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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 A47B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47B |
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管理番号 | 1151625 |
審判番号 | 不服2005-6300 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2002-05-08 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-04-08 |
確定日 | 2007-02-05 |
事件の表示 | 特願2000-324124「流し台」拒絶査定不服審判事件〔平成14年5月8日出願公開、特開2002-125780〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年10月24日の出願であって、平成17年3月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年4月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年4月28日に手続補正がなされたものである。 2.平成17年4月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成17年4月28日付けの手続補正を却下する。 [理由] 平成17年4月28日付けの手続補正の内容は、特許請求の範囲の請求項の数を2から4に増加させることを含むものであるが、これは、特許請求の範囲の減縮、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明のいずれをも目的とする補正に該当しない。 よって、上記補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明 平成17年4月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1,2に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1,2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】キャビネット本体の上部に取り付けられた天板と、この天板に設けられた開口の周縁部に取り付けられたシンクとを備えた流し台において、 前記シンクの下方に、椅子に座った人の膝部を入れることができるオープンスペースが設けられるとともに、 シンクの前壁が側壁および後壁よりも低くされ、シンクの前壁の低い部分の上縁に、前記天板と同一素材にて成形された肘当てが設けられていることを特徴とする流し台。 【請求項2】(記載を省略)」 (以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。) (2)引用刊行物の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布されている刊行物である特開平9-98844号公報(以下、「引用例1」という。)には、「キッチン機能付洗面ユニット」に関して次の事項が記載されている。 (イ)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、在宅介護用に家庭で使用され、又、日常動作訓練にも使用されるキッチン機能付洗面ユニットに関する。」 (ロ)「【0009】【実施例】本発明の実施例は、ワークトップ1を支持部2で昇降可能に支持してなり、ワークトップ1は、キッチン機能を有するキッチン部3と、洗面機能を有する洗面部4とからなる。ワークトップ1には、その一方部にキッチン部3が配設され、中央部に調理作業用の平板5が配設され、他方部に洗面部4が配設され、…【0010】キッチン部3には加熱器7が設けられ、該加熱器7の上面はキッチン部3の上面と同一面になるような位置とされる。洗面部4の中央部はボール8とされ、ボール8の後部には排水栓26が設けられ、洗面部4の前縁4aの左右には肘受け部9が凹状に形成される。」 (ハ)「【0015】実施例を在宅介護用として使用する場合には、一般家庭に設置し、下肢の運動機能に障害を持つ者が日常的に使用する。実施例を使用する障害者の多くは、車椅子(図示省略)に乗った状態で使用する。…【0016】洗面は、ワークトップ1の一方部に配設された洗面部4で行なう。適宜、洗面部4の前縁4aの左右部位に形成した肘受け部9へ人体肘部又は前腕を当て、腕を休めながら洗面し、又は、上体を洗面部4で支持して洗面をする。【0017】…洗い作業に際して使用者は、洗面部4の肘受け部9で腕を休めながらその作業が行なえる。」 (ニ)上記(ハ)および図3により、洗面部4の下方に、椅子に座った人の膝部を入れることができるオープンスペースがあることが明らかであり、上記(ロ)、(ハ)および図1により、洗面部4の前縁4aの左右が側縁および後縁よりも低くされていることが明らかである。 上記記載事項を含む明細書全体および図面によると、引用例1には、次の発明が記載されているものと認める。かっこ内は対応する引用例1における構成・用語である。 「キャビネット本体(支持部2)の上部に取り付けられた天板(ワークトップ1)と、この天板に設けられた開口の周縁部に取り付けられたシンク(洗面部4のボール8)とを備えた流し台(キッチン機能付洗面ユニット)において、 前記シンクの下方に、椅子に座った人の膝部を入れることができるオープンスペースが設けられるとともに、 シンクの前壁(洗面部4の前縁4a)の左右が側壁(側縁)および後壁(後縁)よりも低くされ、シンクの前壁の左右の低い(凹状)部分の上縁に、肘当て(肘受け部9)が設けられている流し台。」 (以下、「引用例1発明」という。) (3)対比・判断 本願発明と上記引用例1発明とを対比すると、両者は、 「キャビネット本体の上部に取り付けられた天板と、この天板に設けられた開口の周縁部に取り付けられたシンクとを備えた流し台において、 前記シンクの下方に、椅子に座った人の膝部を入れることができるオープンスペースが設けられるとともに、 シンクの前壁が側壁および後壁よりも低くされ、シンクの前壁の低い部分の上縁に、肘当てが設けられている流し台。」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点:肘当てが、本願発明では、天板と同一素材にて成形されているのに対し、引用例1発明では、不明な点。 上記相違点について検討するに、ワークトップのある部分を、その余の部分と区別せず同一素材にて成形することは通常なされていることである。 引用例1の上記(ロ)に「ワークトップ1は、キッチン機能を有するキッチン部3と、洗面機能を有する洗面部4とからなる。」、(ハ)に「洗面部4の前縁4aの左右部位に形成した肘受け部9」とあることや、図1からも明らかなように、洗面部4の前縁4aや、その左右の凹状の肘受け部9もワークトップ1の一部分である。 してみると、上記相違点に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得る事項と認められる。 なお、シンクの前壁が左右の特定の部分のみ低くされたものではなく、通しで低くされたものは、原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-133622号公報等にある。 そして、本願発明の作用効果も、引用例1発明から当業者が予測できる範囲内のものであり、本願発明は、引用例1発明に基づいて当業者が容易になし得たものと認める。 (4)むすび 以上、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-11-28 |
結審通知日 | 2006-11-29 |
審決日 | 2006-12-12 |
出願番号 | 特願2000-324124(P2000-324124) |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(A47B)
P 1 8・ 121- Z (A47B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 秀幹 |
特許庁審判長 |
安藤 勝治 |
特許庁審判官 |
宮川 哲伸 西田 秀彦 |
発明の名称 | 流し台 |