• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1122051
審判番号 不服2002-24908  
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-26 
確定日 2005-08-18 
事件の表示 平成10年特許願第161193号「旅行計画作成装置及びプログラムを記録したコンピュータ可読媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成11年12月24日出願公開、特開平11-353381〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年6月9日の出願であって、平成14年11月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月26日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

2.本願発明
本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、出願当初の明細書及び図面の記載から見て、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものである。
「画像を表示する表示手段と、
地図データと、各地点に割り当てられた地点コードデータ及び当該地点の座標データからなる地点データと、地点間を結ぶ経路の始点の地点コードデータ及び終点の地点コードデータからなるリンクデータと、施設の座標データからなる施設データとを記憶する記憶手段と、
出発地点及び到着地点を特定するデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力された出発地点を特定するデータ及び到着地点を特定するデータに基づいて、出発地点と到着地点とを結ぶリンクデータを前記記憶手段から検索するリンクデータ検索手段と、
出発地点、リンクデータ検索手段によって得られた各リンクデータによって結ばれる各地点、及び到着地点、の夫々から所定範囲の地点及びその間の経路によって特定される各領域を定める地点間領域決定手段と、
前記地点間領域決定手段によって定められた各領域内に存在する施設の施設データを、座標データに基づいて前記記憶手段から抽出する施設データ抽出手段と、
前記施設データ抽出手段によって抽出された各施設データ中の座標データによって特定される施設の所在地を示す画像を、前記記憶手段に記憶された地図データに基づく画像とともに前記表示手段の表示画面上に表示させる表示指示手段と
を備えたことを特徴とする旅行計画作成装置。」

3.引用例
これに対し、拒絶の理由に引用された、特開平9-212563号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0031】図1には本実施形態の旅行計画作成装置10の基本構成を示すブロック図が示されている。旅行計画作成装置10で、実際に旅行計画の作成を行う計画作成部(CPU)12には、図示しない経路演算部やデータを検索する検索部や学習機能部、施設の訪問目的を推定する目的推定部等が含まれている。そして、前記検索部には旅行計画作成装置10の外部または内部のデータベース14が有線または無線で接続され、データベース14に蓄積されている情報、例えば地図情報や施設の案内情報、予約情報、交通情報等を入手することができる。また、計画作成部12には、作成した旅行計画の表示や操作の経過等を表示する表示部16と、該表示部16と一体または独立して設けられた入力部18が接続されている。なお、表示部16と入力部18とが一体の場合は、例えば表示部16上にタッチスイッチが設けられる。一方、独立している場合は、キーボードやマウススイッチ等が設けられる。さらに、計画作成部12は旅行計画作成に関する固有のデータを記憶する記憶部20が接続されている。この記憶部20には、後述する施設毎に基本滞在時間を記憶する基本滞在時間記憶部や旅行計画を充実させるための補完項目を記憶する補完項目記憶部等の他に過去に立案した旅行計画に関するデータを記憶する記憶部等も含んでいる。」
(4ページ左欄42行-右欄14行)

(イ)「【0049】図2のフローチャートに示す訪問する施設が1ヶ所の場合と同様に、訪問を希望する施設毎に施設情報(旅行実施日、出発地、帰着地を含む)の入力(S300)、訪問目的の入力(S301)を入力部18を介して行う。続いて、計画作成部12は、訪問推奨時刻の検索(S302)、基本滞在時間の取得(S303)を行う。そして、所望数の施設の入力が終了するまで、(S300)〜(S303)の操作を繰り返す(S304)。所望の施設の入力が終了した旨を入力部18を介して入力すると、計画作成部12は施設を検索した訪問推奨時刻順に並べ、時間スケジュールを作成する(S305)。すなわち、入力順序に関係なく施設の並べ替えが行われ、施設の訪問順序が確定する。次に、出発地及び訪問する施設番号を示す変数Mを定義し、出発地を示す『M=0』を設定する(S306)。なお、以下、第1番目の訪問施設を施設番号;M=1、第2番目の訪問施設を施設番号;M=2のように示す。
【0050】次に、第M番目から第M+1番目の施設まで移動するための最適経路、及び所要時間をデータベース14が有する地図情報、距離情報、渋滞傾向情報等に基づいて算出する(S307)。つまり、M=0の場合は出発地から第1番目の施設に関して前記項目を算出し、M=3の場合には第3番目から第4番目の施設の間に関して最適経路、及び所要時間の算出を行う。次に、M=0であるか否か、すなわち出発地から第1番目の施設に関して経路等の算出を行ったか否かを判断する(S308)。M=0の場合は、次の施設の経路や所要時間の算出を行うためにMの値に「1」を加え(S309)、前述と同様に第1番目と第2番目の施設の間に関し最適経路、及び所要時間の算出を行う(S307)。初回以外はMは0でないので、(S308)は通過する。続いて(S303)で取得した基本滞在時間や(S307)で取得した所要時間等に基づいて、M+1番目の施設(この場合第2番目の施設)の計算上の到着時刻を算出する(S310)。そして、第1番目の施設の滞在終了時刻を基準に第2番目の施設に訪問推奨時刻またはその許容範囲内で到着できるか否かの判断を行う(S311)。本来、訪問推奨時刻は該当施設を良好に使用できる時刻までその場所に到着していることが望ましい時刻を定めたものであるので、ほとんどの場合の訪問推奨時刻に±数分、多い場合には数十分の許容範囲を持たせることができる。例えば、訪問推奨時刻pm2:00±15等である。訪問推奨時刻またはその許容範囲以内で第2番目の施設に到着できる場合には、入力された全ての施設まで経路や所要時間の算出が終了したか否かの判断を行い(S312)、終了していない場合には(S309)に戻って、第3番目以降の施設に関する計算を前述と同様に行う。
【0051】また、(S312)で、全ての施設まで経路や所要時間の算出が終了したと判断された場合には、第1番目の施設の到着時間に基づいて、出発時刻の算出を行い、最後の施設の滞在終了時刻を基準に帰着時刻を算出する(S313)。なお、この時に、最終訪問施設から帰着地までの経路と所要時間が算出されることになる。そして、出発から帰着までの旅行計画の作成を行い、提示する(S314)。」
(6ページ右欄32行-7ページ左欄25行)

(ウ)「【0058】以下、より充実した旅行計画を作成する例を説明する。前述したように、旅行者の入力した施設情報に基づいて訪問推奨時刻が検索され旅行計画を作成する場合、例えば、2番目に訪問する施設から3番目に訪問する施設の間に空き時間がある場合がある。このような場合、2番目や3番目の訪問施設に関連する施設を推奨訪問施設として提示し、その訪問推奨時刻を併せて提示することにより、より充実した旅行計画を作成することができる。この時、提示される推奨訪問施設はデータベース14(図1参照)に予め登録された施設であって、入力した訪問施設付近やその施設に向かう経路上の景勝地や人気スポット等である。」
(7ページ右欄32-43行)

なお、計画作成部(CPU)に表示部を接続した装置において、計画作成部(CPU)に表示指示手段を設けていることは明らかである。

以上から、引用例1の上記摘記事項(ア)及び(イ)には、
「画像を表示する表示部と、
地図情報と、距離情報と、交通履歴情報と、施設情報とを記憶するデータベースと、
第2番目及び第3番目の施設を特定するデータを入力する入力部と、
前記入力部によって入力された第2番目の施設を特定する施設情報及び第3番目の施設を特定する施設情報に基づいて、第2番目と第3番目の施設とを結ぶ経路を前記データベースから検索する計画作成部と、
訪問施設付近やその施設に向かう経路上に存在する施設の施設情報を、位置情報に基づいて前記データベースから検索する計画作成部と、
前記計画作成部によって検索された各施設情報によって特定される旅行計画を、表示部上に表示させる表示指示手段と
を備えたことを特徴とする旅行計画作成装置。」
の発明(以下「引用例1発明」という。)が記載されている。

また、引用例1の上記摘記事項(ウ)には、
「 提示される推奨訪問施設はデータベース14(図1参照)に予め登録された施設であって、入力した訪問施設付近やその施設に向かう経路上の景勝地や人気スポット等である。」
ことが記載されている。

4.対比
そこで、本願発明(以下「前者」という。)と引用例1発明(以下「後者」という。)とを対比すると、後者の「表示部」、「地図情報」、「施設の位置情報」、「施設情報」、「データベース」、「第2番目の施設」、「第3番目の施設」、「計画作成部」、「入力部」、「計画作成部」は、それらの機能、作用からみて、前者の「表示手段」、「地図データ」、「施設の座標データ」、「施設データ」、「記憶手段」、「出発地点」、「到着地点」、「リンクデータ検索手段」、「データ入力手段」、「施設データ抽出手段」にそれぞれ相当することは明らかである。

してみると、両者は、
「画像を表示する表示手段と、
地図データと、施設の座標データからなる施設データとを記憶する記憶手段と、
出発地点及び到着地点を特定するデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段によって入力された出発地点を特定するデータ及び到着地点を特定するデータに基づいて、出発地点と到着地点とを結ぶ経路を前記記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段によって定められた経路上に存在する施設の施設データを、座標データに基づいて前記記憶手段から抽出する施設データ抽出手段と、
を備えたことを特徴とする旅行計画作成装置。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
前者ではリンクデータが「各地点に割り当てられた地点コードデータ及び当該地点の座標データからなる地点データと、地点間を結ぶ経路の始点の地点コードデータ及び終点の地点コードデータからなるリンクデータ」であるのに対し、後者ではリンクデータがどのようなデータであるのか明示されていない点。

(相違点2)
前者は「出発地点、リンクデータ検索手段によって得られた各リンクデータによって結ばれる各地点、及び到着地点、の夫々から所定範囲の地点及びその間の経路によって特定される各領域を定める地点間領域決定手段」を有するのに対し、後者はそのような地点間領域決定手段を有していることが明示されていない点。

(相違点3)
前者は「前記地点間領域決定手段によって定められた各領域内に存在する」施設の施設データであるのに対し、後者は訪問施設付近やその施設に向かう経路上に存在する施設の施設情報である点。

(相違点4)
前者は「前記施設データ抽出手段によって抽出された各施設データ中の座標データによって特定される施設の所在地を示す画像を、前記記憶手段に記憶された地図データに基づく画像とともに前記表示手段の表示画面上に表示させる」のに対し、後者は前記計画作成部によって検索された各施設情報によって特定される旅行計画を、表示部上に表示させる点。

5.判断
上記相違点について検討する。
(相違点1)について
各地点に割り当てられた地点コードデータ及び当該地点の座標データからなる地点データと、地点間を結ぶ経路の始点の地点コードデータ及び終点の地点コードデータからなるリンクデータは当業者にとって周知(例えば、特開平9-287970号公報【0021】及び図5参照)である。一方、引用例1摘記事項(イ)には、施設情報として、施設名、施設の位置情報が記載されている。引用例1発明の施設は本願発明の地点に相当する。そして、引用例1発明の施設名、位置情報は本願発明の地点コード、座標データに相当するから、引用例1発明に上記周知技術を適用して前記相違点に係る本願発明の事項とすることは当業者であれば容易に想到しうることである。

(相違点2、3)について
引用例1摘記事項(ウ)には、提示される推奨訪問施設はデータベース14(図1参照)に予め登録された施設であって、入力した訪問施設付近やその施設に向かう経路上の景勝地や人気スポット等であることが記載されている。この記載を検討すると、上記摘記事項(ウ)の入力した訪問施設は本願発明の出発地点、到着地点に相当する。そして、施設を抽出する領域は、入力した訪問施設付近やその施設に向かう経路上と特定されている。すなわち、上記摘記事項(ウ)においても、施設を抽出するときに、地点間で領域を決定していることは明らかである。また、その際、所定範囲を採用することは地図上の位置を検索する際普通に行われることであり、引用例1発明に上記摘記事項(ウ)の技術を適用して前記各相違点に係る本願発明の事項とすることは当業者であれば容易に想到しうることである。

(相違点4)について
前者は「前記施設データ抽出手段によって抽出された各施設データ中の座標データによって特定される施設の所在地を示す画像を、前記記憶手段に記憶された地図データに基づく画像とともに前記表示手段の表示画面上に表示させることは当業者にとって周知技術である(例えば、特開平9-251266号公報【0024】及び図9、特開平9-33272号公報【0013】及び図8参照)。
よって、引用例1発明に周知技術を適用して前記相違点に係る本願発明の事項とすることは当業者であれば容易に想到しうることである。

本願発明の作用効果について検討する。請求人は、審判請求書において、構成の相違に基づく本願独自の効果として、
(1)出発地点と到着地点との間の経路の近傍に存在する施設を地図の画像とともに表示することが可能となる、
(2)出発地点から到着地点に至る探索経路近傍において訪問しようとする施設を簡便かつ柔軟に決定することができる、
(3)出発地点から到着地点への検索経路がまがりくねっていたとしても、経路近傍に存在する施設を表示することが可能となる、
を挙げているので、これらの効果について検討する。
地図の画像が上記周知文献に記載されていることからみて、上記(1)の効果は周知技術に基づいて当業者であれば予測しうる程度のものであることは明らかである。
引用例1の【0060】には「旅行計画を容易に作成することができる」と記載されていることから、施設を簡便に決定することができることは当業者にとって明らかである。また、引用例1の【0063】には「推奨情報を適宜更新することにより…」と記載されていることから施設の決定を頻繁に変更できること、すなわち、柔軟に対処できる点が記載されている。これらの事項より、上記(2)の効果は当業者であれば予測しうる程度のものである。
引用例1摘記事項(ウ)に「経路上の」と記載されていることから、経路の曲がりに依らず検索できるものであるから、上記(3)は引用例1の記載から当業者が予測しうる程度のものである。
以上から、本願発明の作用効果についてみても、引用例1及び周知技術から当業者が予測しうる程度のものであり、格別のものとはいえない。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-06-16 
結審通知日 2005-06-21 
審決日 2005-07-04 
出願番号 特願平10-161193
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲吉▼田 耕一  
特許庁審判長 赤穂 隆雄
特許庁審判官 竹中 辰利
篠原 功一
発明の名称 旅行計画作成装置及びプログラムを記録したコンピュータ可読媒体  
代理人 遠山 勉  
代理人 松倉 秀実  
代理人 川口 嘉之  
代理人 永田 豊  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ