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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A23L
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A23L
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A23L
管理番号 1159170
審判番号 訂正2007-390049  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2007-04-13 
確定日 2007-05-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3650593号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3650593号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第3650593号発明(平成13年7月30日特許出願、平成17年2月25日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(5)のとおり訂正することを求めるものである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1について、「該回転軸の外周に、複数の攪拌羽根を軸方向および軸廻り方向へそれぞれ所定の間隔を置いて突設し、」とあるのを、「該回転軸の外周に、複数の攪拌羽根を、軸方向および軸廻り方向にそれぞれ所定の間隔を置いて、且つ同軸の接線方向に各突設し、」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
明細書の段落【0008】について、「該回転軸の外周に、狭幅板状の複数の長尺攪拌羽根と、拡幅板状の複数の中尺攪拌羽根及び拡幅板状の複数の短尺攪拌羽根を、軸方向へ一定の間隔をおいて交互に、かつ軸廻り方向へ一定の間隔をおいて、同軸の接線方向に突設し、前記回転軸下方の米飯供給ホッパー内壁面に前記長尺攪拌羽根と、中尺、短尺両各攪拌羽根の間に位置する複数の固定羽根を起立突設してなる」とあるのを、「該回転軸の外周に、複数の攪拌羽根を、軸方向および軸廻り方向にそれぞれ所定の間隔を置いて、且つ同軸の接線方向に各突設し、一方前記米飯供給ホッパー内壁面に、前記攪拌羽根に対向するよう複数の固定羽根を起立突設してなる」と訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の段落【0019】について、「並びに短長攪拌羽根6は、」とあるのを、「並びに短尺攪拌羽根6は、」と訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0009】について、「さらに、上記複数の長尺撹拌羽根、中尺撹拌羽根及び短尺撹拌羽根を回転軸の接線方向に各突設してなることを特徴とする。」とあるののを削除する。

2.当審の判断
そこで、これらの訂正事項について検討する。

(1)訂正事項1について
「複数の攪拌羽根を、・・・・・・且つ同軸の接線方向に各突設し、」という記載は、複数の攪拌羽根を突設する方向をさらに限定するものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、明細書の段落【0008】に「該回転軸の外周に、狭幅板状の複数の長尺攪拌羽根と、拡幅板状の複数の中尺攪拌羽根及び拡幅板状の複数の短尺攪拌羽根を、軸方向へ一定の間隔をおいて交互に、かつ軸廻り方向へ一定の間隔をおいて、同軸の接線方向に突設し、」と記載され、また、明細書の段落【0019】に「上記した複数の長尺攪拌羽根4及び中尺攪拌羽根5並びに短長攪拌羽根6は、図2に示したように、上記回転軸3の接線方向へ各突出して、軸廻り方向へ一定間隔をおいて、上記円筒体3b外周に突設させてある。」と記載されているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものである。
また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項3は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、「短長」という誤記を「短尺」に訂正するものであり、誤記の訂正を目的とするものである。
そして、訂正事項4は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項5は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

また、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
食品成形機の米飯解し装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】米飯ホッパーから供給される米飯を撹拌して解し、これを食品成形機に供給する食品成形機の米飯解し装置において、米飯ホッパー下部に連設した米飯供給ホッパー内に回転軸を架設し、該回転軸の外周に、複数の撹拌羽根を、軸方向および軸廻り方向にそれぞれ所定の間隔を置いて、且つ同軸の接線方向に各突設し、一方前記米飯供給ホッパー内壁面に、前記撹拌羽根に対向するよう複数の固定羽根を起立突設してなることを特徴とする食品成形機の米飯解し装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、握り寿司や海苔巻、サンドおにぎり等を製造する前工程として所定の形状及び大きさ並びに固さの寿司玉や三角形、円形等の上飯体、下飯体等を成形するための食品成形機の米飯解し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品成形機の米飯解し装置としては、ホッパー内に回転自在に並設した攪拌軸の外周に、一条、または二条のスクリュー羽根を一定ピッチに螺設してなるもの。
【0003】
上記攪拌軸の外周に一定長さの複数の攪拌バーを、軸方向へ一定の間隔をおいて放射状に突設してなるもの。
【0004】
上記攪拌軸の外周に、一定長さの複数の攪拌バーを、軸方向へ所定ピッチでスパイラル状に突設してなるもの、等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上記した従来の何れの米飯解し装置も、供給される米飯は、スクリュー羽根及び攪拌羽根の回転軌跡に沿った部分だけが攪拌されるものであり、スクリュー羽根においては、米飯搬送に効果的であるが、米飯解し効果は殆んど期待できない。
【0006】
また、上記攪拌バーにおいては、上方から供給される米飯を各攪拌バーで下方掻き落とすように攪拌するだけであるので、各攪拌バー間では攪拌が不十分で解しが不均一となって、食品成形機に対する米飯搬送密度にバラツキが生じ、その結果、一定の米飯密度及び固さの成形品が得難い問題がある。
【0007】
【目的】
本発明は、上記した従来の米飯解し装置が有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、米飯ホッパー下部に連設した米飯供給ホッパー内に回転軸を架設し、該回転軸の外周に、板状で、狭幅及び拡幅の長さの異なる複数の攪拌羽根を、軸方向へ一定の間隔をおいて交互に、かつ軸廻り方向へ一定の間隔をおいて、同軸の接線方向へ各突設し、前記回転軸下方の米飯供給ホッパー内壁面に、前記各攪拌羽根間に位置する複数の固定羽根を突設して構成することによって、前記各攪拌羽根の回転で米飯を掻き落すと共に、前記各攪拌羽根が固定羽根の部分を回転する際、各攪拌羽根間において、米飯が掻き上げられることにより、米飯解しが均一、かつ効率的に行なわれ、食品成形機に対し、一定密度及び一定量の米飯を供給できるようにした食品成形機の米飯解し装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、米飯ホッパーから供給される米飯を撹拌して解し、これを食品成形機に供給する食品成形機の米飯解し装置において、米飯ホッパー下部に連設した米飯供給ホッパー内に回転軸を架設し、該回転軸の外周に、複数の撹拌羽根を、軸方向および軸廻り方向にそれぞれ所定の間隔を置いて、且つ同軸の接線方向に各突設し、一方前記米飯供給ホッパー内壁面に、前記撹拌羽根に対向するよう複数の固定羽根を起立突設してなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る食品成形機の米飯解し装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、同上米飯解し装置全体の縦断正面図を示し、図2は、同上米飯解し装置全体の縦断側面図を示し、図3は、同上米飯解し装置における回転軸と、同軸外周に突設した三種類の攪拌羽根と、固定羽根の斜視図を示し、図3は、同上装置における米飯攪拌状態の概略説明図を示す。
【0010】
本発明の米飯解し装置は、図1及び図2に示したように、米飯ホッパー1と、該米飯ホッパー1の下端に連通固設した米飯供給ホッパー2と、回転軸3と、三種類の攪拌羽根4、5、6と固定羽根7とで構成される。
【0011】
上記米飯ホッパー1は、次のように構成される。
図1及び図2に示したように、外部容器1a内に、周囲に所定幅の空間8をおいて内部容器1bを嵌合し、ねじ9止めして下端を上端より幅狭い開口部10に設けて構成されている。
【0012】
上記米飯供給ホッパー2は、次のように構成される。
図1及び図2に示したように、一定の間隔をおいて略垂直に対向配設した左右の側壁2a、2aと、前部上端から前方下部へ湾曲下降した前壁2bと、後部上端から下部前方へ弧状に下降した後壁兼底壁2cと、前部下端に、左右方向へ長く、前後方向へ狭い、平面横長矩形状の開口部2dを開設して構成されている。
【0013】
上記米飯供給ホッパー2は、図1に示したように、既述米飯ホッパー1の下端左右両側部から下方へ垂設したバネ性を有する係合片11、11を、上記米飯供給ホッパー2における左右の側壁2a、2aの上部から外側へ突設した水平な係合突部12、12に係合して米飯ホッパー1下端に脱着自在に連設されている。
【0014】
上記回転軸3は、次のように構成される。
図1ないし図3に示したように、内部回転軸3aに、円筒体3bを嵌合外装固定して一体に形成させてあり、上記した米飯供給ホッパー2内の前部側に、上記内部回転軸3aを上記した左右の側壁2a、2aに回転自在に支承して水平に架設させてあり、同軸3aの側壁2aから外側へ突出した、その突出端に歯車3cを固定し、該歯車3cを図示しない歯車伝動機構を介在して駆動軸と連動連結して構成されている。
【0015】
上記長尺攪拌羽根4は、次のように構成される。
図1ないし図3に示したように、狭幅板状に形成されて、上記した回転軸3における円筒体3bの外周に、二個一対として上下方向及び左右方向へ各対称に、かつ軸方向へ一定の間隔aをおいて突設して、図示例では合計10個設けて構成されている。
【0016】
上記中尺攪拌羽根5は、図1ないし図3に示したように、その横幅及び長さを、上記した長尺攪拌羽根4の横幅より広く、その長さより短く、かつ平板状に形成させてあり、上記した円筒体3bの外周に、二個一対として、上下方向及び左右方向に対称に、かつ軸方向へ一定の間隔bをおいて突設して、図示例では合計10個設けて構成されている。
【0017】
上記短尺攪拌羽根6は、図1ないし図3に示したように、その横幅を、上記中尺攪拌羽根5のそれと同一に、長さは、同羽根5の長さより短く、かつ平板状に形成させてあり、上記円筒体3bの外周に、二個一対として上下方向及び左右方向へ一定の間隔cをおいて、突設して、図示例では合計10個設けて構成されている。
【0018】
上記した複数の長尺攪拌羽根4及び中尺攪拌羽根5並びに短尺攪拌羽根6は、図2に示したように、上記回転軸3の接線方向へ各突出して、軸廻り方向へ一定間隔をおいて、上記円筒体3b外周に突設させてある。
【0019】
即ち、上記各攪拌羽根4、5、6、は、回転軸3の軸心を通る縦軸d及び横軸cと平行に、かつ同軸d、eと一定寸法fだけ回転方向にずらすことで、側面非十字形状に形成させてある。
【0020】
さらに、上記長尺、中尺、短尺各攪拌羽根4、5、6は、図2及び図3に示したように、回転軸3の軸廻り方向へ一定の間隔をおいて各突設してあると共に、軸方向に対し、左側から右側(右側から左側でもよい)へ順番に、長尺攪拌羽根4と、中尺、短尺両攪拌羽根5、6を交互に配置してある。
【0021】
上記固定羽根7は、次のように構成される。
図1ないし図3に示したように、下端を厚肉に、該下端から上端へ徐々に薄肉となるよう形成させてあり、既述米飯供給ホッパー2内部の既述回転軸3下方に位置して後壁兼底壁2cの内面に下端を固定して垂直に立設させてある。
【0022】
また、上記固定羽根7は、上記した回転軸3が、複数の長尺、中尺、短尺各攪拌羽根4、5、6を伴って、図2に矢印gで示した時計廻り方向へ回転する際、各長尺攪拌羽根4と、中尺、短尺両攪拌羽根5、6の間に位置するよう、軸方向へ一定の間隔をおいて突設して構成されている。
【0023】
次ぎに、本説明の米飯解し工程について詳述する。
図2に示したように、図示しない駆動軸により回転軸3とともに長尺、中尺、短尺各攪拌羽根4、5、6が矢印g方向へ回転されると、固定羽根7の部分を回転通過する時、上記長尺攪拌羽根4によって米飯13は上方へ掻き上げられると共に、中尺、短尺両攪拌羽根5、6で米飯13を掻き落す。
【0024】
即ち、米飯解し工程を示す図4のように、長尺攪拌羽根4と、中尺、短尺両攪拌羽根5、6は、図中イ、ロ、ハの順、つまり長尺攪拌羽根4、中尺、短尺両攪絆羽根5、6、長尺攪拌羽根4の順に連続回転されることにより、米飯13は、その掻き上げ、掻き落し、掻き上げ、掻き落しが連続的に行なわれることで、均一に解される。この時、各攪拌羽根4、5、6は一定寸法f回転軸方向へずらされているため、特に米飯13の掻き上げがよりスムーズ、かつ効率的に行なわれる。
【0025】
図1及び図2において、14は、米飯搬出機構を示す。この米飯搬出機構14は複数のローラー15、15、16、16を内側へ対向回転するよう対向軸支され、該ローラー15、15及び16、16にて米飯13を一定厚さに成形し、下方のカッター17により、一定量(長さ)に切断して定量米飯を製造し、これを公知の成形機によって所望食品に成形される。
なお、図1及び図において、18はトレーを示す。
【0026】
本発明は、以上説明したように構成されているので、回転軸の軸方向へ一定間隔をおいて交互に、かつ軸廻り方向へ一定間隔をおいて、側面非十字形状に突設した狭幅板状の複数の長尺攪拌羽根と拡幅板状の複数の中尺、短尺両攪拌羽根とが、これら攪拌羽根間に配置した固定羽根を回転通過する部分において、米飯の掻き上げと、掻き落しを交互に連続的に行なうことによって、特に粘性のある米飯を容易に細かく、かつ均一に解すことができ、米飯の解し効率を向上できる。
【0027】
従って、米飯搬出機構等に対する米飯供給量が均一となるので、当該機構にて板状に圧縮したものをカッターによって一定長さに切断することで、米飯密度が均一な定量米飯を成形できることにより、成形機によって定量で、一定の固さ及び米飯密度の成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本説明に係る食品成形機の米飯解し装置の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】
同上米飯解し装置を示す縦断側面図である。
【図3】
同上米飯解し装置における回転軸と、該回転軸に突設した複数の長尺、中尺、短尺の各攪拌羽根と、固定羽根を各示す斜視図である。
【図4】
同上米飯解し装置の米飯解し工程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 米飯ホッパー
2 米飯供給ホッパー
3 回転軸
4 長尺攪拌羽根
5 中尺攪拌羽根
6 短尺攪拌羽根
7 固定羽根
a、b、c 間隔
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2007-05-15 
出願番号 特願2001-229441(P2001-229441)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A23L)
P 1 41・ 853- Y (A23L)
P 1 41・ 851- Y (A23L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 恵理子  
特許庁審判長 河野 直樹
特許庁審判官 平田 和男
高堀 栄二
登録日 2005-02-25 
登録番号 特許第3650593号(P3650593)
発明の名称 食品成形機の米飯解し装置  
代理人 平田 功  
代理人 平田 功  

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