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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61M |
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管理番号 | 1154130 |
審判番号 | 訂正2006-39186 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2006-11-14 |
確定日 | 2007-03-05 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3548912号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3548912号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 請求の要旨 本件審判の請求の要旨は、特許3548912号(平成4年5月7日(パリ条約による優先権主張1991年5月8日)出願、平成16年4月30日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、以下のとおり訂正することを求めるものである。 <訂正事項> 請求項2に「前記戻止め用係止部は、前記カテーテルコネクタのホールに嵌入するが、該ホールから抜けないように弾力的に変形するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のアンカー具。」とあるのを「前記戻止め用係止部は、前記カテーテルコネクタのホールに嵌入するが、該ホールから抜けないように弾力的に変形するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアンカー具。」と訂正する(下線部分が訂正箇所である。)。 第2 当審の判断 上記訂正事項は、「請求項2記載のアンカー具」を「請求項1記載のアンカー具」に訂正するものであるが、請求項2は、請求項1に記載されている「戻止め用係止部」を「前記カテーテルコネクタのホールに嵌入するが、該ホールから抜けないように弾力的に変形するように構成されている」と限定するものであるから、本来「請求項1記載のアンカー具」でなければならないものであって、訂正前の「請求項2記載のアンカー具」は明らかな誤記である。 したがって、上記訂正事項は、誤記の訂正を目的とするものと認められる。そして、請求項1に記載されている「戻止め用係止部」を「前記カテーテルコネクタのホールに嵌入するが、該ホールから抜けないように弾力的に変形するように構成されている」と限定する「請求項1記載のアンカー具」は、願書に最初に添付した明細書6頁2行?18行に記載されているから、上記訂正事項は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、更に、請求項1、及び訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由も見当たらない。 第3 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法126条第1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものであり、又同条第3項から第5項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 カテーテル挿入システム用アンカーパッド (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも2つのホールが形成されたシートを有するカテーテルコネクタを固定するためのアンカー具であって、 患者の身体に前記アンカー具を固定するために患者の皮膚に取り付けるための接着面を有するアンカーパッドと、 前記アンカーパッドの上面であって、前記ホールが形成されている各位置に配置された柱状をした複数の保持部材と、を有し、 前記カテーテルコネクタのシートが弾力性を有し、 前記保持部材の各々は、アンカーパッドから延びる直立柱部と、該直立柱部に先に形成された戻止め用係止部とを有し、 前記直立柱部の直径は、該直立柱部を前記シートのホールに挿入することにより該カテーテルコネクタが前記アンカーパッドに押圧装着される時に該シートを若干変形させるような寸法となっているとともに、 前記戻止め用係止部は、前記シートのホールに通すに際して該シートを下方にスライド移動させることにより通過させるが、該通過後はその反対方向への移動を阻止するように構成され、 前記保持部材は、該ホールを貫通するに十分な長さを有し、前記カテーテルコネクタを前記アンカー具に装着した後に該カテーテルコネクタを前記アンカー具から容易に取り外せるように該保持部材の直立柱部を切断により取り外すように構成されていることを特徴とする、前記アンカー具。 【請求項2】 前記戻止め用係止部は、前記カテーテルコネクタのホールに嵌入するが、該ホールから抜けないように弾力的に変形するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアンカー具。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、経静脈カテーテル挿入コネクタ用アンカーパッドは、より詳しくはトリプルルーメンコネクタに使用されるアンカーパッドに関する。 【0002】 【従来の技術】 患者を治療するに際して、経静脈(“IV”)カテーテルを用いて液体や薬物を血流中に直接注入することはごく一般的に行われている。多くの場合、特に心臓の治療に際しては、IVカテーテルを患者の心臓近くに位置するす主要路(centralline)又はより大きい静脈に挿入する。従って、特に長期間注入を行う場合には、何日間もカテーテルを適当な場所に挿入して置く必要がある。このような主要路IVカテーテルを注入するべき場所に固定するには、薄く、且つ、可撓性を有するパッド又はシートにIV管を装着し、該パッド又はシートを患者の皮膚に縫い付けることが一般的に行われている。この管とパッドとを組み合わせたものには、互換性を持つコネクタを有する一つ又はそれ以上の別のIV供給ラインを取り付けることができるコネクタが設けられる。例として、ARROWの商標名で販売されているトリプルルーメンコネクタ(triple-lumen connector)は、IV用液を副次的に通すの3つの異なる供給ライン又は手動注入箇所を有する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、トリプルルーメンコネクタ等の主要路コネクタに関しては、多くの問題が発生している。まず第一に、パッドを患者の皮膚に縫い合わせることが困難なことである。また、時間が経つにつれ、コネクタのシートを含む柔らかいプラスチック製材料部分から縫合が裂けることが多く、その結果注入位置でコネクタが動いてしまい、患者の苦痛及び不快感を増大させてしまう。裂けない場合でも、縫合が緩んで注入位置から2mm乃至3mmの程度で内側又は外側方向に移動してしまう。この移動は、患者にとって苦痛であるばかりか、注入位置で細菌による感染を引き起こすことになる。1年間に凡そ50,000件のカテーテルによる感染が米国で発生していると推計されており、これらの感染の多くが前記した問題点に由来する。 【0004】 従って、主要路カテーテルを患者の身体の注入位置で取り付けるより確実な手段が必要とされている。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、パッド平面の一つに塗布される接着剤によって、患者の身体に確実に固定するアンカーパッドを具備する。該パッドの反対側平面には、前述したトリプルルーメンコネクタ等の典型的中心静脈コネクタにしばしば見られる縫合ホールと係合する、一又はそれ以上の戻止め用係止部付き直立柱が設けられる。好ましくは、該戻止め用係止部付き直立柱は、コネクタの縫合ホールの数、寸法、間隔と一致する。 【0006】 前記トリプルルーメンコネクタは、コネクタのプラスチックシートに設けられた縫合ホールを本願発明に係るアンカーパッドの戻止め用係止部付き直立柱に位置合わせすることにより、該アンカーパッドに搭載される。そしてコネクタは、該戻止め用係止部に押してつけられて固定状態にされる。該戻止め用係止部は、コネクタが患者の身体方向に移動することを可能にし、逆に反対方向へ移動することは阻止する形状となっており、係合が偶発的に離脱することが防がれる。 【0007】 主要路コネクタを除去することが必要とされる、又は望まれる場合には、前記戻止め用係止部は簡単に、しかも素早くコネクタの上方で切り取ることができ、該コネクタは戻止め用係止部付き直立柱から持ち上げられ患者から取り外される。このように、主要路カテーテルに基づいて発生していた苦痛や不快感は解消され、同時に、確実な取り付けを達成することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】 図1は、ARROWの商標名で製造さイているタイプの典型的なトリプルルーメン主要路カテーテル10を示す。本明細書において本発明は、トリプノルーメンカテーテルとの関係で例示され説明されるが、言うまでもなく本発明の主題は、種々の構成を有する他のタイプのカテテーテルにも同様に適用できる。 【0009】 図1に示すトリプルルーメンカテーテル10は、一対の縫合ホール14を形成した、柔らかい柔軟性プラスチックから成る中央部の平面状シート12を具備する。該シートから離れる一方向にカニューレ16が延びており、カテーテルを挿入するための標準的な手順に従って、患者の身体の注入位置17に挿入される。該シートから離れる前記とは反対側の方向に、IV管8の3つの延長部が延びており、該延長部の各端部には、例えばルアー形状のロック、若しくは隔壁キャップのような標準IVコネクタ20が設けられる。これらの標準IVコネクタ20は、IV供給管の端部に設けられる互換性を有するコネクタ(図示せず)又は、薬物若しくは他の液体を患者の中心静脈に直接投与する手動注入部(manual injections)に接続できる。 【0010】 トリプルルーメンカテーテル10を注入位置で固定する際一般的には、シート12を身体に置き、縫合ホール14によって患者の皮膚に縫い合す。しかし、前述したように時間の経過と共に、縫合糸は緩くなってしまうか、又はシート材の部分から完全に裂けてしまい、患者は苦痛と不快感を覚え、ひいては感染の危険も生じさせる。 【0011】 図2は、底面26に自己接着性物質が塗布された平面パッド24を具備する本発明に係るアンカーパッド22を示す。該接着剤は、アンカーパッド22を患者の身体に縫合することなしに固定する。 【0012】 一対の戻止め用係止部付き直立柱28は、パッド22の反対側の面24に一体的に設けられている。該戻止め用係止部付き直立柱28どうしの間には間隔が設けられ、トリプルルーメンカテーテル10(図1)のシート12に設けられるホール14に嵌入されるよう構成されている。さらに、該直立柱部(戻止め用係止部部は除く)の柱状部の直径は、コネクタのシートがパッドに押圧装着される時に、該シートを若干変形させるような寸法となっている。該シートは弾力的に変形して、アンカーパッドに確実に保持されることが好ましい。 【0013】 言うまでもなく戻止め用係止部付直立柱28は、その鋸歯状端部上をシート12を下方に弾力的に通過させるが、反対方向への移動は阻止する。このように、本発明に係るアンカーパッドは、患者の身体にトリプルルーメンカテーテルのシートを確実に装着する。患者は苦痛から開放されるばかりでなく、係合が完全に又は部分的に外れることがなくなる。 【0014】 カテーテルを取り外すには、戻止め用係止部付き直立柱を切り取るだけで、残った幹状部分からシートを容易に持ち上げることができる。そして、患者に殆ど不快感を与えることなしにパッドは除去される。戻止め用係止部付き直立柱は、コネクタシートを含む材料ほど弾力性はないが、容易に切断できる材料で構成される。 【0015】 よって、本発明に係るアンカーパッドは、主要路カテーテルの使用及び装着技術について、画期的な進歩をもたらすものである。本発明の好ましい構成態様について例示及び説明を行ってきたが、言うまでもなく添付する請求項で述べる発明の範囲内の修正・変更を加えることも可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、一対の縫合ホールが形成されたシートを備える典型的なトリプルルーメン主要路カテーテルの斜視図である。 【図2】図2は、コネクタの縫合ホールに嵌入する一対の戻止め用係止部付き直立柱を示した、本発明に係るアンカーパッドの斜視図である。 【符号の説明】 10 トリプルルーメンカテーテル 12 シート 14 ホール 22 アンカーパッド 28 戻止め用係止部付き直立柱(保持部材) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2007-02-06 |
結審通知日 | 2007-02-08 |
審決日 | 2007-02-21 |
出願番号 | 特願平4-512043 |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(A61M)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中田 誠二郎 |
特許庁審判長 |
阿部 寛 |
特許庁審判官 |
芦原 康裕 稲村 正義 |
登録日 | 2004-04-30 |
登録番号 | 特許第3548912号(P3548912) |
発明の名称 | カテーテル挿入システム用アンカーパッド |
代理人 | 三枝 英二 |
代理人 | 三枝 英二 |