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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H05K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1147845
審判番号 不服2004-2447  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2003-02-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-02-06 
確定日 2006-11-30 
事件の表示 特願2002- 48026「実装構造体の製造方法および実装構造体」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 2月21日出願公開、特開2003- 51671〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本願は、平成14年2月25日(優先権主張平成13年6月1日)の出願であって、原審において、平成15年12月25日付けで拒絶査定がなされたが、これを不服として、平成16年2月6日付けで本件審判請求がなされるとともに手続補正がなされ、さらに補正できる期間内である同年3月8日付けで手続補正がなされたものである。

【2】平成16年3月8日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年3月8日付けの手続補正を却下する。

[補正却下の決定の理由]
1.手続補正後の請求項1
平成16年3月8日付けの手続補正(以下、「本件手続補正」という。)は、明細書の特許請求の範囲の請求項1及び4を補正しようとするものであり、そのうち請求項1について以下のように補正しようとするものである。
「プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体を製造する実装構造体の製造方法において、
前記プリント基板にSn-Zn系合金からなるはんだペーストを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、
前記プリント基板上に付着された前記はんだペーストを加熱溶融する加熱工程と、
前記加熱工程により加熱溶融された前記はんだペーストについて、溶融状態から凝固に至るまでを1.5℃/秒以上3.3℃/秒以下の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る実装構造体の製造方法。」

2.補正の適法性についての判断
上記請求項1に係る補正は、はんだペーストの溶融状態から凝固に至るまでの冷却速度について、「1.5℃/秒以上」に加えて「3.3℃/秒以下」と限定する記載を付加する補正事項を含むものであるが、当該補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という)に記載も示唆もされていなかった事項である。
当初明細書等には、特許請求の範囲請求項1における「はんだペーストを溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する」との記載、発明の詳細な説明における「加熱工程により加熱溶融されたはんだペーストを1.5℃/秒以上の冷却速度をもって急速に冷却、凝固させることにより、前述の低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制され、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。」(段落[0023])、及び「本実施形態に係るリフロー処理では、冷却速度である冷却曲線の勾配が、従来のリフロー処理による冷却曲線の勾配に比較して急峻とされており、従来に比して2倍弱?3倍程度の冷却速度をもって急速に冷却、凝固を行っている。このため、PCB3に実装される電子部品のリードのメッキ膜からPbが拡散し、このメッキ膜のPbとはんだペーストのSn-Zn-BiとによるSn-Zn-PbやSn-Pb-Biがランドとはんだとの界面に偏析する前に、はんだペーストを均一な組成のまま凝固させることが可能となる。」(段落[0053])との記載があり、これら当初明細書等の記載からは、「低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制」されるように、はんだペーストの冷却速度を「1.5℃/秒以上」に限定することは読み取れるが、「3.3℃/秒以下」という数値限定はもちろん、はんだペーストの冷却速度が所定の上限値以下とされるべき旨の記載も示唆も読み取れない。

請求人は、審判請求の理由において、上記補正事項の補正の根拠について、「『210℃(温度x3)以上まで加熱』という記載と、『一般的な電子部品は、耐熱温度が約230℃程度である』という記載とを総合すると、温度x3の上限は230℃であることが記載されています。また、『190℃(温度x2)以下まで』という記載と、Sn-8Zn-3Biの場合に固相線が187℃であるとの記載とを総合すると、温度x2の下限が187℃であることが記載されています。したがって、温度x3の上限値である230℃と温度x2の下限値である187℃との間の差分43℃が、温度差の上限値であることが記載されています。」とした上で、「この温度差の上限値43℃に対応した冷却速度は、3.3℃/秒(=43℃÷13秒)です。すなわち、出願当初の明細書および図面の記載の全体からみて、冷却速度の上限の境界値が3.3℃/秒であることが記載されています。」と主張している。
しかしながら、仮に請求人が主張するように、はんだペーストが溶融状態から凝固に至るまでの温度差の上限値が43℃であったとしても、はんだペーストが溶融状態から凝固に至るまでの時間Tが13秒以上でなければならない理由は見あたらないから、冷却速度が3.3℃/秒(=43℃÷13秒)以下でなければならない理由もまた見あたらない。
当初明細書等には、「PCB3上の溶融状態のはんだペーストは、温度x3まで加熱された後、搬送機構11によって更に搬送されて、冷却部13の冷却ファン18によりおよそ190℃(温度x2)以下まで13秒程度(冷却時間T)で冷却される。このとき、冷却部13は、PCB3上のはんだペーストを、1.5℃/秒以上の冷却速度をもって冷却して凝固させる。」(段落[0050])と記載されているように、はんだペーストが1.5℃/秒以上の冷却速度となるように、冷却時間Tを「13秒程度」として冷却ファンなどの冷却部を設計していることが示唆されているにすぎず、冷却時間Tが13秒ないしは13秒以上でなければならない技術的理由は、なんら示されていない。よって、上記請求人の主張には根拠がない。

したがって、平成16年3月8日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲には、当初明細書等に記載も示唆もされていなかった新規な事項である上記補正事項が記載されているから、当該補正事項を含む上記補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、平成14年改正前特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、平成14年改正前特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本件手続補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する、同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

【3】本願発明について
1.本願発明
平成16年3月8日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の各請求項に係る発明は、同年2月6日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の各請求項に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明は次のとおりのものである。
「プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体を製造する実装構造体の製造方法において、
前記プリント基板にSn-Zn系合金からなるはんだペーストを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、
前記プリント基板上に付着された前記はんだペーストを加熱溶融する加熱工程と、
前記加熱工程により加熱溶融された前記はんだペーストを溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る実装構造体の製造方法。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用例とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本件特許出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開2001-7507号公報(以下、「引用例1」という。)には、「リフロー装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
(イ)「【請求項1】 プリント配線板に電子部品をハンダ接続するハンダを加熱する加熱部とハンダを冷却する冷却部とを有するリフロー装置において、
前記冷却部におけるプリント配線板の搬送路に対向して表面が赤外線吸収部材より成る冷却パネルを設けたことを特徴とするリフロー装置。」(特許請求の範囲請求項1)
(ロ)「【0014】プリント配線板4は具体的には厚み約1.8mm、縦の長さ約30cm、横幅約30cmであって、複数の電子部品を搭載されている。このプリント配線板4が加熱部2前方の搬入口22から搬入され、そして搬送機5によって加熱部2を搬送中にプリント配線板4と搭載された電子部品とを加熱機22で約230度C以上に加熱する。従ってプリント配線板4の回路パターン部に塗布されたハンダが溶融され、この溶融ハンダが回路パターン部と電子部品のリード端子を被覆する。その後、プリント配線板4は冷却部3に搬送される。そして冷却部3を搬送中にプリント配線板4を介して上下2段に設けられた熱交換機7がプリント配線板4からの輻射熱を吸収する。また送風機6で冷却部3内の空気を強制的に対流させ冷却効果を高めている。この送風機6は約80度Cから約120度の空気を風速1m/分にて送風している。」(段落[0014])
(ハ)「【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のようなリフロー装置は、加熱溶融されたハンダの冷却速度を早めて溶融ハンダを完全に冷却し固まらせた後にリフロー装置から搬出することができる。尚且つハンダの結晶粒を微細にし粘り強くすることで回路パターン部とリード端子との接合信頼性を高めることができる。」(段落[0022])

上記記載事項から、引用例1には、「プリント配線板に電子部品がハンダ付けされて実装されたプリント配線板の製造方法において、
前記プリント配線板にハンダを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、
前記プリント配線板上に付着された前記ハンダを加熱溶融する加熱工程と、
前記加熱工程により加熱溶融された前記ハンダを溶融状態から強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る実装されたプリント配線板の製造方法。」の発明(以下、「引用発明」という)が開示されていると認めることができる。

(2)同じく引用された、本件特許出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開平11-354919号公報(以下、「引用例2」という。)には、「電子回路基板の製造方法」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
(ニ)「【請求項2】Biを含有するPbフリーはんだを用いて電子部品と回路基板とを接続する電子回路基板の製造方法であって、該はんだの液相線温度近傍から固相線温度近傍までを約10?20℃/sの冷却速度で冷却して該電子部品と該回路基板と接続したことを特徴とする電子回路基板の製造方法。」(特許請求の範囲請求項2)
(ホ)「【従来の技術】PbフリーのBi系はんだを通常のフロープロセスではんだ付けすると、基板のCuランド部とはんだとが剥離する(リフトオフと呼ばれている)ことが知られている。また、リフトオフはSn-Bi系はんだのBiの偏析により生じることが知られている(菅沼:回路実装学術講演大会講演論文集、p67、H10.3.24)。」(段落[0002])
(ヘ)「【0019】図2(c)に示すように、リフトオフの発生要因としては、基板の厚さ方向の熱膨張係数の差がリード(ピン)に比べ著しく大きいことから、拘束の始まるはんだの固相線温度から室温までの温度差が大きいために起きる場合(1)と、冷却時にはんだ凝固の時間差で起きる場合((2-1):部品側は金属であるため、図中で示したようにフィレット先端部で先に凝固して、凝固しない部分を引っ張る形になる。この間基板の収縮に伴い、ランド部が容易に剥離する)と、Biがランド部に集まる場合((2-2):生成物(Bi)が形成される場合と生成物(Bi)が形成されなくても、Biの影響で強度低下を起こす場合)とがある。なお、2-1)は液相線と固相線との温度差と凝固プロセスに起因し、2-2)はBiの偏析に起因するものである(後述する図4にこれらの関係を示す)。」(段落[0019])
(ト)「【0022】図1はSn-3AgはんだにBi量を0,2,4,7,10,15%添加したときのBi量とリフトオフの剥離部の長さ(き裂長さ)の関係を示したものである。
【0023】通常のフローソルダリングにおける冷却速度である1℃/s(黒丸印)程度ではすべての組成でリフトオフを発生していることが分かった。
【0024】次に、冷却速度を大きく変えるため、水(室温)および湯中(100℃)で試みた。水及び湯では5?40℃/sの範囲で変えることができた。この実験により、冷却速度が10?20℃/sの湯冷(黒四角印)ではリフトオフがなく、かつ外観(クラックが発生しないこと)も優れていることがわかった。また、冷却速度が約40℃/s(黒三角印)の水冷では、リフトオフは起こらないが外観上は、湯冷ほど良好ではないことが分かった。すなわち、冷却速度が40℃/sでは、冷却速度が速すぎることからクラックを発生するものがあり、実用的ではないことが分かった。
【0025】なお、冷却速度を速めるほどBiの偏析は防止できた。
【0026】以上のように、リフトオフの一要因と考えられるBiの偏析を抑制するには、冷却速度を速めた方が良いが、はんだのクラックを抑制するには冷却速度は約40℃/sよりも遅い方が良いことが分かった。特に10?20℃/sの冷却速度が良いことが分かった。また、急冷することではんだ凝固の部分的な時間差がなくなることから、図2に示した2の要因を解決できることが分かった。」(段落[0022]?[0026])
(チ)「一方、Biが少ない組成、例えば2%前後では冷却速度が10℃/s以下でもほぼ良好な結果が得られた。即ち、Biが少ない組成は固相線温度が高く、液相線と固相線との温度差も少なく、かつ、接合界面の強度も高い。このため、リフトオフが起こりにくい状況下にあるので、冷却速度は5℃/s前後でも可能である。これより、リフトオフは液相線と固相線との温度差と、冷却速度と、界面の強度の相互関係に依存しており、当然、組成にも影響してくることが分かった。」(段落[0029])
(リ)「【0031】一方、Biがこの変曲点以下の場合、即ち比較的に融点の高いはんだの場合、均一なBi相は界面で観察されない。しかし、Biの少ないはんだでも、最終凝固のランド界面では、凝固のプロセスとしてBiを界面に偏析する程の量は無いが、Biが界面近傍に集まってくることは予想される。この結果として、図4のBiが0?変曲点における強度低下の原因として関係してくる。
【0032】この範囲ではBiが増すと、直線的に強度低下を示しているが、この範囲では接合界面でのBiはXMA分析にはかからないレベルであり、Biの偏析ではないとみなされる。これまでもSn-Pb系はんだにおいて、はんだ中のBiの存在がCu-Snとの化合物形成を阻害し、強度低下の一因になっていることが確認されており、しかも界面強度がはんだのBi含有量の増加に伴って減少していることが確認されている(山本他:回路実装学会誌、Vol.10,No6(1995.9)))ことから、この場合も現象的に類似したケースと考えられる。即ち、Biが増えるにつれて、界面において、分子レベルの極く薄い層でCuとSnとの正味の接合部が少なくなり、強度低下を起こしているものと推定する。」(段落[0031]?[0032])
(ヌ)「【0046】なお、これまでSn-Ag-Bi系の鉛フリーはんだを一例として説明してきたが、リフトオフ現象はBiの無い系でも液相線と固相線との温度差で起きていることから、このことは他のSn系、例えばSn-Sb系、Sn-Cu系、Sn-Zn系、Sn-In系等においても起こり得ることであり、同様な対策、手法の適用が可能であることは言うまでもない。」(段落[0046])

(引用文中、下線付き数字「2」等は、正しくは丸囲い数字を示す)

3.本願発明と引用発明の対比・判断
(1)本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「プリント配線板」、「ハンダ」は、本願発明における、それぞれ「プリント基板」、「はんだペースト」に相当する。そして、引用発明における「実装されたプリント配線板」は、本願発明における「実装構造体」と実質的に同一であり、両者は表現が異なっているにすぎないから、本願発明と引用発明の一致点、相違点は以下のとおりである。
<一致点>
「プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体を製造する実装構造体の製造方法において、
前記プリント基板にはんだペーストを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、
前記プリント基板上に付着された前記はんだペーストを加熱溶融する加熱工程と、
前記加熱工程により加熱溶融された前記はんだペーストを溶融状態から強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る実装構造体の製造方法。」
<相違点>
A.はんだペーストが、本願発明は「Sn-Zn系合金からなる」のに対して、引用発明には、そのような限定がない点。
B.加熱溶融されたはんだペーストを冷却、凝固する冷却工程において、本願発明は、「1.5℃/秒以上の冷却速度」で冷却するのに対して、引用発明には、そのような冷却速度に関する限定がない点。

(2)そこで、上記各相違点について以下に検討する。
<相違点Aについて>
はんだペーストとして、PbフリーはんだであるSn-Zn系合金は周知のものであり、引用発明において、はんだペーストに該周知のSn-Zn系合金を採用することに格別の困難性はないから、相違点Aに係る本願発明の構成は当業者の容易に想到し得たことである。
<相違点Bについて>
上記記載事項(ホ)、(ヘ)、(ト)に示されるように、引用例2には、PbフリーのBi系はんだによるはんだ付けにおいて、ランド部とはんだとが剥離するリフトオフ現象が生じること、リフトオフの発生要因として、「冷却時にはんだ凝固の時間差で起きる場合(2-1)」と、「Biがランド部に集まる(偏析する)場合(2-2)」とがあり、溶融はんだを10?20℃/sの冷却速度で急冷して凝固させることで、これらの要因を排除しリフトオフをなくすことができることが記載されている。
また、図1の記載及び上記記載事項(ト)には、Biを添加しない(0%添加)Sn-3Agはんだの場合でも、冷却速度を1℃/sから10?20℃/sに変えることによってリフトオフをなくすことができたことが示され、上記記載事項(チ)には、「Biが少ない組成、例えば2%前後では冷却速度が10℃/s以下でもほぼ良好な結果が得られ」、「リフトオフは液相線と固相線との温度差と、冷却速度と、界面の強度の相互関係に依存して」いることが示されている。
これらの記載事項を勘案すれば、上記記載事項(ヌ)から、引用例2には、「Sn-Zn系」のはんだペーストによるはんだ付けにおいても、溶融はんだを10?20℃/sの冷却速度で急冷・凝固させることによって、ないしは、液相線と固相線との温度差と、界面の強度との相互関係によって決まる条件を満たすならば、10℃/s以下の冷却速度によっても、ランド部とはんだとが剥離するリフトオフ現象を阻止することができることが示唆されているということができる。
そうすると、引用発明に、引用例2に記載ないしは示唆された上記構成を所要の設計を施して適用し、相違点Bに係る本願発明の構成のようになしたことは、当業者の容易に想到し得たことである。

また、本願発明が奏する作用効果も、上記引用発明及び引用例2記載の発明から予測される程度以上のものでもない。

【4】むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、上記引用発明及び引用例2記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-28 
結審通知日 2006-10-03 
審決日 2006-10-16 
出願番号 特願2002-48026(P2002-48026)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
P 1 8・ 561- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長屋 陽二郎  
特許庁審判長 鈴木 久雄
特許庁審判官 永安 真
柴沼 雅樹
発明の名称 実装構造体の製造方法および実装構造体  
代理人 谷澤 靖久  
代理人 工藤 雅司  
代理人 机 昌彦  

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