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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F41A |
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管理番号 | 1137394 |
審判番号 | 不服2003-4213 |
総通号数 | 79 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-01-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-03-14 |
確定日 | 2006-06-20 |
事件の表示 | 平成8年特許願第172296号「弾薬供給装填装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年1月23日出願公開、特開平10-19497、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成8年7月2日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成15年3月14日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項1】 車両上部に設置された主砲に弾薬を装填する装填装置と、同装填装置に弾薬を供給するよう車両上部に設置された弾薬横方向移動装置と、車両下部の弾薬保管部に設置された弾薬ホルダとからなる弾薬供給装填装置において、弾薬保管部の弾薬ホルダ同士をホルダ連結プレートで連結してコンベア式の弾薬縦方向移動装置を構成して砲塔バスケット内に設け、更に同弾薬縦方向移動装置から砲塔バッスル内に設けられた上記弾薬横方向移動装置へ弾薬を向きを変えずに弾底方向に受け渡す弾薬授受装置を設けたことを特徴とする弾薬供給装填装置。」(以下、「本願発明」という。) 2.原査定の理由 本願を拒絶すべきものとした原査定の理由の概要は、特開平7-19797号公報(以下、「引用例」という。)を引用して、引用例には、車両下部に設けられた弾薬保管部から縦方向移動手段によって車両上部に弾薬を移動させ、車両上部の横方向移動手段に受け渡して、それから横方向移動手段により装填位置に弾薬を自動的に装填する技術が開示されており、そして、物品を縦方向に移動させる際に、コンベア式移動装置を用いることは従来慣用技術であるから、本願発明は、引用例に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3.当審の判断 引用例には、「車両上部に設置された主砲に弾薬を装填する装填装置と、同装填装置に弾薬を供給するよう車両上部に設置された弾薬横方向移動装置と、車両下部の弾薬保管部に設置された弾薬ホルダとからなる弾薬供給装填装置において、弾薬縦方向移動装置を車体側弾倉2内に設け、更に同弾薬縦方向移動装置から砲塔バッスル1内に設けられた上記弾薬横方向移動装置へ弾薬を向きを変えずに受け渡す弾薬授受装置を設けた弾薬供給装填装置」が、実質的に記載されていることは認められる。 しかし、引用例には、本願発明の「弾薬保管部の弾薬ホルダ同士をホルダ連結プレートで連結してコンベア式の弾薬縦方向移動装置を構成して砲塔バスケット内に設け、更に同弾薬縦方向移動装置から砲塔バッスル内に設けられた上記弾薬横方向移動装置へ弾薬を向きを変えずに弾底方向に受け渡す弾薬授受装置を設けた」という構成までは、記載されているということができない。 ところで、“砲塔バスケット”は、砲塔の動きに連れて回転することが自明な事項であるから、砲塔と一体的に装着される砲塔バッスルの回動に対しても同期的に回転することが明らかである。 そうすると、本願発明の特定事項である“弾薬縦方向移動装置を砲塔バスケット内に設け、更に同弾薬縦方向移動装置から砲塔バッスル内に設けられた上記弾薬横方向移動装置へ弾薬を向きを変えずに弾底方向に受け渡す弾薬授受装置を設けた”という構成によって、砲塔バスケット内でホールドされる弾薬と砲塔バッスル内でホールドされる弾薬とが共に、砲塔旋回角度に関係なく、弾薬前後方向において常に同方向に位置付けされることとなり、よって、車体に対し砲塔の旋回角がどうあろうと、弾薬縦方向移動装置から弾薬横方向移動装置への弾薬の授受をスムーズに行なうことができるから、この点からみて、本願発明は格別な効果を奏することが期待できるものと認められる。 なお、前置審査において従来慣用技術として引用した文献(実開平4-3288号公報、特開平7-151493号公報、特開昭62-238997号公報)の記載事項を精査しても、本願発明の上記特定事項については記載されているということができない。 したがって、本願発明の上記特定事項については、上記の従来慣用技術を参酌しても、引用例の記載事項から、当業者が容易に想到することができたとはいうことができない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認めることができないから、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2006-06-07 |
出願番号 | 特願平8-172296 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(F41A)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大山 健 |
特許庁審判長 |
鈴木 久雄 |
特許庁審判官 |
永安 真 ぬで島 慎二 |
発明の名称 | 弾薬供給装填装置 |
代理人 | 田中 重光 |
代理人 | 石川 新 |