638)を付着・コーティングしたステントの調製α-シアノ-3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチル桂皮酸アミド(ST638)のアセトン溶液(20mg/ml)10μlをステンレス製ステント(パルマッツ-シャッツ ステント、米国Johnson & Johnson社製)上に乗せ、熱風により素早く風乾させる操作を10回繰り返した。この操作によりステント上にST638が析出付着した。次いで、ポリ乳酸/ポリグリコール酸(1/1)共重合体LGA5005(平均分子量5000、和光純薬工業製)の塩化メチレン溶液(40mg/ml)に浸漬後、素早く取り出し風乾、次いで減圧乾燥させることにより、ST638をコーティングしたステントを得た。
【0024】
このようにして得たステントをジメチルスルフォキシド1ml中に浸漬攪拌することにより、ステントにコーティングされたST638及びLGA5005を可溶化し、溶液中のST638量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した(カラム:コスモジル5C18-AR、移動層溶媒:60%(v/v)アセトニトリル水溶液、流速:1ml/ml、検出:253nm)。その結果、ステントに付着・コーティングされたST638は1.5mgであった。また、ステントに付着・コーティングさせた物質の乾燥後、総重量からST638の重量を差し引いた重量(付着したLGA5005量に相当)は0.9mgであった。対照として、LGA5005処理を省略したステントを同様にして調製した。
【0025】
実施例2ポリ乳酸を用いてST638を付着・コーティングしたステントの調製実施例1と同様にして、パルマッツ-シャッツ ステントにST638を付着させた後、LGA5005の代わりに、ポリ乳酸LA-0005(平均分子量5000、和光純薬工業製)、ポリ乳酸LA-0015(平均分子量15000、和光純薬工業製)、あるいはポリ乳酸LA-0020(平均分子量20000、和光純薬工業製)を用いて処理することにより、ST638をコーティングしたステントを得た。実施例1と同様にして得られたST638の付着量はステント当たりそれぞれ1.4mg、1.3mg、1.4mgであった。
【0026】
実施例3ポリグリコール酸を用いてST638を付着・コーティングしたステントの調製実施例1と同様にして、パルマッツ-シャッツ ステントにST638を付着させた後、ヘキサフロロプロパノールに溶解したポリグリコール酸(ポリグリコライド、シグマ社製、平均分子量100,000〜125,000)をコーティングすることによりST638を付着・コーティングしたステントを得た。実施例1と同様にして得られたST638の付着量はステント当たり1.0mgであった。
【0027】
実施例4実施例1と同様に調製したST638アセトン溶液に、パルマッツ-シャッツ ステント、ストレッカー(Strecker)ステント、およびウォルステント(Wallstent)を5回浸漬乾燥を繰り返した。各ステントへのST638の付着量はそれぞれ2.5mg、2.0mg、及び1.8mgであった。次いで、実施例1と同様のLGA5005塩化メチレン溶液に2回浸漬乾燥を繰り返すことにより目的とするST638付着・コーティングしたステントを得た。
【0028】
実施例5実施例1において、ST638の代わりに、4-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-1-フェニルピラゾリジン-3,5-ジオン、3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-2-ピロリジンを用い、実施例1と同様にしてこれらの薬剤を含浸・付着させ、ついでLGA5005をコーティングすることにより、これらの薬剤を付着・コーティングしたパルマッツ-シャッツ ステントを得た。各ステントへの4-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-1-フェニルピラゾリジン-3,5-ジオンおよび3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-2-ピロリジンの付着量は1.8mgおよび1.6mgであった。
【0029】
実施例6実施例1において、ST638の代わりに、ゲニステイン(コスモバイオ株式会社、東京)、チルフォスチンA1(コスモバイオ株式会社、東京)、チルフォスチンA9(コスモバイオ株式会社、東京)、チルフォスチンA46(コスモバイオ株式会社、東京)、チルフォスチンB42(コスモバイオ株式会社、東京)、チルフォスチン50(コスモバイオ株式会社、東京)を用い、実施例1と同様にして各薬剤を付着させ、さらにLGA5005をコーティングしてパルマッツ-シャッツ ステントを得た。ゲニステイン、チルフォスチンA1、チルフォスチンA9、チルフォスチンA46、チルフォスチンB42、およびチルフォスチン50のステントへの付着量は、ステント当たりそれぞれ1.2mg、1.3mg、1.5mg、1.4mg、1.3mg、および1.0mgであった。
【0030】
実施例7パルマッツ-シャッツ ステントをマイトマイシンCの水懸濁液(10mg/ml)またはアドリアマイシンのエタノール溶液(10mg/ml)に浸漬後、取り出し乾燥し、次いで1%ゼラチン水溶液(40℃)に浸漬し乾燥することにより、マイトマイシンCまたはアドリアマイシンを付着・コーティングしたステントを得た。マイトマイシンCおよびアドリアマイシンのステントへの付着量は、ステント当たりそれぞれ0.2mgおよび0.3mgであった。
【0031】
実施例8ポリ乳酸、ポリグリコール酸、あるいはポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体処理ステントのST638保持力に対する効果実施例1で得たステントを用い、ST638の保持特性に対するLGA5005処理の効果を評価した。LGA5005処理をしたステントとLGA5005処理なしのステントを1m上空よりガラス板上に自然落下させ、衝撃によるST638の剥落の程度を、ステントに残存付着しているST638量の定量と目視判定により行った。ステントに残存付着しているST638量の定量は、ステントをジメチルスルフォキシド1ml中に浸漬し、可溶化したST638量を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した(カラム:コスモジル5C18-AR、移動層溶媒:60%(v/v)アセトニトリル水溶液、流速:1ml/ml、検出:253nm)。その結果、LGA5005処理なしのステントでは、明らかにST638の剥落が認められ保持されているST638量は約75%減少した。一方、LGA5005処理をしたステントでは、落下処置後も重量および残存付着しているST638量に変化は認められず、目視的にもST638の剥落は全く認められなかった。
【0032】
同様にして、実施例2、及び実施例3で調製したポリ乳酸LA-0005(平均分子量5000、和光純薬工業製)、ポリ乳酸LA-0015(平均分子量15000、和光純薬工業製)、ポリ乳酸LA-0020(平均分子量20000、和光純薬工業製)、及びポリグリコール酸(ポリグリコライド、シグマ社製、平均分子量100,000〜125,000)を用いてST638をコーティングしたステントを1m上空よりガラス板上に自然落下させ、ステントに残存付着しているST638量を測定した(但し、ポリグリコール酸では処理したステントはヘキサフロロイソプロパノール1ml中に浸漬し、ST638を可溶化し定量した)。その結果、何れのポリマーを用いた場合も、ST638はステントから殆ど剥落が認められなかった。
【0033】
実施例9ポリ乳酸、ポリグリコール酸、あるいはポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体処理のST638の徐放性に対する効果ステントを血清中に保持した場合のステントからのST638溶出速度を比較検討した。実施例1で調製したLGA5005処理をしたステントとLGA5005処理なしのステントを、牛胎児血清(Flow社製)1ml中に浸漬し、室温で12時間放置した。その後、ステントを取り出し、少量の同血清で洗浄後、新鮮な血清1ml中に浸漬し、同様に放置した。血清中に溶出したST638量は、352nmの吸光度を測定することにより行った。その結果、LGA5005処理なしの場合は、最初の1日目で90%以上のST638が溶出し、5日目では殆ど溶出が認められなくなったのに対し、LGA5005処理ステントでは、1日目で30%の溶出に留まり、1週間後でも引き続きST638の溶出が認められた。この結果は本発明の方法が薬剤のステントからの放出を徐放性にすることを示している。
【0034】
同様の実験を、実施例2および実施例3で得たステントを用いて検討した。その結果、何れのポリマーで処理したステントにおいても、LGA5005を用いた場合とほぼ同様に、ST638の血清中への溶出が徐放性になっていることが認められた。
【0035】
実施例10フィブリンを用いて薬剤をコーティングしたステントの調製生理的組織接着剤ベリプラスRP(べーリングベルケ社)セット中の塩化カルシウム溶液中にST638結晶を懸濁(20mg/ml)し、その懸濁液の0.5mlをトロンビン(150単位)末の入っているバイアルに添加後、予めアプロチニン(500KIE)溶液を添加したフィブリノーゲン(40mg)溶液に添加し、直ちにパルマッツ-シャッツ ステントにコーティングし、フィブリンを固化させた。その後、風乾することにより水分を除去し、ST638をコーティングしたステントを得た。ステントへのST638の付着量はステント当たり0.5mgであった。
【0036】
同様にして、ST638の代わりにST638アナログである4-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-1-フェニルピラゾリジン-3,5-ジオンまたは3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-2-ピロリジンを用いて、それぞれの薬剤をフィブリンでコーティングしたパルマッツ-シャッツ ステントを得た。4-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-1-フェニルピラゾリジン-3,5-ジオンおよび3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-2-ピロリジンのステントへの付着量はそれぞれステント当たり0.6mgおよび0.4mgであった。このようにして得たステントは、実施例8、及び実施例9に記載したのと同様の試験において、それぞれST638、4-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-1-フェニルピラゾリジン-3,5-ジオン、または3-(3-エトキシ-4-ヒドロキシ-5-フェニルチオメチルベンジリデン)-2-ピロリジンの保持力、及び血清中でのこれらの薬剤の徐放性が改善されていた。
【0037】
実施例111%(w/w)ヒアルロン酸水溶液5mlに乳鉢で十分磨砕したST638(100mg)を添加し十分攪拌した後、その20μlをパルマッツ-シャッツ ステント表面に付着させ乾燥させた。ST638の付着量はステント当たり0.4mgであった。このようにして得られたステントは、実施例8と同様の試験において、ST638の剥落を示さなかった。同様に、1%(w/w)コラーゲン水溶液、1%(w/w)ゼラチン水溶液溶液、1%(w/w)ポリ-L-グルタミン酸水溶液、或いは1%(w/w)キトサン酢酸水溶液にST638微粉末を添加攪拌後、懸濁液の1部をステント表面に付着させ乾燥させることにより、ST638をコーティングしたステントを得た。ST638の付着量は、コラーゲン処理、ゼラチン処理、ポリ-L-グルタミン酸処理、キトサン処理のそれぞれに対し、ステント当たり0.3mg、0.4mg、0.3mg、0.3mgであった。このようにして得たステントは、実施例8と同様の試験において、ST638の剥落を示さなかった。
【0038】
実施例12ST638のアセトン溶液(20mg/ml)10μlをパルマッツ-シャッツ ステントに乗せ、熱風により素早く風乾させる操作を10回繰り返した。この操作によりステント上にST638が析出した。このようにST638が付着したステントに、ポリエチレンカーボネートの塩化メチレン溶液(40mg/ml)、あるいはポリプロピレンカーボネートの塩化メチレン溶液(5mg/ml)の20μlを静かに添加し、風乾することにより、ST638を付着・コーティングしたステントを得た。ST638の付着量は、ポリエチレンカーボネート処理、ポリプロピレンカーボネート処理のそれぞれに対し、ステント当たり0.2mg、0.1mgであった。このようにして得たステントは、実施例8と同様の試験において、ST638の剥落を示さなかった。
【0039】
実施例1330%(w/w)アクリルアミドと0.8%(w/w)N,N-メチレンビス(アクリルアミド)を溶解した水溶液3.3mlに、水1.75ml、乳鉢で十分磨砕したST638(200mg)、0.5%(w/w)N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン水溶液0.5ml、及び過硫酸アンモニウム25mgを順次添加し、十分攪拌した後、20μlをステント表面に付着させゲル化させた後、風乾しST638をコーティングしたステントを得た。ST638の付着量はステント当たり0.4mgであった。このようにして得たステントは、実施例8と同様の試験において、ST638の剥落を示さなかった。
【0040】
実施例14ST638のアセトン溶液(20mg/ml)10μlをパルマッツ-シャッツ ステントに乗せ、熱風により素早く風乾させる操作を10回繰り返した。この操作によりステント上にST638が析出した。このST638が付着したステントに、5%(w/v)ポリウレタンのクロロホルム/ジオキサン(1容/1容)溶液を繰り返し噴霧することにより、ST638をコーティングしたステントを得た。ST638の付着量はステント当たり1.6mgであった。このようにして得たステントは、実施例8と同様の試験において、ST638の剥落を示さなかった。尚、使用したポリウレタンは、ポリエチレングリコール(平均分子量:2000)/プロピレングリコール=50/50(w/w)に、m,m’-ジヒドロキシアゾベンゼンを3.5モル%添加し、バルク重合法(神原 周編、重縮合と重付加反応、共立出版、p.327(1958)により調製した。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、動脈内膜肥厚を抑制し得る薬剤の治療必要量を強固に付着・コーティングしたステントを提供することができる。また、このステントにコーティングされた薬剤はステントから徐々に放出されるので、本発明のステントは徐放性薬剤の提供手段としても優れている。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-05-06 
出願番号 特願平7-237798
審決分類 P 1 123・ 113- YA (A61L)
P 1 123・ 121- YA (A61L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 隆興  
特許庁審判長 竹林 則幸
特許庁審判官 谷口 博
中野 孝一
登録日 2003-09-26 
登録番号 特許第3476604号(P3476604)
発明の名称 薬剤を付着・コーティングしたステントの製造方法  
代理人 大屋 憲一  
代理人 藤田 節  
代理人 藤田 節  
代理人 大屋 憲一  
代理人 石井 貞次  
代理人 石井 貞次  
代理人 魚住 高博  
代理人 竹本 松司  
代理人 平木 祐輔  
代理人 湯田 浩一  
代理人 手島 直彦  
代理人 杉山 秀雄  
代理人 平木 祐輔  
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