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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D |
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管理番号 | 1141174 |
審判番号 | 不服2004-20303 |
総通号数 | 81 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-06-17 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-09-30 |
確定日 | 2006-08-11 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第319242号「ロール紙用包装体」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 6月17日出願公開、特開平 9-156679〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本件発明 本件は、平成7年12月7日に出願されたものであって、その請求項1乃至2に係る発明は、平成16年8月23日付の手続補正書で補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至2に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に記載された発明は次のとおりのものである(以下「本件発明1」という。)。 【請求項1】ロール紙を収納するためのロール紙用包装体において、前記包装体の形状を三角柱とし、この三角柱の包装体の1辺に前記ロール紙を順次引き出すためのスリット状の開口を、前記三角柱の一辺に当たる位置に設け、複数個の前記包装体を前記開口が1ヶ所近辺に集中するように配置したことを特徴とするロール紙用包装体。 2.引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用され、本件の出願日より前に頒布された実願昭51-84068号(実開昭53-5243号)のマイクロフィルム(以下、引用例という)には、以下の事項が記載されている。 本考案は家庭に於て食料品の包装時に使用するプラスチツクスフイルム又はアルミシート等の収容ケースに係り、・・・長方形の底鈑(1)の長辺部に折目(2)(2)’を介して側鈑(3)(3)’を連成し、更に折目(4)(4)’を介して側鈑(3)(3)’より稍々短寸とした規制鈑(5)(5)’を連成すると共に底鈑(1)の短辺部には折目(6)(6)’を介して三角形状の側鈑(7)(7)’を連成し、・・・更に一方の規制鈑(3)の外側面に折目(4)に沿つて、該折目(4)を折曲時この折目(4)より僅かに上部に突出する状態で切断用刃体(16)を止着して基鈑(17)を形成し、而して、円筒状芯体(18)に所望のプラスチツクスフイルム等を巻回せしめて、これを底鈑(1)上に載置し、次で折目(4)(4)’を案内として規制鈑(5)(5)’を側鈑(3)(3)’内面に折曲重合して折目(2)(2)’を案内として折曲して折目(4)(4)’相互を接合させ・・・収容ケース(20)を構成して成るものである。尚、図中(21)(21)は折目(4)(4)’の中央に形設した案内用切欠を示す。(マイクロフィルム第1頁11行〜第2頁17行) 3.対比 本件発明1と、引用例に記載された発明(以下、引用発明という)とを対比する。 引用発明の「収容ケース」は、本件発明1の「包装体」に相当し、引用発明の「収容ケース」は三角形状の側鈑(7)(7)’側鈑(3)(3)’底鈑(1)によって、三角柱状となっている。また、引用発明の折曲時における折目(4)と折目(4)’の間が、プラスチツクスフイルムを引き出すためのスリット状開口となっていることは、折目近傍に 切断用刃体(16)が設けられることからみれば明らかである。 そして、引用発明の「プラスチツクスフイルム等を巻回」したものと、本件発明1の「ロール紙」は、ロール状物品である点で一致するものである。 よって、本件発明1と引用発明とは、 ロール状物品を収納するための包装体において、前記包装体の形状を三角柱とし、この三角柱の包装体の一辺に前記ロール状物品を順次引き出すためのスリット状の開口を、前記三角柱の一辺に当たる位置に設けたロール状物品用包装体。 で一致し、以下の点で相違している。<相違点1>包装体に収納されるロール状物品が、本件発明1では「ロール紙」であるのに対し、引用発明では「プラスチックフィルム等を巻回」したものである点。<相違点2>本件発明1では、複数個の包装体を開口が1ヶ所近辺に集中するように配置しているのに対し、引用発明では、複数個の包装体を開口が1ヶ所近辺に集中するように配置することについては記載されていない点。 4.当審の判断 <相違点1>について ロール紙を包装体に収納することは従来より周知のことであり(例えば、実願平3-57531号(実開平5-9958号)のCD-ROM、実願平4-9900号(実開平5-71130号)のCD-ROM等)、包装体に収納するロール状物品としてロール紙を採用することに困難性はない。 <相違点2>について 包装体を複数配置する際、その包装体の使い勝手を考慮して配置を行うことは、当業者であれば普通に行うことであり、内容物が使用される位置(本件であれば、プリント部)に近接させるために、その近傍に包装体の開口部を集中して配置させることは、当業者であれば格別の困難性なく想到し得ることである。 5.むすび したがって、本件発明1は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 以上のとおりであるので、本件は、請求項2に係る発明について検討するまでもなく、本件審判の請求は成り立たない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-06-05 |
結審通知日 | 2006-06-07 |
審決日 | 2006-06-26 |
出願番号 | 特願平7-319242 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B65D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石田 宏之 |
特許庁審判長 |
寺本 光生 |
特許庁審判官 |
宮崎 敏長 中西 一友 |
発明の名称 | ロール紙用包装体 |
代理人 | 小林 和憲 |