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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 C08L
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C08L
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 C08L
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 C08L
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 C08L
管理番号 1144308
審判番号 不服2004-26543  
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-09-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-28 
確定日 2006-10-16 
事件の表示 平成 9年特許願第 59771号「ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物及びそのマスターバッチ並びにポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 9月 8日出願公開、特開平10-237280、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 I.手続きの経緯
本願は、平成9年2月26日の出願であって、平成16年1月13日に審査請求がなされると共に手続補正書が提出され、平成16年5月24付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成16年8月2日に意見書及び手続補正書が提出され、平成16年8月18日付けで最後の拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成16年10月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成16年11月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年12月28日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成17年1月26日に手続補正書が提出されたものである。

II.平成17年1月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定
1.補正の却下の決定の結論
平成17年1月26日付けの手続補正を却下する。
2.補正の却下の決定の理由
〔1〕手続補正の内容
平成17年1月26日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)には、特許請求の範囲の記載について、補正前の請求項2に対応して、新たに請求項1及び請求項4を設ける事項を含むものであり、補正後の請求項4については、
「【請求項2】ポリエチレンテレフタレート系樹脂とニグロシンと繊維状補強材を有してなり、前記ニグロシンがC.I.Solvent Black5またはC.I.Solvent Black 7であり、前記ニグロシンの含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%であり、前記繊維状補強材の含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し10乃至60重量%であるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。」を
「【請求項4】ポリエチレンテレフタレート系樹脂と、ニグロシンと、充填剤または補強材を有してなり、前記ニグロシンがC.I.Solvent Black 5またはC.I.Solvent Black 7であり、前記ニグロシンの含有量は前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し0.01乃至3重量%であり、前記充填剤又は補強材として、繊維状補強材を、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂に対し10乃至60重量%含有するポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。」とするものである。
〔2〕本件手続補正の適否について検討する。
(1)本件手続補正においてする特許請求の範囲の補正において、補正前の請求項2に記載された事項と補正後の請求項4に記載された事項を対比すると、補正前の請求項2の記載である「繊維状補強材」を、「充填剤または補強材」と補正するものである。
しかしながら、「繊維状補強材」を、「充填剤または補強材」とする補正は、補強材の範囲を「繊維状」から他の形状のものにまで拡げるものであって、「繊維状補強材」を限定するものではない。
そうすると、「充填剤または補強材」という補正は、本件補正前の特許請求の範囲に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえない。
また、「充填剤または補強材」が実質的には「繊維状補強材」を示すものであり、補正前の請求項2の記載である「繊維状補強材」を拡げるものではないとしても、「繊維状補強材」はすでに補正後の請求項1に記載されているものであるから、補正後の請求項4は補正後の請求項1と同一のものとなる。そうすると、補正前の請求項2は、補正後の請求項1、4の2項に増加することになり、本件補正前の特許請求の範囲に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえない。
したがって、本件手続補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものではなく、また、同条同項の他の各号のいずれをも目的とするものではない。
〔3〕むすび
以上のとおり、本件手続補正は、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する

III.本願発明について
平成17年1月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜6に係る発明は、平成16年10月21日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定されたとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2006-09-21 
出願番号 特願平9-59771
審決分類 P 1 8・ 55- WY (C08L)
P 1 8・ 572- WY (C08L)
P 1 8・ 121- WY (C08L)
P 1 8・ 537- WY (C08L)
P 1 8・ 113- WY (C08L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 森川 聡  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 船岡 嘉彦
高原 慎太郎
発明の名称 ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物及びそのマスターバッチ並びにポリエチレンテレフタレート系樹脂の改質方法  
代理人 高良 尚志  

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