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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01M 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A01M |
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管理番号 | 1151134 |
審判番号 | 不服2003-24665 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-07-21 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-19 |
確定日 | 2007-01-24 |
事件の表示 | 平成10年特許願第311842号「誘引剤及び飛翔害虫捕殺シート並びに飛翔害虫の捕殺方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 7月21日出願公開、特開平11-192043〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成10年11月2日(国内優先権主張 平成9年11月5日)の出願であって、平成15年11月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月19日に拒絶査定に対する審判の請求がなされるとともに、手続補正がなされたものである。 2.平成15年12月19日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成15年12月19日付けの手続補正を却下する。 [理由] 本件手続補正は、特許請求の範囲の請求項の数を7から4に減少しようとすることを含むものであるが、該特許請求の範囲の補正は、飛翔害虫用誘引剤に係る発明に関しては、請求項の数を2から4に増加し、新たな発明を追加するものであり、当該手続補正は、特許法第17条の2第4項各号に規定するいずれの事項を目的とするものでもない。 したがって、本件手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について 平成15年12月19日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし7に係る発明は、平成13年1月12日付けの手続補正書によって補正された請求項1ないし7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】飛翔害虫を捕殺するための誘引剤であって、油性又は/及び水性のヨーグルトフレーバーを含有することを特徴とする飛翔害虫用誘引剤。 【請求項2】?【請求項7】(記載を省略。)」 (以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。) (1)引用文献 原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物である、合田修三、外2名,“高床式鶏舎におけるハエ防除技術-熱源と誘引物質によるハエの誘引効果の検討-”,京都府畜産研究所試験研究成績,1993年,第33号,p.117-120(以下、「引用文献1」という。)には、下記の事項が記載されている。 (イ)「ハエの発生初期に成虫を誘引捕殺することが有効ではないかと考え、・・・甘味質に誘引されることを利用してヒメイエバエやチャバネトゲハネバエを中心とした誘引方法を検討した。」(118頁左欄7?11行) (ロ)「誘引物質はリンゴ、オレンジ、蜂蜜、乳製品(ヨーグルト風味のデザート)、酢+蜂蜜、バニラエッセンスの6種類を用いた。」(同頁右欄11行?13行) (ハ)「オレンジや乳製品は日数が経過するとともに芳香が薄れそれとともに誘引する力が弱くなる傾向が認められた。」(119頁左欄下から7行?下から5行) 上記記載事項を参照すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用文献1記載の発明」という。)が記載されている。 (引用文献1記載の発明) 「ハエを捕殺するための誘引物質であって、乳製品(ヨーグルト風味のデザート)を用いるハエ用誘引物質」 (2)対比・判断 本願発明と、上記引用文献1記載の発明を比較すると、引用文献1記載の発明の「ハエ」、「誘引物質」、「ハエ用誘引物質」は、それぞれ、本願発明の「飛翔害虫」、「誘引剤」、「飛翔害虫用誘引剤」に相当し、引用文献1記載の発明の「乳製品(ヨーグルト風味のデザート)を用いる」と、本願発明の「(油性又は/及び水性の)ヨーグルトフレーバーを含有する」とは、「ヨーグルト風味の誘引要素を採用する」で共通するから、 両者は、下記の点で一致し、 「飛翔害虫を捕殺するための誘引剤であって、ヨーグルト風味の誘引要素を採用する飛翔害虫用誘引剤」 次の点で相違している。 相違点:ヨーグルト風味の誘引要素として、本願発明では、油性又は/及び水性のヨーグルトフレーバーを含有するものを採用しているのに対し、引用文献1記載の発明では、乳製品(ヨーグルト風味のデザート)を採用している点。 上記相違点について検討する。 引用文献1記載の発明においては、ヨーグルト風味の誘引要素として、乳製品の中でも特にヨーグルト風味のデザートを採用しており、かつ、「乳製品は日数が経過するとともに芳香が薄れそれとともに誘引する力が弱くなる傾向が認められた。」とあるように、香りが誘引効果をもたらしていることが明らかであることを考慮すると、引用文献1記載の発明においても、ヨーグルト風味の誘引要素を採用するに際し、例えば本願の発明の詳細な説明に示されているような、業務用に用いられているものや、キャンディー,ゼリー,ガム等の菓子や、飲料,冷菓等に添加・含有されている食品添加物の中から適宜選んだ、油性又は/及び水性のヨーグルトフレーバーを用いて含有させることは、当業者が適宜なしうることにすぎない。 そして、本願発明の作用効果も、引用文献1記載の発明から当業者が予測できる範囲内のものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-10-18 |
結審通知日 | 2006-10-24 |
審決日 | 2006-12-01 |
出願番号 | 特願平10-311842 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A01M)
P 1 8・ 575- Z (A01M) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 吉田 佳代子 |
特許庁審判長 |
大元 修二 |
特許庁審判官 |
西田 秀彦 山口 由木 |
発明の名称 | 誘引剤及び飛翔害虫捕殺シート並びに飛翔害虫の捕殺方法 |
代理人 | 西藤 征彦 |
代理人 | 井▲崎▼ 愛佳 |
代理人 | 西藤 優子 |