• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B29C
管理番号 1144797
異議申立番号 異議2001-71477  
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-05-18 
確定日 2006-08-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3116143号「シームレスベルト」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3116143号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 I.手続の経緯の概要
本件特許3116143号の請求項1,2に係る発明についての出願は、平成3年9月21日に特許出願され、平成12年10月6日にその発明について特許権の設定登録(平成12年12月11日特許公報発行)がなされ、その後、その特許について、異議申立人島田妙子により、平成13年5月18日付けで、また、異議申立人氏原さちにより、平成13年6月6日付けで特許異議の申立がなされ、取消理由の通知がなされ、その指定期間内である平成13年12月29日付けで意見書の提出とともに訂正請求がなされたものである。

II.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1に係る記載を、下記のように訂正する。
「【請求項1】ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲で、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあり、ベルトの表面粗さが2.0μ以下で、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであり、遠心成形前の前記ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpであることを特徴とするシームレスベルト。」
訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2に係る記載を削除する。
訂正事項c
明細書の段落番号【0005】の記載を、下記のように訂正する。
「【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の特徴とするところは、ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲で、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあり、ベルトの表面粗さが2.0μ以下で、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであり、遠心成形前の前記ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpである点にある。」
訂正事項d
明細書の段落番号【0006】の記載を、下記のように訂正する。
「【0006】
そして、こうすることにより、引張強度、熱収縮率及び耐屈曲数の値が、導電性微粉末を含有しない同一材料から構成された同一形状のシームレスベルトに比して、好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上の値を確保することも可能になる。」
訂正事項e
明細書の段落番号【0020】の記載を、下記のように訂正する。
「【0020】
こうして作製されたシームレスベルトは、ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cm、好ましくは、103〜1010Ω・cmであり、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあることが重要である。この際、体積電気抵抗値が上記範囲を越えると、好ましいシームレスベルトが得られない。更に、表面粗さは2.0μ以下、好ましくは、1.0μが望ましく、2.0μを越えると好ましい機能性ベルトが得られないこともある。」
訂正事項f
明細書に記載の表1において、実施例3の記載を削除する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

訂正事項aについて
訂正事項aは、特許請求の範囲の請求項1の構成に、明細書の【0006】、【0020】段落の記載に基づいてベルトの表面粗さ、引張強度についての限定を加入するとともに、請求項2に係る構成を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。
訂正事項bについて
訂正事項bは、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当する。
そして、訂正事項a、bは、いずれも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項cについて
訂正事項cは、特許請求の範囲の請求項1を訂正したことに対応して、整合性を図るために、明細書の【0005】段落の記載を訂正するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とした訂正に該当する。
訂正事項dについて
訂正事項dは、特許請求の範囲の請求項1を訂正したことに対応して、整合性を図るために、明細書の【0006】段落の記載を訂正するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とした訂正に該当する。
訂正事項eについて
訂正事項eは、特許請求の範囲の請求項1を訂正したことに対応して、整合性を図るために、明細書の【0020】段落の記載を訂正するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とした訂正に該当する。
訂正事項fについて
訂正事項fは、すでに段落【0028】の実施例3の記載が削除されていることに合わせて、明細書記載の表1の、実施例3に対応する部分の記載を削除するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とした訂正に該当する。

そして、上記訂正事項c〜fは、いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項の規定、及び第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第2項の規定に適合するので、該訂正を認める。

III.特許異議の申立の概要

1.本件特許異議申立人島田妙子は、甲第1号証ないし甲第5号証を提出して、概略本件請求項1及び2に係る発明は、本件特許出願前に頒布された甲第1号証ないし甲第5号証の刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるので、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
<証拠方法>
甲第1号証:特開昭63-311263号公報
甲第2号証:特開昭61-202811号公報
甲第3号証:特開平3-106616号公報
甲第4号証:特開昭62-157110号公報
甲第5号証:電子写真学会誌30巻3号(1991),318〜322ページ
甲第6号証:宇部興産(株)の製品カタログ「UVARNISH 耐熱被膜用ポリイミドワニス」2000-05

2.本件特許異議申立人氏原さちは、甲第1号証ないし甲第11号証を提出して、概略本件請求項1及び2に係る発明は、本件特許出願前に頒布された甲第1号証ないし甲第11号証の刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるので、特許法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
<証拠方法>
甲第1号証:特開昭56-164368号公報
甲第2号証:特開昭61-110144号公報
甲第3号証:特開昭61-110519号公報
甲第4号証:特開昭61-144658号公報
甲第5号証:特公昭55-18447号公報
甲第6号証:「電気学会 電気規格調査会標準規格 JEC-148 電気絶縁材料の絶縁抵抗試験方法通則」、電気学会 電気規格調査会、 昭和52年1月20日発行、7ページ
甲第7号証:特開昭63-311263号公報
甲第8号証:特開平3-89357号公報
甲第9号証:特開昭62-58509号公報
甲第10号証:特開平3-20763号公報
甲第11号証:特開昭53-96838号公報

IV.特許異議申立てについての判断
1.本件発明
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明」という)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲で、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあり、ベルトの表面粗さが2.0μ以下で、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであり、遠心成形前の前記ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpであることを特徴とするシームレスベルト。」

2.引用刊行物
当審は、本件の請求項1及び2に係る特許発明は、本件特許出願前に頒布された下記刊行物1ないし刊行物7に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨の取消理由を通知した。

刊行物1:特開昭56-164368号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開昭61-110144号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開昭61-110519号公報(甲第3号証)
刊行物4:特開昭61-144658号公報(甲第4号証)
刊行物5:特公昭55-18447号公報(甲第5号証)
刊行物6:特開平3-89357号公報(甲8第号証)
刊行物7:特開昭62-58509号公報(甲9第号証)
(甲号証の番号は、氏原さちによる異議申立書記載のもの)

2-1.当審が通知した、取消理由に引用した刊行物1(特開昭56-164368号公報:甲第1号証)には、図面とともに、「電荷保持体上のトナー像をトナー用中間転写体に転写し、しかる後トナー用中間転写体から複写材へ転写して永久像としてのトナー像を得る画像形成装置において、前記トナー用中間転写体の少なくともトナー像担持体面が導電性であることを特徴とするトナー用中間転写体。」(特許請求の範囲第1項)に関する発明が記載されている。
そして、発明の詳細な説明中には、この発明のトナー用中間転写体は、「無端状ベルトあるいはローラのいずれであってもよく、要はトナー担持面が導電性であればよい。このトナー担持面の電気抵抗は1010Ω・cm以下にすれば充分である。」(3ページ左下欄17〜20行)ことが記載され、実施例3として、「基体自身に導電性を与えた中間転写ベルトを構成した。基体は、重量比でポリイミドワニス3.5部、カーボンブラック1部及びN-メチルピロリドン7部を加え均一化し、これを遠心鋳造によって100℃加熱乾燥し厚み50μの中間転写ベルトとした。この基体上に実施例2と同じ転写層を同じ方法で設けた。表面の転写層の電気抵抗は107Ω・cmで、基体のそれは105Ω・cmであった」ことが記載されている(4ページ右下欄14行〜5ページ左上欄2行)。

2-2.刊行物2(特開昭61-110144号公報:甲第2号証)には、図面とともに、「導電性支持体上に誘電層を設けてなる静電記録体において、前記導電性支持体が、熱硬化性樹脂をバインダーとして導電性微粉末を分散した分散液を用いて遠心成形することにより形成されたシームレスベルトであることを特徴とする静電記録体。」(特許請求の範囲)に関する発明が記載されている。
刊行物2には、転写型静電記録装置の静電記録体について、「このような静電記録体は均一な膜厚を有するエンドレスベルト状のものであることが不可欠のものである」旨記載されているとともに(1ページ右下欄14〜16行)、刊行物2の実施例1には、静電記録体の導電性のシームレスベルトを製造する方法として、シリコーンゴムの硬化層が形成された円筒型の内面に、「東レ(株)製全芳香族ポリイミド系ワニス35gと東レ(株)製の上記ワニス用溶媒30gとの混合物中に日本イーシー社製ケッチエンブラックEC1.8gをボールミルを用いて分散した分散液を注入し、回転を1000r.p.mに上昇してから加熱し、…回転した。回転を停止し、シリコーンゴムの硬化層から剥離したポリイミド樹脂フィルムの円筒体を、外径120.4mmの円筒状のシリコーンドラムにはめ、300℃で30分加熱して硬化を完了させた。」(3ページ右上欄7〜18行)ことが記載されている。

2-3.刊行物3(特開昭61-110519号公報:甲第3号証)には、「熱硬化性樹脂溶液中に、微粉末を分散させた分散液を用いて遠心成形することにより一体成形されて成ることを特徴とする微粉末を含有するシームレスベルト。」(特許請求の範囲)に関する発明が記載されており、熱硬化性樹脂としてポリイミド樹脂が、また微粉末として、カーボンブラック、ケッチエンブラックなどの導電性微粉末があげられ、微粉末として導電性微粉末を選択すれば簡単にシームレスベルトに導電性を付与することができる旨記載されている(2ページ右上欄〜左下欄)。

2-4.刊行物4(特開昭61-144658号公報:甲第4号証)には、「導電性支持体上に、感光層を積層してなる電子写真感光体において導電性支持体が、熱硬化性樹脂をバインダーとして導電性微粉末を分散した分散液を用いて遠心成形することにより形成されたシームレスベルトであることを特徴とする電子写真感光体。」(特許請求の範囲)に関する発明が記載されており、熱硬化性樹脂として、ポリイミド樹脂が挙げられ、また導電性微粉末として、カーボンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられている(2ページ右上欄)。

2-5.刊行物5(特公昭55-18447号公報:甲第5号証)には、「反応させることにより固体の重合体組成物となる液状成分118重量部に対して、導電性ファーネスカーボンブラック0.5重量部以下を分散せしめた混合物に若干の添加物を混合して固化せしめてなる導電性重合体組成物。」(特許請求の範囲第1項)に関する発明が記載されており、重合体組成物としてポリイミド液状重合体組成物が例示されるとともに(2ページ4欄6〜13行)、試料A(本発明例)及び試料B(従来例)のカーボンブラック入りの導電性重合体組成物の体積抵抗値が、1.26×106Ωcm、2.72×1011Ωcmであったこと、またこれらの表面抵抗値は8.42×105Ω、1.51×1011Ωであったことが記載されている(3ページ6欄40〜44行)。
また、刊行物5には、従来技術に関して、重合体組成物に対して、多量のカーボンブラック粉末や可塑剤等、反応に何等関与しない成分を添加すると、当然に重合体組成物の物理的性能の低下を招来する旨記載されており(1ページ2欄33行〜2ページ3欄3行)、これに対して、少量のカーボンブラック粉末の添加で、物理的性能を低下させることなく、十分な導電性を重合体組成物に与える手段が開示されている。

2-6.刊行物6(特開平3-89357号公報:甲第8号証)には、「導電性カーボンを配合したポリカーボネートの継ぎ目のないチューブ状フィルムを軸方向と直角方向に所定長さに切断して得られ、フィルム各部の表面電気抵抗が105〜1013Ω/□の範囲にあり且つ表面電気抵抗の最大値に対する最小値の比が0.01以上の範囲にあることを特徴とする、継ぎ目のない半導電性ベルト。」(特許請求の範囲第1項)に関する発明が記載されている。この発明の半導電性ベルトは、押出し成形により形成され、好ましい表面電気抵抗の最大値に対する最小値の比は0.1以上であること(3ページ左下欄15〜16行)、この発明の方法により製造することにより、「表面電気抵抗値、体積電気抵抗値等のバラツキを少なくコントロールすることができ、かつ、…チューブ状フィルムの製造が可能となる。勿論電気抵抗値、表面精度、寸法精度等にこだわらない場合は、どのようにチューブ状にフィルム化しても自由であるが、複写機器等における映像機能性ベルト、メモリー機能、静電コントロール機能、搬送等に用いる場合は、上記各性能を供えることが望ましい場合が多い。」(4ページ左上欄6〜17行)ことが記載されている。

2-7.刊行物7(特開昭62-58509号公報:甲第9号証)には、抵抗値の均一な導電性プラスチックとして、「合成樹脂100重量部に対してカーボンブラック3乃至100重量部を添加した樹脂組成物を主成分とする導電性プラスチックフィルムであって、該フィルムの平均厚みが5μm以上であり、該フィルムの表面に沿った電気抵抗の測定から求めた平均体積抵抗値(VR)が103Ωcm以下、該体積抵抗値の偏差(3σR/VR)が10%以下であることを特徴とする導電性プラスチックフィルム。」(特許請求の範囲第1項)に関する発明が記載されている。合成樹脂としては、ボリエーテルイミド樹脂が例示されており(2ページ左下欄11〜12行)、またカーボンブラックとして、ファーネスブラック、ケッチエンブラック、アセチレンブラックが例示され、ケッチエンブラックが好ましいこと(2ページ左下欄15〜18行)が記載されている。

3.対比・判断
本件訂正発明を、刊行物1(特開昭56-164368号公報:甲第1号証)記載のものと比較する。
刊行物1記載の基体は、画像形成装置の中間転写ベルトに用いられるものであり、一方、本件訂正発明のシームレスベルトは、本件明細書の【0022】段落に、「本発明に係るシームレスベルトの用途としては、特に制限はないが、好ましくは複写機等の感光性ベルト(電子写真感光体)の基材、転写ベルト、定着ベルトやOA機器等各種プリンターの記録体ベルトの基材等、いわゆる機能性ベルトとして特に広範な利用が期待されている。」とあるように、複写機等のベルト基材に用いることができるものであるので、刊行物1の基体は、本件訂正発明のシームレスベルトに相当する。
そして、刊行物1の基体は、「重量比でポリイミドワニス3.5部、カーボンブラック1部及びN-メチルピロリドン7部を加え均一化し、これを遠心鋳造によって100℃加熱乾燥し」て作成したものであるが、ポリイミドワニスが、加熱によりポリイミド系樹脂を構成するものであり(例えば刊行物2参照)、カーボンブラックが、導電性の微粉末の一種であることは(例えば刊行物3,4参照)、当業者にとって明らかな事項である。
また、基体は、遠心鋳造によって作成されることから、単層でシームレスの無端ベルト状をしていることも明らかである(例えば刊行物2,3参照)。
また、刊行物1の基体の体積電気抵抗値は、105Ω・cmである。

なお、本件特許権者は、平成13年12月29日付け特許異議意見書において、本件訂正発明のシームレスベルトは、単層ベルトであるのに対し、刊行物1記載のものは、複層構造のベルトで相違する旨主張しているが、上述のように、刊行物1には、単層ベルトである基体が記載されているので、この主張は失当である。

そこで、両者は、次の一致点で一致し、相違点1ないし相違点4で相違する。

(一致点)
「ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲であることを特徴とするシームレスベルト。」

(相違点1)
本件訂正発明のシームレスベルトは、体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあるのに対し、刊行物1記載の基体は、体積電気抵抗値の範囲について明かでない点。

(相違点2)
本件訂正発明のシームレスベルトは、ベルトの表面粗さが2.0μ以下であるのに対し、刊行物1記載の基体は、表面粗さが明かでない点。

(相違点3)
本件訂正発明のシームレスベルトは、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであるのに対し、刊行物1記載の基体は、引張強度の程度について明かでない点。

(相違点4)
本件訂正発明は、遠心成形前のポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpであるのに対し、刊行物1記載のものは、遠心成形前のポリイミドワニスとカーボンブラックとからなる混合された液状原材料の粘度について明かでない点。

(相違点1についての判断)
刊行物6(特開平3-89357号公報:甲8第号証)には、導電性カーボンを含む樹脂からなる、半導電性のシームレスベルトについて、電気抵抗の変動が小さいことが好ましい旨記載されているとともに、表面電気抵抗及び体積電気抵抗のバラツキを小さくコントロールすることができる旨記載されており、さらに表面電気抵抗の最大値に対する最小値の比が0.1以上であるものが記載されている。
また、刊行物7(特開昭62-58509号公報:甲9第号証)には、導電性プラスチックシートについて、抵抗の均一さが要求されることが記載されているとともに、ポリエーテルイミド等のカーボンブラックを含む導電性プラスチックフィルムについて、平均体積抵抗値が103Ωcm以下、体積抵抗値の偏差が10%以下であるものが記載されている。
さらに、刊行物5には、ポリイミド液状重合体組成物等の重合体組成物にカーボンブラックを含有させて、抵抗値が108Ω以下の、シート等の導電性プラスチック製品を製造するにあたり、カーボンブラックを重合体組成物の液状成分中に均一に分散させる必要性について記載されており(3ページ5欄17〜19行)、そのための手段も記載されている。
したがって、導電性プラスチックにおいて、体積電気抵抗値のばらつきを小さくする必要のあることは刊行物5〜7に示すように周知であり、特に体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にしたものも刊行物7に記載されるように知られているので、相違点のように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。

(相違点2についての判断)
本件訂正発明のシームレスベルトは、その用途を特に制限されないものであるが、一般に、ベルトの表面粗さをどの程度にするかは、ベルトの用途等を勘案して、当業者が適宜決定する事項である。
そこで、その表面粗さの程度を2.0μ以下とすることは、当業者が用途に応じ適宜決定しえた程度の設計的事項にすぎず、その限定に格別なものは見出せない。

(相違点3についての判断)
基体の成分として、強度に寄与しない導電性微粉末を混合すれば、基体の強度が低下することは、例えば刊行物5にも記載されるように(記載2-5参照)、当業者が当然予測し得た事項であるから、その引張強度をどの程度のものとするかは、必要とされる基体の導電性の程度を勘案して、適宜設定し得た設計的事項である。

(相違点4についての判断)
遠心成形をおこなうにあたり、液状原材料の粘度をどの程度のものとするかは、使用装置、使用材料、成膜条件などを勘案して、当業者が適宜実験により、容易に決定しえた事項であるので、遠心成形前のポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度を50〜4000cpとした点に、格別の困難性は見いだせない。
すなわち、例えば、原材料の粘度が、水のようにあまりに低い場合、原材料が容易に流れてしまって、原材料を遠心成形のためのドラム内面に適切に塗布することができず、一方、蜂蜜やタールのように粘度が高すぎる場合も塗布が困難であるとともに、原材料の移動が妨げられ、膜厚が均一になり難いことは、当業者が容易に予測し得ることであるから、実験により、両極端を避けて、適当な粘度範囲を見いだすことは、格別の困難なく当業者がなし得る程度の事項である。
実際、50〜4000cpの粘度範囲は、コーン油程度の粘度から、シロップ程度の粘度の範囲をカバーするものであって、この粘度範囲には、ラッカーや、水性ペイント等の通常の塗料の粘度が入るものであることは広く知られており、かかる事情からも、遠心成形シリンダーにポリイミドワニスを塗布するにあたって、かかる粘度範囲が適当なことを当業者が見いだすことに、格別の困難性があったということはできない。

4.むすび
以上のとおりであるので、本件訂正発明は、刊行物1ないし刊行物7に記載されたものに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件訂正発明についての特許は、取り消されるべきものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年制令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
シームレスベルト
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲で、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあり、ベルトの表面粗さが2.0μ以下で、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであり、遠心成形前の前記ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpであることを特徴とするシームレスベルト。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、概ね均一な体積電気抵抗値を有するシームレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より導電性シームレス状のベルトは各種存在するが、これらはその電気抵抗値がバラツイていたり、また、機械的特性等の不十分なものが多々散見された。その原因は、導電性微粉末と各種有機高分子材料との混合が不十分でバラツイたりする他に、こうした導電性微粉末の添加により機械的特性が低下するためであった。
【0003】
また、従来よりこのようなシームレスベルトは押出成形法、遠心成形法等により作成されるが、押出成形法では概して厚み、電気抵抗値のバラツキ、機械的特性等が悪化する傾向にあり、遠心成形法では混合材料間の比重差による表面と内表面との電気抵抗値に差が生じる傾向にあるため、上記のような問題点が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するべく種々検討を繰り返し、少なくともベルトの各部における電気抵抗値のバラツキが少なく、且つ機械的特性物性等各種物性に優れたシームレスベルトの提供を可能にした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とを含有し、且つ遠心成形法により得られる単層シームレスベルトであって、該ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cmの範囲で、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあり、ベルトの表面粗さが2.0μ以下で、引張強度が導電性微粉末を含有しないシームレスベルトに比較して75%以上の値を有するものであり、遠心成形前の前記ポリイミド系樹脂と導電性微粉末とからなる混合された液状原材料の粘度が50〜4000cpである点にある。
【0006】
そして、こうすることにより、引張強度、熱収縮率及び耐屈曲数の値が、導電性微粉末を含有しない同一材料から構成された同一形状のシームレスベルトに比して、好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上の値を確保することも可能になる。
【0007】
次に課題を解決するための手段を詳述することにする。
本発明の有機高分子材料としては、熱可塑性ポリイミド系樹脂等の各種熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の熱硬化性ポリイミド系樹脂をあげることができるし、熱硬化性樹脂の前駆体も熱硬化性樹脂の範囲である。導電性微粉末としては、導電性、半導電性等の微粉末ならば特に制限はないが、ケッチェンブラック(コンタクティブファーネス系カーボンブラック)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、酸化第2錫、酸化インジウム、チタン酸カリウム等の導電性、半導電性のものを例示できる。その使用量は所定の電気抵抗値を得るだけ用いればよく、特に制限はないが通常では1〜30重量%程度を例示できる。
【0008】
就中、アセチレンブラックが比重1.82程度で有機高分子材料(その前駆体を含む。以下同じ)との相溶性に優れ、好適に用いられ、ケッチェンブラックも比重が1.95程度で好んで用いられる傾向にある。要するに有機高分子材料の比重に近似した比重を有する導電性微粉末を用いることが、電気抵抗値のバラツキを少なくする上にも望ましい。例えば有機高分子材料の比重の75〜125%程度の比重を有する導電性微粉末を用いることが好ましい。
【0009】
こうした有機高分子材料中に導電性微粉末を混合させた原材料は、例えば、溶媒等を加えて分散させてなる液状原材料を用いて、遠心成形等を行うことにより本発明は達せられる。この際、有機高分子材料に導電性微粉末を溶媒を加えて分散させる方法は適宜でよいが、例えばボールミル、サンドミル、超音波分散等による方法をあげることができる。
【0010】
前述した溶媒としては、有機高分子材料を溶解するものならばなんでもよく、特に制限はないが、通常はN-Nジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホシキド、N-メチル-2ピルリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ピリジン、ジメチルスルホン等の有機極性溶媒の他に、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジオキサン、トルエン等の各種有機溶剤を例示できる。
【0011】
更に、有機高分子材料中に導電性微粉末を分散させてなる原材料を用い、遠心成形を行って本発明は達成される。この際、有機高分子材料と導電性微粉末を直接分散させる方法は適宜でよいが、物理的、機械的に有機高分子材料と導電性微粉末とを混合する、例えばメカノフュージョン、ハイブリダイゼーション等の方法を単独で、もしくは例えば、ボールミル、サンドミル、超音波分散等の方法と併せて使用することもできる(この際、必要ならば適宜の溶媒を混合してもよい)。こうして混合された原材料を円筒状シリンダー内に塗布し易くするために前記同様の溶媒に溶解せしめて用いてもよくて、若干湿り気を与え飛散を防止してもよく、そこのところは使用し易いようにすればよい。
【0012】
より効果的な混合方法としては、例えばアクアマイザー(細川ミクロン社製)にて混合撹拌を行う方法を例示でき、上記アクアマイザーとはバッチ型の湿式媒体撹拌粉砕機でタンク内に原料(有機高分子材料と導電性微粉末を含む液状原材料)を直径数ミリ程度のボールと共に充填し、撹拌ローターで強制的に撹拌、粉砕を行う方法で、原料スラリーはボール相互の衝突による衝撃力、剪断力、摩砕力によって、例えば、原料と導電性微粉末が微粉化され均一分散される。
【0013】
この際、混合された液状原材料(原料スラリー)の粘度は、電気抵抗値のバラツキがより少ないベルトを得るために重要であり、その値としては、50〜4000cp、好ましくは100〜500cpの粘度を例示でき、こうするためにアクアマイザーのボール径を1〜10mm、好ましくは2〜7mm程度にするとよい。
【0014】
有機高分子材料と導電性微粉末とを混合するに際し、必要に応じて相溶化剤を添加することは差し支えない。その添加量も特に制限はないが、通常では0.1〜5重量%程度を例示できる。また相溶化剤としても特に制限はないが、チタネート系カップリング剤、ノニオン系界面活性剤等を例示できる。
【0015】
以上に記したごとく、本発明に係るシームレスベルトは、有機高分子材料と導電性微粉末とを混合してなる原材料のみから作成されていてもよく、その原材料中に必要ならば適宜の第三成分が添加されていてもよく、このような態様も本発明に包含されることは勿論である。
【0016】
遠心成形法とは、周知のように、前記原材料を筒状シリンダーの内面に塗布し、筒状シリンダーを回転させてその遠心力により筒状の樹脂シート、即ちシームレスベルトを得ようとするもので、この際、シリンダーの回転回数は適宜でよく、特に制限はないが、好ましくは500〜1500rpm、更に好ましくは800〜1000rpmを例示できる。以下にその具体例を記載する。
【0017】
図1、図2に示すように、筒状シリンダー内面に必要ならばフッ素系、シリコン系等の離型材を塗布した後、例えば溶媒に溶かした原材料を塗布装置11より供給し、随時シリンダー1の内面に塗布する。この時、シリンダー1をゆっくり回転させることにより均一な塗布状態となり易い。次いで、シリンダー1を高速回転すると共に加熱器8により、所定温度に加熱し、溶媒を除去すると共に樹脂をヒートセットせしめ、円筒状成形物、即ち筒状体を得る。次いで冷却せしめ、筒状シリンダー1から筒状体を取り出すことにより、本発明に係るシームレスベルトが作成されるのである。この際、塗布装置11は12から液状原材料を供給し、スリット15より原材料をシリンダー内面に塗布すべく、塗布装置11は図3に示すように、シリンダー1内に挿入でき、且つシリンダー内で内面に接近できるような構造となっている。以上は遠心成形装置の一例であり、本発明は上記装置に制限を受けるものではないことは勿論である。
【0018】
例えば、図4、図5に示すような装置によっても作成可能である。この装置では筒状シリンダー1は駆動回転ロール対16,16上に配置されており、抑えロール群17により安定回転できるようになっている。8は加熱器であり、18は遠赤外線ヒーター等の補助ヒーターである。筒状シリンダー1は回転ロール16,16上に乗っている構成で左右にぶれないように図示は省略するが適宜の構成を有している。筒状シリンダー1の内面に下剤料原液を塗布するには、例えば図2、図3に示すような方法によればよいが、スクレーパー等で塗布してもよく、当方法については特に制限はない。
【0019】
こうして作製されたシームレスベルトは、ベルトの各部における体積電気抵抗値が1〜1013Ω・cm、好ましくは、103〜1010Ω・cmであり、且つ体積電気抵抗値の最大値が最小値の1〜10倍の範囲にあることが重要である。この際、体積電気抵抗値が上記範囲を越えると、好ましいシームレスベルトが得られない。更に、表面粗さは2.0μ以下、好ましくは、1.0μが望ましく、2.0μを越えると好ましい機能性ベルトが得られないこともある。
【0020】
こうした電気抵抗値を得るためには、有機高分子材料中に導電性粉末を分散させた原材料の作り方、遠心成形法における円筒シリンダーの表面状態、シリンダー回転速度、その他の要素が密接にからんでいる場合が多い。
【0021】
本発明に係るシームレスベルトの用途としては特に制限はないが、好ましくは複写機等の感光性ベルト(電子写真感光体)の基材、転写ベルト、定着ベルトやOA機器等各種プリンターの記録体ベルトの基材等、いわゆる機能性ベルトとして特に広範な利用が期待されている。
【0022】
このような機能性ベルトとして用いられる際に、本発明のものは表面から電荷をかけて内表面にアースを取ることが可能で、装置そのもののコンパクト化を可能にするし、また内表面から電荷をかけることも可能で、多様性をいかんなく発揮するものである。
【0023】
以上は本発明の好ましい実施態様を系統的に述べたままで、本発明はかかる記載に拘束されないことは勿論である。
【0024】
【実施例】
次に本発明の実施例を述べることにする。
実施例1
ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸600gにN-Nジメチルアセトアミド(以下「DMAC」という)600gを加え、ポリアミック酸溶液の粘度を150cpに調整し、この溶液にアセチレンブラック7.2gを加え、アクアマイザー(細川ミクロン社製)を用いて混合撹拌し原料スラリーを得た。この時の混合条件はアルミナボール直径5mmのものを全量4Kgになる数だけ使用し、回転速度200rpm、処理時間30分、スラリーの粘度は約200cpであった。
【0025】
かかる原液36gを取り、図4、図5に示す遠心成形装置を用いてシームレス状のポリアミック酸フィルムを得た。この際の条件は、温度を徐々に上昇せしめ120℃×30分でシリンダー回転数は1000rpmであった。こうして得られたポリアミック酸フィルムを最終温度400℃×10分熱風乾燥機中に入れてイミド化反応を完結させ、径100mm、幅300mm、厚さ50μの導電性シームレスベルトを得た。
【0026】
実施例2
実施例1と同様に調整したポリアミック酸溶液にケッチェンブラックEC13.5gを加え、実施例1と同じ装置、同じ条件で混合撹拌を行い粘度約300cpの原材料原液を得た。この原液22gを取り、実施例1と同じ条件で遠心成形、熱処理を行い、径72mm、幅300mm、厚さ40μの導電性シームレスベルトを得た。
【0027】
比較例
アセチレンブラックを添加しない以外はすべて実施例1と同じ方法で、実施例1と同寸法のシームレスベルトを得た。
【0028】
以上の結果を表1に記載する。ここで引張強度はJIS-K7113に準拠、伸度はJIS-K7113に準拠し、耐屈曲回数はJIS-P8115(MIT耐揉疲労試験機)に準拠して測定した。この結果からも本発明のものは格別の硬化がうかがえる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上の通りであり、本発明によるシームレスベルトは、電気抵抗値のバラツキが少ない上に機械的特性が優れた好適なものであり、複写機の機能性ベルトでは精密な画像が得られるのを始め、各種の用途に幅広い需要が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
遠心成形装置の要部の一例を示す正面断面図である。
【図2】
その原液塗布装置の1例を示す断面図である。
【図3】
遠心成形装置の一例を示す斜視図である。
【図4】
遠心成形装置の要部の他の例を示す側面断面図である。
【図5】
その正面の断面図である。
【符号の説明】
1 筒状シリンダー
8 加熱器
11 塗布装置
【表1】

 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-03-17 
出願番号 特願平3-315560
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (B29C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 菅野 あつ子永安 真  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 山崎 豊
杉原 進
登録日 2000-10-06 
登録番号 特許第3116143号(P3116143)
権利者 グンゼ株式会社
発明の名称 シームレスベルト  
代理人 草野 浩一  
代理人 草野 浩一  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ