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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1147677
審判番号 不服2004-7072  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-01-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-08 
確定日 2006-11-24 
事件の表示 平成 7年特許願第170972号「電子部品自動装着装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 1月21日出願公開、特開平 9- 23088〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯と本願発明
本願は、平成7年7月6日の出願であって、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成16年2月16日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲における請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明は、以下に記載された事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】 電子部品を供給する部品供給ユニットを複数配設する供給台が該ユニットの配設方向に基台上を移動し、所定の位置に位置決めされた所望のユニットより取出ノズルが前記部品を取り出し、該ノズルをその周縁部に配設するロータリテーブルの回転により前記部品が搬送され、プリント基板に装着される電子部品自動装着装置において、前記部品供給ユニット毎に設けられた該ユニット毎の部品切れまたは異常の状態を前記部品供給ユニット毎に表示可能な表示部材と、前記基台に設けられ前記供給台の移動途中で任意のユニットに対応する前記表示部材に部品切れまたは異常の状態の表示を実行させる作動部材とを備えたことを特徴とする電子部品自動装着装置。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶理由において引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平6-283891号公報(以下、「引用文献」という。)には、「電子部品実装機」に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。
(あ)「上記部品切れ表示ユニットを用いた本発明の電子部品実装機は、電子部品実装機の部品供給ユニット上の電子部品が部品切れを起こすことを予告する手段と、部品切れが発生したことを判断する手段と、これらを表示する装置を装備した電子部品供給ユニットを特徴とする。」(【0010】)
(い)「ステップ#101でパーツカセットで部品切れまたは部品切れ予告が発生したことを電子部品実装機本体の記憶内容で判断する。このためには予め電子部品を設置する際に設置された搭載数を電子部品実装機本体に記憶させておき、この電子部品を使用する度に減算していくことによる部品切れ予告、あるいは部品切れの判別や、予め設定された数だけ連続で部品を取り出すことができなかったことを検出することによる部品切れの判別などの方法がある。・・・部品供給部上で部品切れ灯301または部品切れ予告灯302の点灯を行っているパーツカセットを見つけることにより・・・」(【0012】)
(う)図3には部品切れ灯301を具備するパーツカセットが図示されている。
(え)図4には、パーツカセット405を備えた、電子部品実装装置が図示されている。
(お)また、(い)で摘記した部品切れ又は部品切れ予告が発生したパーツカセットを判別して、部品切れ灯301又は部品切れ予告灯の点灯を行うために、電子部品実装機本体内にコンピュータ等の制御機器が配置されていることは、自明な事項である。

以上を総合すると、引用文献には、「パーツカセット405毎に設けられた該パーツカセット毎の部品切れ状態を前記パーツカセット405毎に表示可能な部品切れ灯301と、電子部品実装機本体に設けられ任意のパーツカセット405に対応する前記部品切れ灯301に部品切れ状態の表示を実行させるコンピュータ等の制御機器とを備えた電子部品実装機。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

3.発明の対比
本願発明と引用発明を対比するに、引用発明の「パーツカセット405」、「部品切れ灯301」、「電子部品実装機本体」、「コンピュータ等の制御機器」、「電子部品実装機」は、本願発明の「部品供給ユニット」、「表示部材」、「基台」、「作動部材」、「電子部品自動装着装置」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は以下のとおり認定できる。

[一致点]
部品供給ユニット毎に設けられた該ユニット毎の部品切れ状態を前記部品ユニット毎に表示可能な表示部材と、基台に設けられ任意のユニットに対応する前記表示部材に部品切れ状態の表示を実行させる作動部材とを備えた電子部品自動装着装置。
「相違点1」
電子部品自動装着装置の形式が、本願発明では「電子部品を供給する部品供給ユニットを複数配設する供給台が該ユニットの配設方向に基台上を移動し、所定の位置に位置決めされた所望のユニットより取出ノズルが前記部品を取り出し、該ノズルをその周縁部に配設するロータリテーブルの回転により前記部品が搬送され、プリント基板に装着される電子部品自動装着装置」と特定されているのに対し、引用発明では、その形式が不明な点。

「相違点2」
部品切れ表示を実行させる時期が、本願発明では「供給台の移動途中」と特定しているのに対し、引用発明ではその時期が不明である点。

4.当審の判断
以下、各相違点 につき検討する。
「相違点1」
「電子部品を供給する部品供給ユニットを複数配設する供給台が該ユニットの配設方向に基台上を移動し、所定の位置に位置決めされた所望のユニットより取出ノズルが前記部品を取り出し、該ノズルをその周縁部に配設するロータリテーブルの回転により前記部品が搬送され、プリント基板に装着される電子部品自動装着装置」という形式の電子部品自動装着装置は、例を提示するまでもなく、従来より広く用いられている周知の形式の電子部品自動装着装置であり、相違点1に係る本願発明の構成は、単に電子部品自動装着装置の形式を周知の形式に特定したものにすぎず、当業者が、容易に想到し得た事項である。
「相違点2」
電子部品実装装置のオペレーターが部品切れが発生した部品供給ユニットを交換するのは 、当該部品供給ユニットを配設する供給台が部品供給ユニット交換位置への移動を完了した後であるから、部品切れ表示の実行を当該供給台が待機位置へ向けての移動を開始してから移動を完了するまでのいずれのタイミングにおいて行っても、オペレータへ部品切れを報知するという点において、格別な差異はなく、部品切れ表示を実行させる時期を「供給台の移動途中」とした点は、当業者が、適宜、選択すべき設計的事項である。
そして、相違点1,2に係る構成を併せ備える本願発明により得られる効果について検討しても、引用発明及び前記周知の技術手段から、当業者であれば、予測できる程度のものであって、格別なものとはいえない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び周知の技術手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-25 
結審通知日 2006-09-26 
審決日 2006-10-11 
出願番号 特願平7-170972
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 永安 真  
特許庁審判長 前田 仁
特許庁審判官 鈴木 久雄
平瀬 知明
発明の名称 電子部品自動装着装置  
代理人 相澤 清隆  

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