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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03C
管理番号 1137658
審判番号 不服2004-1645  
総通号数 79 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-03-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-01-23 
確定日 2006-06-09 
事件の表示 平成 7年特許願第217723号「レンズ付きフイルムユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 3月 7日出願公開、特開平 9- 61970〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年8月25日の出願であって、本願の請求項1〜4に係る発明は、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである。
「【請求項1】
複数の樹脂成形部品からなり、表面の一部に肉抜き凹み部を有するユニット本体の少なくとも一部を、前記肉抜き凹み部を含めて外装用ラベルで覆ったレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記肉抜き凹み部の開口縁のエッジ又は、帯状又は格子状に形成された外装用ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成したことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用刊行物
原査定の拒絶理由に引用された、引用文献1(特開平5-257237号公報)には、次の事項が記載されている。
「【産業上の利用分野】本発明は、レンズ付きフイルムユニットのユニット本体を覆う包装体に関するものである。」(第2頁左欄第15-17行)

「ユニット本体2は主にプラスチック成形され、全体を包装体3によって覆われている。」(第2頁右欄第19-20行)

そして、ユニット本体が表面の一部に肉抜き凹み部を有すること、前記肉抜き凹み部は格子状に形成された包装体支持用リブを有すること、及びユニット本体を前記肉抜き凹み部を含めて包装体で覆っていることが、【図1】から窺える。

前記記載事項と図面の記載からみて、引用文献1には「表面の一部に肉抜き凹み部を有するユニット本体を、前記肉抜き凹み部を含めて包装体で覆ったレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記肉抜き凹み部は格子状に形成された包装体支持用リブを有することを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。」(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

3.対比
引用発明における「包装体」は本願発明における「外装用ラベル」に相当するものであるので、本願発明と引用発明とを対比すると、両者は、「表面の一部に肉抜き凹み部を有するユニット本体を、前記肉抜き凹み部を含めて外装用ラベルで覆ったレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記肉抜き凹み部は格子状に形成された外装用ラベル支持用リブを有することを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。」で一致し、次の点で相違する。

相違点(A):
本願発明は、レンズ付きフイルムユニットが複数の樹脂成形部品からなるのに対して、引用発明は、そのような限定がない点。

相違点(B):
本願発明は、ユニット本体の少なくとも一部を外装用ラベルで覆っているのに対して、引用発明は、ユニット本体の全体を外装用ラベルで覆っている点。

相違点(C):
本願発明は、肉抜き凹み部の開口縁のエッジ又は、帯状又は格子状に形成された外装用ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成するのに対して、引用発明は、肉抜き凹み部は格子状に形成された外装用ラベル支持用リブを有する点。

4.判断
相違点(A)について:
レンズ付きフイルムユニットが複数の樹脂成形部品からなることは、引例を挙げるまでもなく、周知技術にすぎず、相違点(A)における本願発明の構成は格別なものとはいえない。

相違点(B)について:
本願発明のユニット本体の少なくとも一部を外装用ラベルで覆っている構成は、引用発明のユニット本体の全体を外装用ラベルで覆っている構成を含むものであるので、相違点(B)における本願発明の構成は格別なものとはいえない。

相違点(C)について:
ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成することは周知技術である。(例えば、実願平4-37896号(実開平5-95844号)のCD-ROM、実願昭63-16286号(実開平1-126935号)のマイクロフィルム参照。)
引用発明に記載の肉抜き凹み部の格子状に形成された外装用ラベル支持用リブに、前記周知技術を採用して、肉抜き凹み部の格子状に形成された外装用ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成することに格別の困難性は認められない。
そして、本願発明の「肉抜き凹み部の開口縁のエッジ又は、帯状又は格子状に形成された外装用ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成」は択一的記載であって、本願発明は、引用発明と周知技術を組み合わせた前記「肉抜き凹み部の格子状に形成された外装用ラベル支持用リブのエッジを曲面で形成」を含むものであるので、相違点(C)における本願発明のような構成とすることは、当業者にとって容易である。

前記相違点(A)、(B)及び(C)における本願発明の構成による効果は、引用発明及び各周知技術から予測される範囲のものである。

5.むすび
したがって、本願発明は、本願出願前に国内で頒布された引用文献1記載の発明及び各周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-04-10 
結審通知日 2006-04-12 
審決日 2006-04-25 
出願番号 特願平7-217723
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森口 良子  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 柏崎 正男
井口 猶二
発明の名称 レンズ付きフイルムユニット  
代理人 小林 和憲  

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