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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02G
管理番号 1134033
審判番号 不服2003-14587  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-30 
確定日 2006-04-06 
事件の表示 特願2001-140321「ケーブルが配線可能なU字溝」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月27日出願公開、特開2002-281628〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願発明
本願は、平成13年5月10日(優先権主張 平成13年1月12日)の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成15年5月19日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)

「【請求項1】 ケーブルの保持が可能なU字溝であって、該U字溝は、ケーブルを装填することにより該ケーブルを保持できるスロットが、該U字溝の内側に、かつ該U字溝の長さ方向に形成され、前記スロットは、その開口が下方を向いて開かれていることを特徴とするU字溝。」

2.引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-178186号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア.「【0014】
水路用ブロック2は、図2及び図3に示すように、プレキャストコンクリート製(・・・)で、断面略矩形枠状に形成されており、該枠の内側が水路部10となっている。水路用ブロック2の左右の両側壁部の上部には、水路部10の長さ方向と平行に矩形穴状の上側配線路部11が設けられている。・・・各配線路部11,12に配設されたケーブル・・・」
イ.「【0017】
水路用ブロック3は、図4及び図5に示すように、水路用ブロック3の上面側に落とし蓋8を備え、該落とし蓋8を取り外すと水路部10及び上側配線路部11の上側が開口し、水路部10及び上側配線路部11を保守することができるようになっている点においてのみ水路用ブロック2と異なっている。」
そして、図4及び図5には、蓋を取り外した状態の水路用ブロック3は、U字溝であることが図示されている。

したがって、これらの記載及び図面から、引用刊行物には次の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明」という。)
「ケーブルの保持が可能な蓋付きU字溝3であって、該U字溝3は、ケーブルを装填することにより該ケーブルを保持できる上側配線路部11が、該U字溝3の側壁部の上部に、かつ該U字溝3の長さ方向に形成され、前記上側配線路部11は、その開口が上方を向いて開かれている蓋付きU字溝」

3.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「蓋付きU字溝3」は、蓋とU字溝を組合せたものであるから、本願発明の「U字溝」に対応し、また、引用発明の「上側配線路部11」は、その開口からケーブルを装填するものであるから、本願発明の「スロット」に相当する。

そうしてみると、両者は、
「ケーブルの保持が可能なU字溝であって、該U字溝は、ケーブルを装填することにより該ケーブルを保持できるスロットが、該U字溝の長さ方向に形成されているU字溝」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点)
本願発明は、スロットをU字溝の内側に形成し、その開口を下方に向けているのに対し、引用発明は、スロットをU字溝の上側に形成し、その開口を上方に向けている点。

上記相違点について検討する。
ケーブル保持用スロットの開口を下方に向けることは、周知技術(例えば、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭59-198202号(実開昭61-114924号)のマイクロフィルム(特に、第2頁第3行〜第19行,図1)などを参照。)であり、また、特開平11-247276号公報(特に、【0015】〜【0017】,図3)には、U字溝の内面にケーブル保持用スロットを形成すること、実公平2-37903号公報(特に、第2欄第19行〜第24行,第1図,第2図)には、下水道管の内面に形成したケーブル保持用スロットの開口を下方に向けることが記載されていることによれば、U字溝や下水道管などの地中埋設ブロックの内側にケーブル保持用スロットを形成することや、U字溝や下水道管などの地中埋設ブロックの内側に形成したケーブル保持用スロットの開口を下方に向けることも周知技術であると認められ、これら周知技術はいずれも引用発明と同様にケーブルを保持するための構造であって、これら周知技術に同時に接した当業者であれば、引用発明におけるスロットをU字溝の内側に形成し、その開口を下方に向けることを容易に為し得ることができる。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び上記周知技術から当業者であれば予測できる範囲のものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-02-01 
結審通知日 2006-02-07 
審決日 2006-02-21 
出願番号 特願2001-140321(P2001-140321)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H02G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清田 健一  
特許庁審判長 渡部 利行
特許庁審判官 菊井 広行
▲高▼見 重雄
発明の名称 ケーブルが配線可能なU字溝  
代理人 高野 明近  

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