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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1158603 |
審判番号 | 不服2003-24568 |
総通号数 | 91 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-18 |
確定日 | 2007-06-07 |
事件の表示 | 特願2000-288381「商店検索システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 4月 5日出願公開、特開2002- 99548〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年9月22日の出願であって、平成15年11月12日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成16年1月15日付で手続補正がなされたものである。 2.平成16年1月15日付の手続補正について (1)補正の内容 平成16年1月15日付の手続補正(以下「本件補正」という。)により、請求項5は、 「通信回線を利用して商店を検索する商店検索システムにおいて、前記商店情報管理部は、前記商店ナビゲーションサービス部から、前記仮予約証明データに関する前記仮予約のデータを取り出し、さらに、前記商店情報管理部は、消費者からの仮予約証明データと取り出した前記仮予約のデータとを照会し、商品の仮予約の有無の判断を行い、さらに、前記仮予約有効期間証明データと前記仮予約のデータとを照会し、商品の仮予約の有効無効の判断を行うことを特徴とする請求項4記載の商店検索システム。」 と補正された 本件補正により、請求項18は、 「通信回線を利用して商店を検索する商店検索システムにおいて、前記商店は、路上販売の路上店舗であることを特徴とする請求項1記載の商店検索システム。」 と補正された。 (2)補正の適否について 請求項5に係る本件補正は、「請求項1」を「請求項4」に補正するものである。 そして、請求項5の記載内容からみて、請求項5に記載された「請求項1」は、「請求項4」の誤記であると認められるので、当該補正は、特許法第17条の2第4項第3号に掲げられた誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、請求項18に係る本件補正は、「路上販売のような形式」を「路上店舗」に変更するものである。 そして、当該補正は、原査定で示された拒絶の理由で指摘された明りょうでない記載を補正することを目的とするものと認められるので、特許法第17条の2第4項第4号に掲げられた明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしているので、適法になされたものである。 3.本願発明 本件補正は適法になされたものであるので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成16年1月15日付の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「通信回線を利用して商店を検索する商店検索システムにおいて、商店の場所を示す商店位置コードを管理する商店情報管理部と、商品の内容に関するキーワードを取り出した商品キーワードデータを管理する商品関連情報管理部と、前記商店情報管理部と前記商品関連情報管理部とから、通信回線を介し、前記商店位置コードと前記商品キーワードデータとを受信して、 管理する商店ナビゲーションサービス部とを有し、通信回線を介し、商品に関するキーワードを前記商店ナビゲーションサービス部が受信すると、 前記商店ナビゲーションサービス部において、受信した前記キーワードに関連する商品名を前記商品キーワードデータから取り出し、さらに、前記商店位置コードから前記商品名の商品を所有する商店名と商店の場所データとを取り出し、表示形式のデータにして、消費者に提供することを特徴とする商店検索システム。」 4.引用例 (1)引用例1 原査定の拒絶の理由として引用した特開平11-154161号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (a)「【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本商品・店舗情報検索システムは、図1に示す如く、CPU11,ROM12,RAM13,HDD14,FDD15, キーボード(KB)16, 表示器(IND)17,プリンタ(PNT)18を含み、商品情報と当該商品を販売する店舗の店舗情報とを検索可能に形成されている。外観は、図2に示す本体10Bに組込まれた形態であり、町角や大型店舗の出入口等に設置される。 【0012】すなわち、複数店舗に関しかつ上位概念(例えば、電気製品,婦人服,…)から下位概念(例えば、ラップトップ型,…)に系統付けられて分類された複数段階の商品情報および最下位概念の各商品情報に対応させた当該各店舗情報を記憶可能かつ任意の高順位側である商品情報(電気製品,婦人服,…)を表示器17に表示可能に形成され、表示された高順位の商品情報(電気製品,婦人服,…)の中からその1つ(例えば、電気製品)を選択可能であるとともに、高順位側商品情報(電気製品)が選択された場合に当該高順位側商品情報(電気製品)の概念に属しかつそれよりも順位の低い商品情報(例えば、パソコン,FAX,…)を表示器17に表示可能に形成し、最下位概念の商品情報(ラップトップ型)を選択表示させた段階で当該地図を含む店舗情報を表示可能に形成されている。 【0013】RAM13には、図3?図7に示す商品情報ファイル13Gおよび図8?図10に示す店舗情報ファイル13Sが設けられている。図6のファイルは、小分類コードとリンクされている。いずれもHDD(ハードディスク装置)14でバックアップされ、FDD(フロッピーディスク装置)15を介したFD(フロッピーディスク)から読取入力された情報で更新することができる。 【0014】ここに、電源が投入されると、制御部(CPU11,ROM12)が図3に示す商品情報ファイル13Gを参照して、高順位たる上位分類商品情報リスト(商品情報)を表示器17に表示する(図11のST10)。商品購入希望者は、キ-ボード16を用いて大分類情報の内の1つ(例えば、電気製品)を選択する(ST11のYES)。なお、表示器17をタッチパネル付きとしてタッチ操作で選択するように形成してもよい。 【0015】すると、図4の商品情報ファイル13Gを参照して当該高順位商品情報(電気製品)の概念に属しかつそれよりも順位の低い商品情報つまり下位分類商品情報リスト(パソコン,FAX,…)が表示器17に表示(ST12)される。以下同様に、当該商品(パソコン)に属する図5の下位概念商品つまり小分類名称(ラップトップ)を選択(ST11)する。 【0016】これが最下位分類リストであるから(ST13のYES)、小分類コードとリンクされた図6のファイルからメーカーリスト(製造会社リスト)が表示(ST14)され、その1つ(例えば、AAA)を選択(ST15のYES)することができる。すると、図7に示す商品情報ファイル13Gから当該メーカーの商品情報が表示(ST16)される。 【0017】ここで、希望する商品(例えば、NEWラップモデル01)を選択する(ST17)。この選択商品が最下位概念の商品情報であるから(ST18のYES)、当該商品とリンクされた店舗情報リストが図8の店舗情報ファイル13Sを参照して表示(図12のST19でYES)される。この実施形態では、当該商品に対応する店舗コードは、“1001”である。 【0018】かくして、図9に示す店舗名称(例えば、店舗コード,店舗名称,電話番号,FAX番号,地域分類)が表示(ST21)される。ここで、最寄りの“西”地域を選択(ST22のYES)すると、当該店舗(電気のAAA)の住所とともに図10に示す店舗コ-ドにリンクされた地図が表示(ST23)される。 【0019】したがって、地図を見れば当該店舗まで道筋を正確に知ることができる。また、電話で在庫確認もできる。しかも、プリントアウトを希望すれば(ST24のYES)、当該地図が印刷出力(ST25)されるので、より迅速に当該店舗に到達できる。」(第2頁右欄第38行-第3頁右欄第10行) また、引用例1に記載された事項において、店舗名称及び店舗の住所を表示する際に、表示形式のデータにして提供していることは明らかである。 さらに、上記摘記事項(a)及び図3-5の記載からみて、引用例1に記載された事項において、「表示器(17)」で表示されて「キーボード(16)」で選択される商品の内容を示す情報は、高順位の商品情報である「大分類名称」、それよりも順位の低い商品情報である「中分類名称」、及び最下位概念の商品情報である「小分類名称」であることは明らかである。 してみると、引用例1には、 『商店を検索する商品・店舗検索システムにおいて、店舗の場所を示す住所の情報を管理する「店舗情報ファイル」と、商品の内容を示す大分類名称、中分類名称、及び小分類名称を管理する「商品情報ファイル」と、「店舗情報ファイル」及び「商品情報ファイル」からデータを取得して、管理する「CPU(11)」とを有し、大分類名称、中分類名称、及び小分類名称を「CPU(11)」が「表示器(17)」及び「キーボード(16)」から取得すると、「CPU(11)」において、取得した大分類名称、中分類名称、及び小分類名称に関連する選択商品の商品情報を「商品情報ファイル」に管理されたデータから取り出し、さらに、「店舗情報ファイル」に管理されたデータから前記選択商品を所有する店舗の店舗名称と住所とを取り出し、表示形式のデータにして商品購入希望者に提供する商品・店舗検索システム。』との発明(以下「引用例発明」という。)が記載されている。 (2)引用例2 原査定の拒絶の理由として引用した「相馬隆宏,解説 ユーザー事例に見るXMLの活用方法,日経オープンシステム,日本,日経BP社,1999年8月15日,第77号,第88?91頁」(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (b)「次世代のデータ連携の標準フォーマットとして注目を浴びるXML(eXten-sible Markup Language)。データに意味を定義しながら文書を記述できる言語である。XMLに対応し、文書構造の解析機能を備えた製品の出荷も始まり、システム構築の環境が整ってきたところだ。 複数の企業間でデータ連携ができたり、異種システム上のデータを統合管理できるといったメリットが言われているが、実際のところはどうなのか。ユーザー事例から、XMLの活用方法を探った。」(第88頁左欄第1行-同頁右欄第8行) (c)「図1●XMLのタグを使い複数のWWWサイトから情報を自動収集する NTTコミュニケーションズの「御酒の箪笥」は日本酒,焼酎の電子カタログ・サイト。複数の蔵元が運営するWWWサイトから,XMLのタグで記述された製法やアルコール濃度といった製品情報を自動的に収集し、一括して提供する。各蔵元は基本項目さえ含んでいれば、独自に様々な項目を付け加えて情報提供できる。消費者は1カ所のサイトで、複数の蔵元の商品情報を項目別に細かい検索が可能である」(第88頁の図1の説明) (d)「WWWのデータ再利用が魅力 XMLのメリットの一つとして、データの再利用、とりわけWWW(World-Wide Web)のコンテンツをシステムに取り込める、という活用方法があげられる。 実際の例を見てみよう。NTTコミュニケーションズは98年5月,日本酒と焼酎の電子カタログ・サイト「御酒の箪笥」の運営を開始した。 このサイトでは、商品情報を銘柄別や価格別に検索しカタログ形式で情報を見ることができる。ここで提供する商品情報は、蔵元が個別にWWW上で公開している商品情報から集めてくる。各蔵元には、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルに、XMLのタグを埋め込むためのツールを配布した。ツールを使い、既存のHTMLファイルにタグをつけていくだけでよいので蔵元にかかる負担は少ない。蔵元が、このツールを使って自分のところのWWWサイトで商品情報を公開すると、自動的に「御酒の箪笥」に情報が収集される仕組みである(図1)。XMLを使わずにHTMLだけで記述している場合,データ収集するために別の仕組みを用意しなければならない。」(第89頁左欄第1行-同頁中欄第9行) また、引用例2に記載された事項において、蔵元が運営するWWWサイトと電子カタログ・サイトの間、及び消費者と前記電子カタログ・サイトの間では、通信回線を介してデータが送受信されていることは明らかである。 してみれば、引用例2には、 「電子カタログ・サイトが、商品情報を管理する蔵元の端末から通信回線を介して蔵元でタグをつけた商品情報を蔵元のWWWサイトから受信し、消費者から商品に関する項目を通信回線を介して受信すると商品情報を検索して該当する商品の銘柄、価格等の情報を取り出して表示する」 との事項が記載されている。 5.対比 本願発明と引用例発明を比較すると、引用例発明の「CPU(11)」、「店舗」、「店舗情報ファイル」、「商品情報ファイル」、「商品名称」、「店舗名称」、「商品購入希望者」、「商品・店舗情報検索システム」は、本願発明の「ナビゲーションサービス部」、「商店」、「商店情報管理部」、「商品関連情報管理部」「商品名」、「商店名」、「消費者」、「商店検索システム」に相当する。 また、引用例発明の「大分類名称、中分類名称、小分類名称」は、商品の内容に関する用語であり、商品情報ファイルにより管理された大分類名称、中分類名称、小分類名称、商品情報、店舗コードなどのデータから商品情報を取り出すためのものであるので、引用例発明の「大分類名称、中分類名称、小分類名称」は本願発明の「商品の内容に関するキーワード」に相当し、引用例発明の「商品情報ファイルにより管理されたデータ」は本願発明の「商品キーワードデータ」に相当する。 さらに、引用例発明の「住所」は、店舗の住所であり、店舗情報ファイルにより管理された店舗コード、店舗名称、住所などのデータから取り出されるので、引用例発明の「住所」は本願発明の「場所データ」に相当し、引用例発明の「店舗情報ファイルに管理されたデータ」は本願発明の「商店位置コード」に相当する。 したがって、本願発明と引用例発明は、 「商店を検索を検索する商店検索システムにおいて、商店の場所を示す商店位置コードを管理する商店情報管理部と、商品の内容に関するキーワードを取り出した商品キーワードデータを管理する商品関連情報管理部と、前記商店情報管理部と前記商品関連情報管理部とから前記商店位置コードと前記商品キーワードとを取得して、管理する商店ナビゲーションサービス部とを有し、商品に関するキーワードを前記商店ナビゲーションサービス部が取得すると、前記ナビゲーションサービス部において、取得した前記キーワードに関連する商品名を前記商品キーワードデータから取り出し、さらに、前記商店位置コードから前記商品名の商品を所有する商店名と商店の場所データとを取り出し、表示形式のデータにして、消費者に提供する。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本願発明では、商品関連情報管理部をナビゲーションサービス部とは別に設けており、ナビゲーションサービス部が通信回線を介して商品キーワードデータを受信しているのに対し、引用例発明では、商品関連情報管理部がナビゲーションサービス部と共に設けられており、ナビゲーションサービス部が通信回線を介して商品キーワードデータを受信していない点。 (相違点2) 本願発明では、商店情報管理部をナビゲーションサービス部とは別に設けており、ナビゲーションサービス部が通信回線を介して商店位置コードを受信しているのに対し、引用例発明では、商店情報管理部がナビゲーションサービス部と共に設けられており、ナビゲーションサービス部が通信回線を介して商店位置コードを受信していない点。 (相違点3) 本願発明では、通信回線を介し、商品に関するキーワードを商店ナビゲーションサービス部が受信するのに対し、引用例発明では、商品に関するキーワードをナビゲーションサービス部が「表示器(17)」及び「キーボード(16)」から取得しており、商品に関するキーワードを商店ナビゲーションサービス部が通信回線を介して受信していない点。 6.当審の判断 (相違点1について) 引用例2には、商品情報を管理する蔵元の端末から通信回線を介して蔵元でタグをつけた商品情報を蔵元のWWWサイトから受信することが記載されており、引用例2に記載された事項の「タグをつけた商品情報」、「蔵元のWWWサイト」、「電子カタログ・サイト」は、本願発明の「商品キーワードデータ」、「商品関連情報管理部」、「ナビゲーションサービス部」に対応するので、引用例発明において、商品関連情報管理部をナビゲーションサービス部とは別に設け、ナビゲーションサービス部が通信回線を介して商品キーワードデータを受信することは当業者が容易に考えられる事項である。 したがって、相違点1に係る本願発明の構成は、引用例発明及び引用例2に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到できたものである。 (相違点2について) 情報処理に必要なデータを管理する管理手段を情報処理を行う処理手段とは別に設け、前記処理手段が前記管理手段からデータを通信回線を介して受信することは周知技術であるので、引用例発明において、商店情報管理部をナビゲーションサービス部とは別に設け、ナビゲーションサービス部が前記商店情報管理部から通信回線を介して商店位置コードを受信することは当業者が容易に考えられる事項である。 したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用例発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到できたものである。 (相違点3について) 引用例2には、電子カタログ・サイトが消費者から通信回線を介して商品に関する項目を受信することが記載されており、引用例2に記載された事項の「電子カタログ・サイト」、「商品に関する項目」は本願発明の「ナビゲーションサービス部」、「商品に関するキーワード」に対応するので、引用例発明において、ナビゲーションサービス部が商品に関するキーワードを通信回線を介して受信することは当業者が容易に考えられる事項である。 したがって、相違点3に係る本願発明の構成は、引用例発明及び引用例2に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到できたものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用例1、引用例2及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 7.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-03-26 |
結審通知日 | 2007-04-03 |
審決日 | 2007-04-16 |
出願番号 | 特願2000-288381(P2000-288381) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 深津 始 |
特許庁審判長 |
赤穂 隆雄 |
特許庁審判官 |
後藤 彰 森次 顕 |
発明の名称 | 商店検索システム |
代理人 | 永野 大介 |
代理人 | 岩橋 文雄 |
代理人 | 内藤 浩樹 |