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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1146232
審判番号 不服2004-9811  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-08-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-11 
確定日 2006-11-02 
事件の表示 平成 8年特許願第 26434号「半導体電子部品の製造方法およびウエハ」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 8月19日出願公開、特開平 9-219421〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯の概要
本願は、平成8年2月14日の出願であって、平成15年2月4日付けで審査請求に合わせて手続補正書が提出され、平成16年1月14日付けで拒絶理由が通知され、平成16年4月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成16年5月11日に審判請求がなされるとともに、平成16年6月7日付けで手続補正書が提出され、平成16年8月30日付けで前置報告がなされ、平成18年4月28日付けで審尋がなされ、これに対して回答がなされず、その後、平成18年8月4日付けで上申書が提出されたものである。

II.平成16年6月7日付け手続補正書による補正の却下の決定
(II-1)結論
平成16年6月7日付け手続補正書による補正を却下する。
(II-2)理由
(a)補正の内容
本補正は、平成15年2月4日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲を、本手続補正書による補正後の請求項1〜5のとおりに補正することを含む補正であるところ、請求項1については次のとおりである。
「【請求項1】前工程にて回路を形成したウエハに対し、ウエハ配線上の電極形成箇所に電極を形成し、前記電極が形成されたウエハの表面に、前記電極間を埋める有機材料をモールドまたはコーティングし、前記電極の先端部を研磨またはエッチングの表面処理を施して第1層の電極と成し、前記表面処理を施した第1層の電極の先端部にバンプを形成し、リフローにより該バンプを均一化した形状の第2層の電極と成し、前記ウエハをチップ毎にダイシングしてチップサイズパッケージを得る半導体電子部品の製造方法。」
を、
「【請求項1】前工程にて回路を形成したウエハに対し、ウエハ配線上の電極形成箇所に電極を形成し、前記電極が形成されたウエハの表面に、前記電極間を埋める有機材料をモールドまたはコーティングし、ウエハ状態で前記電極の先端部に研磨またはエッチングの表面処理を施してはんだに濡れ易い表面を持つ第1層の電極と成し、前記表面処理を施した第1層の電極の先端部にウエハ状態でバンプを形成し、リフローにより該バンプを均一化した形状の第2層の電極と成し、前記各工程終了後に前記ウエハをチップ毎にダイシングしてチップサイズパッケージを得る半導体電子部品の製造方法。」
と補正する。
(以下、補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明を「補正発明1」という。)

(b)判断
(b-1)補正の目的
請求項1についての上記補正は、補正前の請求項1に記載された半導体電子部品の製造方法を、「研磨またはエッチング」、「第1層の電極」、「バンプを形成」する点、及び「ダイシング」の各点につき特定して、半導体電子部品の製造方法を限定する補正であって、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的にするものといえる。
以下、請求項1に係る発明の独立特許要件について検討する。

(b-2)引用例及びその記載事実
(1)引用例1:特開昭56-167350号公報(昭和56年12月23日公開)
(1-1)「(1)Alパッド上にバンプを形成してなるICの製法に於いて、前記バンプを形成後ウエハーの素子形成面上を樹脂膜にてコートする工程と、前記バンプ表面上の樹脂膜を除去する工程と、前記ウエハーを個々のICチップに分離するダイシング工程を有することを特徴とするICの製造方法。」(特許請求の範囲(1))
(1-2)「第1図から第4図に於いて、1はICウエハーであり、ストリートライン2により仕切られた複数個のICチップ3が形成されている。4はAuバンプで、ICチップ3の外部接続用パッド41のAl膜上に形成されたものである。・・・・
本発明はこの現象をも防止するために樹脂膜5をバンピング完了したICウエハー1の全面にスピンナー等で塗布する。その後露光、現像等によりバンプ4の表面と、ストリートライン2の表面上の樹脂を除去し、ダイシング、ボンディングに支障をきたさないようにしてある。」(第2頁左下欄第2〜6行、15〜20行)
(1-3)「本発明によると、樹脂膜5はスピンナー等の装置で簡単に塗布でき、ウエハー状態で同時処理できるため、従来のごとくボンディング後1つ1つ個々にモールドする必要がなく、短時間で工数も少なく処理できると同時に、実装工程の早い時点でICチップ表面を保護するため一連の実装工程での取り扱いによるキズから守り歩留り向上に役立つ。さらに信頼性をそこなわずにAuバンプの大きさを小さくし、Auの消費量を半減でき、しかもICを保護するための樹脂封止用の装置及び、作業も不必要になり、薄くて安価なIC実装が可能になった。」(第2頁右下欄第11行〜第3頁左上欄第2行)

(2)引用例2:特開平7-254654号公報(平成7年10月3日公開)
(2-1)「【請求項1】ベアチップ(12)の電極パッド(12a)上に樹脂封止部(15)の厚さより高く複数の第1のバンプ(17)を形成する工程と、
該複数の第1のバンプ(17)に金型(24a,24b)を当接させ該複数の第1のバンプ(17)の頂部を押しつぶした状態で樹脂による封止を行い、頂部が押しつぶされた複数の第1のバンプ(18)の上面(18a)が露出した樹脂封止部(15)を形成する工程と、
該複数の第1のバンプ(18)のそれぞれの上面(18a)上に第2のバンプ(14,14a,14b,14c)を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。」(請求項1)
(2-2)先行技術について、以下の記載がある、
「この半導体装置は、ベアチップの電極パッドよりバンプを表出させてその周囲に封止部を形成したものである。そして、この半導体装置の製造方法として、図12に示す工程が考えられる。
まず、ベアチップ12の電極パッド12a上に金バンプ13を設け、これらをモールド樹脂で封止し、封止部15を形成する(図12(A))。この後、封止部15の上部分および金バンプ13の上部を機械的に切断もしくは機械的に研磨する(図12(B))。この結果、金バンプ13の上面が封止部15から露出する(図12(C))。次に、この金バンプ13の露出面に、スタンドオフとなる半田バンプ14を形成する(図12(D))。この結果、半田バンプ14を表出させてベアチップ12を封止した半導体装置11が製造される。」(段落【0009】〜【0010】)
そして、上記図12(D)(第8頁)では、金バンプ13の露出面に、スタンドオフとなる半田バンプ14を形成し、半田バンプ14を表出させてベアチップ12を封止した半導体装置11が読み取れる。
(2-3)「3段重ねの金バンプ18の側面は封止部15で囲まれるが、3段重ねの金バンプ18の上面18aは、封止部15から露出する(図1(H))。そして、全ての金バンプ18の上面18aは、封止部15の上面15aと同じである。
続いて、3段重ねの金バンプ18の露出面18a上に、第2のバンプである半田バンプ14を形成する(図1(I))。このように形成された半導体装置11は基板への実装時にテープ21より分離されるものである。」(段落【0028】〜【0029】)
なお、原文中【0029】の「図1(H)」は前後の記載からみて、上記摘記のとおり「図1(I)」の誤記と認める。
(2-4)「3段重ねの金バンプ18は、封止部15の厚さH2を薄く形成できる場合に、1段の金バンプでもよい。」(段落【0030】)
(2-5)「図5(A),図6(A)に示すように、封止部15に囲まれた3段重ねの金バンプ18(又は銅パンプ)上に半田ペースト30を印刷若しくは塗布し、又は半田球31を載置し、半田融点以上の温度で加熱することにより、図5(B)及び図6(B)に示すように半田の表面張力により3段重ねの金バンプ18(銅パンプ)上に半田バンプ14が該封止部15の表面より突出されて形成される。」(段落【0036】)
そして、上記図5(A)(第6頁)及び図6(A)(第7頁)では、融点以上の加熱により、丸くドーム型に形成された半田バンプ14が読み取れる。

(b-3)対比・判断
(i)引用例1には、Alパッド上にバンプを形成してなるICの製法に於いて、バンプを形成後ウエハーの素子形成面上を樹脂膜にてコートすること(摘記1-1)が記載され、詳細には、第1図から第4図において、1はICウエハーであり、ストリートライン2により仕切られた複数個のICチップ3が形成されていること、及び、樹脂膜5をバンピング完了したICウエハー1の全面にスピンナー等で塗布すること(摘記1-2)が記載されている。
したがって、引用例1には、前工程にてICチップを形成したウエハに対し、ウエハ上にバンプを形成し、前記バンプが形成されたウエハの表面に、前記バンプ間を埋める樹脂をコーティングすることが記載されているといえる。
(ii)引用例1には、上記樹脂膜にてコートする工程の後に、バンプ表面上の樹脂膜を除去する工程を有すること(摘記1-1)が記載され、詳細には、露光、現像等によりバンプ4の表面と、ストリートライン2の表面上の樹脂を除去し、ダイシング、ボンディングに支障をきたさないようにすること(摘記1-2)、及び、4はAuバンプで、ICチップ3の外部接続用パッド41のAl膜上に形成されたものであること(摘記1-2)が記載されている。
したがって、引用例1には、ウエハ状態で前記バンプ表面上の樹脂膜を露光、現像等により除去して第1層の電極と成すことが記載されているといえる。
(iii)引用例1には、上記の樹脂膜を除去する工程の後に、ウエハーを個々のICチップに分離するダイシング工程を有すること(摘記1-1)が記載されている。
したがって、引用例1には、各工程終了後にウエハをチップ毎にダイシングする半導体電子部品の製造方法が記載されているといえる。

以上のとおりであるから、引用例1には、
「前工程にてICチップを形成したウエハに対し、ウエハ上にバンプを形成し、前記バンプが形成されたウエハの表面に、前記バンプ間を埋める樹脂をコーティングし、ウエハ状態で前記バンプ表面上の樹脂膜を除去して第1層の電極と成し、前記各工程終了後に前記ウエハをチップ毎にダイシングしてなる半導体電子部品の製造方法。」
の発明が記載されているといえる。(以後、「引用発明」という。)

そこで、補正発明1と引用発明とを対比すると、引用発明で「ウエハに形成したICチップ」は集積回路を意味するから補正発明1の「回路」に相当するといえ、引用発明の「バンプ」は補正発明1の「電極」に相当し、また、そのバンプはウエハ配線上のバンプ形成箇所に形成されるものといえ、引用発明の「樹脂」は補正発明1の「有機材料」であるといえる。また、バンプ表面上の樹脂を除去するので(摘記1-1、1-2)、バンプの先端部は表面処理を施すものといえる。さらに、補正発明1の「モールドまたはコーティング」ではモールドとコーティングとは選択的事項である。
してみれば、補正発明1は、引用発明と、
「前工程にて回路を形成したウエハに対し、ウエハ配線上の電極形成箇所に電極を形成し、前記電極が形成されたウエハの表面に、前記電極間を埋める有機材料をコーティングし、ウエハ状態で前記電極の先端部に表面処理を施して第1層の電極と成し、前記各工程終了後に前記ウエハをチップ毎にダイシングしてなる半導体電子部品の製造方法。」
の点で一致し、そして、
(イ)補正発明1では、電極の先端部の表面処理を「研磨またはエッチング」で行なうものであるのに対して、引用発明では当該表面処理手段の特定がなされていない点、
(ロ)補正発明1では、第1層の電極について「はんだに濡れ易い表面を持つ」と、電極の表面性状の特定されているところ、引用発明では当該表面性状に係る特定がなされていない点、
(ハ)補正発明1では、「第1層の電極の先端部にウエハ状態でバンプを形成し、リフローにより該バンプを均一化した形状の第2層の電極と成し」て、第2層の電極を付加しているところ、引用発明では当該第2層の電極を付加していない点、及び、
(ニ)補正発明1では、半導体電子部品につき、「チップサイズパッケージ」であるとの特定がなされているところ、引用発明では当該特定がなされていない点、
の各点で相違している。

そこで、これら相違点について、以下検討する。
相違点(イ)について
引用発明における樹脂膜の除去手段としては、引用例1には「露光、現像等」(摘記1-2)が記載されているところ、露光と現像以外の具体的手段の記載は見当たらない。これについて検討すると、引用例2には、バンプを露出させる際にモールド樹脂を研磨すること(摘記1-2)が記載されており、してみれば、引用発明における樹脂膜の除去手段として研磨を採用し、上記表面処理手段とすることに、格別の困難性があるとはいえない。
したがって、相違点(イ)は、引用例2の記載に基いて、当業者が容易になし得たことである。

相違点(ロ)について
引用例1には、Auバンプ4の表面と、ストリートライン2の表面上の樹脂を除去し、ボンディングに支障をきたさないようにすること(摘記1-2)が記載されており、また、Auは半田との濡れ性が良いことは周知の事項である。してみれば、引用例1に記載された上記樹脂の除去は、はんだとの濡れ性を向上させるものといえる。
したがって、相違点(ロ)は、引用発明との実質的な相違点を構成するものとはいえない。

相違点(ハ)について
引用例2には、先行技術について、バンプをモールド樹脂で封止し、この後、バンプの上部を研磨してバンプの上面を露出させ、続いて、バンプの露出面に、スタンドオフとなる半田バンプを最上層に形成することが記載されている(摘記2-2)。また、同引用例2には、樹脂封止された3段重ねの金バンプの露出面上に、第2のバンプである半田バンプを最上層に形成すること(摘記2-3)、及び、3段重ねの金バンプは1段の金バンプでもよいこと(摘記2-4)が記載されている。そして、このような最上層のバンプを、これと同様に樹脂で埋められた引用発明の「第1層の電極」上に形成することは、接合の容易性を図る等のため、当業者が容易に想到できたことと認められる。
また、同引用例2には、上記最上層の半田バンプを形成するに際して、半田球を載置し、半田融点以上の温度に加熱すること、及び、それにより、半田の表面張力により半田バンプが封止部の表面より突出されて形成されること(摘記2-5)が記載されており、そして、図5(A)及び図6(A)(摘記2-5)では、融点以上の加熱により、丸くドーム型に形成された半田バンプ14が図示されている。そして、この半田の融点以上の加熱処理はリフロー処理といえ、また、その結果形成される上記ドーム型形状は、半田バンプが均一化した形状になったものといえる。
してみれば、上記のとおり「第1層の電極」上に形成した最上層のバンプに対してリフローを行い、これを均一化した形状のものとすることは、当業者が容易に想到できたことと認められる。
以上のとおりであるから、相違点(ハ)は、引用例2の記載に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。

相違点(ニ)について
引用例2の先行技術の説明には、ベアチップを封止した半導体装置が記載されており(摘記2-2、図12(D))、また、金バンプの露出面上に、第2のバンプである半田バンプを形成し、そして、このように形成された半導体装置は基板への実装時にテープより分離されること(摘記2-3、図1(I))が記載されているところ、上記半導体装置は、その説明及び図面からみて、チップサイズパッケージといえる。また、上記記載に基いて、引用発明をチップサイズパッケージに適用することに、格別の困難性があるとも認められない。
また、引用発明は、半導体電子部品の製造方法に係る発明であるところ、引用例1には、当該引用発明を、周知の半導体電子部品であるチップサイズパッケージに対して適用できない旨の特段の記載は見当たらず、よって、引用発明を、チップサイズパッケージに適用することに、格別の困難性があるとはいえない。
以上のとおりであるから、相違点(ニ)は、引用例1、2の記載に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。

以上のとおり、相違点(イ)〜(ニ)は、引用発明との実質的な相違点を構成しないもの、又は引用例1、2の記載から当業者が容易に想到し得たことである。また、引用例1には、樹脂膜は簡単に塗布でき、ウエハー状態で同時処理できるため、従来のごとくボンディング後1つ1つ個々にモールドする必要がなく、短時間で工数も少なく処理できること(摘記1-3)が記載されており、そうすると、ウエハ単位でモールド工程を経ることによりTATの短縮および工程の削除を図ることができる(段落【0010】参照)との補正発明1の効果は格別のものとはいえず、その他、補正発明1の効果は、当業者が予期し得なかったほど顕著であると認めることはできない。
以上のとおりであるから、補正発明1は、引用例1及び2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明である。

(b-4)補正についての結論
上記のとおりであるから、補正発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものとはいえず、したがって、補正発明1についての上記補正を含む本補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

III.本願発明について
(III-1)本願発明
平成16年6月7日付けの手続補正書による補正は、上記II欄に記載したとおり却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、上記補正前の、平成15年2月4日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1については次のとおりである。(以下「本願発明1」という。)
「【請求項1】前工程にて回路を形成したウエハに対し、ウエハ配線上の電極形成箇所に電極を形成し、前記電極が形成されたウエハの表面に、前記電極間を埋める有機材料をモールドまたはコーティングし、前記電極の先端部を研磨またはエッチングの表面処理を施して第1層の電極と成し、前記表面処理を施した第1層の電極の先端部にバンプを形成し、リフローにより該バンプを均一化した形状の第2層の電極と成し、前記ウエハをチップ毎にダイシングしてチップサイズパッケージを得る半導体電子部品の製造方法。」

(III-2)原査定で引用された刊行物、及びその記載事実
(1)引用例1:特開昭56-167350号公報(原査定の引用文献1)
(2)引用例2:特開平7-254654号公報(原査定の引用文献2)
原査定で引用された刊行物である上記引用例1及び2は、上記「(b-2)引用例及びその記載事実」欄の引用例1及び2に対応し、その記載事実は同欄に摘記したとおりである。

(III-3)対比・判断
本願発明1について
補正発明1は、「研磨またはエッチング」、「第1層の電極」、「バンプを形成」する点、及び「ダイシング」の各点につき特定して、本願発明1を減縮した発明であるところ、本願発明1は、これら減縮された点に係る特定がない点で、補正発明1に比較して更に広い範囲を包含する発明である。
したがって、本願発明1は、上記II欄で補正発明1について記載したと同様、引用例1及び2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明であるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

IV.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-08-31 
結審通知日 2006-09-05 
審決日 2006-09-20 
出願番号 特願平8-26434
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 市川 篤  
特許庁審判長 池田 正人
特許庁審判官
川真田 秀男
大嶋 洋一
発明の名称 半導体電子部品の製造方法およびウエハ  
代理人 筒井 大和  

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