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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21S
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21S
管理番号 1153265
審判番号 不服2003-21994  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-13 
確定日 2007-03-08 
事件の表示 平成 9年特許願第345535号「非常用照明器具」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 7月 2日出願公開、特開平11-176217号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成9年12月15日の出願であって、平成15年7月16日付けで拒絶理由通知がなされ、平成15年9月8日付けで意見書が提出され、同日付けで手続補正がなされ、平成15年10月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成15年11月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成15年11月13日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年11月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「光源と、直列接続される4本の蓄電池と、当該4本の蓄電池が収納された電池ケースと、商用電源に接続されて蓄電池を充電するとともに商用電源の停電時に蓄電池を電源として光源を点灯させる回路ブロックと、下面開口した有底円筒状に形成され天井材に穿孔された取付孔に下方から挿入して天井材に固定される器具本体であって光源及び電池ケース及び回路ブロックが納装された器具本体と、器具本体の下端側に着脱自在に取着される枠体とを備え、4本の蓄電池のうちの2本の蓄電池間に直列にヒューズを介在させて成り、4本の蓄電池は、2本を1組とし両組の間にヒューズが介在し、電池ケースは、4本の蓄電池が器具本体の上下方向と略平行となるように並置して収納されるとともにヒューズを交換することができるようにヒューズを露出させるための開口窓が一方の底面に設けられていて、且つ、器具本体から枠体を取り外した状態で器具本体の下方からヒューズを確認することができるとともに交換することができるように器具本体内に納装されて成ることを特徴とする非常用照明器具。」(下線部分が本件補正により補正された箇所である。)
と補正された。

2 補正の目的の適否
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「器具本体」について、「下面開口した有底円筒状に形成され天井材に穿孔された取付孔に下方から挿入して天井材に固定される」及び「器具本体の下端側に着脱自在に取着される枠体とを備える」との限定を追加し、「電池ケース」について、「4本の蓄電池が器具本体の上下方向と略平行となるように並置して収納される」との限定を追加し,「開口窓」について,「ヒューズを露出させるための」もので,「一方の底面に設けられてい」るとの限定を追加するとともに、「ヒューズ」の「確認」について,「器具本体から枠体を取り外した状態で器具本体の下方から」行うことができるとの限定を追加するものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に違反しないか)について、以下検討する。
(1)引用例
ア 原査定の拒絶の理由に引用文献1として示された実願昭55-171709号(実開昭57-92909号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)には、非常用照明器具(考案の名称)について、下記の事項が図面とともに記載されている。
(ア)「有底筒状体をなした本体中に充電器を有する充電器ユニットと蓄電池を有する蓄電池ユニットを着脱自在に収納した非常用照明器具において、充電器ユニットの下端に係止部とコネクタを設け、蓄電池ユニットに前記充電器ユニットの係止部に係合される係合部とヒューズ付コネクタを設けて、充電器ユニットに蓄電池ユニットを係合すると同時に充電器ユニットのコネクタに蓄電池ユニットのヒューズ付コネクタが接続されるように構成されたことを特徴とする非常用照明器具。」(実用新案登録請求の範囲)
(イ)「(1)は下端が開口した有底筒状の本体で、取付金具(3)により天井面(2)に設けられた埋込穴に固定されるものとする。本体(1)にはその上底部に引掛シーリング(4)が設けられ、これに充電器(5)、点検用スイッチ(6)等を有する充電器ユニット(7)が栓刃(8)により着脱自在に取付けられている。充電器ユニット(7)には第2図に示すようにその下側の周縁に複数の係止爪(9)と下面にランプソケット(10)及びコネクタ(11)が設けられている。」(明細書第2頁第1?10行参照)
(ウ)「(12)は電池ユニットで、中央部に前記ランプソケット(10)が貫通する穴(13)と、上縁に前記充電器ユニットの係止爪(9)が係合する係合凹部(14)、及び側面に凹所(15)が設けられ、この凹所(15)に第3図に示すように筒状のヒューズホルダ(16)と蓋(17)を備え、ヒューズ(18)を収納したフューズ付コネクタ(19)が着脱自在に取付けられていて、蓄電池ユニットの内部には、穴(13)を囲んでその周囲に複数個の蓄電池(23)が収納され、穴(13)にソケット(10)を挿入し、係合凹部(14)に係止爪(9)を引掛けて、充電器ユニット(7)に蓄電池ユニット(12)を係合すると,同時にコネクタ(11)にフューズ付コネクタ(19)が接続されて、充電器ユニット(7)に蓄電池ユニット(12)が電気的及び機械的に結合されるように構成されている。・・・・(中略)・・・・又、ランプ(22)はソケット(10)に装着される。」(明細書第2頁第10行?第3頁第7行参照)
(エ)「このヒューズは蓄電池ユニットと共に取り外すことができるので、ヒューズの点検及び交換が容易である。」(明細書第3頁第11?13行参照)
(オ)第1図には、本体(1)内にランプ(22)及び蓄電池ユニット(12)及び充電器ユニット(7)が収納された点が図示されている。また、本体(1)の下端側に、取付金具(3)とともに天井面(2)を挟み込み,埋込穴よりも大きな径を有する枠体を備えた点が図示されている。さらに、第1図及び第2図には、蓄電池ユニット(12)の内部に穴(13)と蓄電池(23)が設けられ,これらが本体(1)の上下方向と略平行となるように並置されている点が図示されている。

ところで、充電器ユニット7は、上記記載事項(イ)によれば,非常用照明器具の本体(1)に取付けられたものであり、さらに、当該充電器ユニット(7)は、技術常識からみて、商用電源に接続されて蓄電池(23)を充電するものであり、また、非常用照明器具は、商用電源の停電時に蓄電池(23)を電源としてランプ(22)を点灯させるものであり、これら充電や点灯が電気回路により制御されるものであることは明らかであるから、引用例1に記載の非常用照明器具が、商用電源に接続されて蓄電池(23)を充電するとともに商用電源の停電時に蓄電池(23)を電源としてランプ(22)を点灯させる電気回路を備えたものであることは明らかである。そして,上記図示事項(オ)にあるように,本体(1)内に充電器ユニット(7)や蓄電池ユニット(12)が収納されていることを踏まえれば,当該電気回路が本体(1)内に収納されたものであることも明らかである。
また,上記図示内容(オ)によれば、本体(1)がその下端部に埋込穴よりも大きな外径を有する枠体を備え、取付金具(3)とともに天井面(2)を挟み込むものであることから,該本体(1)は、当該本体(1)の天井面(2)への固定は,天井面(2)に設けられた埋込穴に下方から挿入して行われるものであることは明らかである。
さらに,上記記載事項(ア)の「充電器ユニットのコネクタに蓄電池ユニットのヒューズ付コネクタが接続される」との記載から,蓄電ユニット,すなわち,複数個の蓄電池(23)と充電器ユニット(7)との間にヒューズ(18)を介在させていることは明らかである。

してみれば、上記記載事項(ア)ないし(エ)、上記図示内容(オ)、及び、上述の明らかな事項からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ランプ(22)と、複数個の蓄電池(23)と、当該複数個の蓄電池(23)が収納された蓄電池ユニット(12)と、商用電源に接続されて蓄電池(23)を充電するとともに商用電源の停電時に蓄電池(23)を電源としてランプ(22)を点灯させる電気回路と、下端が開口した有底筒状に形成され天井面(2)に設けられた埋込穴に下方から挿入して天井面(2)に固定される本体(1)であってランプ(22)及び蓄電池ユニット(12)及び電気回路が収納された本体(1)と、本体(1)の下端側に枠体とを備え、複数個の蓄電池(23)と充電器ユニット(7)との間にヒューズ(18)を介在させ、蓄電池ユニット(12)は、複数個の蓄電池(23)が本体(1)の上下方向と略平行となるように並置して収納されるとともにヒューズ(18)を収納したフューズ付コネクタ(19)を着脱自在に取付けるための凹所(15)が側面に設けられていて、且つ、本体(1)から蓄電池ユニット(12)とヒューズ(18)を共に取り外すことでヒューズ(18)を点検することができるとともに交換することができるように本体(1)内に収納されて成る非常用照明器具。」

イ 同じく引用文献3として示された実願昭61-7500号(実開昭62-120264号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、円筒密閉形蓄電池(発明の名称)について,下記の事項が図面とともに記載されている。
(ア)「従来の技術
従来この種群電池1には,短絡などにより過電流が流れた場合,蓄電池本体やその他の機器の焼損を防ぐために蓄電池と外部接続端子の間にヒューズを設けていた。
考案が解決しようとする問題点
かかる構造では、ヒューズ,ヒューズケース2,接続線3などの部品が必要となり次の様な欠点があった。
(1)部品コストが高い。
(2)加工工数が高い。
(3)群電池としての外径寸法が大きくなる。
(4)接続線を付けないとヒューズ取付けが不可能。
(5)群電池にヒューズケースがぶらさがった構造となるため外観が損なわれる。」(明細書第1頁第12?第2頁第6行参照)
(イ)「群電池1を構成する蓄電池のうち、2個の電池にヒューズ取付金具5をスポット溶接などにより取付る。ヒューズ取付金具5にはネジ止め部6を有し、ヒューズ7又はヒューズと同じ役割を果たす導電材をネジ8によりネジ止め部6においてネジ止めする。これによりヒューズ7は取替えや取外しが可能となる。」(明細書第2頁第16行?第3頁第2行参照)
(ウ)「上述のように本考案によれば、部品点数が減少し、・・・(中略)・・・さらにヒューズなどはネジ止めしているため取外しは勿論のこと取替えが簡単に可能である」(明細書第3頁第4?8行参照)
(エ)第2図には、4本の蓄電池のうち2本を1組とした群電池1において、群電池1間にヒューズを介在させた群電池1の接続構造が図示されてい
る。

ウ 同じく引用文献2として示された特開昭63-211575号公報(以下、「引用例3」という。)には、組合せ電池及びその充電装置(発明の名称)について,下記の事項が記載されている。
「単Iサイズの乾電池2本分の大きさを有する固い紙製のカバー部材2内に2本の単IIサイズNI-CD電池3及び4が直列に配列されると共にこれらの電池3及び4間に5A用のヒューズ5が介設されている。このヒューズ5は短絡時に流れる異常電流を遮断する機能を有する」(第2頁右下欄第5?11行)

(2)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、各文言の意味、機能、構造からみて、後者の「ランプ(22)」は前者の「光源」に、以下同様に、「蓄電池(23)」は「蓄電池」に、「蓄電池ユニット(12)」は「電池ケース」に、「電気回路」は「回路ブロック」に、「下端が開口し」は「下面開口し」に、「有底筒状」は「有底円筒状」に、「天井面(2)」は「天井材」に、「設けられた」は「穿孔された」に、「埋込穴」は「取付孔」に、「本体1」は「器具本体」に、「収納」は「納装」に、「ヒューズ18」は「ヒューズ」に、そして「点検」は「確認」に、それぞれ相当する。
また、引用発明の「複数個の蓄電池(23)」と本願補正発明の「直列接続される4本の蓄電池」とは,「複数本の蓄電池(23)」である点で共通する。
さらに,引用発明の「ヒューズ(18)を収納したフューズ付コネクタ(19)を着脱自在に取付けるための凹所(15)が側面に設けられ」と本願補正発明の「ヒューズを交換することができるようにヒューズを露出させるための開口窓が一方の底面に設けられ」とは,電池ケース(蓄電池ユニット(12))について,ヒューズ(ヒューズ(18))を取り付けるための開口窓(凹所(15))が設けられている点で共通する。
したがって、両者は、本願補正発明の文言を用いて表現すると、
「光源と、複数本の蓄電池と、当該複数本の蓄電池が収納された電池ケースと、商用電源に接続されて蓄電池を充電するとともに商用電源の停電時に蓄電池を電源として光源を点灯させる回路ブロックと、下面開口した有底円筒状に形成され天井材に穿孔された取付孔に下方から挿入して天井材に固定される器具本体であって光源及び電池ケース及び回路ブロックが納装された器具本体と、器具本体の下端側に枠体とを備え、電池ケースは、複数本の蓄電池が器具本体の上下方向と略平行となるように並置して収納されるとともにヒューズを取り付けるための開口窓が設けられていて、且つ、ヒューズを確認することができるとともに交換することができるように器具本体内に納装されて成る非常用照明器具。」である点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>
複数本の蓄電池について、本願補正発明においては、直列接続される4本の蓄電池とし、4本の蓄電池のうちの2本の蓄電池間に直列にヒューズを介在させて成り、4本の蓄電池は、2本を1組とし両組の間にヒューズを介在させているのに対して、引用発明においては、蓄電池の本数は不明であり、蓄電池ユニット(12)と充電器ユニット(7)との間にヒューズ(18)を介在させるものである点。
<相違点2>
枠体について、本願補正発明においては、「着脱自在に取着される」のに対して、引用発明においては、そうであるか不明な点。
<相違点3>
電池ケースのヒューズを取り付けるための開口窓について、本願発明においては、「ヒューズを交換することができるようにヒューズを露出させるための」ものであり、「一方の底面に設けられ」、かつ、「器具本体から枠体を取り外した状態で器具本体の下方から」確認・交換できるものであるのに対し、引用発明においては、そうであるか不明な点。

(3)当審の判断
上記の相違点1ないし3について以下検討する。
ア 相違点1について
複数本の蓄電池を何本とするか,そして,それを直列あるいは並列に接続するかは,所望の電圧を得るために選択することであり,引用発明において,蓄電池を直列接続した4本の蓄電池とすることは,必要に応じて設定できる設計事項に過ぎない。
また,複数の蓄電池を直列接続した群電池において,過(異常)電流を遮断するためヒューズを当該蓄電池間に介在させることは周知技術である(引用例2及び引用例3を参照)ことから,引用発明において、蓄電池を直列接続した4本の蓄電池とした際に,蓄電池ユニット(12)と充電器ユニット(7)との間にヒューズ(18)を介在させる代わりに,蓄電池間にヒューズを介在させるようにすることは,当業者が容易になし得ることである。
なお,ヒューズの位置をどの蓄電池間とするかは必要に応じて設定できる設計事項に過ぎず,4本の蓄電池のうち2本を1組とする群電池とし、当該群電池間にヒューズを介在させるようにすることは,当業者が容易になし得ることである。

イ 相違点2について
引用発明において,ランプ(22)の光の及ぶ範囲や意匠上の観点から,枠体(1)の形状や大きさは適宜設定することができるものであることは明らかである。そして,引用発明において,ヒューズの交換の際に当該枠体が場合によっては邪魔になることがあることは当業者が容易に想起し得ることである。このため,埋込穴から蓄電池ユニット(12)とヒューズ(18)を円滑に取り外すことができるよう,当該枠体をその大きさに応じて着脱自在とすることは,当業者が容易になし得ることである。

ウ 相違点3について
ヒューズを取り付けるに当たり,ヒューズの接続状態の確認やその交換が簡単にできるよう,ヒューズを露出させるための開口を設けることは周知技術(実願昭54-166185号(実開昭56-84289号)のマイクロフィルム,実願昭59-164208号(実開昭61-79445号)のマイクロフィルムを参照)である。
また,引用発明において,使用時にヒューズの接続状態の確認やその交換ができるようにするには,蓄電池ユニット(12)のうちランプ(22)が取り付けられる側の底面,すなわち一方の底面に設ける以外にはあり得ないことは明らかである。
よって,引用発明において,ヒューズ(18)を交換することができるよう,凹所(15)を当該ヒューズ(18)を露出させるためのものとし,そして,当該凹所(15)を蓄電池ユニット(12)の側面でなく上記一方の底面に設けるようにすることは,当業者が容易になし得ることである。
なお,この場合,上記「3(3)イ」でも検討したように,枠体の形状や大きさは適宜設定することができるものであることは明らかであり,引用発明において,ヒューズの確認の際に当該枠体が場合によっては邪魔になることがあるが,ヒューズ(18)が蓄電池ユニット(12)のうちランプ(22)が取り付けられる側の底面に設けられていれば,枠体を取り外した状態で本体(1)の下方から当該ヒューズ(18)が確認・交換できるものであることは明らかである。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明、上述の周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものではない。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び上述の周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明
平成15年11月13日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成15年9月8日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「光源と、直列接続される4個の蓄電池と、当該4個の蓄電池が収納された電池ケースと、商用電源に接続されて蓄電池を充電するとともに商用電源の停電時に蓄電池を電源として光源を点灯させる回路ブロックと、光源及び電池ケース及び回路ブロックが納装された器具本体とを備え、4個の蓄電池のうちの2個の蓄電池間に直列にヒューズを介在させて成り、4個の蓄電池は、2個を1組とし両組の間にヒューズが介在し、電池ケースは、ヒューズを交換することができるように露出させるための開口窓が設けられていて、且つ、器具本体の外部からヒューズを確認することができるとともに交換することができるように器具本体内に納装されて成ることを特徴とする非常用照明器具。」

第4 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1ないし3、及び、その記載事項は、前記「第2 3(1)」に記載したとおりである。

第5 対比・判断
本願発明は、前記「第2 1ないし3」で検討した本願補正発明から、「器具本体」について、「下面開口した有底円筒状に形成され天井材に穿孔された取付孔に下方から挿入して天井材に固定される」及び「器具本体の下端側に着脱自在に取着される枠体とを備える」との限定を省き、また、「電池ケース」について、「4本の蓄電池が器具本体の上下方向と略平行となるように並置して収納される」との限定を省き,「開口窓」について,「ヒューズを露出させるための」もので,「一方の底面に設けられてい」るとの限定を省くとともに、「ヒューズ」の「確認」について,「器具本体から枠体を取り外した状態で器具本体の下方から行うことができるとの限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 3」に記載したとおり、引用発明及び上述の周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び上述の周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであ
る。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上述の周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたもであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-05 
結審通知日 2007-01-09 
審決日 2007-01-22 
出願番号 特願平9-345535
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21S)
P 1 8・ 575- Z (F21S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 仁木 浩  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 増沢 誠一
芦原 康裕
発明の名称 非常用照明器具  
代理人 森 厚夫  
代理人 西川 惠清  

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