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審決分類 審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1128034
審判番号 不服2003-13076  
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-12-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-10 
確定日 2005-12-16 
事件の表示 特願2001-168281「時系列データ管理方法、時系列軌跡規格化装置、情報表示装置、および記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成14年12月13日出願公開、特開2002-358397〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年6月4日の出願であって、平成15年6月2日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月6日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年8月6日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年8月6日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の内容
平成15年8月6日付の手続補正による手続補正(以下「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置を備えるコンピュータにより、銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、区分時系列最終項{Fnt:F1t, F2t,・・・・}で規格化する時系列データ管理方法であって、
1)前記入力装置により、株価時系列(D)をメモリーに入力する工程、
2) 前記演算装置にて、前記株価時系列(D)より、{Dt,Dt-1,Dt-2,・・・・Dt-p}の短期インターバル(p+1)の範囲の回帰直線の平均値A=ΣDi/(p+1)、傾向値bを、コンピュータでの演算式 A=ΣDi/(p+1)、b=ΣDi*(2*I-(p+1)-1) を i=(t-p)〜t、I=1〜(p+1) にてA、bを決定し、更に傾向値(b1t)=6*b/(p+1)*((p+1)*(p+1)-1)、平滑値(yt)=A+b1t*p/2 を計算し、次いで短期インターバル(p+1)の範囲を一時点ずつ遡り、{Dt-n,Dt-1-n,Dt-2-n,・・・・Dt-p-n(n=1,2,・・・・n)}の各範囲の回帰直線の平均値・傾向値を、前項b1t-nとの変化を計算した逐次式 b1t-1-n= b1t-n-12*((((p+1)-1)*Dt-p-n+((p+1)+1)*Dt-n)/2-(p+1)*A) 、A=At-n+(Dt-p-n- Dt-n)/(p+1)、yt-1-n= A + b1t-1-n* p/2 で、平滑値(yt-n)・短期傾向値(b1t-n)を計算し、逐次メモリー上に記録して平滑化時系列{y;yt,yt-1,yt-2,・・・・yp}、短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}、を構成する工程、
3)前記演算装置にて、現時点より遡り、{Dt,Dt-1,Dt-2,・・・・Dt-p}の中央点(t-p/2)時点をS1とし、この範囲の回帰直線の傾向値(b1t=gt)を基点とし,[{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・, Dt-p}+{Dt-p-1, Dt-p-2}]の範囲の回帰直線の傾向値(gt-1)を算出し、つぎに、[{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・,Dt-p}+{Dt-p-1, Dt-p-2}+{Dt-p-1-2, Dt-p-2-2}]の範囲の回帰直線の傾向値(gt-2)を計算し、逐次(2*n)等差級数的に拡大したインターバル、[{Dt, Dt-1,・・・・, Dt-p-2n}範囲の回帰直線の傾向値 b=ΣDi*(2*I-((p+1)+2*n)-1) を i=(t-p-2*n)〜t、I=1〜((p+1)+2*n)で計算し、次いで傾向値(gt-n)=6*b/((p+1)+2*n)*(((p+1)+2*n)*((p+1)+2*n)-1) を計算し、メモリーに記録の上、モニター曲線SYt {gt, gt-1, gt-2, gt-3・・・・gt-(t-p)/2}を構成する工程、
4)前記演算装置で、現時点より遡り、短期インターバル(p+1)より拡大した任意のインターバル(p2+1){Dt,Dt-1,Dt-2,・・・Dt-p2}の中央点(t-p2/2)の時点をS2とし、この範囲の回帰直線の傾向値(b2t)を上記2)と同じ方式にて計算し、ついで、インターバル(p2+1)の範囲を一時点ずつ遡り、{Dt-n,Dt-1-n,Dt-2-n,・・・・Dt-p2-n}の各範囲の回帰直線の傾向値(b2t-n)を上記2)と同じ方式にて計算し、逐次メモリー上に記録し、移動傾向値時系列{b2;b2t,b2t-1,b2t-2,・・・・b2p2}、を構成する工程、
5)前項と同じ手順で、現時点より遡り、p<p2<・・・・<pn の複数のインターバル(p3+1),(p4+1),・・・(pn+1)の中央点(t-pn/2)時点を S3,S4,・・・・Snとし、各範囲の回帰直線の傾向値(b3t),(b4t),・・・・(bnt)を前記演算装置にて算出し、ついで、インターバルの範囲を一時点ずつ遡り、各範囲の回帰直線より傾向値(b3t-1,b3t-2,・・・・b3p3)、(b4t-1,b4t-2,・・・・b4p4)、・・・・ (bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn)の各項を計算し、逐次メモリー上に記録し、移動傾向値時系列{b3;b3t,b3t-1,b3t-2,・・・b3p3}、{b4;b4t,b4t-1,b4t-2,・・・・b4p4},・・・・ {bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}、を構成する工程、
6)メモリー上に記録された短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}の範囲を前記演算装置に呼び出し、各項の平均値M=Σb1n/(t-p+1)、分散σ*σ=Σb1n *b1n/(t-p+1)-M*M をp〜tの範囲で計算し、逐次各項b1nを基準化変換式 B1n=(b1n-M)/σで変換し、 基準化時系列{B1;B1t,B1t-1,B1t-2,・・・・B1p}を構成する工程、
7)メモリー上に記録された各移動傾向値時系列{b2;b2t,b2t-1,b2t-2,・・・・b2p}・・・・{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}を前記演算装置に呼び出し、前項と同じ手順で、各基準化時系列{B2;B2t, B2t-1, B2t-2, ・・・・ B2p2}・・・・{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・ Bnpn}へ変換し、構成する工程、
8)前記演算装置で、短期区分時系列{F1;F1t, F1t-1, F1t-2,・・・・F1p}の各項初期値をF1=Nとし、短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・b1p }と基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2,・・・・B1p}を、メモリー上に過去より現時点tに向け呼び出し、上区分線Vu<B1t-n、bt-n>0ならば区分時系列項F1 t-n=Hと変換、下区分線VL>B1t-n、b1t-n<0ならば区分時系列項F1t-n=Lと変換、以降、傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間は同一符号で変換を行い、計算結果をメモリーに記録し、短期区分時系列{F1;F1t,F1t-1,F1t-2,・・・・F1p}を構成する工程、
9)前記演算装置で、n=2〜nの区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}の各項初期値をFn=Nとし、移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}と基準化時系列{Bn;Bnt,Bnt-1,Bnt-2,・・・・Bnpn}をメモリー上に過去より現時点tに向け呼び出し、上区分線Vu<Bnt-n、bnt-n>0ならば区分時系列項Fnt-n=Hと変換、下区分線Vl>Bnt-n、bnt-n<0ならば区分時系列項Fnt-n=Lと変換、以降、傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間は同一符号で変換を行い、計算結果をメモリーに記録、区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}を構成する工程、
10)1〜n系列の各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・・Fnt}を系列順に区分符号でまとめ、メモリーに記録する工程、
11)前記記憶装置へ銘柄(対象物)名、各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・・}の区分符号を記録する工程、
12)前記出力装置にて銘柄(対象物)名、各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・}を出力する工程、
の各工程を備え、
{Sn:S1,S2・・・・}時点より現時点tに至る株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、各区分時系列最終項の区分符号{Fnt;F1t,F2t,・・・・=H (L) (N)}で規格化する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項2は、
「請求項1記載の時系列データ管理方法において、
1)移動傾向値時系列{bn:b1, b2,・・・・}、基準化時系列{Bn:B1, B2, ・・・・}、区分時系列{Fn:F1, F2,・・・・}を、メモリー上に呼び出す工程、
2)前記演算装置で、短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}と基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2,・・・・B1p}とをメモリー上に展開し、B1t-2<B1t-1>B1t で且つ B1t >VUの現時点tで、極値直前シグナルOP$=TU を検出し、あるいは、B1t-2>B1t-1<B1tで且つ B1t<VUの現時点tで、極値直前シグナルOP$=TL を検出し、メモリーに記録する工程、
3)前記演算装置で、極値直前シグナル OP$=TU、OP$=TL を記録された銘柄で、b1t が水平線を切る箇所、すなわち、SGN(b1t-1)<>SGN(b1t) で且つOP$=TU の場合は現時点tで上値の極値 OP$=XU、OP$=TL の場合は現時点tで下値の極値 OP$=XL を検出し、メモリーに記録する工程、
4)前記演算装置で、現時点で極値の直前シグナルTU (TL) を検出し、且つ F2t=H (F2t=L)の場合、OP$=TU (OP$=TL) → OP$=T2U(OP$=T2L)に変換し、S2時点(t-p2)/2 から現時点tまでの上昇(下降)銘柄、F2t, F3 t, =H (F2t,F3t=L)の場合、OP$=T2U (OP$=T2L) → OP$=T3U(OP$=T3L) に変換し、S3時点 (t-p3)/2 から現時点tまでの上昇(下降)銘柄、F2t, F3 t,・・・・ Fn t = H (F2t, F3 t,・・・・Fn t=L )の場合、OP$=TnU (OP$=TnL) に変換し、Sn時点(t-pn)/2 から現時点tまでの上昇(下降)極値直前銘柄を演算し、銘柄名及びOP$=TnU (OP$=TnL) をメモリーに記録する工程、
5)前記演算装置で、現時点で極値シグナルXU (XL) を検出し、且つ F2t=H (F2t=L)の場合、OP$=XU (OP$=XL) → OP$=X2U (OP$=X2L)に変換し、S2時点(t-p2)/2 から現時点tまでの上昇(下降)銘柄、F2t, F3 t, =H (F2t, F3t=L)の場合、OP$=X2U (OP$=X2L) → OP$=X3U(OP$=X3L) に変換し、S3時点 (t-p3)/2 から現時点tまでの上昇(下降)銘柄、F2t, F3 t,・・・・ Fn t = H (F2t, F3 t,・・・・Fn t=L )の場合、OP$=XnU (OP$=XnL) に変換し、Sn時点(t-pn)/2 から現時点tまでの上昇(下降)銘柄を演算し、銘柄名及びOP$=XnU (OP$=XnL) をメモリーに極値銘柄として記録する工程、
6)メモリーに記録された極値直前銘柄(対象物)、極値直前符号(OP$= TnU、TnL)、または、極値銘柄(対象物), 極値符号(OP$= XnU、XnL)を前記記録装置に記録する工程、
7)前記の該当銘柄(対象物)を, 極値直前銘柄(対象物)、または極値銘柄(対象物)として、前記出力装置にて出力する工程、
の各工程を備え、
前記極値直前銘柄(対象物)、または極値銘柄(対象物)を検出する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項3は、
「請求項1記載の時系列データ管理方法において、
1)前記入力装置にて、予め構成された区分 {Fn:F1, F2,・・・・}をメモリーへ入力する工程、
2)前記記憶装置より、銘柄(対象物)、区分時系列最終項の区分符号{Fnt:F1t, F2t,・・・・=H (L) (N)}をメモリーへ出力する工程、
3)前記演算装置にて、予め構成された区分 {Fn:F1, F2,・・・・}と、区分時系列最終項{Fnt:F1t, F2t,・・・・}を照合する工程、
4)照合に合致する銘柄(対象物)を、前記出力装置より出力する工程、
の各工程を備え、
規格化がなされた銘柄群(対象物群)について、株価時系列(D)の軌跡波形構造を指定し、該当銘柄(対象物)を検出する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項4は、
「請求項1記載の時系列データ管理方法において、
1)前記入力装置にて、区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}のF1t〜Fnt までのHの項目数(Lの項目数)を予め設定し、入力する工程、
2)前記記憶装置より、銘柄(対象物)、区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}をメモリーへ出力する工程、
3)予め設定したFnt=Hの合計数(Fnt=Lの合計数)と、区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}のFnt=Hの合計数(Fnt=Lの合計数)とを前記演算装置にて照合する工程、
4)照合に合致する銘柄(対象物)を、前記出力装置より出力する工程、の各工程を備え、
規格化がなされた銘柄群(対象物群)について、株価時系列(D)の軌跡波形の上昇H波(下降L波)期間を指定し、該当銘柄(対象物)を検出する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項5は、
「請求項1記載の時系列データ管理方法において、
1)時価(Dt)を前記入力装置にてメモリーに入力する前工程、
2)前記記憶装置より、株価時系列(D)をメモリーに入力する前工程、
3)前記演算装置にて、株価時系列(D)の最終項に時価(Dt)を加え、新株価時系列(D)を構成する前工程、
の各工程より成る準備工程を経て、
規格化がなされた銘柄群(対象物群)について、新規時価(Dt)を追加する度に、新株価時系列(D)の軌跡を各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}で規格化する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項6は、
「請求項1記載の時系列データ管理方法において、
1)前記記憶装置から銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t, F2t,・・・・}の区分符号をメモリー上に入力する工程、
2)前記演算装置にて、予め構成を設定したH波{Fnt:F1t, F2t,・・・・=H}、L波{Fnt:F1t, F2t, ・・・・=L}、およびN波{Fnt:F1t, F2t, ・・・・=N}と各
区分の時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}の区分符号を照合して各波の規格別クラスターに分類する工程、
3)各波毎に、銘柄(対象物)名、各区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}を前記記憶装置に記録する工程、
4)各波毎に、銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・}を前記出力装置により出力する工程、
の各工程を備え、
規格化がなされた銘柄群(対象物群)について、その銘柄を、H波、L波、N波の規格別クラスターに分類する、ことを特徴とする時系列データ管理方法。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項7は、
「銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、区分時系列最終項{Fnt:F1t, F2t,・・・・}で規格化する時系列データ管理装置であって、
この時系列データ管理装置は、入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置を備え、
1)銘柄(対象物)の株価時系列(D)を収納する記憶装置、
2)前記記憶装置より株価時系列(D)を前記演算装置のメモリー上にインプットする入力装置、
3)次の3-1)〜3-6)を行う演算装置、
3-1) 現時点tより遡り短期インターバル(p+1)の{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・Dt-p}の範囲の回帰直線の平均値A=ΣDi/(p+1)、b=ΣDi*(2*I-(p+1)-1) を i=(t-p)〜t、I=1〜(p+1) にてA、bを決定し、更に傾向値(b1t)=6*b/(p+1)*((p+1)*(p+1)-1)、平滑値(yt)=A+b1t*p/2 を計算し、次いで短期インターバル(p+1)の範囲を一時点ずつ遡り {Dt-n, Dt-1-n, Dt-2-n,・・・・ Dt-p-n(n=1,2,・・・n)} 各範囲の回帰直線の平均値・傾向値を、前項b1t-nとの変化を計算した逐次式 b1t-1-n= b1t-n-12*((((p+1)-1)*Dt-p-n+((p+1)+1)*Dt-n)/2-(p+1)*A) 、A =At-n+(Dt-p-n- Dt-n)/(p+1)、yt-1-n= A+b1t-1-n* p/2で、平滑値(yt-n)・短期傾向値(b1t-n)を計算し、平滑化時系列{y;yt,yt-1,yt-2,・・・・yp}、短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}、をメモリー上に構成し、
3-2) 現時点tより遡り、短期インターバル(p+1)の { Dt, Dt-1, Dt-2, ・・・・ Dt-p}の範囲の回帰直線の傾向値 b1t=gt を起点とし、[{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・ Dt-p}+{Dt-p-1,Dt-p-2}]の範囲の回帰直線の傾向値(gt-n)を計算し、逐次(2*n)等差級数的に拡大したインターバル[{Dt, Dt-1, ・・・・ Dt-p-2n}の回帰直線の傾向値算出を、b=ΣDi*(2*I-((p+1)+2*n)-1) を i=(t-p-2*n)〜t、I=1〜((p+1)+2*n) で計算し、次いで傾向値gt-n=6*b/((p+1)+2*n)*(((p+1)+2*n) *((p+1)+2*n)-1)で計算し、モニター曲線SYt {gt,gt-1,gt-2,gt-3・・・・gt-(t-p)/2}をメモリー上に構成し、
3-3) 現時点tより遡り短期インターバル(p+1)より順次拡大したインターバル、p 3-4)短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}を、各項の平均値M=Σb1n/(t-p+1)、分散σ*σ=Σb1n*b1n/(t-p+1)-M*M をp〜t範囲で計算し、逐次各項b1nを基準化し、B1n =(b1n-M)/σに演算変換し、基準化時系列{B1;B1t,B1t-1,B1t-2,・・・・B1p}を構成し、さらに複数の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}にも同じように基準化時系列{Bn;Bnt,Bnt-1,Bnt-2,・・・・Bnpn}をメモリー上に構成し、
3-5)各項初期値をF1=Nとした、短期区分時系列{F1;F1t, F1t-1, F1t-2,・・・・F1p}、短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・b1p }と基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2,・・・・ B1p}とを過去より現時点tに向け呼び出し、上区分線Vu<B1t-n、bt-n>0ならば区分時系列項F1 t-n=Hと変換し、下区分線VL>B1t-n、bt-n<0ならば区分時系列項F1 t-n=Lと変換し、以降傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間は同一符号で変換を行い、計算結果をメモリーに記録し、短期区分時系列{F1;F1t, F1t-1, F1t-2,・・・・F1p}を構成し、さらに、複数の移動傾向値時系列{bn;bnt, bnt-1, bnt-2,・・・・ bnpn}にも同じように区分時系列{Fn;Fnt, Fnt-1, Fnt-2,・・・・ Fnpn}をメモリー上に構成し、
3-6)複数の各区分時系列最終項{ Fnt;F1t,F2t,・・・・Fnt}を系列順に区分符号で合成する、
4)前記記憶装置へ銘柄(対象物)名、各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・}の区分符号を記録する前記記憶装置、
5)銘柄(対象物)名、各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・}を出力する前記出力装置、
として構成する、ことを特徴とする時系列データ管理装置。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項8は、
「請求項7に記載の時系列データ管理装置において、
この装置は、銘柄(対象物)の現時点tに至る株価時系列(D)の軌跡がミクロからマクロ的視野でのH波、L波、N波の分布状態を、現時点tの区分時系列最終項{Fnt;F1t, F2t, ・・・}およびそれに至るマーク分布で株価時系列(D)の軌跡の示す状態を視的に示す表示装置を備え、
1)銘柄(対象物)ファイルを記録した記憶装置、
2)前記記憶装置より、株価時系列(D)、平滑化時系列(y)、モニター曲線(SYt)、複数の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}、基準化時系列{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・Bnpn}、区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}、の各数値を、前記演算装置に出力する出力装置、
3)次の計算を行う演算装置、
3-1)前記表示装置に表示するために、株価時系列(D)、平滑化時系列(y)、モニター曲線(SYt)、および複数の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}の各項数値を縦軸の座標へ、横軸へは時系列座標へと変換計算をする、
3-2) 複数の区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}は横軸として水平な基準線と平行に、縦軸方向に上よりF1,F2,・・・・Fn=Hマーク帯、基準線を挟んで縦軸方向に下よりF1,F2,・・・・Fn=Lマーク帯の縦座標を定め、各区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}の各項の横座標を計算する、
4)株価時系列(D)、平滑化時系列(y)、モニター曲線(SYt)、複数の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}、基準化時系列{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・Bnpn}、区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}、の計算された各項を、座標位置に表示する表示装置、
として構成する、ことを特徴とする時系列データ管理装置。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項9は、
「入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置を備えるコンピュータにより、銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、区分時系列最終項{Fnt:F1t, F2t,・・・・Fnt}で規格化する時系列データ管理方法を実施するため、その工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
1)前記記憶装置よりの一連の株価時系列(D)をメモリーに入力する工程、
2) 前記演算装置にて、前記株価時系列(D)より、{Dt, Dt-1, Dt-2, ・・・・Dt-p }の短期インターバル(p+1)の範囲の回帰直線の平均値 A=ΣDi/(p+1)、b=ΣDi*(2*I-(p+1)-1)を i=(t-p)〜t、I=1〜(p+1)にてA,bを決定し、更に、傾向値(b1t)=6*b/(p+1)*((p+1)*(p+1)-1)、平滑値(yt)=A+b1t*p/2 を計算する工程、
3) 次いで短期インターバル(p+1)の範囲を一時点ずつ遡って {Dt-n, Dt-1-n, Dt-2-n,・・・・Dt-p-n(但しn=1,2,・・・n)}の各範囲の回帰直線の平均値・傾向値を前項b1t-nとの変化を計算した逐次式 bt-1-n=bt-n-12*((((p+1)-1)*Dt-p-n+((p+1)+1)*Dt-n)/2-(p+1)*A)、A=At-n+(Dt-p-n-Dt-n )/(p+1)、yt-1-n=A+bt-1-n*p/2 で、平滑値(yt-n)、短期傾向値(b1t-n)を計算し、逐次メモリー上に記録し、平滑化時系列{y;yt, yt-1, yt-2,・・・・ yp}、短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・ b1p}、を構成する工程、
4)p<p2<・・・・<pnの複数のインターバル(pn+1)の移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・ b1p}・・・・{bn;bnt, bnt-1,bnt-2,・・・・bnn}を上記2)項と同じ手順で A=ΣDi(pn+1)、b=ΣDi*(2*I-(pn+1)-1) をi=(t-pn)〜t、I=1〜(pn+1)にて A、bを決定し、さらに、傾向値(bnt)=6*b/(pn+1)*((pn+1)*(pn+1)-1)、を計算し、逐次前項bnt-nとの変化を計算した逐次式 bnt-1-n=bnt-n-12*((((pn+1)-1)*(Dt-pn-n+((pn+1)+1)*Dt-n)/2-(pn+1)*A)、A=At-n+(Dt-pn-n-Dt-n)/(pn+1)、にて傾向値(bnt)を計算し、逐次メモリー上に記録し、{bn;bnt, bnt-1, bnt-2,・・・・ bnpn}を構成する工程、
5)現時点tより遡り、{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・Dt-p}の中央点(t-p/2)時点(b1t=gt)を基点とし、インターバル(p+1+2*n)を順次2時点ずつ拡大した範囲 ({Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・ Dt-p}+{Dt-p-1, Dt-p-2}・・・・+{Dt-p-1*n,Dt-p-2*n}]の回帰直線の傾向値(gt-1-n) 各項を b=6*ΣDi*(2*I-((p+1)+2*n)-1)/((p+1)+2*n)*(((p+1)+2*n)*((p+1)+2*n)-1) を i=(t-p-2*n)〜t、I=1〜((p+1)+2*n)、n=1〜(t-p)/2迄で計算し、メモリーに記録の上、モニター曲線SYt {gt,gt-1,gt-2,gt-3・・・・gt-(t-p)/2}を構成する工程、
6)短期インターバル(p+1)を含め、複数のインターバル(pn+1)の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn-}を各時系列別に平均M=Σbnn-/(t-pn+1)、分散σ*σ=Σbnn-*bnn-/(t-pn+1)-M*M を pn〜t範囲で確定した後、各項毎にBnn-=(bnn--M)/σ を計算して、基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2, ・・・・ B1p}・・・・{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・ Bnpn}を構成する工程、
7)予め複数の区分時系列{F1;F1t, F1t-1, F1t-2,・・・・F1p}・・・・ {Fn;Fnt, Fnt-1, Fnt-2,・・・・Fnpn}の各項初期値をF1t・・・・Fnpn=N とする工程。
8)短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・b1p }とその基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2,・・・・ B1p}を、p〜tまで時系列展開し、上区分線Vu<B1nで b1n>0の時点はF1n=H、あるいは下区分線VL>B1nで b1n<0の時点はF1n=Lに変換し、以降傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間、同一符号で変換を行い、短期区分時系列{F1;F1t,F1t-1,F1t-2,・・・・F1p}を構成する工程、
9)複数の移動傾向値時系列{bn;bnt, bnt-1, bnt-2,・・・・bnpn}、基準化時系列{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・Bnpn}を pn〜tまで時系列展開し、上区分線Vu<Bnnで bnt>0の時点はFnn=H、あるいは下区分線VL>Bnnで bnn<0の時点はFnn=Lに変換し、以降傾向値の符号が(+)から(-)へ、あるいは(-)から(+)へなるまでの期間、同一のFnn=H、Fnn=L変換を行い区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}を構成する工程、
10)複数の各区分時系列最終項{Fnt;F1t,F2t,・・・・Fnt}を系列順に区分符号 F1t+F2t, +・・・・+Fnt で合成する演算工程、
11)該当銘柄(対象物)名、合成区分符号 F1t+F2t+・・・+Fnt を前記記憶装置に記録する工程、および出力装置にて外部へ出力する工程、
の各工程を含む、ことを特徴とする記録媒体。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項10は、
「請求項9に記載の記録媒体において、
規格化がなされた前記銘柄(対象物)について、
1)前記記憶装置より、株価時系列(D)、平滑化時系列(y)、モニター曲線(SYt)、複数の移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}、基準化時系列{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・Bnpn}、区分時系列{Fn;Fnt, Fnt-1, Fnt-2,・・・・F1pn}の各数値を、メモリー上に出力する工程、
2)前記演算装置にて、表示のために、横座標を時系列、縦座標を数値とした技法で、株価時系列(D)、平滑化時系列(y)のチャートを作図する工程、 3)モニター曲線(SYt) {gt, gt-1, gt-2, gt-a,・・・・,gt-(t-p)/2}、および短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・ b1p}の各項は、水平な基準線を基準として、数値を縦座標にして、横座標はS1=(t-p/2)時点をgt、b1tの横座標位置として計算し、各項の算出座標に従い出力する工程、
4)複数の移動傾向値時系列{bn;bnt, bnt-1, bnt-2,・・・・ bnpn}の各項の数値は、前項と同様に、Sn=(t-pn/2)時点をbnt横座標位置とした計算をして、各項の算出座標に従い出力する工程、
5) 複数の区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}は横軸として水平な基準線を挟んで平行に、縦軸方向に上よりF1,F2,・・・・Fn=Hマーク帯、基準線を挟んで縦軸方向に下よりF1,F2,・・・・Fn=Lマーク帯の縦座標を定め、各区分時系列{Fn;Fnt, Fnt-1, Fnt-2,・・・・ Fnpn}の各項の横座標を計算し、各マーク帯にH(L)区分マークを出力する工程、
の各工程を含み、
現時点tに至る銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡が、ミクロからマクロ的視野での、H波、L波、N波の分布状態、とりわけ、現時点tの区分時系列最終項{Fnt;F1t, F2t-1,・・・・ }およびそれに至るマーク分布が株価時系列(D)の軌跡の示す現状状態、を視的に表現する方法を含む、
ことを特徴とする記録媒体。」
と補正された。

(2)本件補正の根拠に対する審判請求人の主張について
本件補正の根拠に対する審判請求人の主張は以下のとおりである。
「新請求項1〜10の補正後の記載は、段落[0006]〜[0026]での記載と、それらに関連する図面およびその説明欄の記載により、当業者が直接かつ一義的に導き出すことのできる事項であります。」
この審判請求人の主張について検討する。
請求項1に記載された各工程での処理の内容は、願書に最初に添付した明細書の段落【0006】-【0026】及びそれらに関する図面に記載された処理の内容と対応しないので、本件補正は根拠の無い補正と認められる。
したがって、本件補正の根拠に対する審判請求人の主張は採用できない。

(3)本件補正の適否の判断
請求項1の
「前記演算装置にて、前記株価時系列(D)より、{Dt,Dt-1,Dt-2,・・・・Dt-p}の短期インターバル(p+1)の範囲の回帰直線の平均値A=ΣDi/(p+1)、傾向値bを、コンピュータでの演算式 A=ΣDi/(p+1)、b=ΣDi*(2*I-(p+1)-1) を i=(t-p)〜t、I=1〜(p+1) にてA、bを決定し、更に傾向値(b1t)=6*b/(p+1)*((p+1)*(p+1)-1)、平滑値(yt)=A+b1t*p/2 を計算し、次いで短期インターバル(p+1)の範囲を一時点ずつ遡り、{Dt-n,Dt-1-n,Dt-2-n,・・・・Dt-p-n(n=1,2,・・・n)}の各範囲の回帰直線の平均値・傾向値を、前項b1t-nとの変化を計算した逐次式 b1t-1-n= b1t-n-12*((((p+1)-1)*Dt-p-n+((p+1)+1)*Dt-n)/2-(p+1)*A) 、A=At-n+(Dt-p-n- Dt-n)/(p+1)、yt-1-n= A + b1t-1-n* p/2 で、平滑値(yt-n)・短期傾向値(b1t-n)を計算し、逐次メモリー上に記録して平滑化時系列{y;yt,yt-1,yt-2,・・・・yp}、短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}、を構成する工程」、
「前記演算装置にて、現時点より遡り、{Dt,Dt-1,Dt-2,・・・・Dt-p}の中央点(t-p/2)時点をS1とし、この範囲の回帰直線の傾向値(b1t=gt)を基点とし,[{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・, Dt-p}+{Dt-p-1, Dt-p-2}]の範囲の回帰直線の傾向値(gt-1)を算出し、つぎに、[{Dt, Dt-1, Dt-2,・・・・,Dt-p}+{Dt-p-1, Dt-p-2}+{Dt-p-1-2, Dt-p-2-2}]の範囲の回帰直線の傾向値(gt-2)を計算し、逐次(2*n)等差級数的に拡大したインターバル、[{Dt, Dt-1,・・・・, Dt-p-2n}範囲の回帰直線の傾向値 b=ΣDi*(2*I-((p+1)+2*n)-1) を i=(t-p-2*n)〜t、I=1〜((p+1)+2*n)で計算し、次いで傾向値(gt-n)=6*b/((p+1)+2*n)*(((p+1)+2*n)*((p+1)+2*n)-1) を計算し、メモリーに記録の上、モニター曲線SYt {gt, gt-1, gt-2, gt-3・・・・gt-(t-p)/2}を構成する工程」、
「前記演算装置で、現時点より遡り、短期インターバル(p+1)より拡大した任意のインターバル(p2+1){Dt,Dt-1,Dt-2,・・・Dt-p2}の中央点(t-p2/2)の時点をS2とし、この範囲の回帰直線の傾向値(b2t)を上記2)と同じ方式にて計算し、ついで、インターバル(p2+1)の範囲を一時点ずつ遡り、{Dt-n,Dt-1-n,Dt-2-n,・・・・Dt-p2-n}の各範囲の回帰直線の傾向値(b2t-n)を上記2)と同じ方式にて計算し、逐次メモリー上に記録し、移動傾向値時系列{b2;b2t,b2t-1,b2t-2,・・・b2p2}、を構成する工程」、
「前項と同じ手順で、現時点より遡り、p<p2<・・・・<pn の複数のインターバル(p3+1),(p4+1),・・・(pn+1)の中央点(t-pn/2)時点を S3,S4,・・・・Snとし、各範囲の回帰直線の傾向値(b3t),(b4t),・・・・(bnt)を前記演算装置にて算出し、ついで、インターバルの範囲を一時点ずつ遡り、各範囲の回帰直線より傾向値(b3t-1,b3t-2,・・・・b3p3)、(b4t-1,b4t-2,・・・・b4p4)、・・・・ (bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn)の各項を計算し、逐次メモリー上に記録し、移動傾向値時系列{b3;b3t,b3t-1,b3t-2,・・・・b3p3}、{b4;b4t,b4t-1,b4t-2,・・・・b4p4},・・・・ {bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}、を構成する工程」、
「メモリー上に記録された短期移動傾向値時系列{b1;b1t,b1t-1,b1t-2,・・・・b1p}の範囲を前記演算装置に呼び出し、各項の平均値M=Σb1n/(t-p+1)、分散σ*σ=Σb1n *b1n/(t-p+1)-M*M をp〜tの範囲で計算し、逐次各項b1nを基準化変換式 B1n=(b1n-M)/σで変換し、 基準化時系列{B1;B1t,B1t-1,B1t-2,・・・・B1p}を構成する工程」、
「メモリー上に記録された各移動傾向値時系列{b2;b2t,b2t-1,b2t-2,・・・・b2p}・・・・{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}を前記演算装置に呼び出し、前項と同じ手順で、各基準化時系列{B2;B2t, B2t-1, B2t-2, ・・・・ B2p2}・・・・{Bn;Bnt, Bnt-1, Bnt-2,・・・・ Bnpn}へ変換し、構成する工程」、
「前記演算装置で、短期区分時系列{F1;F1t, F1t-1, F1t-2,・・・・F1p}の各項初期値をF1=Nとし、短期移動傾向値時系列{b1;b1t, b1t-1, b1t-2,・・・・b1p }と基準化時系列{B1;B1t, B1t-1, B1t-2,・・・・ B1p}を、メモリー上に過去より現時点tに向け呼び出し、上区分線Vu<B1t-n、bt-n>0ならば区分時系列項F1 t-n=Hと変換、下区分線VL>B1t-n、b1t-n<0ならば区分時系列項F1t-n=Lと変換、以降、傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間は同一符号で変換を行い、計算結果をメモリーに記録し、短期区分時系列{F1;F1t,F1t-1,F1t-2,・・・・F1p}を構成する工程」、及び
「前記演算装置で、n=2〜nの区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}の各項初期値をFn=Nとし、移動傾向値時系列{bn;bnt,bnt-1,bnt-2,・・・・bnpn}と基準化時系列{Bn;Bnt,Bnt-1,Bnt-2,・・・・Bnpn}をメモリー上に過去より現時点tに向け呼び出し、上区分線Vu<Bnt-n、bnt-n>0ならば区分時系列項Fnt-n=Hと変換、下区分線Vl>Bnt-n、bnt-n<0ならば区分時系列項Fnt-n=Lと変換、以降、傾向値の符号が(+)から(-)、あるいは(-)から(+)へとなるまでの期間は同一符号で変換を行い、計算結果をメモリーに記録、区分時系列{Fn;Fnt,Fnt-1,Fnt-2,・・・・Fnpn}を構成する工程」
は、願書に最初に添付した明細書及び図面に記載されておらず、また、願書に最初に添付した明細書及び図面の記載された事項からみて自明な事項とも認められない。
したがって、請求項1に係る本件補正は、願書に最初に添付された明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてなされたものとは認められない。

(3)まとめ
以上のとおり、本件補正は、願書に最初に添付された明細書及び図面記載した事項の範囲内においてなされたものとは認められないので、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明
平成15年8月6日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成15年3月10日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置、を備えるコンピュータにより、銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}で規格化する時系列データ管理方法であって、
1)前記入力装置により株価時系列(D)をメモリーに入力する工程、
2) 前記株価時系列(D)より、現時点(t)より遡り短期インターバル(p+1)で導かれた平滑化時系列(y)、短期移動傾向値時系列(b1)を、前記演算装置にて算出する工程、
3)前記株価時系列(D)より、現時点(t)より遡りインターバル(p+1)より(2*n)等差級数的に拡大したインターバルにて算出した、各傾向値より成るモニター曲線(SYt) の任意の定時点{Sn:S1,S2,・・・・ }の時系列軌跡である、各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }を、前記演算装置にて算出する工程、
4)各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }より、各々基準化した基準化時系列{Bn:B1,B2,・・・・}を、前記演算装置にて算出する工程、
5)各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }と各基準化時系列{Bn:B1,B2,・・・・}より、各区分時系列{Fn:F1,F2,・・・・ }を、前記演算装置にて算出する工程、
6)各区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・ }の決定により、{Sn:S1,S2・・・・ }時点より現時点(t)至る平滑化時系列(y) 、株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に分け、演算装置にて規格化する工程、
7)前記記憶装置へ、銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}を記録する工程、
8)前記出力装置にて、銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}を出力する工程、
の各工程を備え、
{Sn:S1,S2・・・・ }時点より現時点(t)に至る株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・・}で規格化する、
ことを特徴とする時系列データ管理方法。」

4.原査定の理由
原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
「請求項1-8の各工程において入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置といったハードウェア手段が記載されているものの、ソフトウェアによる処理がハードウェア資源とが協働した具体的手段として記載されたものとは認められないので、請求項1-8に係る発明は、「自然法則を利用した技術思想の創作」である特許法上の「発明」に該当しない。
したがって、請求項1-8に係る発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。」

5.当審の判断
そこで、本願発明が、「自然法則を利用した技術思想の創作」に該当するかどうかについて検討する。
本願発明は、「デジタル時系列データを「人間の頭の中にあるマクロ的、概念的な漠とした上昇(下降)トレンドを経た後、直近の変化ベクトルの位置、方向と大さを認識する」イメージを規格化し、チャートの呼び出しを省略して、コンピューターにパターン判断させ、管理目的に合致した銘柄(対象物)を選出し、更に抽出された銘柄(対象物)をチャート展開し、其の軌跡が、要求された条件に合致する状態を視覚的に簡明且つ明瞭に確認する」という技術的課題を解決しようとするものであって、前項3.で認定したとおり、「入力装置・演算装置・記憶装置・出力装置、を備えるコンピュータにより、銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に、区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}で規格化する時系列データ管理方法」として、1)〜8)の各工程を備える「時系列データ管理方法」であり、「1)〜8)の各工程を、コンピュータに実行させることを特徴とする」ものである。
してみれば、本願発明は、「銘柄(対象物)の株価時系列(D)の軌跡を、コンピュータを用いて規格化する時系列データ管理方法」であって、「コンピュータに実行させる」ところの、上記1)〜8)の工程を備える方法発明であるから、その発明の実施にソフトウエアを必要とするところの、いわゆるソフトウエア関連発明である。
そして、こうしたソフトウエアを利用するソフトウエア関連発明が、「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるためには、発明はそもそもが一定の技術的課題の解決手段になっていなければならないことから、ハードウエア資源を利用したソフトウエアによる情報処理によって、所定の技術的課題を解決できるような特有の構成が具体的に提示されている必要があるというべきである。
本願発明は前記のとおりであるから、本願発明において技術的課題の解決手段の根拠となるべき要部は、上記1)〜8)の工程である。
そこで、本願発明が、特許法第2条で定義される「発明」、すなわち「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かについて、以下上記1)〜8)の工程を検討する。
(1)入力装置、メモリーに関係する上記1)の工程について
上記「1)前記入力装置により株価時系列(D)をメモリーに入力する工程」の記載は、単に、コンピュータにより処理されるデータを、入力装置及びメモリーを用いて、入力し、記憶することを示しているだけである。

(2)記憶装置及び出力装置に関係する上記7)及び8)の工程について
上記「7)前記記憶装置へ、銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}を記録する工程」の記載、及び上記「8)前記出力装置にて、銘柄(対象物)、各区分時系列最終項{Fnt:F1t,F2t,・・・・}を出力する工程」の記載は、単に、コンピュータにより処理されたデータを、「記憶装置」及び「出力装置」を用いて、記憶し、出力することを示しているだけである。

(3)演算装置に関係する上記2)-6)の工程について
上記「2) 前記株価時系列(D)より、現時点(t)より遡り短期インターバル(p+1)で導かれた平滑化時系列(y)、短期移動傾向値時系列(b1)を、前記演算装置にて算出する工程、
3)前記株価時系列(D)より、現時点(t)より遡りインターバル(p+1)より(2*n)等差級数的に拡大したインターバルにて算出した、各傾向値より成るモニター曲線(SYt) の任意の定時点{Sn:S1,S2,・・・・ }の時系列軌跡である、各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }を、前記演算装置にて算出する工程、
4)各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }より、各々基準化した基準化時系列{Bn:B1,B2,・・・・}を、前記演算装置にて算出する工程、
5)各移動傾向値時系列{bn:b1,b2,・・・・ }と各基準化時系列{Bn:B1,B2,・・・・}より、各区分時系列{Fn:F1,F2,・・・・ }を、前記演算装置にて算出する工程、
6)各区分時系列最終項{Fnt:F1t、F2t、・・・・ }の決定により、{Sn:S1,S2・・・・ }時点より現時点(t)至る平滑化時系列(y) 、株価時系列(D)の軌跡を、H波、L波、N波に分け、演算装置にて規格化する工程、」の記載は、単に、上記2)-6)の各工程の処理に必要なデータと、そのデータから算出又は規格化されるデータを示しているだけであり、上記記載では各工程での処理にハードウエア資源である演算装置がどのように用いられて、どのように情報処理が行われるか、という点について具体的に提示されているとは認められない。
以上の(1)〜(3)の検討によれば、本願発明は、全体として見ると、ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されているものとは認められない。
したがって、本願発明は、ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されているものとは認められないので、「自然法則を利用した技術思想の創作」である特許法上の「発明」に該当しない。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第2条にいう「自然法則を利用した技術的思想の創作」である特許法上の「発明」には該当しないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-09-30 
結審通知日 2005-10-11 
審決日 2005-10-24 
出願番号 特願2001-168281(P2001-168281)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 1- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩間 直純  
特許庁審判長 赤穂 隆雄
特許庁審判官 篠原 功一
竹中 辰利
発明の名称 時系列データ管理方法、時系列軌跡規格化装置、情報表示装置、および記録媒体  
代理人 萩原 誠  
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