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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1156978
審判番号 不服2003-6494  
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-04-17 
確定日 2007-05-10 
事件の表示 特願2001- 81145「ネットワークゲームを利用した広告システム、広告プログラム及び広告方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月24日出願公開、特開2002-273060〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯・本願発明
本願は、平成13年3月21日に出願され、拒絶理由に対応して平成15年2月17日に手続補正書が提出され、その後為された拒絶査定に対して、平成15年4月17日に拒絶査定不服審判が請求されたものであって、本願発明は、前記手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?14に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という)は次のとおりである。
「ネットワークを介して接続した利用者端末にゲーム情報を提供してネットワークゲームを行わせると共に、該利用者端末に広告情報を提供するネットワークゲームを利用した広告システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、
該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段と、前記ゲームのキャラクターの動作を監視する監視手段と、
前記キャラクターの動作と、前記広告情報とを関連付けて記憶する広告関連テーブルと、
前記監視手段からの監視情報に基づいてキャラクターが、所定動作を行ったと判定した場合に、前記広告関連テーブルを参照して関連する広告情報を利用者端末に提供する情報提供手段と、
前記キャラクタ-が所定動作を行ったと判定された頻度を所定動作毎に計測する頻度計測手段と、
該頻度計測手段の計測結果に応じて所定動作毎の広告料金を算出し、該所定動作毎の回数に基づいて回数の多い広告料金の単価を高く、回数の少ない広告料金の単価を低く算出する料金算出手段と、
を備えたネットワークゲームを利用した広告システム。」



第二.特許法第29条第2項に基づく拒絶の理由
[1].刊行物に記載された発明
原査定の拒絶理由に引用された、特開2000-157724号公報には、以下の事項が記載されている。
(A)特開2000-157724号公報(以下「刊行物A」という)
(A-1).「【0004】この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、より多くのユーザーと協同してゲームを可能にするネットワークを利用したゲームシステム、ネットワークに接続可能なゲーム機及びこのゲーム機のためのプログラムが記録された媒体を提供することを目的とする。」
(A-2).「【0044】(A)ロールプレーイングゲーム/アドベンチャーゲームにおいて、さまざまな行動、例えば「ドアを開ける」「部屋に入る」「宝箱を開ける」「電話をする」「人物に話し掛ける」「人物についていく」「乗り物・エレベータに乗る」などの行動をとるが、これをインターネットアクセスの起動のキーとする。ゲームにおいて特定の行動がなされると、モデム1jを介して自動的にインターネットにアクセスされ、必要な画面や情報が得られる。例えば、ゲーム中でドアを開けたら特定のホームページの画面がユーザーのゲーム機の表示部に表示され、この画面がゲームの一部となったり、ゲーム中で電話をかけたらニュースを受信して最新の情報が表示され、この最新の情報に基づいてゲームシナリオが展開する。例えば、図6(a)では電話をかけてニュースと天気予報の情報を得ることができた。どのホームページにアクセスし、どのような処理をするかに関して、例えば、次のような方法がある。(1)常に同じホームページにアクセスし、そのホームページ内において、起動のキーの種類によって以降の動作が決められる。(2)起動のキーの種類によってどのホームページにアクセスするかが決められる。」
(A-3).「【0050】(A)画面内でURLデータを持ったオブジェクトをゲーム内容に即して移動させる。例えば、ゲーム画面においてさまざまなキャラクタがランダムに動きまわるときに、プレイヤーが自身のキャラクタを動かしていずれかのキャラクタと接触する(例えば会話を試みる)。すると自動的にインターネットアクセスプログラムが起動してサーバー13にアクセスする。ゲーム中の人物は一人ひとり独自のURLを持つので、どのキャラクタと接触するかによってインターネットのアクセス先が異なる。そのキャラクタに関連するホームページだったり、そのキャラクタのグッズを販売している会社のホームページだったり、あるいはそのゲームのスポンサーのホームページであったり、さまざまなケースが考えられる。また、単にホームページにアクセスするばかりでなく、メールやチャットを楽しむこともできる。例えば、ゲーム中の特定の人物と会話を試みると、その人物を管理するユーザー(その人物のファンクラブの代表者など)が、1)同時刻にサーバーにアクセスしている場合にはチャット画面が起動しチャットを楽しむことができるし、2)サーバーにアクセスしていない場合にはそのユーザーのメールアドレスへメッセージを発言する画面が起動する。」
(A-4).「【0053】(C)上記(A)の場合はゲームの途中でインターネットに入るものの、インターネットについての処理あるいは行動はゲームの進行に直接影響を与えなかった。しかし、もっと積極的にインターネットをゲームシナリオに取り込むようにしてもよい。例えば、仮想空間内で特定のホームページに早くアクセスすることをゲーム形式で競争することが考えられる。画面内に多数のオブジェクトを配置し、それぞれのオブジェクトは独自のURLを持つ。ユーザーの操作するキャラクターがそのオブジェクトに画面上で接触した場合、強制的にそのURLへジャンプする。ユーザーはキャラクターをうまく操作しないと、行きたくもないホームページに飛ぶことになる。図8の場合、キャラクターが画面中を行き交う自動車を避けることに失敗してある自動車にぶつかってしまい、救急車により病院に連れて行かれてしまう。連れ込まれた先は、ぶつかった自動車に対応するホームページである。もっとも、これを逆に利用してスポンサー等の広告に利用することもできる。したがって、あらかじめ指定されたホームページにアクセスするためには、不要なURLオブジェクトとの接触を回避しながら、必要なURLオブジェクトと接触しなくてはならない。つまり、指定されたホームページへのアクセスを目標とし、さまざまな障害を乗り越えていくというゲームである。目標となるホームページのURLオブジェクトはゲーム開始画面に存在する場合も、複数のURLを経由しないと到達できない場合もある。後者の場合、いくつかのステージをクリアしながら最終ステージに達した後、やっと目的のホームページにアクセスできることになる。これらステージをそれぞれ別のホームページに対応させてもよい。途中で経由するホームページにていくつかの課題をクリアすることで、次のホームページにジャンプするためのコードを獲得することもできる。URLオブジェクトに有効範囲であるコリジョンを持たせ、その範囲やオブジェクトの移動パターンをオブジェクトごとに異ならせることで、アクセスしやすいホームページ、アクセスの難しいホームページを設定することができる。
(A-5).してみると、刊行物Aには次の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。
「ネットワークにアクセスし、ネットワークからゲームプログラムをダウンロードするゲーム機であって、
ロールプレイングゲームにおける「ドアを開ける」、「部屋に入る」などの特定の行動がなされると、当該特定の行動がインターネットアクセスの起動キーとなって、当該特定の行動に対応したURLで特定されるホームページにアクセスして、当該特定のホームページの画像が広告画像としてゲーム機に表示される、ネットワークを利用したゲームシステム」


[2].引用発明と本願発明との対比・判断
(1).発明特定事項の対応関係
(i).引用発明における「ネットワークを利用したゲームシステム」は、本願発明の「ネットワークゲーム」に対応する。
(ii).引用発明における「特定の行動」は、本願発明の「所定動作」に対応し、以下同様に前者の「起動のキー」は後者の「監視手段」に、前者の「ゲーム機」は後者の「利用者端末」に各々対応する。
(iii).引用発明における「特定のホームページの画像」は、スポンサー等の広告に利用されるものであるから、本願発明の「広告情報」に対応する。
(iv).引用発明における「ネットワークを利用したゲームシステム」は、当該ゲームにおいて広告情報を表示するものであるから、本願発明における「ネットワークゲームを利用した広告システム」に対応する。
(v).引用発明における「URL」は、ドアを開ける動作と広告であるホームページとを関連付けているものであるから、本願発明の、キャラクターの動作と広告情報とを関連付けて記憶する「広告関連テーブル」とは、「広告識別情報」で共通する。
(vi).引用発明は、「サーバーへのアクセス、ダウンロード」を行うものであるから、本願発明の「送信手段」、「受信手段」に対応する通信手段を具備することは明らかである。


[3].一致点
ネットワークを介して接続した利用者端末にゲーム情報を提供してネットワークゲームを行わせると共に、該利用者端末に広告情報を提供するネットワークゲームを利用した広告システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、
該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段と、前記ゲームのキャラクターの動作を監視する監視手段と、
前記キャラクターの動作と、前記広告情報とを関連付けて記憶する広告識別情報と、
前記監視手段からの監視情報に基づいてキャラクターが、所定動作を行ったと判定した場合に、前記広告識別情報を参照して関連する広告情報を利用者端末に提供する情報提供手段と、
を備えたネットワークゲームを利用した広告システム。


[4].相違点
(1).広告識別情報に関して、本願発明は、キャラクターの動作と広告情報との関連付けをテーブルにて行っているにに対し、引用発明は、テーブルを用いているのか否か不明である点

(2).本願発明は、キャラクターの所定動作が生じた頻度を計測し、当該計測結果の回数が多い広告料金の単価を高く、回数の少ない広告料金の単価を低くする料金算出手段を備えているのに対し、引用発明はキャラクターの所定動作にて広告を行うことは記載されているが、広告料金に関する記載は認められない点。


[5].相違点の検討
(1).相違点1について、
事象間の関連付け手法として、テーブルを用いる関連付け手法は周知の手法であり、しかも、当該手法に限定したことによる格別の作用効果も認められないから、当該相違点は単なる設計的事項である。

(2).相違点1について、
広告掲載依頼者が広告掲載料を支払うことは周知の事項であり、インターネットを利用した所謂バナー広告においても同様であるから、引用発明における広告表示に対して広告料を徴収することとすることは単なる設計的事項であり、当該徴収に際して生じる広告料の設定手法として、広告効果の高い位置に配設する広告料を高くすることは、周知の広告料設定手法であるから、当該手法を採用することも又単なる設計的事項である。
すなわち、
本願発明における広告料金の設定手法は、段落【0072】及び【0073】の記載、すなわち、「この単価@は、サーバ1が、頻度計測手段25の機能により、1ゲーム毎或は所定のゲーム毎にキャラクター・・・・コース上のどの位置で所定の動作(コースアウト・クラッシュ・ピットイン)が何回発生するかを記録し、料金算出手段26の機能により、1ゲーム中に発生する回数の多い位置の単価@を高く、該回数の少ない位置の単価@を低く算出する。」及び「これにより広告効果に応じた料金を、コース上の位置毎に設定でき、広告主のニーズに合わせた広告枠を提供できるようにしている。」との記載から、広告を発生させる頻度が高い箇所、すなわち、広告効果が高い箇所に配設される広告の単価を高くし、広告を発生させる頻度が低い箇所、すなわち、広告効果が低い箇所に配設される広告の単価を低く設定するものであるところ、広告効果の高い箇所に配設される広告料金を高くすることは、例えば、新聞の広告掲載料として「題字下」が高料金(日本新聞協会制定、「新聞広告倫理綱領」、昭和51年5月19日改正 参照)に見られるように周知の料金体系であり、しかも広告効果の高低を、広告が注目される度合で決定することは、原審の査定時に示された、「ホームページ・ビルダー Version6 で作るiモードホームページ」(株式会社毎日コミュニケーションズ,2001年2月23日,初版,第198頁参照)に見られるように周知の手法である。
したがって、引用発明における広告について、前記周知の広告効果決定手法による広告料金体系に基づいて広告料金の徴収を行うことは、当業者が適宜為し得る程度の事項である。



第三.むすび
したがって、本願発明は、刊行物Aに記載された発明、周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
 
審理終結日 2007-02-19 
結審通知日 2007-02-20 
審決日 2007-03-27 
出願番号 特願2001-81145(P2001-81145)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮本 昭彦  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 川島 陵司
土屋 保光
発明の名称 ネットワークゲームを利用した広告システム、広告プログラム及び広告方法  
代理人 和久田 純一  
代理人 松倉 秀実  
代理人 遠山 勉  
代理人 川口 嘉之  
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