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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1127368
異議申立番号 異議2003-73102  
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-05-08 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-17 
確定日 2005-09-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3437510号「小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法並びに小分け投入管理システム」の請求項1乃至5に係る発明の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3437510号の請求項1乃至5に係る特許を取り消す。 
理由 第1 手続の経緯
特許第3437510号の請求項1乃至5に係る発明についての出願は、平成11年10月29日に特許出願され、平成15年6月6日にその発明について特許権の設定登録がされ、その後、全ての請求項に係る発明の特許について、異議申立人新井茂夫、株式会社山武及び前野洋によりそれぞれ特許異議の申立てがなされ、全ての請求項に係る発明の特許に対して取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成17年3月24日に特許異議意見書が提出されるとともに訂正請求がなされたものである。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
上記訂正請求による訂正の内容は次のとおりのものである。なお、下線は訂正個所を明確化するために、当審で付したものである。
(1)訂正事項a
本件特許権の設定登録時の願書に添付した明細書及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の特許請求の範囲の請求項1を、
「【請求項1】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、この小分け配合マスタを用いて小分けラベルの発行に必要なラベル情報を各々の原料毎に作成し、さらに前記小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
前記ラベル情報を与えられて小分けラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
小分け作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第1の入出力接点制御装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルを読み取り、読み取った情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第1の表示及び入力部と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を秤量し、秤量した測定データを前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する秤量器と、
投入作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第2の入出力接点制御装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を投入されて攪拌を行う攪拌釜と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記攪拌釜への各々の原料の投入を行う原料投入装置と、
を備え、
前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力することを特徴とする小分け投入管理システム。」から、
「【請求項1】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、この小分け配合マスタを用いて小分けラベルの発行に必要なラベル情報を各々の原料毎に作成し、さらに前記小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
前記ラベル情報を与えられて小分けラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
小分け作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第1の入出力接点制御装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルを読み取り、読み取った情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示及び前記読み取った情報を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第1の表示及び入力部と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を秤量し、秤量した測定データを前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する秤量器と、
投入作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第2の入出力接点制御装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を投入されて攪拌を行う攪拌釜と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記攪拌釜への各々の原料の投入を行う原料投入装置と、
を備え、
前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力することを特徴とする小分け投入管理システム。」に訂正する。
(2)訂正事項b
本件特許明細書等の特許請求の範囲の請求項4を、
「【請求項4】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
各々の原料が小分けされて収納された小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする投入管理方法。」から、
「【請求項4】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
各々の原料が小分けされて収納された前記小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする投入管理方法。」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項aについて
訂正事項aは、請求項1に記載された「第1の表示及び入力部」に関し、「作業指示」の内容に加え、小分けラベルを「読み取った情報」の内容についても表示するものである旨限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
また、本件特許明細書等の段落【0022】には、「読取装置13a、13bは例えばバーコードリーダで構成され、小分けラベルに印刷されたバーコードを読み取ってその情報を入出力接点制御装置11a、入出力接点制御装置11bに通知する。」と記載され、【0023】には、「入力及び表示部14a、14bは、表示部14a1及びタッチ入力部14a2、表示部14b1及びタッチ入力部14b2をそれぞれ有し、下位コンピュータ2から入出力接点制御装置11a、11bを介して与えられた情報を表示し、また作業者が入力したデータを受け取る。また、入力及び表示部14aは、読取装置13aが読み取った情報、即ち原料名や小分け重量等も表示する。この表示は、作業者が小分け秤量を行うときに用いられる。」と記載されているから、訂正事項aは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
そして、訂正事項aの訂正によって発明の目的が変更されるものではないので、訂正事項aは、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項bについて
訂正事項bは、請求項4に記載された発明の投入管理方法が、「小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップ」を備えるものである旨限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当し、また、当該訂正と整合をとるために、各々の原料が小分けされて収納された「小分け容器」を「前記小分け容器」とするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
そして、本件特許明細書等の特許請求の範囲の【請求項2】には、「製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、・・・各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、・・・」と記載され、【請求項3】には、「製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、・・・秤量器を用いて原料を秤量して小分け容器に収納し、・・・前記小分け配合マスタに含まれる情報を用いて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、・・・」と記載されているから、訂正事項bは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、訂正事項bの訂正によって発明の目的が変更されるものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3 むすび
以上のとおり、上記訂正は特許法第120条の4第2項並びに同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについての判断
1 特許異議の申立ての理由の概要
(1)特許異議申立人新井茂夫は、証拠方法として甲第1号証を提出し、本件の請求項1乃至5に係る発明は甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項1乃至5に係る発明についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。
[証拠方法]
甲第1号証:特許第2631241号公報

(2)申立人株式会社山武は、証拠方法として甲第1及び2号証を提出し、本件の請求項1乃至5に係る発明は甲第1号証に記載された発明であるか、甲第1及び2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項1乃至5に係る発明についての特許は特許法第29条第1項第3号、若しくは同条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。
[証拠方法]
甲第1号証:特許第2838397号公報
甲第2号証:特開平10-48033号公報

(3)申立人前野洋は、証拠方法として甲第1乃至3号証を提出し、本件の請求項3に係る発明は甲第1号証に記載された発明であるか、甲第2及び3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項3に係る発明についての特許は特許法第29条第1項第3号、若しくは同条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。
[証拠方法]
甲第1号証:特開平10-48033号公報
甲第2号証:特許第2631241号公報
甲第3号証:特許第2838397号公報

2 取消しの理由の概要
(1)本件の請求項1は、明細書の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。

(2)本件の請求項1乃至5に係る発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項1乃至5に係る発明についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
[刊行物]
刊行物1:特許第2631241号公報
(申立人新井茂夫が提出した甲第1号証、申立人前野洋が提出し
た甲第2号証)
刊行物2:特開平10-48033号公報
(申立人株式会社山武が提出した甲第2号証、申立人前野洋が提
出した甲第1号証)

3 本件発明
前記第2の3のとおり訂正が認められ、また、当該訂正によって、取消しの理由で通知した特許法第36条第6項第1号及び第2号に係る記載不備については解消しているので、本件の請求項1乃至5に係る発明(以下、「本件発明1乃至5」という。)は、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、この小分け配合マスタを用いて小分けラベルの発行に必要なラベル情報を各々の原料毎に作成し、さらに前記小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
前記ラベル情報を与えられて小分けラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
小分け作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第1の入出力接点制御装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルを読み取り、読み取った情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示及び前記読み取った情報を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第1の表示及び入力部と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を秤量し、秤量した測定データを前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する秤量器と、
投入作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第2の入出力接点制御装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を投入されて攪拌を行う攪拌釜と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記攪拌釜への各々の原料の投入を行う原料投入装置と、
を備え、
前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力することを特徴とする小分け投入管理システム。
【請求項2】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
を備えたことを特徴とする小分け管理方法。
【請求項3】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる各々の原料に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、秤量器を用いて原料を秤量して小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報を用いて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
を備えたことを特徴とする小分け管理方法。
【請求項4】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
各々の原料が小分けされて収納された前記小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする投入管理方法。
【請求項5】 製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて小分け情報を読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする小分け投入管理方法。」

なお、請求項5には、「前記小分け袋に貼り付けられた記載された前記小分けラベルを読取装置を用いて小分け情報を読み取り、・・・」と記載されているが、その「小分け袋」は「小分け容器」の誤記(下線部参照)であるとして、請求項5を上記のとおり認定した。

4 刊行物記載の発明(事項)
(1)刊行物1
ア 第5欄第20行-第6欄第5行
「先ず、生産計画に基づいて、添加剤名、添加量、投入タンク名、添加順序等の塗料調合のための作業情報が決定される(この他、工程によっては、樹脂ワニス、溶剤、顔料等も作業情報とされる)。その作業情報は、作業員の読取可能な作業票1、及びバーコード形式の作業指示バーコード2として表され作業者に提供される。作業指示バーコード2は、作業票1に張付けられる。尤も、両者をページプリンタ等により一度に出力してもよい。・・・
作業者は、作業票1に従って所定の添加剤を選択し、その場で作業票の作業指示バーコードと添加剤入り容器のバーコード3とをバーコードリーダ5で読み取らせる。両バーコードの読取り結果は、製造部門にある作業管理コンピュータAに送られ、照合される。・・・
次に作業者は、選択した添加剤を所定量だけ原料運搬容器7に移し、計量器8で計量する。計量結果は作業管理コンピュータに送られ、既に送られている作業指示バーコードからの情報と比較かれる。作業管理コンピュータは、その比較に基づき計量値の適否又は過不足を表示し、作業者に直ちに知らせる。作業者は、過不足の修正などにより正しい範囲の計量を済ませる。・・・
所定の添加剤の計量が済むと、作業者は計量終了信号を作業管理コンピュータに入力する。これにより、作業管理コンピュータは、計量作業ステーションにあるプリンタ9を通じて計量ラベル10を出力する。計量ラベル10は、添加剤毎に出力され、作業票の情報に基づき添加剤名及び行き先タンク名、計量器からのデータに基づき各添加剤の計量結果が、各々文字とバーコード11とで表示されている。作業者は、この計量ラベル10を各々の原料運搬容器7に張付ける。」
イ 第6欄第9-22行
「作業者は、ランプ130のついたタンクの所まで原料運搬容器を運び、そこで再び作業指示バーコード2をバーコードリーダ14で読み取らせる。これにより、作業管理コンピュータAは、表示灯13に信号を送り、ランプ130を消灯し、『開始』を表示するランプ13aを点灯させる。次に作業者は、原料運搬容器に張付けられた計量ラベルのバーコード11を、バーコードリーダ14で読取る。その読取り情報と先程の作業指示バーコードの読取り情報とが、作業管理コンピュータAで照合される。照合結果が不適切であればその旨の信号が表示され、作業者は取上げるべき原料運搬容器を適正化する。照合結果が適切であれば、作業管理コンピュータの指令で表示灯は『投入待ち』の表示13bに変わる。作業者は、これに基づき運搬容器7から添加剤をタンク12に投入する。」
摘記事項アにおける「生産計画に基づいて、添加剤名、添加量、投入タンク名、添加順序等の塗料調合のための作業情報が決定される」の記載から、生産計画に基づいて決定される作業情報が「複数の添加剤毎に必要な量と各々の添加剤を調合する添加手順とを含む」ものであることは明らかである。
摘記事項ア及び第1図の記載から、生産計画に基づいて決定される作業情報が、作業票1、作業指示バーコード2として、管理部門コンピュータから出力されることも明らかである。
摘記事項アにおける「選択した添加剤を所定量だけ原料運搬容器7に移し、計量器8で計量する」作業が小分け作業を意味するものであること、該作業が作業情報から抽出した情報に基づいて行われることも明らかである。
摘記事項アの記載から、添加剤の計量(本件の「小分け」に相当)に際し、バーコードリーダ5で読み取らせた作業票1の作業指示バーコード2、即ち作業情報を作業管理コンピュータAに保持するものであることは明らかであり、同様に摘記事項イの記載から、計量された添加剤のタンクへの投入に際し、バーコードリーダ14で読み取らせた作業指示バーコード2、即ち作業情報を作業管理コンピュータAに保持するものであることも明らかである。
摘記事項ア、イ及び第1、3図の記載から、作業管理コンピュータAが、添加剤が全て手順通りにタンク12に投入されるようにするものであることは明らかである。
そうすると、上記摘記事項ア、イ及び第1図の記載からみて、刊行物1には、次の四つの発明が記載されていると認められる。
[刊行物1記載の発明1]
「生産計画に基づいて、複数の添加剤毎に必要な量と各々の添加剤を調合する添加手順とを含む作業情報を決定するステップと、
前記作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、計量器8を用いて添加剤を計量して原料運搬容器7に収納し、計量結果を作業管理コンピュータAに保存させるステップと、
前記作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10をプリンタ9を通じて各々の添加剤毎に出力し、この計量ラベル10を対応する前記原料運搬容器7に張付けるステップと、
を備えた小分け管理方法。」

[刊行物1記載の発明2]
「生産計画に基づいて、複数の添加剤毎に必要な量と各々の添加剤を調合する添加手順とを含む作業情報を決定するステップと、
作業情報を作業管理コンピュータAに保持するステップと、
前記作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10をプリンタ9を通じて各々の添加剤毎に出力し、この計量ラベル10を対応する原料運搬容器7に張付けるステップと、
作業情報を作業管理コンピュータAに保持するステップと、
原料運搬容器7毎にそれぞれの計量ラベル10のバーコード11をバーコードリーダ14を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った計量ラベル10の情報と作業情報とを照合し、一致した場合にこの計量ラベル10が張付けられた原料運搬容器7の添加剤をタンク12に投入するステップと、
を備えた投入管理方法。」

[刊行物1記載の発明3]
「生産計画に基づいて、複数の添加剤毎に必要な量と各々の添加剤を調合する添加手順とを含む作業情報を決定するステップと、
作業情報を作業管理コンピュータAに保持するステップと、
前記作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報に基づいて、計量器8を用いて添加剤を計量して原料運搬容器7に収納し、計量結果を作業管理コンピュータAに保存させるステップと、
前記作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10をプリンタ9を通じて各々の添加剤毎に出力し、この計量ラベル10を対応する前記原料運搬容器7に張付けるステップと、
作業情報を作業管理コンピュータAに保持するステップと、
原料運搬容器7毎にそれぞれの計量ラベル10のバーコード11をバーコードリーダ14を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った計量ラベル10の情報と作業情報とを照合し、一致した場合にこの計量ラベル10が張付けられた原料運搬容器7の添加剤をタンク12に投入するステップと、
を備えた小分け投入管理方法。」

[刊行物1記載の発明4]
「生産計画に基づいて、複数の添加剤毎に必要な量と各々の添加剤を調合する添加手順とを含む作業情報を決定し、この作業情報に基づいて作業票1と作業指示バーコード2を出力する管理部門コンピュータと、
作業票1の作業指示バーコード2を読み取り、該読取った作業情報が送られる作業管理コンピュータAと、
作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報及び計量器8からのデータを与えられて、計量ラベル10を各々の添加剤毎に出力するプリンタ9と、
作業管理コンピュータAに接続され、各々の添加剤を計量し、計量結果を作業管理コンピュータAに送る計量器8と、
作業管理コンピュータAに接続され、計量ラベル10のバーコード11を読み取り、読み取った情報を作業管理コンピュータAに転送するバーコードリーダ14と、
作業管理コンピュータAに接続され、作業管理コンピュータAからバーコードリーダ14で読み取った作業指示バーコード2の情報に基づいて信号を送られ『開始』を表示するランプ13aを点灯し、作業者が作業終了ボタンを押した情報を作業管理コンピュータAに送る表示灯13と、
各々の添加剤を投入されるタンク12と、
を備え、
管理部門コンピュータは、作業管理コンピュータAが、バーコードリーダ14が読み取った情報と前記作業情報とを比較照合し、投入すべき添加剤が全て手順通りに前記タンク12に投入されるように表示灯13の『投入待ち』ランプ13bを点灯させる、作業票1と作業指示バーコード2を出力する小分け投入管理システム。」

(2)刊行物2
ウ 第7欄第15-23行(段落【0027】参照)
「製品に関する事項の登録(ステップ#C)の作業は、管理側箇所10の管理側制御手段11などにおいて図4に示す画面表示状態とし、製品名および製品コードと、この製品に対応する各原料名または原料コードからなる原料情報と、その原料の供給目標となる設定重量値と、供給上限重量値と、供給下限重量値とをそれぞれ選択または入力することにより行われる。これにより、管理側箇所10において、各製品に対する原料の配合量を確実に管理することができる。」
エ 第7欄第29-32行(段落【0029】参照)
「バーコードラベルの発行(ステップ#D)の作業は、管理側箇所10のバーコードプリンタ14にて、製品に対応するバーコードラベルが発行されることにより行われ、・・・」
オ 第7欄第42-50行(段落【0031】、【0032】参照)
「単独計量モードは、図5に示すように、1使用回数分の製品を複数の袋または1つの袋に供給すべく配合され、例えば、製品数が5である場合には計量回数を5回と入力し、原料aを袋に所定重量(例えば2Kg)供給する毎に、袋を取り替えて再度供給作業を行うことにて実行される。
次に、その製品に対応する原料bを所定重量(例えば5Kg)供給する。この場合に、生産形態に応じて、別の袋に供給したり、・・・」
カ 第8欄第14-20行(段落【0034】参照)
「単独計量モードを選択することにより、1使用回数分の製品が袋に小分けされた状態で配合されるので、1回に1使用回数分の製品を正確に使用することができるという利点がある一方、袋に対する量が少ないため、これらの製品を他の材料に混入する場合などに際して、原料同士が不均一に混合されたりするおそれがあり、また、袋が多数となってかさ張るおそれもある。」
キ 第8欄第34行-第9欄第2行(段落【0036】、【0037】参照)
「・・・予め管理側箇所10で発行された製品のバーコードラベルのうちから、配合する製品を選択し(ステップ#E2)、この製品のバーコードラベルを配合に用いる袋に貼り付けるなどして配合製品と製品のバーコードラベルを対応づける。そして、この製品のバーコードラベルをバーコードリーダ27で読み取らせるとともに、その配合処理を行う計量回数を製品のバーコードラベルに記載の数または管理側箇所10からの指示書などに基づき入力する(ステップ#E3)。
すると、配合側制御手段25は製品のバーコードラベルの情報に基づいて、図7の(a),(b)に示すように、作成する製品に対応する原料名,その原料の使用予定重量(設定重量)および計量する計量装置(大重量用計量装置21または小重量用計量装置23)を表示部29に表示させて、この原料名と予定重量とを配合者に対して案内する。これにより、配合者は配合すべき原料名と使用予定重量と載せるべき計量装置を容易に視認することができる。」
ク 第9欄第16-24行(段落【0039】参照)
「次に、配合者は原料を袋に供給していくが、図7に示すように、この際、原料の計量値がデジタルで表示されるだけでなく、計量値がレベルバー表示(図5における斜線部)によりアナログ的にも表示される。また、レベルバー表示の箇所には予定量(常に中央位置となるように表示される)だけでなく上限値と下限値が示されており、配合者は原料の供給度合いを直感的に理解でき、これを見ながら供給原料の適度な量の追加や調整を行うことができる。」
ケ 第10欄第18-33行(段落【0045】、【0046】参照)
「配合作業が終了し、配合側制御手段25からのキー操作によりこの配合作業の終了が通知されると、管理側箇所10において配合実績などの印字(ステップ#F)が行われる。つまり、配合した製品に対応して、従業員番号、製品コード、製品名、各原料に対応して、原料コード、原料名、原料の設定値、実績値、誤差、使用された計量装置名、配合した製品に対応する設定値、実績値、誤差、計量回数などがプリンタ13で印字される。・・・
また、1日の配合作業が終了すると、この日に使用した原料毎に、その原料名、原料の設定値、実績値、誤差、歩留り、その他の設備における原料の使用量、総合計などが算出されて、管理側箇所10においてこれらのデータが日報としてプリンタ13で印字される。」
コ 第10欄第41-44行(段落【0048】参照)
「ここで、このようなデータは配合側制御手段25の記憶部28に記憶されるが、管理側箇所10において、日報を出力する際に管理側制御手段11の記憶部15にも複写され、・・・」
上記摘記事項オ、キ及び【図5】の記載から、複数の原料を異なる袋に供給する場合、製品のバーコードラベルを複数の袋に対し、供給される原料が識別できるように貼り付けることは明らかである。
以上のとおりであるので、上記摘記事項ウ-コ及び【図1】、【図4】、【図5】、【図7】の記載からみて、刊行物2には、以下の事項が記載されていると認められる。
[刊行物2記載の事項]
「製品名と、この製品に対応する各原料名からなる原料情報と、その原料の供給目標となる設定重量値等を管理側制御手段11に入力することで、製品に関する事項を登録し、該製品に関する事項に含まれる情報に基づいて、製品に対応するバーコードラベルをバーコードプリンタ14を用いて発行し、この製品に対応するバーコードラベルを複数の袋に対し、供給される原料が識別できるように貼り付け、該袋に貼り付けられた製品のバーコードラベルをバーコードリーダ27で読み取り、読み取った情報を表示部29に表示させ、該表示部に表示された情報に従い、各々の原料を計量して対応する袋に収納し、計量値を管理側制御手段に保存させること。」

5 対比・判断
(1)本件発明2について
本件発明2と刊行物1記載の発明1を対比すると、後者の「生産計画」、「添加剤」、「調合する添加手順」、「作業情報」、「計量」、「原料運搬容器7」、「計量結果」は、それぞれ前者の「製造計画」、「原料」、「配合する手順」、「小分け配合マスタ」、「秤量」、「小分け容器」、「秤量の測定データ」に相当する。
また、後者の「生産計画に基づいて」「作業情報を決定する」は、前者の「製造計画を与えられ」「小分け配合マスタを」「作成する」に相当する。
さらに、後者の「計量ラベル10をプリンタ9を通じて」「出力」することと、前者の「小分けラベルをラベル発行機を用いて」「発行」することは、「ラベルをラベル発行機を用いて発行」する限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10を」「張付ける」ことと、前者の「小分けラベルを」「貼り付ける」ことは、「ラベルを貼り付ける」限りにおいて一致し、後者の「作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、計量器8を用いて添加剤を計量して原料運搬容器7に収納し、計量結果を作業管理コンピュータAに保存させるステップ」と、前者の「表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップ」は、「小分け配合マスタに含まれる情報に従い、各々の原料を秤量して対応する小分け容器に収納し、秤量の測定データをコンピュータに保存させるステップ」である限りにおいて一致する。
そうすると、両者は以下の一致点、相違点を有する。
〈一致点1〉
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成するステップと、
ラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、このラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
小分け配合マスタに含まれる情報に従い、各々の原料を秤量して対応する小分け容器に収納し、秤量の測定データをコンピュータに保存させるステップと、
を備えた小分け管理方法。
〈相違点1〉
本件発明2は、小分け配合マスタを、コンピュータを用いて作成するのに対し、刊行物1記載の発明1は、コンピュータを用いて作成するか否か明らかでない点。
〈相違点2〉
本件発明2は、「小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルを」「発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付け」「前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて読み取り、読み取った情報を表示部に表示」し、「前記表示部に表示された情報に従い、」「原料を秤量」するのに対し、刊行物1記載の発明1は、「作業情報に含まれる」「添加剤に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、」「添加剤を計量」し、その後「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10を」「出力し、」「この計量ラベル10を対応する」「原料運搬容器7に張付ける」点。
〈相違点3〉
本件発明2は、秤量の測定データを保存させるコンピュータが、小分け配合マスタを作成するコンピュータであるのに対し、刊行物1記載の発明1は、小分け配合マスタを作成するコンピュータでない点。
上記相違点について検討する。
〈相違点1について〉
刊行物1には、生産計画に基づいて決定された作業情報が、作業票1、作業指示バーコード2として、管理部門コンピュータから出力される旨記載されている。そして、当該「作業情報」は本件発明2における「小分け配合マスタ」に相当するものである。
そうすると、本件出願時におけるコンピュータに関する技術常識に鑑みれば、刊行物1記載の発明1において、生産計画に基づいて作業情報をコンピュータにより作成するものとすることで、相違点1に係る本件発明2の発明特定事項とすることは当業者が容易になし得るものである。
〈相違点2について〉
本件発明2と刊行物1記載の発明1は、ともに小分け配合マスタに含まれる情報に従い、各々の原料を秤量して対応する小分け容器に収納する点で共通するものである。
一方、刊行物2に記載された「バーコードラベル」、「バーコードプリンタ14」、「袋」、「バーコードリーダ27」、「計量」は、それぞれ本件発明2における「小分けラベル」、「ラベル発行機」、「小分け容器」、「読取装置」、「秤量」に対応するものであるから、刊行物2には、「製品に関する事項に含まれる情報に基づいて、小分けラベルを発行し、この小分けラベルを小分け容器に貼り付け、小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取り、読み取った情報を表示部に表示し、該表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量すること」が記載されているとすることができる。
ところで、刊行物1記載の発明1は、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」に基づいて「計量ラベル10」を発行するものであるが、「計量器8からのデータ」が「作業情報」に含まれる「添加剤」の「量」の「計量値」であることを考慮すれば、刊行物1記載の発明1における「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」は、「作業情報に含まれる情報」と同等のものであり、ラベルに表示する添加剤の量として、作業情報を用いるか計量値を用いるかは、ラベルの発行時期等との関係において当業者が適宜選択可能な事項である。
そして、刊行物1記載の発明1において、刊行物2記載の事項を採用することを妨げる特段の事由も存在しない。
そうすると、刊行物1記載の発明1において、刊行物2記載の事項を採用することで、相違点2に係る本件発明2の発明特定事項とすることは当業者が容易になし得るものである。
〈相違点3について〉
刊行物1には、管理部門コンピュータから出力される作業票1の作業指示バーコード2、即ち作業情報を読み取り、該読み取った結果を作業管理コンピュータAに送る旨記載されているから、本件発明2と刊行物1記載の発明1は、小分け配合マスタを保持するコンピュータに秤量の測定データを保存させるものである点において相違するものではない。
一方、本件発明2において、秤量の測定データを、小分け配合マスタを作成するコンピュータに保存させることの技術的意義についてみるに、小分け配合マスタを保持するコンピュータに保存させる以上の格別な技術的意義を見い出すことはできない。
そして、刊行物1に記載された管理部門コンピュータと作業管理コンピュータAとは、物理的に離れた位置に配置されるものではあるが、本件出願時におけるコンピュータネットワークに関する技術常識を勘案すれば、当該事項は両コンピュータの共通化を阻害する理由とはなり得ないし、また、他に両コンピュータの共通化を阻害する特段の事由も存在しない。
そうすると、上記相違点3に係る本件発明2の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である。

そして、本件発明2の作用効果は、刊行物1記載の発明1及び刊行物2記載の事項から当業者が予測できる程度のものであって格別なものではない。

したがって、本件発明2は、刊行物1記載の発明1及び刊行物2記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(2)本件発明3について
本件発明3と刊行物1記載の発明1を対比すると、後者の「生産計画」、「添加剤」、「調合する添加手順」、「作業情報」、「計量器8」、「計量」、「原料運搬容器7」、「計量結果」、「計量ラベル10」、「プリンタ9」は、前者の「製造計画」、「原料」、「配合する手順」、「小分け配合マスタ」、「秤量器」、「秤量」、「小分け容器」、「秤量の測定データ」、「小分けラベル」、「ラベル発行機」に相当する。
また、後者の「生産計画に基づいて」「作業情報を決定する」は、前者の「製造計画を与えられ」「小分け配合マスタを」「作成する」に相当し、後者の「計量ラベル10をプリンタ9を通じて」「出力」することは、前者の「小分けラベルをラベル発行機を用いて」「発行」することに相当し、後者の「計量ラベル10を」「張付ける」は、前者の「小分けラベルを」「貼り付ける」に相当する。
そうすると、両者は以下の一致点、相違点を有する。
〈一致点2〉
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる各々の原料に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、秤量器を用いて原料を秤量して小分け容器に収納し、秤量の測定データをコンピュータに保存させるステップと、
小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
を備えた小分け管理方法。
〈相違点4〉
本件発明3は、小分け配合マスタを、コンピュータを用いて作成するのに対し、刊行物1記載の発明1は、コンピュータを用いて作成するか否か明らかでない点。
〈相違点5〉
本件発明3は、秤量の測定データを保存させるコンピュータが、小分け配合マスタを作成するコンピュータであるのに対し、刊行物1記載の発明1は、小分け配合マスタを作成するコンピュータでない点。
〈相違点6〉
本件発明3は、小分けラベルを、「小分け配合マスタに含まれる情報」を用いて発行するのに対し、刊行物1記載の発明1は、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」に基づいて発行する点。
上記相違点について検討する。
〈相違点4について〉
相違点1について検討したとおりである。
〈相違点5について〉
相違点3について検討したとおりである。
〈相違点6について〉
刊行物1記載の発明1は、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」に基づいて小分けラベルを発行するものであるが、「計量器8からのデータ」が「作業情報」に含まれる「添加剤」の「量」の「計量値」であることを考慮すれば、刊行物1記載の発明1における「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」は、「作業情報に含まれる情報」と同等のものであり、小分けラベルに表示する添加剤の量として、作業情報を用いるか計量値を用いるかは、当業者が適宜選択可能な事項である。
そうすると、刊行物1記載の発明1において、小分けラベルを「作業情報に含まれる情報」に基づいて発行するものとすることで、相違点6に係る本件発明3の発明特定事項とすることは当業者が容易になし得るものである。

そして、本件発明3の作用効果は、刊行物1記載の発明1から当業者が予測できる程度のものであって格別なものではない。

したがって、本件発明3は、刊行物1記載の発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明3についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(3)本件発明4について
本件発明4と刊行物1記載の発明2を対比すると、後者の「生産計画」、「添加剤」、「調合する添加手順」、「作業情報」、「計量ラベル10」、「プリンタ9」、「原料運搬容器7」、「バーコードリーダ14」、「タンク12」、は、それぞれ前者の「製造計画」、「原料」、「配合する手順」、「小分け配合マスタ」、「小分けラベル」、「ラベル発行機」、「小分け容器」、「読取装置」、「釜」に相当する。
また、後者の「生産計画に基づいて」「作業情報を決定する」ことは、前者の「製造計画を与えられ」「小分け配合マスタを」「作成」することに相当し、後者の「計量ラベル10をプリンタ9を通じて」「出力」することは、前者の「小分けラベルをラベル発行機を用いて」「発行」することに相当し、後者の「計量ラベル10を」「張付ける」は、前者の「小分けラベルを」「貼り付ける」に相当し、後者の「計量ラベル10のバーコード11をバーコードリーダ14を用いて読み取る」は、前者の「小分けラベルを」「読取装置を用いて読み取る」に相当する。
さらに、後者の「作業情報を作業管理コンピュータAに保持する」と、前者の「小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持する」とは、「小分け配合マスタをコンピュータに保持する」限りにおいて一致する。
そうすると、両者は以下の一致点、相違点を有する。
〈一致点3〉
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成しコンピュータに保持するステップと、
小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を釜に投入するステップと、
を備えた投入管理方法。
〈相違点7〉
本件発明4は、小分け配合マスタを、コンピュータを用いて作成するのに対し、刊行物1記載の発明2は、コンピュータを用いて作成するか否か明らかでない点。
〈相違点8〉
本件発明4は、小分け配合マスタを保持するコンピュータが、小分け配合マスタを作成するコンピュータであるのに対し、刊行物1記載の発明2は、小分け配合マスタを作成するコンピュータでない点。
〈相違点9〉
本件発明4は、小分けラベルを、「小分け配合マスタに含まれる情報」に基づいて発行するのに対し、刊行物1記載の発明2は、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータ」に基づいて発行する点。
〈相違点10〉
本件発明4は、「小分け配合マスタをコンピュータ」に「保持」し、「小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップ」において、「前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルを」「発行し」、「原料を」「釜に投入するステップ」において、「読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合」するのに対し、刊行物1記載の発明2は、「作業情報を作業管理コンピュータAに保持」し、「計量ラベル10を対応する原料運搬容器7に張付けるステップ」において、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10を」「出力し」、再度「作業情報を作業管理コンピュータAに保持」し、「添加剤をタンク12に投入するステップ」において、「読み取った計量ラベル10の情報と作業情報とを照合」する点。
〈相違点11〉
本件発明4は、「各々の原料が小分けされて収納された前記小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップ」を備え、「製造計画通りである場合」に次のステップに進むものであるのに対し、刊行物1記載の発明2は、そのような発明特定事項を有しない点。
〈相違点12〉
本件発明4は、釜が「攪拌釜」であり、該「攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップ」を備えるのに対し、刊行物1記載の発明2は、その点について明らかでない点。
上記相違点について検討する。
〈相違点7について〉
相違点1について検討したとおりである。
〈相違点8について〉
刊行物1には、管理部門コンピュータから出力される作業票1の作業指示バーコード2、即ち作業情報を読み取り、該読み取った結果を作業管理コンピュータAに送る旨記載されている。
刊行物1に記載された管理部門コンピュータと作業管理コンピュータAとは、物理的に離れた位置に配置されるものではあるが、本件出願時におけるコンピュータネットワークに関する技術常識(例えば、刊行物2の第6欄第5-9行、同欄第23-25行、及び【図1】の記載を参照)を勘案すれば、当該事項は両コンピュータの共通化を阻害する理由とはなり得ないし、また、他に両コンピュータの共通化を阻害する特段の事由も存在しない。
そして、本件発明4において、小分け配合マスタを、該小分け配合マスタを作成するコンピュータに保持するものとすることに格別の意味があるとも認められない。
そうすると、上記相違点8に係る本件発明4の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である。
〈相違点9について〉
相違点6について検討したとおりである。
〈相違点10について〉
刊行物1記載の発明2において、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10を」「出力」することについては、上記相違点9について(相違点6について)検討したとおりであるから、本件発明4も刊行物1記載の発明2も、ともにコンピュータに保持する小分け配合マスタを用いて、小分けラベルの発行及び原料を釜に投入する際の小分けラベルの情報の照合を行う点で共通するものということができる。
また、本件発明4と刊行物1記載の発明2とは、小分け配合マスタをコンピュータに保持する回数において相違するが、当該相違は単に作業形態あるいはコンピュータの使用形態の相違に伴うものであって、これにより本件発明4が刊行物1記載の発明2に比べ格別な効果を奏するものでもない。
そうすると、上記相違点10に係る本件発明4の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である
〈相違点11について〉
小分けと投入が別工程で行われる配合作業において、投入に際し、予め小分けされた原料を製造計画に基づいて準備・確認することは、通常行われる事項である。
してみると、刊行物1記載の発明2は、小分けと投入を一連の工程で行うものであるが、当該小分けと投入を別工程で行うものとする場合、製造計画に基づいて原料の準備・確認作業を行うことは上記のとおりであるから、上記相違点11に係る本件発明4の発明特定事項は、従来人手で行っていた原料の準備・確認作業を、単にコンピュータを用いて自動化したにすぎないものである。
〈相違点12について〉
刊行物1記載の発明2において、攪拌等、タンクに投入された原料に所定の処理を施すことは当業者において自明の事項である。
また、本件発明4において、「釜」を「攪拌釜」とした点は、前記自明の処理内容を表現したにすぎないものである。
そうすると、本件発明4と刊行物1記載の発明2は、この点において格別相違するものではない。

なお、特許権者は、特許異議意見書において、「刊行物1記載の発明では、容器7に貼り付けられる計量結果表示バーコード11に配合手順は含まれておらず、誤まった配合を行うおそれがある。」と主張している。
そこで、当該主張について検討するに、刊行物1には、「計量ラベル10」の表示内容として、「添加剤名」、「行き先タンク名」、「計量結果」のみ記載されており、「添加剤を調合する添加手順」について明記されていないが、「添加剤名」と「行き先タンク名」は作業票、即ち作業情報に基づくものであり、その後の調合作業を考慮すれば、同じ作業情報に含まれる「添加剤を調合する添加手順」についても同様に記載されていると理解することが自然であるから、上記特許権者の主張は認められない。

そして、本件発明4の作用効果は、刊行物1記載の発明2から当業者が予測できる程度のものであって格別なものではない。

したがって、本件発明4は、刊行物1記載の発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明4についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(4)本件発明5について
本件発明5と刊行物1記載の発明3を対比すると、後者の「生産計画」、「添加剤」、「調合する添加手順」、「作業情報」、「計量」、「原料運搬容器7」、「計量結果」、「バーコードリーダ14」、「タンク12」は、それぞれ前者の「製造計画」、「原料」、「配合する手順」、「小分け配合マスタ」、「秤量」、「小分け容器」、「秤量の測定データ」、「読取装置」、「釜」に相当する。
また、後者の「生産計画に基づいて」「作業情報を決定する」ことは、前者の「製造計画を与えられ」「小分け配合マスタを」「作成」することに相当する。
さらに、後者の「作業情報を作業管理コンピュータAに保持する」ことと、前者の「小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持する」こととは、「小分け配合マスタをコンピュータに保持する」限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10をプリンタ9を通じて」「出力」することと、前者の「小分けラベルをラベル発行機を用いて発行」することは、「ラベルをラベル発行機を用いて発行」する限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10を」「張付ける」ことと、前者の「小分けラベルを」「貼り付ける」ことは、「ラベルを貼り付ける」限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10のバーコード11をバーコードリーダ14を用いて読み取る」ことと、前者の「小分けラベルを」「読取装置を用いて読み取る」こととは、「ラベルを読取装置を用いて読み取る」限りにおいて一致し、後者の「作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報に基づいて、計量器8を用いて添加剤を計量して原料運搬容器7に収納し、計量結果を作業管理コンピュータAに保存させるステップ」と、前者の「表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップ」は、「小分け配合マスタに含まれる情報に従い、各々の原料を秤量して対応する小分け容器に収納し、秤量の測定データをコンピュータに保存させるステップ」である限りにおいて一致する。
そうすると、両者は以下の一致点、相違点を有する。
〈一致点4〉
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成しコンピュータに保持するステップと、
ラベルをラベル発行機を用いて発行し、このラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
小分け配合マスタに含まれる情報に従い、各々の原料を秤量して対応する小分け容器に収納し、秤量の測定データをコンピュータに保存させるステップと、
小分け容器毎にそれぞれのラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記ラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこのラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を釜に投入するステップと、
を備えた投入管理方法。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
〈相違点13〉
本件発明5は、小分け配合マスタを、コンピュータを用いて作成するのに対し、刊行物1記載の発明3は、コンピュータを用いて作成するか否か明らかでない点。
〈相違点14〉
本件発明5は、小分け配合マスタを保持するコンピュータが、小分け配合マスタを作成するコンピュータであるのに対し、刊行物1記載の発明3は、小分け配合マスタを作成するコンピュータでない点。
〈相違点15〉
本件発明5は、「小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルを」「発行し、この小分けラベルを対応する」「小分け容器に貼り付け」「前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて小分け情報を読み取り、読み取った情報を表示部に表示」し、「前記表示部に表示された情報に従い、」「原料を秤量」するのに対し、刊行物1記載の発明3は、「作業情報に含まれる」「添加剤に関する情報に基づいて、」「添加剤を計量」し、その後「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10を」「出力し、この計量ラベル10を対応する」「原料運搬容器7に張付ける」点。
〈相違点16〉
本件発明5は、秤量の測定データを保存させるコンピュータが、小分け配合マスタを作成するコンピュータであるのに対し、刊行物1記載の発明3は小分け配合マスタを作成するコンピュータでない点。
〈相違点17〉
本件発明5は、「小分け配合マスタをコンピュータ」に「保持」し、「小分けラベルを対応する」「小分け容器に貼り付けるステップ」において、「前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルを」「発行し」、「原料を」「釜に投入するステップ」において、「読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合」するのに対し、刊行物1記載の発明2は、「作業情報を作業管理コンピュータAに保持」し、「計量ラベル10を対応する」「原料運搬容器7に張付けるステップ」において、「作業情報に含まれる情報及び計量器8からのデータに基づいて、計量ラベル10を」「出力し」、再度「作業情報を作業管理コンピュータAに保持」し、「添加剤をタンク12に投入するステップ」において、「読み取った計量ラベル10の情報と作業情報とを照合」する点。
〈相違点18〉
本件発明5は、「小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップ」を備え、「製造計画通りである場合」に次のステップに進むものであるのに対し、刊行物1記載の発明3は、そのような発明特定事項を有しない点。
〈相違点19〉
本件発明5は、釜が攪拌釜であり、該「攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップ」を備えるのに対し、刊行物1記載の発明3は、その点について明らかでない点。
上記相違点について検討する。
〈相違点13について〉
相違点1について検討したとおりである。
〈相違点14について〉
相違点8について検討したとおりである。
〈相違点15について〉
相違点2について検討したとおりである。
〈相違点16について〉
相違点3について検討したとおりである。
〈相違点17について〉
相違点10について検討したとおりである。
〈相違点18について〉
相違点11について検討したとおりである。
〈相違点19について〉
相違点12について検討したとおりである。

そして、本件発明5の作用効果は、刊行物1記載の発明3及び刊行物2記載の事項から当業者が予測できる程度のものであって格別なものではない。

したがって、本件発明5は、刊行物1記載の発明3及び刊行物2記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明5についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(5)本件発明1について
本件発明1と刊行物1記載の発明4を対比すると、後者の「生産計画」、「添加剤」、「調合する添加手順」、「作業情報」、「作業票1と作業指示バーコード2」、「管理部門コンピュータ」、「計量」、「計量結果」、「計量器8」、「バーコードリーダ14」、「表示灯13」、「タンク12」は、それぞれ前者の「製造計画」、「原料」、「配合する手順」、「小分け配合マスタ」、「作業指示」、「少なくとも1つのコンピュータ」、「秤量」、「秤量した測定データ」、「秤量器」、「(投入作業側の)読取装置」、「第2の表示及び入力部」、「釜」に相当する。
また、後者の「生産計画に基づいて」「作業情報を決定」することは、前者の「製造計画を与えられ」「小分け配合マスタを作成」することに相当する。
さらに、後者の「作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報及び計量器8からのデータ」と、前者の「小分け配合マスタを用いて」「各々の原料毎に作成」される「ラベル情報」は、「ラベル情報」である限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10を」「出力するプリンタ9」と、前者の「小分けラベルを」「発行するラベル発行機」は、「ラベルを発行するラベル発行機」である限りにおいて一致し、後者の「計量結果を作業管理コンピュータAに送る計量器8」と、前者の「秤量した測定データを」「前記コンピュータに転送する秤量器」は、「秤量した測定データをコンピュータに転送する秤量器」である限りにおいて一致し、後者の「計量ラベル10のバーコード11を読み取」ることは、前者の「小分けラベルの情報を読み取」ることに相当するから、後者の「計量ラベル10のバーコード11を読み取り、読み取った情報を作業管理コンピュータAに転送するバーコードリーダ14」と、前者の「小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を」「前記コンピュータに転送する読取装置」は、「ラベルの情報を読み取り、読み取った情報をコンピュータに転送する読取装置」である限りにおいて一致し、後者の「コンピュータ」「からバーコードリーダ14で読み取った作業指示バーコード2の情報に基づいて信号を送られ『開始』を表示するランプ13aを点灯し、作業者が作業終了ボタンを押した情報を」「コンピュータ」「に送る」ことは、前者の「コンピュータから」「作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を」「コンピュータに転送する」ことに相当するから、後者の「作業管理コンピュータAからバーコードリーダ14で読み取った作業指示バーコード2の情報に基づいて信号を送られ『開始』を表示するランプ13aを点灯し、作業者が作業終了ボタンを押した情報を作業管理コンピュータAに送る表示灯13」と、前者の「前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を」「前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部」は、「コンピュータから作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報をコンピュータに転送する表示及び入力部」である限りにおいて一致し、後者の「コンピュータ」「が、バーコードリーダ14が読み取った情報と前記作業情報とを比較照合」することは、前者の「コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合」することに、後者の「コンピュータは、」「投入すべき添加剤が全て手順通りに前記タンク12に投入されるように表示灯13の『投入待ち』ランプ13bを点灯させる、作業票1と作業指示バーコード2を出力する」ことは、前者の「コンピュータは、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力する」ことにそれぞれ相当するから、後者の「管理部門コンピュータは、作業管理コンピュータAが、バーコードリーダ14が読み取った情報と前記作業情報とを比較照合し、投入すべき添加剤が全て手順通りに前記タンク12に投入されるように表示灯13の『投入待ち』ランプ13bを点灯させる、作業票1と作業指示バーコード2を出力する」と、前者の「前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力する」は、「コンピュータは、前記読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記釜に投入されるように前記作業指示を出力する」限りにおいて一致する。
そうすると、両者は以下の一致点、相違点を有する。
〈一致点5〉
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、該小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
ラベル情報を与えられてラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
各々の原料を秤量し、秤量した測定データをコンピュータに転送する秤量器と、
ラベルの情報を読み取り、読み取った情報をコンピュータに転送する読取装置と、
コンピュータから作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報をコンピュータに転送する表示及び入力部
各々の原料を投入される釜と、
を備え、
コンピュータは、前記読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記釜に投入されるように前記作業指示を出力する小分け投入管理システム。」
〈相違点20〉
本件発明1は、小分け作業側及び投入作業側における、コンピュータと各装置との間の情報の伝送を、それぞれコンピュータに接続された入出力接点制御装置を介して行う構成であるのに対し、刊行物1記載の発明4は、そのようになっていない点。
〈相違点21〉
本件発明1は、小分け配合マスタを、コンピュータを用いて作成するものであるのに対し、刊行物1記載の発明4は、コンピュータを用いて作成するものか否か明らかでない点。
〈相違点22〉
本件発明1は、ラベル情報が、「小分け配合マスタを用いて」「各々の原料毎に作成」されるのに対し、刊行物1記載の発明4は、「作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報及び計量器8からのデータ」である点。
〈相違点23〉
本件発明1は、小分けラベルを用いて小分け作業を行うための発明特定事項を備えているのに対し、刊行物1記載の発明4は、そのような発明特定事項を備えていない点。
〈相違点24〉
本件発明1は、小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力するコンピュータと、小分け作業側及び投入作業側に設けられた各装置に接続され、該各装置との間の情報の伝送を行うコンピュータが、同じものであるのに対し、刊行物1記載の発明4は、同じものでない点。
〈相違点25〉
本件発明1は、ラベル情報の作成と原料を釜に投入する際のラベルの情報の照合を、小分け配合マスタを作成するコンピュータにおいて行うのに対し、刊行物1記載の発明4は、その都度小分け配合マスタをコンピュータに取り込んで行う点。
〈相違点26〉
本件発明1は、釜が攪拌釜であり、該攪拌釜への原料投入装置を備え、これらがコンピュータにより動作を制御されるのに対し、刊行物1記載の発明4は、そのようになっていない点。
上記相違点について検討する。
〈相違点20について〉
コンピュータと装置との間の情報の伝送を、コンピュータに接続された入出力接点制御装置を介して行うことは、従来周知である。
そうすると、本件発明1は、コンピュータネットワークシステムの形態として従来周知のものを採用したにすぎないものであり、それにより格別な効果を奏するものではないから、相違点20に係る本件発明1の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である。
〈相違点21について〉
相違点1について検討したとおりである。
〈相違点22について〉
本件発明1における「ラベル情報」は、小分けラベルの発行に必要な情報である。
そうすると、相違点6について検討した理由により、刊行物1記載の発明4において、ラベル情報を「作業情報に含まれる各々の添加剤に関する情報」とすることで、相違点22に係る本件発明1の発明特定事項とすることは当業者が容易になし得るものである。
〈相違点23について〉
相違点2について検討したとおり、本件発明1と刊行物1記載の発明4は、小分け配合マスタに含まれる情報に従い各々の原料を秤量する点で共通するものである。
同様に、刊行物2には、小分けラベルを用いて小分け作業を行うことが記載されている。
そうすると、刊行物1記載の発明4に刊行物2記載の事項を適用するに際し、相違点23に係る本件発明1の発明特定事項を備えるものとすることは、当業者が容易になし得るものである。
〈相違点24について〉
刊行物1記載の発明4は、管理部門コンピュータから出力された作業指示を作業管理コンピュータAに取り込むものである。
刊行物1に記載された管理部門コンピュータと作業管理コンピュータAとは、物理的に離れた位置に配置されるものではあるが、本願出願時におけるコンピュータネットワークに関する技術常識を勘案すれば、当該事項は両コンピュータの共通化を阻害する理由とはなり得ないし、また、他に両コンピュータの共通化を阻害する特段の事由も存在しない。
そうすると、上記相違点25に係る本件発明1の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である。
〈相違点25について〉
「ラベル情報」については、上記相違点22について検討したとおりであるから、本件発明1も刊行物1記載の発明4も、ともにコンピュータに保持された小分け配合マスタを用いて、ラベル情報の作成と原料を釜に投入する際のラベルの情報の照合を行う点で共通するものということができる。
また、本件発明1と刊行物1記載の発明4とは、小分け配合マスタをコンピュータに保持する回数において相違するが、当該相違は単に作業形態あるいはコンピュータの使用形態の相違に伴うものであって、これにより本件発明1が刊行物1記載の発明4に比べ格別な効果を奏するものでもない。
そうすると、上記相違点25に係る本件発明1の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計事項である
〈相違点26について〉
相違点12について検討したとおり、刊行物1記載の発明4も、攪拌等、タンクに投入された原料に所定の処理を施すことは当業者において自明の事項である。
また、本件発明1において、「釜」を「攪拌釜」とした点は、前記自明の処理内容を表現したにすぎず、本件発明1と刊行物1記載の発明4はこの点において格別相違するものではない。
さらに、原料投入装置を備える点、及びこれらがコンピュータにより動作を制御させる点は、従来手作業で行っていたものを単に自動化したにすぎないものである。
そうすると、上記相違点26に係る本件発明1の発明特定事項は、当業者が適宜なし得る設計変更である。

そして、本件発明1の作用効果は、刊行物1記載の発明4、刊行物2記載の事項、並びに従来周知の事項から当業者が予測できる程度のものであって、格別なものではない。

したがって、本件発明1は、刊行物1記載の発明4、刊行物2記載の事項、並びに従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件の請求項1乃至5に係る発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法並びに小分け投入管理システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、この小分け配合マスタを用いて小分けラベルの発行に必要なラベル情報を各々の原料毎に作成し、さらに前記小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
前記ラベル情報を与えられて小分けラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
小分け作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第1の入出力接点制御装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルを読み取り、読み取った情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示及び前記読み取った情報を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第1の表示及び入力部と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を秤量し、秤量した測定データを前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する秤量器と、
投入作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第2の入出力接点制御装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を投入されて攪拌を行う攪拌釜と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記攪拌釜への各々の原料の投入を行う原料投入装置と、
を備え、
前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力することを特徴とする小分け投入管理システム。
【請求項2】
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
を備えたことを特徴とする小分け管理方法。
【請求項3】
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる各々の原料に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、秤量器を用いて原料を秤量して小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報を用いて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
を備えたことを特徴とする小分け管理方法。
【請求項4】
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
各々の原料が小分けされて収納された前記小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする投入管理方法。
【請求項5】
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け袋に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて小分け情報を読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする小分け投入管理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料の小分けを管理する方法、原料の投入を管理する方法、小分け投入管理方法及びそのシステムに係わり、特に多品種生産品の製造に好適な方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
サラダドレッシング、サラダ調理品、調理冷凍食品、缶詰食品、あるいは化粧品、医薬品、塗料ペイント等のような多品種生産品は、多種類の原料を用いて多様な調合を行って製造する必要がある。先ず、原料毎に秤量して小分けした後小分け容器に収納し、小分け容器を投入場所へ運搬し、さらにそれぞれの原料を調合手順に従って攪拌釜等に順番に投入して調合する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は小分け作業、あるいは投入作業に必要な確認作業を、紙面に印刷した情報を作業者が読み取って行っていた。従来用いていたチェック表の一例を、図20〜図23に示す。
【0004】
原料の小分け作業を行う際に必要な確認作業は、図20に示されたような原料準備チェック表を用いて行っていた。この原料準備チェック表に、図21に示されたように、原料を準備した日、配合日、また各々の原料A、B、C、…の色調や臭気に異常がないかどうかチェック結果を作業者が手書きで書き込み、さらに品温、ロット番号、並びに作業者名を書き込んでいた。
【0005】
投入作業に関しても、図22に示されたような配合確認表を用いていた。そして、図23に示されたように各々の原料の1回目、2回目、…において準備する小分け容器の数並びに投入の確認、加熱開始及び終了時間、品温等のチェック結果を記入していた。
【0006】
しかし、このような作業者の手書きによる確認作業では、作業員の思いこみ等による人為的な誤りが生じやすく、原料数、仕込回数が増加するにしたがって原料投入ミスが発生し、これを有効に防止することができなかった。さらに、迅速にアクセスが可能な状態で実績を記録として残すことが困難であり、合理化等により工程が変更されたような場合にも変更された内容で作業が行われたかどうかを確認することができなかった。
【0007】
また、小分け作業に必要な情報と、投入作業に必要な情報とがリンクしておらず、小分けした原料を投入する際に必要な原料の確認作業に誤りが生じやすいという問題があった。小分け作業と投入作業とは、一般に離れた場所で、異なる作業者によって行われていた。従って、小分けされた原料を投入場所まで運搬して投入する際に、投入すべき原料と異なる原料を誤って投入する事故があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、人為的な誤りを防止し歩留まりを向上させることが可能な小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の小分け投入管理システムは、
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタを作成し、この小分け配合マスタを用いて小分けラベルの発行に必要なラベル情報を各々の原料毎に作成し、さらに前記小分け配合マスタに基づいて作業指示を出力する少なくとも1つのコンピュータと、
前記ラベル情報を与えられて小分けラベルを各々の原料毎に発行するラベル発行機と、
小分け作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第1の入出力接点制御装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルを読み取り、読み取った情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示及び前記読み取った情報を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第1の表示及び入力部と、
前記第1の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を秤量し、秤量した測定データを前記第1の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する秤量器と、
投入作業側に設けられ、前記コンピュータに接続されて前記作業指示を与えられる第2の入出力接点制御装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記小分けラベルの情報を読み取り、読み取った情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する読取装置と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記コンピュータから前記作業指示を与えられてその内容を表示し、操作者が入力した情報を前記第2の入出力接点制御装置を介して前記コンピュータに転送する第2の表示及び入力部と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、各々の原料を投入されて攪拌を行う攪拌釜と、
前記第2の入出力接点制御装置に接続されて動作を制御され、前記攪拌釜への各々の原料の投入を行う原料投入装置と、
を備え、
前記コンピュータは、前記第2の読取装置が読み取った情報と前記小分け配合マスタの情報とを比較照合し、投入すべき原料が全て手順通りに前記攪拌釜に投入されるように前記作業指示を出力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の小分け管理方法は、
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の小分け管理方法は、
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる各々の原料に関する情報を抽出し、この情報に基づいて、秤量器を用いて原料を秤量して小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報を用いて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の投入管理方法は、
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて各々の原料毎に発行し、この小分けラベルを対応する小分け容器に貼り付けるステップと、
各々の原料が小分けされて収納された前記小分け容器に貼り付けられた小分けラベルを読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の小分け投入管理方法は、
製造計画を与えられ、複数の原料毎に必要な量と各々の原料を配合する手順とを含む小分け配合マスタをコンピュータを用いて作成し保持するステップと、
前記小分け配合マスタに含まれる情報に基づいて、小分けラベルをラベル発行機を用いて発行し、この小分けラベルを対応する前記小分け容器に貼り付けるステップと、
前記小分け袋に貼り付けられた前記小分けラベルを読取装置を用いて小分け情報を読み取り、読み取った情報を表示部に表示するステップと、
前記表示部に表示された情報に従い、各々の原料を秤量して対応する前記小分け容器に収納し、秤量の測定データを前記コンピュータに保存させるステップと、
前記小分け容器に貼り付けられた前記小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
前記製造計画と、読み取った前記小分けラベルの情報とを前記コンピュータを用いて照合し、製造計画通りである場合に投入及び処理の手順を表示装置に表示するステップと、
製造計画通りである場合、前記小分け容器毎にそれぞれの小分けラベルを前記読取装置を用いて読み取るステップと、
それぞれ読み取った前記小分けラベルの情報と前記小分け配合マスタとを照合し、一致した場合にこの小分けラベルが貼り付けられた小分け容器の原料を攪拌釜に投入するステップと、
前記攪拌釜に投入された各々の原料に対し、前記小分け配合マスタに従って所定の処理を行うステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態としてサラダドレッシング等の食品の製造を例にとり、食品の原料の小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法及びそのシステムについて図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の第1の実施の形態による小分け投入管理システムは、図1に示されたような構成を備えている。上位ホストコンピュータ1に下位コンピュータ2が接続され、下位コンピュータ2にラベル発行機3、表示部4及び入力部5が接続されている。また、下位コンピュータ2には、複数台の入出力接点制御装置11a、11b、11cが接続されている。入出力接点制御装置11aには秤量器12、読取装置13a、表示及び入力部14aが接続され、入出力接点制御装置11bには読取装置13b、表示及び入力部14bが接続され、入出力接点制御装置11cには加圧・加熱・冷却・攪拌釜15、原料投入装置16がそれぞれ接続されている。
【0016】
ここで、入出力接点制御装置としては、プログラムロジックコントローラ(以下、PLCという)やFA用ネットワークコントローラ等がある。
【0017】
上位ホストコンピュータ1には、製造計画が作成されて保存されている。
【0018】
下位コンピュータ2には、上位ホストコンピュータ1から製造計画が与えられ、この情報に基づいて小分けラベルに必要な情報が作成される。
【0019】
表示部4は小分け作業に必要な情報や製造計画、後述する小分け記録(データ)や投入記録(データ)等を表示し、入力部5には作業者により下位コンピュータへの必要な情報の入力が行われる。ラベル発行機3は、小分けラベルの印刷及び発行を行う。
【0020】
入出力接点制御装置11a〜11cは、下位コンピュータ2から与えられた作業指示に基づき、それぞれ接続された秤量器12や入力及び表示部14a等の制御を行う。また入出力接点制御装置11aは、秤量作業を行う装置の制御を行うために設けられ、入出力接点制御装置11b及び11cは、投入作業を行う装置の制御のために設けられている。
【0021】
秤量器12は、各原料の秤量を行い、その結果を入出力接点制御装置11aに通知する。
【0022】
読取装置13a、13bは例えばバーコードリーダで構成され、小分けラベルに印刷されたバーコードを読み取ってその情報を入出力接点制御装置11a、入出力接点制御装置11bに通知する。
【0023】
入力及び表示部14a、14bは、表示部14a1及びタッチ入力部14a2、表示部14b1及びタッチ入力部14b2をそれぞれ有し、下位コンピュータ2から入出力接点制御装置11a、11bを介して与えられた情報を表示し、また作業者が入力したデータを受け取る。また、入力及び表示部14aは、読取装置13aが読み取った情報、即ち原料名や小分け重量等も表示する。この表示は、作業者が小分け秤量を行うときに用いられる。
【0024】
原料投入装置16は、原料を加圧・加熱・冷却・攪拌釜15に投入するものである。塩等の固体原料は、作業者が手作業で投入する場合と原料投入装置16を用いて自動的に投入する場合とがあり、水やオイル等の液体原料は殆どの場合原料投入装置16により所定量自動的に投入される。
【0025】
加圧・加熱・冷却・攪拌釜15は、投入された原料の加圧、加熱、冷却又は攪拌を行って食品の製造を行う。
【0026】
本システムにおける動作については、後述する第6〜第16の実施の形態による小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法の説明において後述する。
【0027】
本発明の第2の実施の形態による小分け投入管理システムは、第2図に示されるような構成を備えている。上記第1の実施の形態と比較し、上位ホストコンピュータ1を備えておらず、また3台の入出力接点制御装置11a〜11cを2台の入出力接点制御装置11〜11bに削減している点が相違する。
【0028】
下位コンピュータ2は、入出力接点制御装置11a〜11bの制御のみならず、製造計画の作成及び保存も併せて行う。入出力接点制御装置11bには、読取装置13b、入力及び表示部14bに加えて、加圧・加熱・冷却・攪拌釜15、原料投入装置16の制御も併せて行う。また、入出力接点制御装置11aには、原料小分け装置17が接続されている。
【0029】
図3に、本発明の第3の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示す。本システムは、上記第1の実施の形態に対して入出力接点制御装置11a1〜11a3、入出力接点制御装置11d1〜11d2に接続された装置の構成が相違する。
【0030】
入出力接点制御装置11a1〜11a2には、それぞれ秤量器12a〜12b、読取装置13a〜13b、入力及び表示部14a〜14bが接続されている。入出力接点制御装置11a3には、秤量器12c、原料小分け装置17、ラベル発行機3a、入力及び表示部14cが接続されている。また、入出力接点制御装置11d1〜11d2には、それぞれ読取装置13d〜13e、入力及び表示部14d〜14e、加圧・加熱・冷却・攪拌釜15a〜15b、原料投入装置16a1〜16a3及び16b1〜16b3が接続されている。
【0031】
本発明の第4の実施の形態による小分け投入管理システムは、図4に示された構成を備えている。上記第3の実施の形態では1台の下位コンピュータ2に5台の入出力接点制御装置11a1〜11a3、11d1〜11d2を接続しているが、本実施の形態は3台の下位コンピュータ2a〜2cを備えている点が相違する。下位コンピュータ2aには入出力接点制御装置11a1〜11a3が接続され、下位コンピュータ2bには入出力接点制御装置11d1、下位コンピュータ2cには入出力接点制御装置11d2がそれぞれ接続されている。
【0032】
図5に示された本発明の第5の実施の形態による小分け投入管理システムは、上記第4の実施の形態における上位ホストコンピュータ1を削除し、下位コンピュータ2a〜2cが並列に接続された構成を備えている。この下位コンピュータ2a〜2cのいずれかにおいて、製造計画の作成及び保存が行われる。
【0033】
次に、本発明の第6の実施の形態による小分け管理方法について、その手順を示した図6(a)のフローチャートを用いて説明する。ここで、図6(b)に示されたように、フローチャートで用いている各種記号S01〜S05は、それぞれ処理、作業者の手操作入力、作業者による手作業、判断、データ保存を示すものとする。
【0034】
先ず、ステップS100として、上位ホストコンピュータから下位コンピュータへ製造計画がダウンロードされ、あるいは上位ホストコンピュータが設けられていない場合は下位コンピュータに製造計画が与えられて保存される。
【0035】
ステップS120として、下位コンピュータにおいて、製造計画に基づいて小分け配合マスタが作成される。小分け配合マスタの一例を図17に示す。これは、食品を製造するための原料の配合レシピに相当するもので、それぞれの原料を投入していく順序や、流量の確認、攪拌等の各種作業の手順が示されている。
【0036】
このような小分け配合マスタを用いて、原料の小分け作業に移行する。小分け作業には、作業者による手秤量と機械秤量とがある。手秤量では、ステップS140として下位コンピュータにおいて小分け配合マスタの情報を用いて小分けラベルを作成し、ラベル発行機で小分けラベルを印刷、発行し、作業者が手作業により又はラベル発行機が自動的に小分け容器へ貼り付ける。
【0037】
小分けラベルは、例えば図18に示されるように、作業者が目視確認できるような表示情報21と、読取装置が読み取るためのバーコード22とを記載している。情報の内容としては、投入場所(ドレミキサー2F)、投入順(04)、原料名、製品名、重量(1.000kg)、回数(2回)、個数(2-1)、仕込日(96年8月22日)が含まれている。より具体的には、作業者が目視確認できる表示情報としては、例えば投入場所、原料名、製品名、仕込日等があり、望ましくは重量、投入順、回数、個数が含まれる。読取装置が読み取る情報としては、例えば原料名、重量、製品名、投入場所、仕込日等があり、望ましくは投入順が含まれる。
【0038】
このような小分けラベルを小分け容器に貼り付けた後、ステップS160として読取装置が小分けラベルに含まれるバーコードを読み取る。
【0039】
ステップS180として、作業者が入出力接点制御装置に接続された秤量器を用いて手作業で原料の秤量を行う。この場合、表示及び入力部における表示器に秤量している値と秤量すべき値とが表示され、作業者が一致したと判断するとタッチ入力部において秤量終了の入力を行う。ステップS200として入出力接点制御装置が秤量値の照合を行い、許容できる範囲内に値が収まっている場合は一致したとみなして次のステップへ移行する。即ち、手秤量であっても入出力接点制御装置又は下位コンピュータが秤量値が一致したことを確認しないと次のステップへ移行しないので、誤操作を防ぐことができる。
【0040】
ステップS220として秤量データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ転送され、保存される。
【0041】
機械秤量の場合には、ステップS120からステップS240へ移行する。この場合は入出力接点制御装置により制御される秤量器によって自動的に秤量が行われる。ステップS260として秤量値の照合が行われ、小分け自動充填をしながら秤量する。
【0042】
ステップS280として、下位コンピュータからラベル発行機へ小分けラベルに必要な情報が転送され、小分けラベルが印刷、発行されて小分け容器に貼り付けられる。手秤量では、秤量作業を行う前に小分けラベルを発行して小分け容器に張り付け、小分けラベルを読み取って表示部に表示し、作業者がこの表示内容に基づいて秤量を行う。これに対し、機械秤量では秤量作業のために小分けラベルを発行する必要はないが、この後の投入作業において原料の確認を行う必要上小分けラベルの発行及び貼り付けを行う。
【0043】
ステップS300として、秤量データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ転送されて保存される。
【0044】
本発明の第7、第8の実施の形態として、手秤量により小分けを行う場合の手順をより詳細に示した場合について説明する。第7の実施の形態は、図7に示された手順で処理を行う。
【0045】
ステップS100における製造計画の転送、ステップS120における小分け配合マスタの作成、ステップS140における小分けラベルの発行、貼り付け作業は、上記第6の実施の形態におけるものと同様である。
【0046】
ステップS141として、作業者が量り取る原料を秤量器の前に運搬し、秤量の準備を行う。
【0047】
ステップS160として、読取装置が小分けラベルに含まれるバーコードを読み取る。
【0048】
ステップS180として、作業者が秤量器を用いて手作業で原料の秤量を行う。上記第6の実施の形態と同様に、表示及び入力部における表示器に秤量している値と秤量すべき値とが表示され、作業者が一致したと判断するとタッチ入力部において秤量終了の入力を行う。ステップS200として入出力接点制御装置が秤量値の照合を行い、許容できる範囲内に値が収まっている場合は一致したとみなして次のステップへ移行する。
【0049】
ステップS220として、秤量データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ転送され、保存される。
【0050】
ステップS221として、量り取った原料を元の原料から差し引いた残りの原料の計算を下位コンピュータで行なわせることができる。
【0051】
ステップS222として、小分け処理が終了したか否かを判断する。小分けラベルを貼り付けた小分け容器が複数個存在する場合には、ステップS141〜ステップS222の処理を小分け容器の数だけ行い、ステップS301として小分け処理を終了する。
【0052】
本発明の第8の実施の形態は、図8に示されるような手順で小分け作業を行う。ステップS100、S120、S140における処理の内容は、上記第6、第7の実施の形態と同様である。
【0053】
ステップS160として、小分けラベルの読み取りを行う。ステップS161として、量りとる元原料が収納されている元袋や元箱等に貼り付けられているラベルの読み取りが読取装置によって行われる。
【0054】
ステップS162として、小分けラベルに表示された原料名と元原料のラベルに表示された原料名との照合が入出力接点制御装置によって行われる。一致しない場合は、小分け容器又は元原料を入れ替えて、ステップS160、ステップS161における処理をやり直す。
【0055】
ステップS162における照合で原料名が一致すると、ステップS180において作業者により秤量が行われる。ステップS200において秤量値が一致すると、ステップS220として秤量データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ転送されて保存され、ステップS222又はS241へ移行する。
【0056】
ステップS222は、下位コンピュータによる判断で小分け処理が終了したか否かを判断するものであり、ステップS241は作業者が小分け処理が終了したと判断した場合にタッチ入力部にその旨を入力するものである。そして、ステップS301として終了する。
【0057】
本発明の第9の実施の形態による小分け管理方法は、図9に示された手順で機械秤量を行う。本実施の形態は、上記第6の実施の形態におけるステップS240の自動秤量の内容を、より詳細なステップに分けたものに相当する。
【0058】
ステップS100における製造計画、ステップS120における小分け配合マスタの処理の内容は、上記第6の実施の形態と同様である。
【0059】
このような小分け配合マスタを用いて、原料の小分け作業に移行する。ステップS240-1として、小分けすべき原料に関するデータを小分け配合マスタから抽出する処理を下位コンピュータが行う。
【0060】
ステップS240-2として、小分け原料データを取得する。
【0061】
ステップS240-3として、作業者が表示及び入力部に小分け作業を開始する旨の入力を行う。
【0062】
ステップS240-4として、下位コンピュータが原料小分け装置を制御する入出力接点制御装置に向けて小分け原料データを送信する。
【0063】
ステップS240-5において、下位コンピュータが表示部に小分けに用いる容器又は袋等の表示を行う。
【0064】
ステップS240-6として、作業者が表示内容に従い使用容器を選択し、秤量器における秤量された原料を充填するため所定の位置に設置する。
【0065】
ステップS240-7として、作業者が表示及び入力部に対し、秤量を開始する旨の入力を行う。
【0066】
ステップS240-8として、入出力接点制御装置の制御により秤量器が小分けすべき原料を所定重量だけ自動的に秤量し、設置された容器のなかに自動的に充填する。
【0067】
ステップS260として秤量値の照合が行われ、一致した場合はステップS261へ移行し、容器又は袋を密封する。
【0068】
ステップS280として、下位コンピュータからラベル発行機へ小分けラベルに必要な情報が転送され、小分けラベルが印刷、発行されて小分け容器に貼り付けられる。
【0069】
ステップS300として、秤量データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ転送されて保存される。
【0070】
本発明の第10の実施の形態による小分け管理方法は、上記第9の実施の形態と同様に図10に示された手順で機械秤量を行う。本実施の形態は上記第9の実施の形態と比較し、小分け作業を複数回行う場合に用いる容器が同一が否かで処理の進め方が異なる点で相違する。
【0071】
ステップS100における製造計画、ステップS120における小分け配合マスタの処理、ステップS240-1における小分けすべき原料に関するデータの抽出、ステップS240-2における小分け原料データ、ステップS240-3における小分け開始入力の内容は、上記第9の実施の形態と同様である。
【0072】
ステップS240-5における使用容器の表示とステップS240-4における小分け原料データの送信は、上記第9の実施の形態と順序が入れ替わっているが、いずれのステップにおける処理を先に行ってもよい。
【0073】
ステップS240-6における使用する容器の選択及び設置、ステップS240-7における秤量開始の入力、ステップS240-8における小分けすべき原料を所定重量の秤量、ステップS260における秤量値の照合の内容は、上記第9の実施の形態と同様である。
【0074】
ステップS260の後、上記第9の実施の形態と異なり、ステップS300として秤量データを保存し、ステップS261として小分け容器を密封するが、このステップの順序はいずれが先であってもよい。
【0075】
ステップS280として、小分けラベルの発行及び貼り付け作業が行われ、この後ステップS281へ移行する。
【0076】
ステップS281では、小分けすべき原料が残っているか否かを判断し、まだ存在する場合は上記ステップS240-3又はステップS240-6へ戻る。異なる容器を使用する場合は、ステップS240-3における小分け開始入力まで戻り、ステップS240-5における使用容器の表示を再度行う必要がある。同一の容器を用いる場合は、ステップS240-3、ステップS240-5、S240-4における処理は不要であり、ステップS240-6へ戻って使用容器の選択及び設置を行う。この後、ステップS240-7〜ステップS281の処理を行い、ステップS281において原料の小分け作業を全て終了したと判断すると、ステップS282として終了する。
【0077】
次に、本発明の第11〜第14の実施の形態による原料の投入管理方法について説明する。先ず、第11の実施の形態について図11を用いて説明する。ステップS400として、小分け容器に貼り付けられている小分け原料ラベルの読み取りを読取装置が行う。
【0078】
ステップS420において、読み取った小分け原料ラベルと製造計画において指定された内容とを下位コンピュータが照合し、例えば投入場所や投入日付、製品名が製造計画と一致しているか否かをチェックする。照合した結果、製造計画と一致した場合は次のステップに移行し、一致しない場合、即ち誤った小分け容器のラベルを読み取った場合は製造計画にある本来製造に使用すべき小分け容器のラベルを読み取り直す。
【0079】
ステップS440として、小分け配合マスタの内容を下位コンピュータから入出力接点制御装置に送信され表示部に小分け配合マスタに従って投入や処理等の手順を手順通りに表示させる。
【0080】
ステップS460として、小分け配合マスタに従い、入出力接点制御装置が加圧・加熱・冷却・攪拌釜を制御して、原料の投入、攪拌、加熱等の処理を行う。
ステップS480として、サラダドレッシングとしての製品、あるいは半製品が完成する。ステップS540として、処理を終了する。
【0081】
本発明の第12の実施の形態は、図12に示されるような手順で投入作業を行う。ここで、ステップS400、S420、S440における処理の内容は、上記第9の実施の形態におけるものと同様である。
【0082】
ステップS440における処理の後、原料の種類等に応じて、ステップS460aにおける全自動処理、S460bにおける半自動処理、S460cにおける手動処理のいずれかを行う。液体原料や塩等の固体原料の投入、攪拌加熱等の処理を自動で行う場合は、ステップS460aで行う。作業者がボタンを押して原料投入装置や加圧、加熱・冷却・攪拌釜の操作を行いながら処理を進めていく場合は、ステップS460bで行う。作業者が手作業で処理を行う場合はステップS460cで行う。このステップS460cは必ず行われ、ステップS460cのみ、あるいは他のステップ460a及び/又はS460bとを組み合わせて行う。これらのステップを経て、ステップS480において製品又は半製品として完成する。
【0083】
ステップS500として、図19に示されたような、入出力接点制御装置が得た投入実績データを下位コンピュータが取得し保存する。
【0084】
ステップS520として、実績データと製造計画とを照合し、製造計画に基づいて行うべき処理が全て終了したか否かを下位コンピュータがチェックする。終了していない場合は、ステップS400に戻って上記処理を繰り返し行い、終了した場合はステップS540へ移行して終了する。
【0085】
本発明の第13の実施の形態は、図13に示された手順に従って投入管理を行う。ステップS400、S420、S440における処理の内容は、上記第12の実施の形態と同様である。ステップS440の後の処理において、原料等により全自動の場合と手作業の場合とで分かれている。
【0086】
全自動で処理を行う場合は、ステップS470として小分け配合マスタに従い、原料投入装置を用いて原料の自動投入を行う。さらに、ステップS471において小分け配合マスタに従い加熱、攪拌等の処理を行う。
【0087】
手作業で処理を行う場合は、ステップS461において小分け配合マスタに従い表示装置に小分け原料の表示を行う。
【0088】
ステップS462において、小分け容器毎に貼り付けられている小分けラベルを読取装置を用いて読み取る。
【0089】
ステップS463において、小分け配合マスタと読み取った原料とを入出力接点制御装置又は下位コンピュータが照合し、一致した場合はステップS464において作業者が原料の投入を行う。一致しない場合はステップS462へ戻る。
【0090】
ステップS470又はS464の後、ステップS471へ移行し、投入された原料に対し、小分け配合マスタに従って加熱、攪拌等の処理を行う。このステップS470からS471又はS461からステップS471の処理を、投入すべき原料の全てに対して行う。
【0091】
ステップS480において製品、あるいは半製品が完成し、ステップS500として実績データが入出力接点制御装置から下位コンピュータへ送られて保存される。
【0092】
ステップS520として下位コンピュータが製造計画の投入作業が終了したか否かを判断し、終了していない場合はステップS400へ戻って処理を繰り返す。作業が終了した場合は、ステップS540として終了する。
【0093】
本発明の第14の実施の形態は、図14に示されるような手順で投入管理を行う。本実施の形態では、半自動処理と作業者による手作業による処理とを原料等に応じて選択して行う点に特徴がある。ステップS400〜S440における処理は、上記第13の実施の形態における処理と同様である。さらに、手作業により処理を行う場合におけるステップS461〜S464の処理の内容も上記第13の実施の形態と同様である。
【0094】
半自動で処理を行う場合は、ステップS440の後、ステップS472aへ移行して原料投入装置の投入開始入力をボタン等を用いて行う。ステップS472bにおいて、投入が行われる。
【0095】
手作業におけるステップS464、あるいは半自動におけるステップS472bの後、ステップS473へ移行する。ステップS473において、加圧・加熱・冷却・攪拌釜の処理開始入力を行う。ステップS474において処理を行う。ステップS472aからステップS474、あるいはステップS461からステップS474までの処理を、全ての原料に対して行う。
【0096】
ステップS480からステップS540における処理は、上記第13の実施の形態におけるものと同様であり、説明を省略する。
【0097】
次に説明する本発明の第15の実施の形態は、図15に示される工程を備え、上記第7の実施の形態による小分け管理方法と第14の実施の形態による投入管理方法とを組み合わせたものに相当する。即ち、ステップS120〜S301として、第7の実施の形態と同様の手順で小分け作業を行う。次に、ステップS400〜S540として第13の実施の形態と同様の手順で投入作業を行い、全作業を終了する。
【0098】
本発明の第16の実施の形態は、図16に示される手順で管理を行うが、上記第8の実施の形態による小分け管理方法と、第14の実施の形態による投入管理方法とを組み合わせたものに相当する。ステップS120〜S301として、第8の実施の形態と同様の手順で小分け作業を行い、ステップS400〜S540として第14の実施の形態と同様の手順で投入作業を行い、全作業を終了する。
ここで、第15、第16の実施の形態において、いずれも小分け作業と投入作業とが共通する情報で結合されている。上述したように、製造計画に基づいて図17に示されたような小分け配合マスタが作成され、この小分け配合マスタに基づいて図18に示されたような小分けラベルが作成される。即ち、小分け作業に用いる小分けラベルに含まれる情報と、投入作業に用いる小分け配合マスタに含まれる情報とがリンクしている。具体的には、共通する情報として例えば原料名、製品名、重量、個数、投入日、投入場所、投入順が含まれる。
【0099】
以上のように、本発明の第1〜第5の実施の形態による小分け投入管理システム、第6〜第10の実施の形態による小分け管理方法、第11〜第14の実施の形態による投入管理方法、及び第15、第16の実施の形態による小分け投入管理方法によれば、小分け作業及び投入作業において必要な情報がコンピュータにより管理され、また小分け並びに投入実績データをコンピュータで製造計画と照合し正しく作業が行われた否かを判断することができるので、作業者の思いこみ等がもたらす事故や不良品の発生を防止することができる。
【0100】
特に、第15、第16の実施の形態による小分け投入管理方法によれば、小分け作業と投入作業とが、小分け配合マスタに含まれる共通の情報により結びつけられるので、相互の作業に必要な情報がリンクされて確実に誤りを防止することができる。
【0101】
さらに、従来のようにチェック表に書き込む方法と異なり、上記実施の形態によれば小分けラベル以外は全て表示部に表示してペーパーレスで作業を進めることができるため、チェック表の煩雑な管理や保管が不要でありまた経費の削減が可能である。
【0102】
上述した実施の形態はいずれも一例であって、本発明を限定するものではない。例えば、上記実施の形態はサラダドレッシング等の食品の製造における原料の小分け及び投入に関するものである。しかし、複数種類の原料を小分けした後投入して製造するものであれば、他のものの製造に対しても本発明の適用が可能である。例えば、食品であればサラダ調理品、調理冷凍食品、缶詰食品、あるいは化粧品、医薬品、塗料ペイント等のような多品種生産品に本発明は好適である。
また、上記第15の実施の形態による小分け投入管理方法は、第7の実施の形態による小分け管理方法と第14の実施の形態による投入管理方法とを組み合わせたものに相当し、上記第16の実施の形態による小分け投入管理方法は、第8の実施の形態による小分け管理方法と第14の実施の形態による投入管理方法とを組み合わせたものに相当する。しかし、このような組み合わせに限らず、第6〜第8の実施の形態による小分け管理方法と第11〜第14の実施の形態による投入管理方法とを自由に組み合わせることができる。
【0103】
さらに、上記実施の形態では小分けラベルにバーコードを印刷し、これを読取装置で読み取っている。しかし、情報の表示形態はバーコードに限らず、他の形態で小分けラベルに印刷されたものを読み取ってもよい。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法及びそのシステムによれば、製造計画に基づいた小分け配合マスタを作成し、これに基づいて小分け作業、投入作業を管理することで、従来必要であったチェック表等による作業者の目視確認が不要であり、作業者の思いこみ等がもたらす事故を未然に防止することができる。特に本発明の小分け投入管理方法及びそのシステムによれば、小分け作業と投入作業とにそれぞれ必要な情報がリンクされており、小分けされた原料を投入する際に小分け原料ラベルを読取装置で読み取ってコンピュータ又は入出力接点制御装置で照合することにより、作業者の思い込みによる投入のミスを100%防ぐことができる。投入すべき小分け原料の投入順、投入の時期(タイミング)の誤りを防ぐことが可能であり、また投入実績として、いつ、誰が投入したか等のデータを保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示したブロック図。
【図2】
本発明の第2の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示したブロック図。
【図3】
本発明の第3の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示したブロック図。
【図4】
本発明の第4の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示したブロック図。
【図5】
本発明の第5の実施の形態による小分け投入管理システムの構成を示したブロック図。
【図6】
本発明の第6の実施の形態による小分け管理方法の構成を示したフローチャート。
【図7】
本発明の第7の実施の形態による小分け管理方法の構成を示したフローチャート。
【図8】
本発明の第8の実施の形態による小分け管理方法の構成を示したフローチャート。
【図9】
本発明の第9の実施の形態による小分け管理方法の構成を示したフローチャート。
【図10】
本発明の第10の実施の形態による小分け管理方法の構成を示したフローチャート。
【図11】
本発明の第11の実施の形態による投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図12】
本発明の第12の実施の形態による投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図13】
本発明の第13の実施の形態による投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図14】
本発明の第14の実施の形態による投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図15】
本発明の第15の実施の形態による小分け投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図16】
本発明の第16の実施の形態による小分け投入管理方法の構成を示したフローチャート。
【図17】
上記第1〜第16の実施の形態で用いる小分け配合マスタの内容を一例を示した説明図。
【図18】
同小分け配合マスタから作成される小分け原料ラベルの一例を示した説明図。
【図19】
上記第1〜第5、第11〜第16の実施の形態で得られる投入実績データの一例を示した説明図。
【図20】
従来用いていた原料準備チェック表の一例を示した説明図。
【図21】
同原料準備チェック表に作業者がチェックの結果を書き込んだ例を示した説明図。
【図22】
従来用いていた配合確認表の一例を示した説明図。
【図23】
同配合確認表に作業者が確認の結果を書き込んだ例を示した説明図。
【符号の説明】
1 上位ホストコンピュータ
2、2a〜2c 下位コンピュータ
3、3a ラベル発行機
4 表示部
5 入力部
11a、11a1〜11a3、11b、11c、11d1〜11d2 入出力接点制御装置
12、12a、12b、12c 秤量器
13a、13b、13c、13d、13e 読取装置
14a、14b、14c、14d、14e 入力及び表示部
14a1、14b1、14c1、14d1、14e1 表示部
14a2、14b2、14c2、14d2、14e2 タッチ入力部
15、15a、15b 加圧・加熱・冷却・攪拌釜
16、16a1〜16a3、16b1〜16b3 原料投入装置
17 原料小分け装置
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-07-27 
出願番号 特願平11-309679
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A23L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鈴木 恵理子  
特許庁審判長 西川 恵雄
特許庁審判官 岡野 卓也
豊原 邦雄
登録日 2003-06-06 
登録番号 特許第3437510号(P3437510)
権利者 キユーピー株式会社
発明の名称 小分け管理方法、投入管理方法、小分け投入管理方法並びに小分け投入管理システム  
代理人 吉元 弘  
代理人 橘谷 英俊  
代理人 川崎 康  
代理人 橘谷 英俊  
代理人 吉元 弘  
代理人 宮嶋 学  
代理人 宮島 学  
代理人 吉武 賢次  
代理人 吉武 賢次  
代理人 佐藤 泰和  
代理人 佐藤 泰和  
代理人 川崎 康  

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