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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1138459
審判番号 不服2005-3452  
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-05-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-28 
確定日 2006-06-16 
事件の表示 平成 8年特許願第287529号「双眼鏡」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 5月 6日出願公開、特開平10-115770〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、出願日が平成8年10月9日である特願平8-287529号であって、平成17年1月24日付で拒絶査定がなされ、これに対し平成17年2月28日付で拒絶査定に対する審判請求がなされ、同日付で手続補正がなされた。

2.平成17年2月28日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年2月28日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
2-1.[理由1]目的制限違反
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、平成16年11月2日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1記載の、「左右の望遠光学系を支持する左右一対のケーシングと、該ケーシングを双眼鏡の幅方向に移動可能に保持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームを、互いに平行な上部構造体と下部構造体を備えて構成し、
前記ケーシングを、前記上部及び下部構造体の間で移動可能に支持される可動フレームと、コの字状断面を持ち前記上部及び下部構造体を外側から囲む外装ケースと、により構成すると共に、
前記可動フレームに、前記外装ケースの前端面と後端面に夫々当接する第1及び第2の当接部を設けると共に、
前記外装ケースと前記可動フレームとを、双眼鏡の前後方向に直交する面内において位置決めする位置決め手段をさらに設け、
前記外装ケースに取り付けられる別部材を有し、
前記位置決め手段は、前記外装ケースまたは前記別部材、及び前記可動フレームのいずれか一方に形成された凸部と、他方に形成され前記凸部に嵌合する嵌合部と、により構成され、
前記外装ケースの前端面又は後端面には開口部が形成され、該開口部の外周縁の少なくとも一箇所は開放しており、当該開放箇所は前記別部材によって連結され、
前記別部材の前記可動フレームへの固定により、前記外装ケースが前記可動フレームに固定されること、を特徴とする双眼鏡。」から
「左右の望遠光学系を支持する左右一対のケーシングと、該ケーシングを双眼鏡の幅方向に移動可能に保持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームを、互いに平行な上部構造体と下部構造体を備えて構成し、
前記ケーシングを、前記上部及び下部構造体の間で移動可能に支持される可動フレームと、コの字状断面を持ち前記上部及び下部構造体を外側から囲む外装ケースと、により構成すると共に、
前記可動フレームに、前記外装ケースの前端面と後端面に夫々当接する第1及び第2の当接部を設けると共に、
前記外装ケースと前記可動フレームとを、双眼鏡の前後方向に直交する面内において位置決めする位置決め手段をさらに設け、
前記位置決め手段は、前記外装ケースに取り付けられる別部材及び前記可動フレームのいずれか一方に形成された凸部と、他方に形成され前記凸部に嵌合する嵌合部とを備え、 前記外装ケースの前端面又は後端面には開口部が形成され、該開口部の外周縁の少なくとも一箇所は開放しており、当該開放箇所は前記別部材によって連結され、
前記別部材にはあり形状の嵌合条が形成され、前記外装ケースには前記嵌合条に嵌合するあり形状の嵌合溝が形成されている、ことを特徴とする双眼鏡。」と補正された。

この補正は、補正前の「前記別部材の前記可動フレームへの固定により、前記外装ケースが前記可動フレームに固定されること」の構成の削除を含むもので、この補正は、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明、の何れにも該当しない。
したがって、この補正は、特許法第17条の2第4項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

2-2.[理由2]独立特許要件違反
本件補正が、「外装ケース」と「別部材」との連結態様を限定し、他の補正も不明瞭記載の釈明と理解して、仮に全体として、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとした場合、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)についても、以下に検討する。

(1)引用例
1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-220446号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の点が記載されている。
ア.【0001】【産業上の利用分野】
本発明は、主として眼幅収納状態と開状態で全体の体積が変化する形で外観形状が変化するような水平移動式の双眼鏡に係り、特に光学精度を高度に維持するものでありながら、形状がシンプルで携帯性に優れた小型双眼鏡に関するものである。

イ.【0011】【実施例】
以下、本発明に係る双眼鏡の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本実施例に係る双眼鏡の外観を示しており、同図(A)は眼幅収納状態を、(B)は図1の矢印A方向に左カバー3を引き出して眼幅を広げた状態を、(C)はそれを接眼側から見たところをそれぞれ示している。図2は同双眼鏡の構成部品を分解して示し、図3は固定ボディ4とガイド軸9を裏面側から見たところを示し、図4は図1に示す組立状態から右カバー2と左カバー3を取り外して示し、図5は図4の一部分解状態からさらに上台板6を外して内部のピント調整機構を示している。
【0012】
まず、双眼鏡の全体構成を詳細に説明すると、図2の分解図に示す固定ボディ4には、右対物レンズ枠10、プリズムホルダー15と正立プリズム16とにより構成されるプリズムユニット、接眼枠17と接眼移動枠18とにより構成される接眼ユニット等の光学系、及び図5のピント調整機構図に示すピント調整軸30、調整ノブ31、ナット32、右調整板34、左調整板33等により構成されるピント調節ユニットが組み込まれており、前記右カバー2も固定ボディ4に固着されている。
【0013】
前記ピント調節ユニットを挟んで右光学系の反対側には、可動ボディ5、左対物レンズ枠10’、プリズムユニット15’、16’、接眼ユニット20等により構成される左可動鏡筒が位置している。この左可動鏡筒は固定ボディ4に固着されたガイド軸9に摺動可能に嵌合され、さらに可動ボディ5には左カバー3も遊動可能に取り付けている。
【0014】
図4に示すように、固定ボディ4の上下には可動ボディ5側に延びた上台板6と下台板7が固定されており、左可動鏡筒を上下に挟み込むように位置している。左可動鏡筒には該可動鏡筒を下台板7側に押し付ける働きをするバネ(図示せず)が設けられており、前記ガイド軸9とともに眼幅調整機構を構成している。

ウ.【0023】
左カバー3は上下台板6、7をガイドにして摺動しており、光学系を含む可動ボディ5はガイド軸9を基準に摺動する。この場合、過拘束となることを防止するために、左カバー3と可動ボディ5とのつなぎは図7に示すように、それぞれに若干の隙間を設け、ガタをもたせたり、或いはバネ27を介装して所定範囲の遊動を許すフロー構成となっている。

したがって、上記記載事項、及び図面から引用例1には、「右対物レンズ枠10、プリズムホルダー15と正立プリズム16とにより構成されるプリズムユニット、接眼枠17と接眼移動枠18とにより構成される接眼ユニット等の光学系、及び左対物レンズ枠10’、プリズムユニット15’、16’、接眼ユニット20等により構成される光学系を支持する右カバー2、左カバー3と、該左カバー3を双眼鏡の幅方向に移動可能に保持する固定ボディ4と、を備え、
前記固定ボディ4を、互いに平行な上台板6と下台板7を備えて構成し、
前記左カバー3を、前記上台板6及び下台板7の間で移動可能に支持される可動ボディ5と、コの字状断面を持ち前記上台板6及び下台板7を外側から囲む左カバー3と、により構成するすると共に、
前記左カバー3と前記可動ボディ5とを、双眼鏡の前後方向に直交する面内において位置決めする左カバー3と可動ボディ5とのつなぎをさらに設ける、ことを特徴とする小型双眼鏡。」(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

2)また、当審からの平成18年3月7日付審尋で言及された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-36135号公報(以下、「周知例1」という。)には、以下の点が記載されている。
エ.【0010】
また、この双眼鏡の光学系は、本体1の仕切壁2に沿う中心軸を対称軸として左右に鏡筒5が配置され、その鏡筒5の内部に左右光学系が内蔵されている。

オ.【0015】
一方、左右の鏡筒5の上下面にはそれぞれラック状の直線ギア11が鏡筒5の軸方向と直交して設けられている。これらの直線ギア11はいずれも回転ギア10と常時噛合しており、図1及び図3に示すように、眼幅調整のために鏡筒5を本体1に沿って摺動させると、これら回転ギア10と直線ギア11の噛み合いによって、鏡筒5は左右均等に近接したり離間したりする。

3)また、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である実願平3-69738号(実開平5-15031号)のCD-ROM(以下、「引用例2」という。)には、以下の点が記載されている。
カ.【0009】
・・・連結片2cには、隔壁後端面5aのめねじ孔7と位置決めピン8とに対応する孔12・13が形成されている。

4)また、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である実願平3-23726号(実開平4-112241号)のCD-ROM(以下、「引用例3」という。)には、以下の点が記載されている。
キ.【0007】
・・・装着面12aには、上下方向の中央寄りに一対の位置決め突起17が設けられ、該位置決め突起17の外方に一対の位置決め突起19が設けられている。一対の位置決め突起17には、ねじ30を螺合するねじ孔17aがそれぞれ形成されている。・・・
【0008】
・・・副ボディ部材20は、パトローネ室12の装着面12aに合わせるべき接合面20aを有している。この接合面20aには、位置決め突起17に嵌合すべき嵌合孔26、および位置決め突起19に嵌合すべき嵌合孔27が形成されている。

5)また、当審からの平成18年3月7日付審尋で言及された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-302974号公報(以下、「周知例2」という。)には、以下の点が記載されている。
ク.【0005】【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のような底板2へのパネル3の取着構造にあっては、複数のねじ孔21と複数のねじ止め孔30aとの位置合わせが煩わしく、しかも、ねじ締め箇所が多いので組み立てに手間がかかると言う問題点があった。

ケ.【0015】
上述のように構成されたパネル3は、上述のように構成された底板2に次のように固定取着できる。すなわち、L字状突起31a,31bを掛止孔22a,22bにそれぞれ挿入する。その後、パネル3の後方の開放端縁を底板2に押し付けながら、パネル3をL字状突起31a,31bの先端方向(図1に示すy軸方向)にスライドさせる。すると、L字状突起31aの隙間Wに掛止孔22aの端部が嵌入し、L字状突起31bの隙間Wに掛止孔22bの端部が嵌入する。このようにして、L字状突起31a,31bが掛止孔22a,22bの端部にそれぞれ掛止すると、ねじ止め孔30aとねじ孔21とはちょうど一致する。

6)また、当審からの平成18年3月7日付審尋で言及された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-246253号公報(以下、「周知例3」という。)には、以下の点が記載されている。
コ.【0014】
上記のスライド片20をフラットバー本体1の平面部11に嵌着するには、フラットバー本体1の端面1b側から、あり21の先端のガイド部21aをあり溝12に挿入しつつ、スライド片20の外側端面20dを手あるいはハンマの軽い打撃などにより矢印X方向(図1参照)に押圧し、あり21をあり溝12内に圧入して、スライド片20の内側端面20cがフラットバー本体1の平面部11の端部の肩部11aに当接するまで押込む。ガイド部21aにより、あり21のあり溝12への圧入が円滑容易におこなえる。

(2)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較する。
引用発明の「右対物レンズ枠10、プリズムホルダー15と正立プリズム16とにより構成されるプリズムユニット、接眼枠17と接眼移動枠18とにより構成される接眼ユニット等の光学系、及び左対物レンズ枠10’、プリズムユニット15’、16’、接眼ユニット20等により構成される光学系」は、本願補正発明の「左右の望遠光学系」に相当する。同様に「右カバー2、左カバー3」は「左右一対のケーシング」に、「固定ボディ4」は「支持フレーム」に、「上台板6と下台板7」は「上部構造体と下部構造体」に、「可動ボディ5」は「可動フレーム」に、「左カバー3」は「外装ケース」に、「左カバー3と可動ボディ5とのつなぎ」は「位置決め手段」に、「小型双眼鏡」は「双眼鏡」に、それぞれ相当する。

引用発明は、左カバー3のみ双眼鏡の幅方向に移動可能となっており、本願補正発明は、左右一対のケーシングが双眼鏡の幅方向に移動可能となっているので、両者は、「少なくとも一方のケーシングが双眼鏡の幅方向に移動可能」な点で一致している。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、「左右の望遠光学系を支持する左右一対のケーシングと、少なくとも一方のケーシングを双眼鏡の幅方向に移動可能に保持する支持フレームと、を備え、
前記支持フレームを、互いに平行な上部構造体と下部構造体を備えて構成し、
前記ケーシングを、前記上部及び下部構造体の間で移動可能に支持される可動フレームと、コの字状断面を持ち前記上部及び下部構造体を外側から囲む外装ケースと、により構成すると共に、
前記外装ケースと前記可動フレームとを、双眼鏡の前後方向に直交する面内において位置決めする位置決め手段をさらに設ける双眼鏡。」である点で一致し、以下の各点で相違する。

相違点1;
本願補正発明は、左右一対のケーシングが双眼鏡の幅方向に移動可能となっているのに対し、引用発明は、一方のみである点。

相違点2;
本願補正発明は、前記可動フレームに、前記外装ケースの前端面と後端面に夫々当接する第1及び第2の当接部を設けているのに対し、引用発明は、その点に関し明示的記載はない点。

相違点3;
本願補正発明は、前記位置決め手段は、前記外装ケースに取り付けられる別部材及び前記可動フレームのいずれか一方に形成された凸部と、他方に形成され前記凸部に嵌合する嵌合部とを備え、前記外装ケースの前端面又は後端面には開口部が形成され、該開口部の外周縁の少なくとも一箇所は開放しており、当該開放箇所は前記別部材によって連結され、前記別部材にはあり形状の嵌合条が形成され、前記外装ケースには前記嵌合条に嵌合するあり形状の嵌合溝が形成されているのに対し、引用発明は、そのような構成を有していない点。

(3)判断
以下、各相違点について検討する。
相違点1について
左右一対のケーシングを双眼鏡の幅方向に移動可能とすることは、上記周知例1にもあるように従来周知の技術事項であり、引用発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の構成を限定することは、当業者にとって容易である。

相違点2について
位置決めのために当接部を設けることは、引用例2、3、及び周知例2にあるように、きわめて普通のことであり、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の構成を限定することは、当業者にとって容易である。

相違点3について
位置決めのために一方部材に凸部を形成し、他方部材に該凸部に嵌合する嵌合部を形成することは、引用例2、3、及び周知例2にあるように、きわめて普通のことである。
また、外装ケースに形成された開口部の外周縁の少なくとも一箇所は開放した点については、発明の詳細な説明中でその技術的意義について明らかにしておらず、単にそのような構成を限定することは当業者にとって容易である。その技術的意義は必ずしも明確ではないが、組み立てを容易にするためだとしても、組み立てを容易とするために開口を大きく取り、組み立て後に別部材で塞ぐということも、当業者が必要に応じてなし得る設計事項である。
あり溝を用いて勘合することも、上記周知例3にもあるように従来周知の技術事項である。
コの字形状の開放側をあり溝形状を有する部材を用いて連結することも従来周知(例えば、実願平5-58315号(実開平7-23893号)のCD-ROM(図6、図7、及びその説明部分。)、特開平5-39604号公報(図1〜4、及びその説明部分。)、実願昭59-104461号(実開昭61-19338号)のマイクロフィルム(図11、図12、及びその説明部分。)等がある。)の技術事項であって、格別の構成ではない。
結局、引用発明において、上記相違点3に係る本願補正発明の構成を限定することは、当業者にとって容易である。

そして、本願補正発明の効果も、引用例1〜3に記載された発明、及び従来周知の技術事項から予測される範囲のもので格別のものとは言えない。

したがって、本願補正発明は、引用例1〜3に記載された発明、及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成17年2月28日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成16年11月2日付手続補正書の請求項1記載に記載された事項により特定されるものである。(上記、「2-1.(1)補正後の本願発明」参照。)

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1〜3、の記載事項は、前記「2-2.(1)」に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記「2-2.[理由1]、[理由2]」で述べたように、本願補正発明で限定した「外装ケース」と「別部材」との連結態様を限定を除き、「前記別部材の前記可動フレームへの固定により、前記外装ケースが前記可動フレームに固定されること」の構成を付加したものである。

二つの部材を固定する場合に、外側から、別部材を一方の部材に固定することにより、他方部材を挟み付けるように固定することは、部材の固定手段としては周知慣用の技術手段であり、上記の付加部分の構成は、当業者にとって格別困難性がある構成ではない。

そうすると、それ以外の本願発明構成については、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2-2.(3)」に記載したとおり、引用例1〜3に記載された発明、及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1〜3に記載された発明、及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1〜3に記載された発明、及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-04-20 
結審通知日 2006-04-21 
審決日 2006-05-08 
出願番号 特願平8-287529
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉川 陽吾  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 瀬川 勝久
井口 猶二
発明の名称 双眼鏡  
代理人 松岡 修平  

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