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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09G
管理番号 1155216
審判番号 不服2004-10286  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-17 
確定日 2007-04-02 
事件の表示 特願2002-161726「映像信号の90度回転表示装置を用いた広告方法並びにその映像信号の90度回転表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月15日出願公開、特開2004- 12517〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成14年6月3日の出願であって、平成16年4月13日付け(発送日;同月15日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年5月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月16日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成16年6月16日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年6月16日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲、
「【請求項1】 横長の映像信号受像機をそのまま横向きに設置せず向きを90度回転させて縦長向きに設置して商業施設や公共スペースに設置し、入力された飛び越し走査方式の映像信号を90度回転させる映像信号の90度回転表示装置を用い、この表示装置からリアルタイムで出力される90度回転した映像を、前記ポスターのように縦長画面となるように縦長向きに設置した映像信号受像機に、リアルタイムで送出表示して、この90度回転した映像を表示する前記縦長の映像信号受像機によって広告を行うことを特徴とする広告方法。
【請求項2】 飛び越し走査方式の映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力される飛び越し走査方式のアナログビデオ信号を入力する入力部と、この入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードするデコーダ回路と、デコードされた飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を順次走査方式に信号変換する順次走査方式化回路と、この順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を90度回転させる信号回転装置と、回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータと、横長の映像信号受像機の入力端子と接続され、前記90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部とから成り、横長の映像信号受像機を90度回転させて縦長向きに設置した縦長の映像信号受像機に前記出力部から出力される90度回転させたアナログビデオ信号を入力して、前記飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をリアルタイムで前記縦長の映像信号受像機に表示し得るように前記映像信号の90度回転表示装置を構成し、この映像信号の90度回転表示装置を用いることを特徴とする請求項1記載の広告方法。
【請求項3】 飛び越し走査方式の映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力される飛び越し走査方式のアナログビデオ信号を入力する入力部と、この入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードするデコーダ回路と、デコードされた飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を順次走査方式に信号変換する順次走査方式化回路と、この順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を90度回転させる信号回転装置と、回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータと、横長の映像信号受像機の入力端子と接続され、前記90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部とから成り、横長の映像信号受像機を90度回転させて縦長向きに設置した縦長の映像信号受像機に前記出力部から出力される90度回転させたアナログビデオ信号を入力して、前記飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をリアルタイムで前記縦長の映像信号受像機に表示し得るように構成したことを特徴とする映像信号の90度回転表示装置。」
を、
「【請求項1】 横長の映像信号受像機をそのまま横向きに設置せず向きを90度回転させて縦長向きに設置して電子的看板として商業施設や公共スペースに設置し、入力された飛び越し走査方式の映像信号をソフトウェアを用いずに90度回転させる映像信号の90度回転表示装置を用い、この表示装置からリアルタイムで出力される90度回転したオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずに、前記ポスターのように縦長画面となるように縦長向きに設置した電子的看板としての大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機に、リアルタイムで送出表示して、この90度回転した映像を表示する前記大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機によって広告を行うことを特徴とする広告方法。
【請求項2】 飛び越し走査方式の映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力される飛び越し走査方式のアナログビデオ信号を入力する入力部と、この入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードするデコーダ回路と、デコードされた飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を順次走査方式に信号変換する順次走査方式化回路と、この順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を90度回転させる信号回転装置と、回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータと、横長の映像信号受像機の入力端子と接続され、前記90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部とから成り、横長の映像信号受像機を90度回転させて縦長向きに設置した縦長の映像信号受像機に前記出力部から出力される90度回転させたアナログビデオ信号を入力して、前記飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をリアルタイムで前記縦長の映像信号受像機に表示し得るように前記映像信号の90度回転表示装置を構成して、この縦長の映像信号受像機にリアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させて表示する映像信号の90度回転表示装置を用いることを特徴とする請求項1記載の広告方法。
【請求項3】 飛び越し走査方式の映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力される飛び越し走査方式のアナログビデオ信号を入力する入力部と、この入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードするデコーダ回路と、デコードされた飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を順次走査方式に信号変換する順次走査方式化回路と、この順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を90度回転させる信号回転装置と、回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータと、横長の映像信号受像機の入力端子と接続され、前記90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部とから成り、横長の映像信号受像機を90度回転させてポスターのように縦長画面となるように縦長向きに設置した大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機に前記出力部から出力される90度回転させたアナログビデオ信号を入力して、前記飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をリアルタイムで前記大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機に表示し得るように構成して、この縦長の映像信号受像機にリアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させて表示するようにしたことを特徴とする映像信号の90度回転表示装置。」
と補正する内容を含むものである。
なお、アンダーラインは、補正個所を示すために請求人が付したものである。

(2)補正の目的の適合性
上記手続補正は、補正前の請求項1及び3に記載した発明を特定するために必要な事項(以下、「発明特定事項」という。)である「縦長の映像信号受像器」について、「大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機」とし、また、補正前の請求項1乃至3に記載した発明特定事項である、受像器に表示する「映像」について、「ソフトウェアを用いずに90度回転させる映像信号の90度回転表示装置を用い、この表示装置からリアルタイムで出力される90度回転したオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずに」表示する(請求項1)、「リアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させて表示する」(請求項2及び3)としたものであり、それぞれ発明特定事項に限定を付加したものと認められる。
したがって、上記手続補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められ、特許法第17条の2第4項第2号の規定に該当するものである。

(3)独立特許要件
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項3に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下検討する。

(3-1)引用刊行物
(3-1-1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-44520号公報には、図面とともに、次の事項が記載されている。
1a.「【請求項1】 使用者命令が入力されると,PIP画面を90°回転させるために主制御信号を出力する主制御部と,PCから90°回転された主画面映像信号が入力されてデジタル信号に変換する第1信号変換部と,TV,VCR,またはDVDからPIP画面映像信号が入力されてデジタル信号に変換する第2信号変換部と,前記主制御信号によって前記第2信号変換部からデジタル変換されたPIP画面映像信号が入力されて90°回転させるピボット処理部と,前記主制御信号によって前記第1信号変換部から90°回転された主画面デジタル映像信号と前記ピボット処理部から90°回転されたPIP画面デジタル映像信号が入力されて前記主画面とPIP画面を設定された解像度によって重畳するPIP処理部と,前記PIP処理部から重畳画面映像信号が入力されてパネルに表示するためのパネル駆動部とからなることを特徴とするPIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置。
【請求項2】 前記ピボット処理部は,選択制御信号によって前記第2信号変換部から入力されたPIP画面映像信号のうち,所定の信号源から提供されたPIP画面映像信号を選択的に出力する信号源選択部と,前記信号源選択部から選択出力されたPIP画面映像信号を90°回転させて臨時に貯蔵するためのフレームメモリと,イネーブル制御信号が入力されると,前記フレームメモリから書き込まれたPIP画面映像信号を出力し,ディスエーブル制御信号が入力されると,前記信号源選択部から入力されたPIP画面映像信号を出力する出力部と,前記主制御部の制御によって前記信号源選択部に信号源選択信号を出力し,前記信号源選択部から出力されたPIP画面映像信号を設定された順序によってフレームメモリの所定アドレスに書き込み,前記フレームメモリに書き込まれたPIP画面映像信号を設定された順序によって読出して前記出力部へ電送し,前記出力部にイネーブル/ディスエーブル制御信号を出力するピボット制御部とからなることを特徴とする請求項1に記載のPIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置。」(【特許請求の範囲】)
1b.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,PIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置に係り,特に主画面の方向と同一の方向にPIP画面を表示するようになされたPIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来,使用者にとってより便利な使用環境を提供するため,基本機能以外にも多様な付加機能を備えた映像表示機器が提案されている。このような付加機能にはPIP機能とピボット機能が含まれている。
【0003】一般に,PIP(Picture In Picture)機能とは,PCから入力された主画面と,TV,VTR,DVD等の多様な信号源から入力されたPIP画面を重畳することにおいて,1つの映像表示機器画面上に同時に表示する画面編集機能をいう。
【0004】また,ピボット(Pivot)機能とは,横または縦方向に映像表示機器を立てておいた場合,立てた方向に合うように映像を表示する画面編集機能をいう。一般に,PCのソフトウエアによって横,または縦方向に画面編集された状態で映像表示機器に電送されるため,映像表示機器は電送された映像信号をそのまま表示するだけである。」
1c.「【0010】しかし,使用者が映像表示機器を縦に置きPIP画面を置くと,図7(b)に示したようにPCから入力された主画面はPCの特定ソフトウエアによって正常に表示されるが,TV,VCR,DVD等から入力されたPIP画面は90°回転した状態に表示される。
【0011】即ち,従来の映像表示機器は,PIP機能とピボット機能を同時に使用しようとする場合,主画面に表示されるPC映像信号はPCソフトウエアによって横,または縦方向の表示が可能であるが,PIP画面に表示されるTV映像信号,またはVCR映像信号,またはDVD映像信号は横方向にしか表示できない。
【0012】これにより使用者が映像表示機器を縦に置きPIP画面を置く場合,従来のデジタル映像表示機器は,PIP画面が90°回転された状態に表示されるため,使用者が正常な画面を鑑賞できないという問題点があった。」
1d.「【0021】
【発明の実施の形態】以下,図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は,本発明によるPIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置の第1実施形態を図示した全体ブロック図であり,図2は,本発明によるPIP機能を有するデジタル映像表示機器のピボット装置の第2実施形態を図示した全体ブロック図である。
【0022】図3は,図1に図示されたピボット処理部の細部ブロック図であり,図4は,図2に図示されたピボット処理部の細部ブロック図である。
【0023】図1に示したように,本発明による第1実施形態では,使用者命令が入力されるとPIP画面を90°回転させるために主制御部60が主制御信号を出力する。第1信号変換部10は,PCから90°回転された主画面映像信号が入力されるとデジタル信号に変換し,第2信号変換部20は,TV,VCR,またはDVDからPIP画面映像信号が入力されるとデジタル信号に変換する。次いで主制御信号によって第2信号変換部20からデジタル変換されたPIP画面映像信号が入力されると,ピボット処理部30が90°回転させる。主制御信号によって第1信号変換部10から90°回転された主画面デジタル映像信号と,ピボット処理部30から90°回転されたPIP画面デジタル映像信号とが入力されると,PIP処理部40は主画面とPIP画面を設定された解像度によって重畳する。そしてPIP処理部40から重畳画面映像信号が入力されるとパネル駆動部50がパネルに表示する。
【0024】図3に示したようにピボット処理部30では,選択制御信号によって第2信号変換部20から入力されたPIP画面映像信号のうち,所定信号源から提供されたPIP画面映像信号を信号源選択部31が選択的に出力する。信号源選択部31から選択出力されたPIP画面映像信号は90°回転され,フレームメモリ32に臨時に貯蔵される。出力部33はイネーブル(enable)制御信号が入力されるとフレームメモリ32から書き込まれたPIP画面映像信号を出力し,ディスエーブル(disable)制御信号が入力されると,信号源選択部31から入力されたPIP画面映像信号を出力する。ピボット制御部34は,主制御部60の制御によって信号源選択部31に信号源選択信号を出力し,信号源選択部31から出力されたPIP画面映像信号を設定された順序によってフレームメモリ32の所定アドレスに書き込み,フレームメモリ32に書き込まれたPIP画面映像信号を設定された順序によって読出して出力部33へ電送し,出力部33にイネーブル/ディスエーブル制御信号を出力する。」
1e.「【0027】続いて,上記のように構成された本発明による装置を第1実施形態と第2実施形態に分けて調べると,次のとおりである。
【0028】このとき,第1実施形態は,PCのソフトウエアによって主画面が90°回転された状態に映像表示機器に入力される場合,PIP画面を90°回転させるものであり,第2実施形態は,主画面がそのまま映像表示機器に入力される場合,主画面とPIP画面を全部90°回転させるものである。
【0029】
【第1実施形態】まず,図1に示したように,第1信号変換部10は,PCから90°回転された主画面映像信号が入力されるとデジタル信号に変換し,第2信号変換部20は,TV,VCR,またはDVDからPIP画面映像信号が入力されるとデジタル信号に変換する。
【0030】即ち,第1信号変換部10は,PCから入力されたRGB色信号をデジタル信号に変換し,第2信号変換部20は,TV,VCR,またはDVDから入力された複合映像信号を輝度信号(Y)と色差信号(U)に分離した後,分離された輝度信号(Y)と色差信号(U)をRGB色信号にデコーディングしてからデコーディングされたRGB色信号をデジタル信号に変換する。
【0031】このとき,使用者命令が入力されると主制御部60は,PIP画面を90°回転させるために主制御信号を出力する。
【0032】これにより,ピボット処理部30は,主制御信号によって第2信号変換部20からデジタル変換されたPIP画面映像信号が入力されると90°回転させる。
【0033】ピボット処理部30の動作を図3を参照してより詳しく調べると,ピボット制御部34は,主制御部60の制御によって信号源選択部31に信号源選択信号を出力する。
【0034】信号源選択部31は,選択制御信号によって第2信号変換部20から入力されたPIP画面映像信号のうち,所定信号源(例えば,TV,VCR,またはDVD)から提供されたPIP画面映像信号を選択的に出力する。
【0035】これによりピボット制御部34は,主制御部60の制御によって信号源選択部31から出力されたPIP画面映像信号を設定された順序によってフレームメモリ32の所定アドレスに書き込み,フレームメモリ32に書き込まれたPIP画面映像信号を設定された順序によって読出して出力部33へ電送する。
【0036】即ち,ピボット処理部30へ入力されるデータが図5(a)に示したような順序であると,フレームメモリに書き込まれるデータの順序は,図5(b)に示したように90°回転された状態になる。
【0037】例えば,図5(b)に示したように,フレームメモリ32に1つのフレームのデータを書き込むことにおいて,右側の上方アドレスから左側の下方アドレスまで縦方向に書き込む。
【0038】フレームメモリ32は,信号源選択部31から選択出力されたPIP画面映像信号を90°回転させて臨時に貯蔵するためのものである。
【0039】一方,ピボット制御部34は,出力部33にイネーブル/ディスエーブル制御信号を出力する。
【0040】これにより出力部33は,イネーブル制御信号が入力されると,フレームメモリ32から書き込まれたPIP画面映像信号を出力し,ディスエーブル制御信号が入力されると,信号源選択部31から入力されたPIP画面映像信号を出力する。
【0041】即ち,イネーブル/ディスエーブル制御信号によって出力部33は,90°回転される以前のPIP画面映像信号と90°回転された以後のPIP画面映像信号を選択的にPIP処理部40に出力する。
【0042】一方,PIP処理部40は,主制御信号によって第1信号変換部10から90°回転された主画面デジタル映像信号を,ピボット処理部30から90°回転されたPIP画面デジタル映像信号が入力されると,設定された解像度によって重畳する。
【0043】これによりパネル駆動部50は,PIP処理部40から重畳画面映像信号が入力されるとパネルに表示する。
【0044】このとき,主画面とPIP画面をパネルに表示するために,PIP処理部40が入力された主画面映像信号とPIP画面映像信号をフレームメモリ70の割り当てられた領域に設定された順序に書き込んだ後,読出してパネルへ電送する。」
1f.図面の【図7】から、横長のディスプレイパネルを縦方向に置いて縦長のディスプレイパネルとした場合に、その方向に合うように映像を表示することが読み取れる。

(3-1-2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-195570号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
2a.「【0013】書き込みアドレス生成部121は、順次入力される水平ラインスキャン・データストリームを第1のデュアルポートRAM123または第2のデュアルポートRAM124に記憶するためのアドレスを生成し、第1のデュアルポートRAM123および第2のデュアルポートRAM124に出力する。前述したように、画像処理装置100には、図3に示すように1フレームが256×256画素の画像データが入力されるので、書き込みアドレス生成部121はこの1フレームの画像データを第1のデュアルポートRAM123または第2のデュアルポートRAM124の0x0000番地から0xffff番地に順に記録するように、0x0000?0xffffのアドレスを順に生成する。なお0xは、その値が16進数表記であることを示す。
【0014】読み出しアドレス生成部122は、第1のデュアルポートRAM123または第2のデュアルポートRAM124に記憶された画像データが、入力された時とは異なる所定のデータストリームとして出力されるように、その読み出しアドレスを生成し、第1のデュアルポートRAM123および第2のデュアルポートRAM124に印加する。本実施の形態において読み出しアドレス生成部122は、図4に示すように、2次元画像を90°右回転させたような画像データの水平ラインスキャン・データストリームに相当するデータストリーム、換言すれば元の2次元画像の垂直ラインスキャン・データストリーム相当するデータストリームを生成するようなアドレスを生成しメモリに印加する。すなわち、読み出しアドレス生成部122は、0xff00,0xfe00?0x0000,0ff01,0xfe01?0x0001,0xff02?0x0002・・・0xffff?0x00ffというアドレスを順に生成する。」
2b.「【0054】
【発明の効果】このように本発明によれば、2次元的な画像処理および大局的な画像処理を高速かつ適切に効率よく行なうことができる画像処理装置とその方法を提供することができる。また、任意のデータストリームに対する2次元的なデータ処理および大局的な
データ処理を、既存の画像処理装置を用いたとしても高速かつ適切に効率よく行なうことができるように、データストリームを変換するデータストリーム変換装置を提供することができる。」

(3-2)対比・判断
刊行物1には、(3-1-1)の「1a.」乃至「1f.」の記載から次の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
「TV,VCR,またはDVDからのアナログPIP画面映像信号が入力されてデジタル信号に変換する第2信号変換部20と,前記第2信号変換部20からのデジタル変換されたPIP画面映像信号が入力されて90°回転させるピボット処理部30と,90°回転された主画面デジタル映像信号と前記ピボット処理部30からの90°回転されたPIP画面デジタル映像信号が入力されて前記主画面とPIP画面を重畳するPIP処理部40と,前記PIP処理部40からの重畳画面映像信号が入力されてパネルに表示するためのパネル駆動部50とを備え,横長のパネルを縦方向に置いて縦長のパネルとし,その方向に合うように映像を表示することを特徴とするデジタル映像表示機器。」

そこで、本願補正発明(前者)と上記刊行物1記載の発明(後者)とを対比する。
・後者の「TV,VCR,またはDVDからのアナログPIP画面映像信号」は、前者の「リアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像」の「飛び越し走査方式のアナログビデオ信号」と、「リアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像のアナログ映像信号」である点で共通する。
・後者の「デジタル映像表示機器」は、「横長のパネルを縦方向に置いて縦長のパネルとし,その方向に合うように映像を表示する」のであるから、前者の「映像信号の90度回転表示装置」と、「映像信号の90度回転表示装置」である点で共通し、後者のデジタル映像表示機器にはアナログPIP画面映像信号が入力されることから、後者も、TV,VCR,またはDVD等の映像装置の出力端子とケーブル等を介して接続され、映像装置からのアナログPIP画面映像信号を入力する入力端子を有していることは構成上明らかであるから、後者も、「映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力されるアナログ映像信号を入力する入力部」に相当する構成を有しているものと認められる。
・後者の「アナログPIP画面映像信号が入力されてデジタル信号に変換する第2信号変換部20」は、前者の「入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードするデコーダ回路」と、後者もA/D変換を行うデコーダ回路に相当する機能を有していると解されること及び上記対応関係を勘案すれば、「入力されたアナログ映像信号をデコードするデコーダ回路」である点で共通する。
・後者の「第2信号変換部20からのデジタル変換されたPIP画面映像信号が入力されて90°回転させるピボット処理部30」は、前者の「順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のディジタルビデオ信号を90度回転させる信号回転装置」と、「変換されたディジタル映像信号を90度回転させる信号回転装置」である点で共通する。
・後者の「90°回転された主画面デジタル映像信号とピボット処理部30からの90°回転されたPIP画面デジタル映像信号が入力されて主画面とPIP画面を重畳するPIP処理部40とPIP処理部40からの重畳画面映像信号が入力されてパネルに表示するためのパネル駆動部50を備え,横長のパネルを縦方向に置いて縦長のパネルとし,その方向に合うように映像を表示する」点の構成は、前者の「回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータと、横長の映像信号受像機の入力端子と接続され、前記90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部とから成り、横長の映像信号受像機を90度回転させてポスターのように縦長画面となるように縦長向きに設置した大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機に前記出力部から出力される90度回転させたアナログビデオ信号を入力して、前記飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をリアルタイムで前記大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機に表示し得るように構成」した点と、「回転した映像信号をリアルタイムに出力する横長の映像信号受像機を90度回転させて縦長画面となるように縦長向きに設置した縦長の映像信号受像機に90度回転させた映像信号を入力して、前記映像信号をリアルタイムで前記縦長の映像信号受像機に表示し得るように構成」した点で共通する。

したがって、両者は、
「映像信号が出力される出力端子と接続され、この出力端子からリアルタイムで出力されるアナログ映像信号を入力する入力部と、この入力されたアナログ映像信号をデコードするデコーダ回路と、変換されたディジタル映像信号を90度回転させる信号回転装置と、回転した映像信号をリアルタイムに出力する、横長の映像信号受像機を90度回転させて縦長画面となるように縦長向きに設置した縦長の映像信号受像機に、90度回転させた映像信号を入力して、前記映像信号をリアルタイムで前記縦長の映像信号受像機に表示し得るように構成して、この縦長の映像信号受像機にリアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を90度回転させて表示するようにしたことを特徴とする映像信号の90度回転表示装置。」
の点の構成で一致し、以下の各点で相違する。

[相違点1]
前者が、飛び越し走査方式のアナログビデオ信号をデコードして得たディジタルビデオ信号を順次走査方式に信号変換する順次走査方式化回路を備えているのに対し、後者は、飛び越し走査方式のアナログビデオ信号映像信号をデコードしているか明らかではなく、前者の順次走査方式化回路に相当する構成も記載されていない点。
[相違点2]
前者が、回転したディジタルビデオ信号をアナログ信号化するD/Aコンバータを備えているのに対し、後者は、このような構成を有していない点。
[相違点3]
前者が、受像機の入力端子と接続され、90度回転させたアナログビデオ信号をリアルタイムに出力する出力部を備えているのに対し、後者には、映像信号を出力する出力部及びパネルの入力端子が記載されていない点。
[相違点4]
リアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を表示するために、前者が、ポスターのように縦長画面となるように縦向きに設置した大型・薄型にして縦長のカラー映像信号受像機を用いているのに対し、後者は、横長のパネルを縦方向に置いて縦長のパネルとしているものの、このパネルについて大型・薄型のカラー映像信号受像機であるとの記載がない点。
[相違点5]
前者が、リアルタイムのオンエア映像やビデオテープなどの一般に流通している映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させて表示するようにしているのに対し、後者には、加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させる点の記載がない点。

そこで、上記各相違点について検討する。
[相違点1]について
インターレース映像信号をA/D変換し、偶奇両フィールドのA/D変換した信号をメモリに記憶し、それをメモリから読み出して順次走査方式に変換することは、例えば、特開平3-167595号公報[「特許請求の範囲」に「2:1インターレース信号である第1映像信号のRGB輝度信号を量子化してデジタルRGB輝度信号に変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段からのデジタルRGB輝度信号を記憶する映像記憶手段と、この映像記憶手段から読み出されたデジタルRGB輝度信号をアナログ化するD/A変換手段と、第2映像手段のRGB輝度信号を部分的に前記D/A変換手段からのRGB輝度信号に置き換えるミキシング手段と、前記第1映像信号による画面中に前記D/A変換手段からのRGB輝度信号による画面をどのように挿入するかを示す指令に基づいて前記各手段を制御する制御手段とを備えた映像重畳装置において、・・・」と記載され、1ページ右下欄下から6行?2ページ左上欄4行に〔従来の技術〕として「いわゆるパーソナルコンピュータ(パソコン)の分野では、パソコン映像中にテレビ映像などを重ねて表示するピクチャーインピクチャーと呼ばれる画像処理が行われるようになってきた。すなわち、パソコンとパソコンモニタとの間に介在し、外部から映像信号、特に、一般的な2:1インターレース映像信号を取り込んでパソコン映像画面の一部に外部からの映像信号に基づく画面を表示する映像重畳装置が開発されつつある。」と記載され、さらに、5ページ右上欄15行?左下欄8行に「切換スイッチ30の可動接点30aを固定接点30cに倒せば、垂直同期信号がフィールド選択手段27中を単に通過するだけなのでフィールドの間引きは行われず、映像メモリ26には奇数偶数の両フィールドが書き込まれる。・・・映像メモリ26からの読み出しは、スーパーインポーズ制御部31によって行われる。この読み出しは、上述の書き込み動作とは独立して行われ、読み出されたデジタルRGB輝度信号は、DAC32でアナログRGB輝度信号に変換され、ミキシング制御部33の制御の下でビデオスイッチ34によりパソコン映像信号3に重畳される。」と記載されている。]に示されるように従来周知であり、このような従来周知の事項を刊行物1記載の発明に適用して相違点1に係る構成とすることは、当業者が格別の推考力を要することなくなし得る程度のことと認められる。
[相違点2]について
ディジタルビデオ信号を用いてディジタル表示を行うこと、及び、ディジタルビデオ信号をD/A変換してアナログ信号化し、得られたアナログビデオ信号を用いてアナログ表示を行うことは、ともに周知の方式であり、刊行物1記載の発明のようなデジタル方式の表示に代えて、本願補正発明のようなアナログ方式の表示を採用することは、当業者が格別の推考力を要することなくなし得る程度のことと認められる。
[相違点3]について
ディスプレイに入力端子を設け外部から送出される映像信号を表示することは、例示するまでもなく周知であり、このような従来周知の事項を刊行物1記載の発明に適用して相違点3に係る構成とすることは、当業者が格別の推考力を要することなくなし得る程度のことと認められる。
[相違点4]について
縦長のディスプレイに広告用の映像を表示すること及びその有する効果は、例えば、特開2001-109387号公報[段落【0002】に【従来の技術】として「文字や図柄を電子的に表示するディスプレイは、今や、プロジェクター,店頭広告,待ち時間表示器,ゲーム器,コンピュータのモニター等、多くの分野で使用されている。」と記載され、
段落【0005】に【発明が解決しようとする課題】として「ディスプレイは、様々な設置向き、例えばディスプレイの面を様々な角度に回転させた状態で使用すると、その表示効果を高めることができることがある。すなわち、人の視線に直面するディスプレイ面をディスプレイ面と同じ面内で右あるいは左に90度回転させ、それまでは横長なディスプレイ面であったものを同じ視線で縦長なディスプレイ面となる状態にしたり、さらに90度回転させて、同じ視線で当初からは逆さまで横長なディスプレイ面となる状態にしたりするのである。これは、例えば、横書き文字の表示を縦書き文字の表示に変えたり、ゲーム内容にふさわしい表示環境を提供したり、ディスプレイを見る人の注目を集めたりする場合に相応しいディスプレイ面を提供することになる。」と記載されている。]、特開2000-242182号公報[段落【0002】に【従来の技術】として「PDPは薄型で大画面を確保できることから、大型壁掛けTVや広告を始めとする各種の情報表示装置として大きな需要が見込まれている。」と記載され、段落【0004】に「PDPは、壁掛けTVの場合はパネルを横長、即ち横向きに設置して使用されるが、広告を始めとする各種の情報表示装置の場合はパネルを縦長、即ち縦向きに設置して使用される場合もある。」と記載されている。]に示されるように従来周知であり、PDP等の大型・薄型にして縦長の映像信号受像機に表示を行うことも、上記特開2000-242182号公報に記載されているところであるから、この点にも格別の特徴は認められない。また、カラー映像信号受像機を用いて映像表示を行うことも従来から普通に行われているところであるから、この点にも格別のものは認められない(刊行物1においても、RGB色信号を用いた処理が行われており((3-1-1)の「1e.」の記載参照。)、このことからみて、刊行物1記載のパネルもカラー表示がなされるものと理解される。)。
そして、受像器にリアルタイムのオンエア映像信号を広告のために表示することも、例えば、特開昭50-11619号公報[1ページ右下欄12行?15行に「本発明はテレビジヨン放送受信装置に係り、テレビジヨン放送を受信しながら、所要時、宣伝広告用のカラー画像を放送受信画像に重畳表示し得る装置を提供することを目的とする。」と記載されている。]、特表2001-525637号公報[【特許請求の範囲】の【請求項1】に「現に放送されているテレビジョン信号を回復するための受信機と、前記回復したテレビジョン信号を表示するためのディスプレイモニタと、上記回復したテレビジョン信号からのテレビジョン画像を情報メッセージ及び広告メッセージの両方と同時にモニタ上に表示する手段と、を備えたことを特徴とするテレビジョンシステム。」と記載されている。]に示されるように従来周知の事項である。
したがって、上記のような従来周知の事項を勘案すれば、これらの周知事項を刊行物1記載の発明に適用して相違点4に係る構成とすることは、当業者が格別の推考力を要することなくなし得る程度のことと認められる。
[相違点5]について
「映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させて表示する」点に関して、平成16年6月16日付けで補正された明細書の段落【0019】(出願当初の明細書の段落【0022】と同内容)には、「図1に示すように、入力された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号1をデコードするデコーダ回路2と、デコードされた飛び越し走査方式のアナログビデオ信号1を順次走査方式に変換する順次走査方式化回路3と、この順次走査方式に変換された飛び越し走査方式のアナログビデオ信号1を画像データとして保存するメモリ4と、画像データをメモリ4の指定のアドレスであるメモリ書き込みアドレス8に書き込み、指定のアドレスであるメモリ読み出しアドレス9から読み込むためのアドレス発生回路6と、読み込んだ画像データをアナログ信号化するD/Aコンバータ5とから成り、メモリ4から読み込む際に画像データを90度回転させ、この回転画像出力7をリアルタイムに表示器に表示できるように構成した。」(アンダーラインは当審で付したもの)と記載されており、この記載からみて、「映像を加工せずにソフトウェアを用いることなく90度回転させ」るとは、画像データが書き込まれたメモリの読み出しアドレスを順次指定して、書き込まれた画像データを90度回転した画像データを読み出すことを含むものと理解できるところ、このような画像回転手法は、前記刊行物2に「【0014】読み出しアドレス生成部122は、第1のデュアルポートRAM123または第2のデュアルポートRAM124に記憶された画像データが、入力された時とは異なる所定のデータストリームとして出力されるように、その読み出しアドレスを生成し、第1のデュアルポートRAM123および第2のデュアルポートRAM124に印加する。本実施の形態において読み出しアドレス生成部122は、図4に示すように、2次元画像を90°右回転させたような画像データの水平ラインスキャン・データストリームに相当するデータストリーム、換言すれば元の2次元画像の垂直ラインスキャン・データストリーム相当するデータストリームを生成するようなアドレスを生成しメモリに印加する。」((3-1-2)の「2a.」の記載参照。)等記載されているところからみて、従来から知られているものと認められる。
したがって、刊行物2に示されるような公知の画像回転手法を、刊行物1記載の発明の画像回転に適用して相違点5に係る構成とすることは、当業者が格別の推考力を要することなくなし得る程度のことと認められる。

そして、本願補正発明による効果も、刊行物1及び2の記載並びに周知事項から当業者が予測しうる範囲内のものにすぎない。
したがって、本願補正発明は、刊行物1及び2記載の発明並びに周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件手続補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年6月16日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至3に係る発明は、平成15年10月14日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項3に係る発明は、「2.(1)」の補正前の特許請求の範囲の請求項3に記載されたとおりのものである。

4.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物及びその記載事項は、前記「2.(3-1)」に記載したとおりのものである。

5.対比・判断
本願の請求項3に係る発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から、前記限定を省いたものである。
そうすると、本願補正発明が、前記「2.(3-2)」に記載したとおり、刊行物1及び2記載の発明並びに周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願の請求項3に係る発明も、同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願の請求項3に係る発明が特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-02-02 
結審通知日 2007-02-05 
審決日 2007-02-16 
出願番号 特願2002-161726(P2002-161726)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G09G)
P 1 8・ 121- Z (G09G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 亮治  
特許庁審判長 上田 忠
特許庁審判官 下中 義之
小川 浩史
発明の名称 映像信号の90度回転表示装置を用いた広告方法並びにその映像信号の90度回転表示装置  
代理人 吉井 雅栄  
代理人 吉井 剛  

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