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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04G
審判 査定不服 判示事項別分類コード:875 特許、登録しない。 E04G
管理番号 1155951
審判番号 不服2005-9014  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-05-12 
確定日 2007-04-09 
事件の表示 特願2003-20487「コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年8月19日出願公開、特開2004-232276〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成15年1月29日の出願であって、平成17年4月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月10日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成17年6月10日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年6月10日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正は、拒絶査定時の特許請求の範囲の請求項1及び2を次のように補正することを含むものである。
「【請求項1】 汚れを除去したコンクリート構造物の地上露出面に水蒸気透過性を有するプライマーを塗布するプライマー処理を行う第1工程と、
前記プライマー処理を行ったコンクリート構造物の地上露出面に、コンクリートの中性化を防止する下地用コーティング剤を厚さ100?650μmに塗布するベースコーティングを行う第2工程と、
前記ベースコーティングを施されたコンクリート構造物の地上露出面に補強用繊維質シートを貼り付け、更に、前記補強用繊維質シートに中間用コーティング剤を含浸する第3工程と、
前記貼り付けられた補強用繊維質シートの上から更に前記中間用コーティング剤を塗布するミドルコーティングを行う第4工程と、
前記ミドルコーティングを施された地上露出面に最終仕上げを行う上地用コーティング剤を塗布するファイナルコーティングを行う第5工程とを有することを特徴とするコンクリート構造物の表面の強化コーティング方法。」

上記補正は、補正前の請求項1ないし2に係る発明を特定するために必要な事項である「下地用コーティング剤」に関して、「厚さ100?650μm」との限定を付加するものと一応解されるから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮又は明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するといえる。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-247636号公報(以下、「引用例」という。)には、次の(イ)ないし(ル)の事項が記載されている。
(イ)「コンクリート建造物表面をサンディングし、プライマーで表面処理した後に、請求項1?6いずれかの項記載の繊維強化用樹脂組成物を用いた不陸修正剤を塗布し、この上に繊維強化材を貼り付け、更に該繊維強化材に請求項1?6いずれかの項記載の繊維強化用樹脂組成物を含浸硬化させ、次いでトップコートを塗布する工程を含むことを特徴とするコンクリート建造物の補強・補修工法。」(【特許請求の範囲】【請求項9】)
(ロ)「【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化用樹脂組成物及び繊維強化樹脂、並びに該繊維強化用樹脂組成物を用いたコンクリート構造物の補強・補修工法に関し、特に、橋脚、橋梁、建造物の柱等のコンクリートから成る構造物の補修・補強に適した繊維強化用樹脂組成物及び繊維強化樹脂、並びに該繊維強化用樹脂組成物を用いたコンクリート構造物の補強・補修工法に関するものである。」(段落【0001】)
(ハ)「本発明の繊維強化樹脂は、・・・繊維強化用樹脂組成物と繊維強化材とを含有して得られる。具体的には、例えば、本発明の繊維強化用樹脂組成物を予めプライマー処理したコンクリート面に脱泡ローラーや刷毛を使用して塗布し、その上に含浸させる部分に寸法を合わせ裁断した繊維強化材を貼り付け、脱泡ローラー等でよく含浸させる。更に同樹脂組成物をその上に垂らし脱泡ローラー等で含浸させる。これを、-20?60℃の範囲で成形硬化することにより得られる。」(段落【0054】)
(ニ)「本発明の繊維強化樹脂に使用する繊維強化材は、樹脂組成物が含浸することにより強度、弾性率の高い成形品を得る作用を有し、例えば、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維等の種々の強化繊維を挙げることができ、これらの強化繊維を単独或いは二種類以上を混合して使用することができる。・・・」(段落【0055】)
(ホ)「本発明のコンクリート建造物の補強・補修工法は、コンクリート建造物表面をサンディングし、プライマーで表面処理した後に、本発明の繊維強化用樹脂組成物を用いた不陸修正剤を塗布し、この上に繊維強化材を貼り付けて、更に該繊維強化材に本発明の繊維強化用樹脂組成物を含浸硬化させ、次いでトップコートを塗布する工程を含む。」(段落【0057】)
(ヘ)「まず、補強・補修されるコンクリート建造物、例えば橋脚、橋梁、建築物等のコンクリート表面の層を、サンダー等で研磨、剥離等の作業を行い、更に穴、窪み、突起部分等の凹凸部分を不陸修正剤で平坦な面に仕上げる下地処理を行う。次にコンクリート表面にコンクリートと不陸修正剤とを接着させるためにプライマーを塗布する。プライマーが乾燥した後、繊維強化材を設置し、脱法ローラー等で本発明の繊維強化用樹脂組成物を含浸させ、コンクリートに貼り付け硬化させる。必要に応じてこの積層工程を数回繰り返して、最後にトップコートを塗布することにより、コンクリート建造物の補修・補強を実施する。」(段落【0058】)
(ト)「このような工程を経ることで、コンクリート建造物の補強・補修を実施すると、人体に有害な有機物の揮散が少なく、臭気もないために、例えばトンネル内の工事や建築物内部の工事において作業環境が良好な状態を保つことができ、工事後も臭気が残ることがなく、更に、出来上がった構造物は、地震等の応力に対して十分耐える強度を示すことができる。」(段落【0059】)
(チ)「本発明のコンクリート建造物の補強・補修工法で用いる不陸修正剤は、本発明の繊維強化用樹脂組成物を含み、具体的には、エポキシアクリレート(a)及び共重合性単量体(b)に無機充填剤を配合して、これを有機過酸化物(c)と第3級アミン化合物及び/又は有機酸のコバルト塩(d)と組み合わせることにより硬化させることができる。」(段落【0060】)
(リ)「上記プライマーに使用できる樹脂としては、エポキシアクリレート(a)及び共重合性単量体(b)を、有機過酸化物(c)と第3級アミン化合物及び/又は有機酸のコバルト塩(d)と組み合わせたものを使用することができる。また、公知のウレタン系プライマー、エポキシ化合物系プライマー、ビニルエステル系プライマーも使用することができ、これらを必要に応じて組み合わせて使用することもできる。・・・」(段落【0062】)
(ヌ)「また、トップコートに使用できる樹脂としては、繊維強化用樹脂組成物の硬化物との接着性に優れ、耐候性に優れたもの、例えば公知の一液或いは二液型のアクリルウレタン系塗料やフツ素系塗料を用いることができる。」(段落【0063】)
(ル)「【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂組成物及び当該繊維強化用樹脂組成物を用いた繊維強化樹脂は、コンクリート構造物の補強・補修を時期を問わず良好に実施するのに有効に用いることができ、特に、温暖な季節だけではなく、冬場の低温下での施工性に優れている。また、問題となるラップ強度、コンクリートとの接着性についても良好であり、信頼性のあるコンクリート建造物の補強・補修が可能となる。更に、環境汚染等につながる大気中への溶剤等の揮散或いは臭気が少なく、密閉された建造物内部の補強・補修にも適している。」(段落【0084】)
これらの記載から、引用例には、「コンクリート建造物表面をサンディングし、プライマーで表面処理した後に、繊維強化用樹脂組成物を用いた不陸修正剤を塗布し、この上に繊維強化材を貼り付け、更に該繊維強化材に繊維強化用樹脂組成物を含浸硬化させ、次いでトップコートを塗布する工程を含むコンクリート建造物の補強・補修工法。」という発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「コンクリート建造物表面をサンディングし、プライマーで表面処理し」、「プライマーで表面処理した後に、繊維強化用樹脂組成物を用いた不陸修正剤を塗布し」、「この上に繊維強化材を貼り付け、更に該繊維強化材に繊維強化用樹脂組成物を含浸硬化させ」、「次いでトップコートを塗布する工程」及び「コンクリート建造物の補強・補修工法」は、それぞれ本願補正発明の「汚れを除去したコンクリート構造物の地上露出面にプライマーを塗布するプライマー処理を行う第1工程」、「前記プライマー処理を行ったコンクリート構造物の地上露出面に、コンクリートの中性化を防止する下地用コーティング剤を塗布するベースコーティングを行う第2工程」、「前記ベースコーティングを施されたコンクリート構造物の地上露出面に補強用繊維質シートを貼り付け、更に、前記補強用繊維質シートに中間用コーティング剤を含浸する第3工程」、「前記貼り付けられた補強用繊維質シートの上から更に「コーティングを行う」工程及び「コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法」に相当する。
よって両者は、
「汚れを除去したコンクリート構造物の地上露出面にプライマーを塗布するプライマー処理を行う第1工程と、前記プライマー処理を行ったコンクリート構造物の地上露出面に、コンクリートの中性化を防止する下地用コーティング剤を塗布するベースコーティングを行う第2工程と、前記ベースコーティングを施されたコンクリート構造物の地上露出面に補強用繊維質シートを貼り付け、更に、前記補強用繊維質シートに中間用コーティング剤を含浸する第3工程と、前記貼り付けられた補強用繊維質シートの上から更にコーティングを行う工程を有することを特徴とするコンクリート構造物の表面の強化コーティング方法。」である点で一致し、以下の点で相違している。
〈相違点1〉
プライマーを塗布するプライマー処理を行う第1工程において、本願補正発明では、水蒸気透過性を有するプライマーを用いるのに対して、引用発明では、そのような性質を有するものかどうか不明である点。
〈相違点2〉
下地用コーティング剤を塗布するベースコーティングを行う第2工程に関して、本願補正発明では、下地用コーティング剤を厚さ100?650μmに塗布するのに対して、引用発明では、そのような厚さであるかどうか不明である点。
〈相違点3〉
補強用繊維質シートの上から更にコーティングを行う工程に関して、本願補正発明では、補強用繊維質シートの上から更に前記中間用コーティング剤を塗布するミドルコーティングを行う第4工程と、前記ミドルコーティングを施された地上露出面に最終仕上げを行う上地用コーティング剤を塗布するファイナルコーティングを行う第5工程とを有するものであるのに対して、引用発明では、そのような2工程によるものではない点。

(4)判断
〈相違点1について〉
例えば、拒絶査定で引用された特開昭63-50380号公報には、「本発明は建築物や構造物に広く用いられているコンクリートの保護方法に関するものであって、・・・」(明細書第1頁左欄第12?14行目)、「本発明方法において用いられるアルコキシシラン化合物は低分子化合物であるため、・・・コンクリートの親水的な性質を疎水性に変化させる。又、コンクリート組織中の毛細管は埋められないため、水蒸気透過性は阻害しない。」(明細書第6頁右上欄第20行目?左下欄第7行目)と記載され、また、同じく特開昭55-104380号公報には、「加水分解しうるシラン化合物で建築材料中に防水能のある浸透層を形成させ、・・・」(明細書第2頁左下欄第3?4行目)、「本発明による防水用組成物は公知方法で、防水すべき建築材料の表面上に噴霧、塗布又は浸漬によつてなされる。」(同第5頁左上欄第10?12行目)と記載されている。また、特開昭55-102673号公報には、「本発明は、オルガノアルコキシシランと、特定のアクリル系樹脂から成る浸透性防水用組成物に関するものである。」(明細書第1頁左欄第15?17行目)、「つまりオルガノアルコキシシランで建築材料中に防水能のある浸透層を形成させ、さらにその表面をアクリル系樹脂によつて被覆する事によつて著じるしくその防水効果を高めるものである。」(同第2頁右上欄第18行?左下欄第2行目)と記載されている。
これからすると、建築物や構造物のコンクリートの保護方法や建築材料の被膜(本願補正発明の「コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法」に相当。以下同様。)として、浸透性組成物(水蒸気透過性を有するプライマー)を用いることは周知の技術であるから、引用発明のプライマーに、これらの周知技術を採用することにより、水蒸気透過性を有するプライマーを得ることは、当業者ならば、容易になし得ることであるといえる。
〈相違点2について〉
コンクリート構造物の補強方法(コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法)において、緩衝材(下地用コーティング剤)の厚さを通常100?2000μm、特に200?1000μmに塗布することは、周知の技術であるといえる。
してみると、引用発明の下地コーティング材(不陸修正有り)の厚さを、その構造物の下地表面状況に応じて、本願補正発明における厚さのものと設定することは、当業者ならば、容易になし得ることであるといえる。
ちなみに、例えば、特開2002-79604号公報には、「コンクリート構造物の表面上に、・・・緩衝材を介して強化繊維含有材料を設ける工程を含むことを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。」(【特許請求の範囲】【請求項1】)、「前記緩衝材が樹脂50?100質量%及び充填材0?50質量%を含み、・・・コンクリート構造物の補強方法。」(【特許請求の範囲】【請求項4】)、及び「・・・前記成形された緩衝材の厚さは、通常100?2000μm、特に200?1000μmとすることが好ましい。・・・」(段落【0026】)と記載されているように、上記のような厚さを設定したものも、従来より知られている。
〈相違点3について〉
例えば、特開2002-256707号公報には、「【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造物の補修及び補強、更に詳述すれば、コンクリート構造物のコンクリートがコールドジョントや中性化、塩害などによる鉄筋の腐食や骨材の膨張、若しくは施工不良などによりコンクリート片として剥離し、落下することを防いだり、上記の要因により剥離や浮きが発生し補修した部分が剥離し、落下することを防止するシート及びコンクリート構造物の補修・補強方法に関するものである。」(段落【0001】)との記載が、また、従来技術に関して、「従来はコンクリートが剥離し、落下する恐れがある場合、先ずコンクリート表面を奇麗に清浄し、ついでコンクリートの劣化の程度により、含浸材、鉄筋防錆材、断面修復材、ひび割れ注入材などを必要に応じて施し、下塗り材を塗布した後にパテなどの下地調整材を使用して平滑化などの処置を施し、一次仕上げを行う。次に表面被覆材として各種塗料、建築仕上塗材、塗膜防水材、成形板などで二次仕上げを行うか、或いは一次仕上げの後に接着剤を塗布し、その上に補修や補強のために織布や編布を貼り付け、更に接着剤を塗布して塗り固め、乾燥固化後に再び下塗り材を塗布し、その上に耐候性を有する塗料を塗布し、二次仕上げを行っていた。」(段落【0003】)との記載がある。
これからすると、コンクリート構造物の補修・補強方法において、二次仕上げを行うことは周知の技術である。そうすると、コンクリート構造物の補修・補強方法(コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法)において、引用発明の方法において、これらの周知技術を採用することにより、一次仕上げの後に接着剤を塗布し、その上に補修や補強のために織布や編布を貼り付け、更に接着剤を塗布して塗り固め(第4工程)、乾燥固化後に再び下塗り材を塗布し、その上に耐候性を有する塗料を塗布し、二次仕上げを行う工程(第5工程)を得ることは、当業者ならば、適宜選択しなし得ることであるといえる。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下するべきものである。

3.本願発明について
平成17年6月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成17年2月1日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】 汚れを除去したコンクリート構造物の地上露出面に水蒸気透過性を有するプライマーを塗布するプライマー処理を行った後、コンクリートの中性化を防止する下地用コーティング剤を介して補強用繊維質シートを貼着し、更にその上から浸透性を有する上地用コーティング剤を塗布することを特徴とするコンクリート構造物の表面の強化コーティング方法。
【請求項2】 汚れを除去したコンクリート構造物の地上露出面に水蒸気透過性を有するプライマーを塗布するプライマー処理を行う第1工程と、
前記プライマー処理を行ったコンクリート構造物の地上露出面に、コンクリートの中性化を防止する下地用コーティング剤を塗布するベースコーティングを行う第2工程と、
前記ベースコーティングを施されたコンクリート構造物の地上露出面に補強用繊維質シートを貼り付け、更に、前記補強用繊維質シートに中間用コーティング剤を含浸する第3工程と、
前記貼り付けられた補強用繊維質シートの上から更に前記中間用コーティング剤を塗布するミドルコーティングを行う第4工程と、
前記ミドルコーティングを施された地上露出面に最終仕上げを行う上地用コーティング剤を塗布するファイナルコーティングを行う第5工程とを有することを特徴とするコンクリート構造物の表面の強化コーティング方法。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
そこで、平成17年2月1日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項2に記載された発明を本願発明と認定して検討すると、本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から、「下地用コーティング剤」に関して、「厚さ100?650μm」との限定を省略するものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含む本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお、仮に、本願補正発明が同上補正書の請求項1に記載された発明を限定したものであるとしても、当該請求項1に記載された発明は、特許請求の範囲の請求項2に記載された発明の上位概念の発明になっているので、同様の理由により、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-22 
結審通知日 2007-01-30 
審決日 2007-02-14 
出願番号 特願2003-20487(P2003-20487)
審決分類 P 1 8・ 875- Z (E04G)
P 1 8・ 121- Z (E04G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 哲  
特許庁審判長 大元 修二
特許庁審判官 西田 秀彦
小山 清二
発明の名称 コンクリート構造物の表面の強化コーティング方法  
代理人 中前 富士男  
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