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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F04B
管理番号 1146356
審判番号 不服2004-14362  
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-11-04 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-07-08 
確定日 2006-11-02 
事件の表示 平成 8年特許願第101192号「水道管直結用ブースタポンプ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年11月 4日出願公開、特開平 9-287573〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 [1]手続の経緯
本件出願は、平成8年4月23日の出願であって、平成16年5月31日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされ(平成16年6月8日発送)、これに対し、平成16年7月8日に拒絶査定に対する審判が請求されるとともに平成16年8月2日付けの手続補正により明細書の補正がなされたものである。

[2]平成16年8月2日付けの手続補正についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
平成16年8月2日付けの手続補正を却下する。
〔理 由〕
1.補正の内容、及び補正の目的
上記手続補正は、次の内容を含むものである。
請求の範囲の請求項1を、
「【請求項1】基台に、2台の電動ポンプが設けられているとともにアキュムレータおよび制御盤が設置され、上記ポンプはそれぞれの吐出側が吐出合流管に連結されており、上記アキュムレータはこの吐出合流管に接続されているとともに、上記吐出合流管に圧力センサおよび流量センサが取付けられ、上記圧力センサにて検出した吐出合流管内の圧力が所定値以下の場合に制御盤により上記2台のポンプを単独または並列運転し、かつ流量センサが上記吐出合流管内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御盤により上記ポンプを停止するようにした受水槽用自動給水ポンプ装置と;
上記各ポンプのそれぞれ吸込み側に接続されるとともに、一端または他端が水道管に連結されるヘッダーと;
上記ヘッダーと吐出合流管との間に設けられ、ヘッダーから吐出合流管へ水の流れを許す逆止め弁と;
を具備していることを特徴とする水道管直結用ブースタポンプ装置。」
から、
「【請求項1】基台に、2台の電動ポンプ42,42が設けられているとともにアキュムレータ48および制御盤49が設置され、上記ポンプ42,42はそれぞれ吐出側が仕切弁15,15を介して吐出合流管44に連結されており、上記アキュムレータ48はこの吐出合流管44に接続されているとともに、上記吐出合流管44に圧力センサ47および流量センサが取付けられ、上記圧力センサ47にて検出した吐出合流管内の圧力が所定の圧力値以下の場合に制御盤49により上記2台のポンプ42,42を単独または並列運転し、かつ流量センサが上記吐出合流管内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御盤49により上記ポンプ42,42を停止するようにした自動給水ポンプ装置10と;
上記各ポンプ42,42のそれぞれ吸込み側に仕切り弁12,12を介して接続されるとともに、一端または他端が水道管に直接連結されるヘッダー11と;
上記ヘッダー11と吐出合流管44との間に設けられ、ヘッダー11から吐出合流管44へ水の流れを許す逆止め弁14をその中間に設けたバイパス管13と;
を具備していることを特徴とする水道管直結用ブースタポンプ装置。」に補正する。(なお、「仕切り弁12,12」は、原文では「仕切12,12」と記載されているが、明細書中の記載と、技術内容から看て、「仕切12,12」は「仕切り弁12,12」の誤記であることは明らかである。また下線は補正箇所を明示するために当審で付した。)

上記補正は、「受水槽用自動給水ポンプ装置」を「自動給水ポンプ装置10」として誤記の訂正を目的とするとともに、「ヘッダーから吐出合流管へ水の流れを許す逆止め弁」を「ヘッダー11から吐出合流管44へ水の流れを許す逆止め弁14をその中間に設けたバイパス管13」と限定するものであって、特許請求の範囲を減縮することを目的とするものと認められる。

2.独立特許要件について
平成16年8月2日付けの手続補正書による手続補正は、以下の理由により特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反している。

(1)補正された請求項1に係る発明
平成16年8月2日付けの手続補正書によって補正された、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)は次のとおりである。
「基台に、2台の電動ポンプ42,42が設けられているとともにアキュムレータ48および制御盤49が設置され、上記ポンプ42,42はそれぞれ吐出側が仕切弁15,15を介して吐出合流管44に連結されており、上記アキュムレータ48はこの吐出合流管44に接続されているとともに、上記吐出合流管44に圧力センサ47および流量センサが取付けられ、上記圧力センサ47にて検出した吐出合流管内の圧力が所定の圧力値以下の場合に制御盤49により上記2台のポンプ42,42を単独または並列運転し、かつ流量センサが上記吐出合流管内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御盤49により上記ポンプ42,42を停止するようにした自動給水ポンプ装置10と;
上記各ポンプ42,42のそれぞれ吸込み側に仕切り弁12,12を介して接続されるとともに、一端または他端が水道管に直接連結されるヘッダー11と;
上記ヘッダー11と吐出合流管44との間に設けられ、ヘッダー11から吐出合流管44へ水の流れを許す逆止め弁14をその中間に設けたバイパス管13と;
を具備していることを特徴とする水道管直結用ブースタポンプ装置。」

(2)本願出願前公知の刊行物、及びその記載事項
刊行物1:特公平6-102909号公報
刊行物2:特開平5-240186号公報

・刊行物1の記載事項
a.「【0001】【産業上の利用分野】本発明は配水管の水を端末給水栓に自動的に給水する自動給水システムに関する。」(なお、下線は引用箇所の理解のために当審で付した。以下同様。)
b.「【0009】図1において、符号1は元圧(静水圧)がかかっている水源であり、この水源1には配水管2が接続され、この配水管2からは中高層の建築物3の各階に設けられた末端給水栓STVへ給水するための給水管4が分岐している。【0010】給水管4には電動ポンプMP1,MP2…MPnが配設され、この電動ポンプMP1,MP2…MPnの吸水側には吸水側集合管5が取り付けられ、吐出側には吐出側集合管6が取り付けられている。吸水側集合管5と吐出側集合管6とはバイパス管7によって連通されており、バイパス管7、吸水側集合管5には逆止弁CHV0,CHV1,CHV2…CHVnが配設されている。吸水側集合管5より上流側の給水管4には配水管2の元圧を検知する元圧センサPS1と二重逆止弁DCHVが配設されている。また吐出側集合管6より下流側の給水管4には水が流れているか(末端給水栓STVが使用されているかどうか)を検知する流量スイッチFS、電動ポンプMP1,MP2…MPnによって吐出される水の圧力を検知する吐出圧センサPS2、水の圧力変動を低減させる圧力タンクTが配設されている。【0011】元圧センサPS1によって検知された元圧、流量スイッチFSによって検知された流量および吐出圧センサPS2によって検知された吐出圧は信号として判定器8に入力され、判定器8によって判断された条件によっては運転台数制御器9へ駆動信号が出力されるともに、PIコントローラ10へ前記吐出圧の信号が入力される。PIコントローラ10では、電動ポンプMP1,MP2…MPnが一定吐出圧で運転されるように、設定した目標値PdCと吐出圧センサPS2で検出した吐出圧Pd間の偏差信号を比例および積分制御する。ここで、判定器8およびPIコントローラ10は制御手段12を構成している。【0012】PIコントローラ10から出力された信号に基づいてVVVFインバータ11はV/F変換電力を運転台数制御器9に供給する。運転台数制御器9は電動ポンプMP1,MP2…MPnの先発,次発,後続発といった順序を指定して駆動させる。電動ポンプMP1,MP2…MPnは吐出圧を一定に保持するためにVVVFインバータ11から供給されるV/F変換電力によって可変速で運転される。ここで、VVVFインバータ11および運転台数制御器9は駆動手段13を構成している。」
c.「【0015】次に末端給水栓STVを1個でも開くと、圧力タンクTから給水され、吐出圧力値Pdは次第に低下する。吐出圧設定目標値PdCより低圧に設定された起動圧力設定値PdSまで低下すると、吐出圧力センサPS2の信号は判定器8を経て運転台数制御器9に入力される(ステップS5)。運転台数制御器9は電動ポンプMP1,MP2,…MPnに先発,次発,後続発の順序を指定する(ステップS6)。【0016】圧力センサPS2の信号は判定器8で偏差信号となり、PIコントローラ10にも入力される。PIコントローラ10の制御信号(比例及び積分)をVVVFインバータ11に入力する(ステップS7)。VVVFインバータ11は、V/F変換電力を運転台数制御器9の指定にする指定電動ポンプ(先発)に供給される(ステップS8)。【0017】電動ポンプはV/F変換電力が供給され、吐出圧設定目標値Pdcに保持するために可変速度で運転される。使用している末端給水栓STVが増加すると、先発の電動ポンプMP1は、吐出圧目標値維持能力の限界に達してこの吐出圧設定目標値から低下し始める。吐出圧センサPS2によって吐出圧設定目標値維持が困難であると判定されると(ステップS9)、この吐出圧の信号Pdに基づいて同様にして次発の電動ポンプMP2を運転する。さらに、使用している末端給水栓STVが増加すると、逐次後続の電動ポンプMP3〜nを追加運転する。このときの電動ポンプMP1,MP2…MPnの吐出量に対する吐出圧の関係は図3に示す通りとなる。次に、前記末端給水栓STVの数が減少し始めると、逆の順序をたどり、逐次後続発の電動ポンプから停止させる。最後に残った先発機は流量スイッチFSの休止信号により休止する。・・・」

上記記載a〜cを図1、2の記載とともに看ると、刊行物1には、
「複数の電動ポンプMP1,MP2…MPnが設けられているとともに圧力タンクTおよび制御手段12、駆動手段13が設置され、上記電動ポンプMP1,MP2…MPnはそれぞれ吐出側が直接に吐出側集合管6に連結されており、上記圧力タンクTはこの吐出側集合管6に接続されているとともに、上記吐出側集合管6に吐出圧センサPS2および流量スイッチFSが取付けられ、上記吐出圧センサPS2にて検出した吐出側集合管6の圧力が所定の圧力値以下の場合に制御手段12、駆動手段13により上記複数の電動ポンプMP1,MP2…MPnを単独または並列運転し、かつ流量スイッチFSが上記吐出側集合管6内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御手段12、駆動手段13により上記電動ポンプMP1,MP2…MPnを停止するようにした自動給水システムと;
上記各電動ポンプMP1,MP2…MPnのそれぞれ吸込み側に逆止弁CHV1,CHV2…CHVnを介して接続されるとともに、一端が給水管4に直接連結される吸水側集合管5と;
上記吸水側集合管5と吐出側集合管6との間に設けられ、吸水側集合管5から吐出側集合管6へ水の流れを許す逆止弁CHV0をその中間に設けたバイパス管7と;
を具備している水道管直結用自動給水システム。」の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という)が記載されているものと認められる。

・刊行物2の記載事項
d.「【0023】図2は本実施例の給液装置の構成を示す。図1と同じ符号で示すものは同じものであるから説明を省く。6は汚染防止の逆止め弁(逆流防止)、7はポンプ吸い込み側の本管圧力を検出するための第2の圧力センサ、同じく、18は送水管側の圧力を検出するための第1の圧力センサ、8、9、16、17はそれぞれ仕切り弁、14、15は逆止め弁、8、9(10、11の誤記である:当審注)はそれぞれ電動機12、13によって駆動されるポンプ、19は内部に空気留りを有する圧力タンク、23、24は少水量使用状態を検出するための流量スイッチである。」
上記記載dを図2とともに看れば、刊行物2には、「ポンプ10、11の吐出側を仕切り弁16、17を介して送水管側に連結し、吸込み側を仕切り弁8、9を介し接続」する技術が記載されているものと認められる。

(3)補正発明の進歩性の判断
刊行物1記載の発明と補正発明とを対比すると、構成、機能から看て、刊行物1記載の発明の「電動ポンプMP1,MP2…MPn」は補正発明の「電動ポンプ42,42」、「ポンプ42,42」に相当する。同様に、「圧力タンクT」は「アキュムレータ48」に、「制御手段12、駆動手段13」は「制御盤49」に、「吐出側集合管6」は「吐出合流管44」に、「吐出圧センサPS2」は「圧力センサ47」に、「流量スイッチFS」は「流量センサ」に、「自動給水システム」は「自動給水ポンプ装置10」、「ブースタポンプ装置」に、「一端が給水管4」は「一端または他端が水道管」に、「吸水側集合管5」は「ヘッダー11」に、「逆止弁CHV0」は「逆止め弁14」に、「バイパス管7」は「バイパス管13」に相当する。
したがって、補正発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、補正発明と刊行物1記載の発明とは、「電動ポンプが設けられているとともにアキュムレータおよび制御盤が設置され、上記ポンプはそれぞれ吐出側が吐出合流管に連結されており、上記アキュムレータはこの吐出合流管に接続されているとともに、上記吐出合流管に圧力センサおよび流量センサが取付けられ、上記圧力センサにて検出した吐出合流管の圧力が所定の圧力値以下の場合に制御盤により上記ポンプを単独または並列運転し、かつ流量センサが上記吐出合流管内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御盤により上記ポンプを停止するようにした自動給水ポンプ装置と;
上記各ポンプのそれぞれ吸込み側に接続されるとともに、一端または他端が水道管に直接連結されるヘッダーと;
上記ヘッダーと吐出合流管との間に設けられ、ヘッダーから吐出合流管へ水の流れを許す逆止め弁をその中間に設けたバイパス管と;
を具備している水道管直結用ブースタポンプ装置。」の点で一致し、次の点で相違する。

a.相違点1
補正発明では、「基台に、2台の」電動ポンプが設けられているとともにアキュムレータおよび制御盤が設置されているのに対し、刊行物1記載の発明では、「複数の」電動ポンプが設けられているとともにアキュムレータおよび制御盤が設置されている点。
b.相違点2
補正発明では、ポンプはそれぞれ吐出側が「仕切弁15,15を介して」吐出合流管に連結されるのに対し、刊行物1記載の発明では、ポンプはそれぞれ吐出側が直接に吐出合流管に連結される点。
c.相違点3
ヘッダーに関し、補正発明では、ポンプのそれぞれ吸込み側に「仕切り弁12,12を介して」接続されるのに対し、刊行物1記載の発明では、ポンプのそれぞれ吸込み側に「逆止弁CHV1,CHV2…CHVnを介して」接続される点。

・相違点の検討、及び判断
a.相違点1について
「複数の」電動ポンプを組み合わせることに、2台の電動ポンプを組み合わせることが含まれることは、ポンプの技術分野において明らかである。
また、基台に、2台の電動ポンプを設けるとともにアキュムレータおよび制御盤を設置することは、慣用手段である(例えば、特開平3-168385号公報、及び特開平3-281999号公報の第1図に関する記載参照)。
したがって、刊行物1記載の発明に、上記慣用手段を適用して、相違点1に関して補正発明のように構成することは、当業者が設計において適宜行うことである。

b.相違点2、3について
刊行物2には、「ポンプ10、11のそれぞれ吐出側を仕切り弁16、17を介して送水管側に連結し、それぞれ吸込み側を仕切り弁8、9を介し接続」する技術が記載されている。
また、保守点検等の便を考慮して、ポンプの吸込み側や吐出側の適宜箇所に仕切り弁を設けることは、当業者が設計において普通に行うことである。
したがって、刊行物1記載の発明に、刊行物2記載の技術を適用して、相違点2、3に関して補正発明のように構成することは、当業者が設計において適宜行うことである。

また、補正発明によってもたらされる効果も、刊行物1記載の発明、刊行物2記載の技術、及び上記慣用手段から予測し得る程度のものである。

以上のとおりであるから、本件の補正発明は出願前に頒布された刊行物1記載の発明、刊行物2記載の技術、及び上記慣用手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本件の補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

(4)まとめ
したがって、平成16年8月2日付けの手続補正は、特許法第17条の2第5項で準用する、同法第126条第5項の規定に違反している。
よって、この補正は、同法第159条第1項の規定で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

[3]本願発明について
(1)平成16年8月2日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件出願の発明は、その補正前の明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に記載された発明は次のとおりのものである(以下、この発明を単に「本願発明」という。)。
「【請求項1】基台に、2台の電動ポンプが設けられているとともにアキュムレータおよび制御盤が設置され、上記ポンプはそれぞれの吐出側が吐出合流管に連結されており、上記アキュムレータはこの吐出合流管に接続されているとともに、上記吐出合流管に圧力センサおよび流量センサが取付けられ、上記圧力センサにて検出した吐出合流管内の圧力が所定値以下の場合に制御盤により上記2台のポンプを単独または並列運転し、かつ流量センサが上記吐出合流管内の流量が所定の流量以下であることを検出した場合に上記制御盤により上記ポンプを停止するようにした受水槽用自動給水ポンプ装置と;
上記各ポンプのそれぞれ吸込み側に接続されるとともに、一端または他端が水道管に連結されるヘッダーと;
上記ヘッダーと吐出合流管との間に設けられ、ヘッダーから吐出合流管へ水の流れを許す逆止め弁と;
を具備していることを特徴とする水道管直結用ブースタポンプ装置。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物(特公平6-102909号公報、特開平5-240186号公報)、及び、その記載事項は、前記[2]2.(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、前記[2]2.で検討した補正発明の「ヘッダー11から吐出合流管44へ水の流れを許す逆止め弁14をその中間に設けたバイパス管13」の事項を「ヘッダーから吐出合流管へ水の流れを許す逆止め弁」と拡張したものに相当する。
そうすると、本願発明を特定する事項をすべて含み、さらに本願発明を減縮したものに相当する補正発明が、前記[2]2.(2)、(3)に記載したとおり、刊行物1記載の発明、刊行物2記載の技術、及び上記慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1記載の発明、刊行物2記載の技術、及び上記慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1記載の発明、刊行物2記載の技術、及び上記慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。

(なお、ポンプ吐出側の逆止弁45,45を特許請求の範囲の請求項1に追加したとしても、ポンプ吐出側に逆止弁を設けることは周知(例えば、刊行物2の逆止め弁14、15参照)にすぎず、結論が変わるものではない。)
 
審理終結日 2006-08-30 
結審通知日 2006-09-05 
審決日 2006-09-20 
出願番号 特願平8-101192
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中野 宏和亀田 貴志上田 真誠  
特許庁審判長 大橋 康史
特許庁審判官 飯塚 直樹
清水 富夫
発明の名称 水道管直結用ブースタポンプ装置  
代理人 中村 誠  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 村松 貞男  
代理人 橋本 良郎  
代理人 河野 哲  

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