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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1159243
審判番号 不服2004-12492  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-17 
確定日 2007-06-13 
事件の表示 平成10年特許願第505659号「脊椎動物、特に哺乳動物の寄生虫、特に外部寄生虫を駆除する方法と、この方法を実施するための組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 1月22日国際公開、WO98/02042、平成12年11月21日国内公表、特表2000-515509〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯
本願は、1997年7月8日(優先権主張1996年7月11日及び1997年3月13日、仏国)を国際出願日とする出願であって、平成16年3月15日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに手続補正がされたものである。

2.平成16年6月17日付の手続補正についての補正却下の決定

[結論]

平成16年6月17日付の手続補正を却下する。

[理由]

(1)補正後の本願発明

本件補正は、拒絶査定の対象である平成16年2月6日付け手続補正書により補正された請求の範囲の請求項1すなわち
「1.化学式(I)の化合物を配合物中に殺寄生虫効果が少なくとも1月間持続する有効量を含む、経口投与、非経口投与または経皮効果のある局所投与で投与される脊椎動物の外寄生虫を除去するための組成物:

式(I)(構造式は省略する。)

(ここで、
R1はハロゲン原子、CNまたはメチルであり、
R2はS(O)nR3またはハロアルキルであり、
R3はアルキルまたはハロアルキルであり、
R4は水素またはハロゲン原子またはNR5R6、S(O)mR7、C(O)R7またはC(O)OR7、アルキル、ハロアルキルまたはOR8基またはN=C(R9)(R10)基を表し、
R5とR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシカルボニル、C(O)アルキルまたはS(O)rCF3基を示し、また、R5とR6は一緒になって1つまたは2つの二価のヘテロ原子を含んでもよい二価アルキレン基を形成することができ、
R7はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
R8はアルキル基またはハロアルキル基または水素原子を表し、
R9はアルキル基または水素原子を表し、
R10は置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
R11 とR12 は互いに独立して水素またはハロゲン原子、CNまたはNO2 を表し、
R13 はハロゲン原子またはハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3 またはSF5 基を表し、
m、n、qおよびrはそれぞれ独立に0、1または2の整数を表し、
Xは三価の窒素原子またはC-R12基を表し、この炭素原子の他の3つの原子価は芳香環の一部を成し、
ただし、R1 がメチルの時はR3 はハロアルキル、R4 はNH2、R11 はCl、R13 はCF3、XはNである)」

を、

「【請求項1】下記の(i)および(ii):
(i)外寄生虫に対して有効な量の下記式(I)の化合物:

式(I)(構造式は省略する。)

(ここで、
R1はハロゲン原子、CNまたはメチルであり、
R2はS(O)nR3またはハロアルキルであり、
R3はアルキルまたはハロアルキルであり、
R4は水素またはハロゲン原子またはNR5R6、S(O)mR7、C(O)R7またはC(O)OR7、アルキル、ハロアルキルまたはOR8基または-N=C(R9)(R10)基を表し、
R5とR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル、ハロアルキル、アルコキシカルボニル、C(O)アルキルまたはS(O)rCF3基を示すか、R5とR6は一緒になって1つまたは2つの二価のヘテロ原子を含んでもよい二価アルキレン基を形成し、
R7はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
R8はアルキルまたはハロアルキル基または水素原子を表し、
R9はアルキル基または水素原子を表し、
R10は置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
R11とR12は互いに独立して水素またはハロゲン原子、CNまたはNO2を表し、
R13はハロゲン原子またはハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3またはSF5基を表し、
m,n,qおよびrはそれぞれ独立に0、1または2の整数を表し、
Xは三価の窒素原子またはC-R12基を表し、この炭素原子の他の3つの原子価は芳香環の一部を成し、
ただし、R1 がメチルの時はR3 はハロアルキル、R4 はNH2、R11はCl、R13はCF3、XはNである)
(ii)胃保護用賦形剤、
から成り、経口摂取した時に式(I)の化合物が腸内で放出されることを特徴とする経口投与用の組成物。」

とする補正を含むものである。

(2)判断

上記の請求項1の補正は、補正前の請求項1の「殺寄生虫効果が少なくとも1月間持続する有効量を含む、……脊椎動物の外寄生虫を除去するための組成物」における式(I)の化合物の量について「外寄生虫に対して有効な量・・」とし、投与対象の「脊椎動物」の特定を削除し、補正前の請求項1には特定されていなかった(ii)の胃保護用賦形剤を含むこと、経口摂取した時に式(I)の化合物が腸内で放出されることを追加するものである。
そうすると、この補正は、少なくとも組成物の有効成分の量及び投与対象については補正前の請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものではないから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。また、この補正は、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明を目的とするものにも該当しない。

そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について

平成16年6月17日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、上記に摘示した平成16年2月6日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

(1)引用例の記載の概要

原査定の拒絶の理由に引用された以下の各刊行物(以下、それぞれを引用例1、引用例2、引用例3という。)には、次の事項が記載されている。

引用例1;特開昭63-316771号公報

(i) 一般式(I)[構造式は省略する]
[式中
R1 はシアノ基、……ハロゲン原子……であり:
R2 はR5SO2基、R5SO基又はR5S基
(ここで、R5 は炭素数1?4の直鎖若しくは分岐鎖アルキル……であり、前記基が任意に同一又は異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)
であり:
R3 は水素原子又はアミノ基-NR6R7(ここで、R6 及びR7 は同一でも異なっていてもよく、夫々水素原子、炭素数1?5の直鎖若しくは分岐鎖アルキル……基、……又は任意に1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数2?5の直鎖若しくは分岐鎖アルコキシカルボニル基である)、
又は……ハロゲン原子であり:
R4 は2-位がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で置換され、4-位が任意に同一又は異なる1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1?4の直鎖若しくは分岐鎖アルキル……基、塩素原子又は臭素原子で置換され、任意に6-位がフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子で置換されたフェニル基である]
を有するN-フェニルピラゾール誘導体であって、但し、……である化合物を除くことを特徴とする誘導体。(特許請求の範囲の請求項1)
(ii)一般式(I)を有する化合物は特に動物薬及び酪農の分野で、並びに脊椎動物、特に温血脊椎動物例えばヒトや牛、羊、山羊、馬、豚、家禽、犬、猫、魚等の家畜に内的又は外的に寄生する節足動物、寄生虫又は原虫に対する公衆衛生状態を維持するために使用され得る。(12頁左上欄)
(iii) 一般式(I)の化合物の適切な(投与、散布)手段には次のようなものがある。
?節足動物、寄生虫または原生動物が寄生しているか又は寄生し得るヒトまたは動物の場合には、活性成分が長期に亘り節足動物、寄生虫または原生動物に対して即時性および/または徐放性の作用を示す組成物を、たとえば、食事または飼料に混入したり、あるいは、適切な経口摂取可能な調合薬剤組成物、食用の餌、岩塩のかたまり(salt licks)、追餌(dietary supplements)、pour-on formulations、スプレー、浴、浸液(dips)、シャワー、噴出液、粉末、グリース、シャンプー、クリーム、塗りつけたロウ(wax-smears)、および家畜類事故処理系に配合したりすることによって、非経口、経口または局所投与する。(16頁右上?左下欄)
(iv) 非経口もしくは経口、または経皮もしくは他の手段で脊椎動物に投与する場合、一般式(I)の化合物の用量は、その脊椎動物の種類、年齢および健康状態に、また現実または潜在的に寄生している節足動物、寄生虫または原生動物の害虫の種類および寄生の程度に左右される。経口または非経口投与の場合、一回の用量は動物の体重1kg当たり0.1?100mgが一般的に適しており、2.0?20.0 mgが好ましく、あるいは長期療法では1日の用量は動物の体重1kg当たり0.01?20.0mgが一般に適しており、0.1?5.0mgが好ましい。徐放性製剤またはデバイスを使用すれば、数箇所に亘って必要とされる1日用量を一緒にして一回で動物に投与してもよい。(19頁左下?右下欄)
(v) 5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-4-トリフルオロメチルチオピラゾールを有効成分とする液剤を家畜に露呈適用(pour-on application)、経皮的に又は非経口注入すること(組成物実施例9)、水和物粉末を水で希釈して噴霧、浸漬、飲料水の経口投与により家畜に適用すること(組成物実施例10)、徐放性食塊を反芻家畜動物に経口投与すること(組成物実施例11)及び家畜動物に着用させるための首輪又はイヤータッグ(ear-tags)に成形すること(組成物実施例12)。

引用例2;特開平5-86054号公報

段落【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規の1-(2-ピリジル)ピラゾール類、その中間体及びこれら化合物の製造方法に関する。本発明は更に、前記化合物を用いて節足動物、線虫、寄生虫又は原虫系の害虫を防除するための組成物及び方法にも関する。本発明は特に、前記化合物又はその組成物を、特定的には農業で節足動物、特にアブラムシ又は葉もしくは土の昆虫を作物に害を与えずに防除するための殺虫剤として使用する方法に関する。
段落【0250】
非経口、経口または皮下またはその他の方法で脊椎動物に投与するときの一般式(I)の化合物の用量は脊椎動物の種、齢または健康状態及び節足動物、寄生虫または原生動物の害虫の実際または潜在的な蔓延の性質や程度によって変化しよう。動物の体重1kg当り約0.1-約100mg、好ましくは約2.0-約20.0mgの1回用量、または持続的な投薬では1日当り動物の体重1kg当り約0.01-約20.0mg、好ましくは約0.1-約5.0mgが一般に経口または非経口投与に好適である。徐放性処方物またはデバイスを使用すると、数カ月にわたり必要な1日用量を合わせて、1回で動物に投与することができる。

引用例3;特開平5-148240号公報

段落【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な1-アリール-5-(置換アルキリデンイミノ)ピラゾールおよびその製造方法に関する。さらに本発明は、これら化合物の組成物およびこれら化合物を用いて節足動物、線虫、蠕虫もしくは原生動物の害虫を防除する方法に関する。特に本発明は、節足動物(特に昆虫)を摂取作用もしくは接触作用により防除するための農業上の特に農薬としての使用方法における前記化合物もしくは組成物の使用に関する。
段落【0160】
節足動物、蠕虫類又は原虫類により感染したり感染にさらされている人又は動物に対しては組成物の非経口、経口又は局所の施用により、その組成物中で有効成分は、たとえば食物又は適当な口から摂取し易い医薬組成物、食餌、塩の舐め物、飲食補充品、注ぎ掛け組成物、噴霧、入浴、浸液、灌水噴流、粉剤、グリース、洗髪、クリーム、ワックス塗抹剤又は家畜自己処理系に組入れることにより、節足動物、蠕虫類又は原虫類に対抗して即時的及び/又は一時期の間長期的な作用を示す。
段落【0191】
脊椎動物に非経口、経口により又は経皮若しくは他の手段により投与する場合、一般式(I)の化合物の用量は脊椎動物の種、年齢又は健康状態と節足動物、蠕虫又は原虫の害虫による実際又は潜在的な侵入の性質及び程度とに応じて変る。持効性投薬では、経口又は非経口投与により、動物の体重1kgに対し,約0.1?約100mg、好ましくは約2.0?約20.0mgの1回用量、又は、毎日動物の体重1kgに対し、約0.01?約20.0mg、好ましくは約0.1?約5.0mgの用量が一般に適当である。持効性放出製剤又は装置の使用により、数月の期間にわたって必要とされる1日用量は単独の場合に組合せて動物に投与し得る。

(2)対比・判断

引用例1には、外的に寄生する寄生虫に対する公衆衛生状態を維持するために、一般式(I)に規定する化合物を有効成分とし、脊椎動物の体重1kg当たり一回の用量が0.1?100 mgで使用される組成物、より具体的には5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-4-トリフルオロメチルチオピラゾールを含有する液剤、水和物粉末、徐放性食塊又は家畜動物に着用させるための首輪もしくはイヤータッグを用いて、経口投与又は非経口投与で使用する組成物が記載されているものと認められる。

以下、本願発明と引用例1に記載された発明を対比する。

引用例1に記載の一般式(I)で表される化合物の置換基R1、R2、R3及びR4は、本願発明の化学式(I)におけるR1、R2、R4 及びピラゾール環の1位に置換している環に相当する。そして、引用例1には本願発明の化学式(I)におけるR1 がハロゲン原子又はCNであり、R2 がS(O)nR3であり、R3 が任意に同一又は異なる1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1?4の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であり、R4 が水素、ハロゲン原子又はNR5R6を表し、R5 とR6 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1?5の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、又は炭素数2?5の直鎖若しくは分岐鎖アルコキシカルボニル基を示し、R11とR12 が水素又はハロゲン原子であり、R13 が塩素原子、臭素原子又は任意に同一又は異なる1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1?4の直鎖若しくは分岐鎖アルキル又はアルコキシ基を表し、nは0、1又は2の整数を表し、XはC-R12を表し、この炭素原子の他の3つの原子価は芳香環の一部を成すことを意味する化合物に対応する化合物が含まれている(上記 (i))。
このように、本願発明の有効成分である化学式(I)で表される化合物は、引用例1の実施例に記載されている5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-4-トリフルオロメチルチオピラゾール[すなわち、R1:CN、R2:S(O)nR3、R3:ハロアルキル(CF3)、R4:NR5R6、R5 とR6:水素原子、R11 とR12:ハロゲン原子(塩素原子)、R13:ハロアルキル(CF3)、n=0、X:C-R12]は勿論のこと、引用例1の一般式(I)で表わされる化合物とは広範囲に亘って重複する。
したがって、両者は、「重複する化合物を、配合物中に殺寄生虫効果を奏する有効量含む、経口投与、非経口投与又は経皮効果のある局所投与で投与される脊椎動物の外寄生虫を除去するための組成物」である点で一致し、組成物中の有効成分の配合量について、前者は組成物中に殺寄生虫効果が少なくとも1月間持続する有効量を含むと規定しているのに対して、後者は一回の用量が記載されているだけで殺寄生虫の効果の持続期間については記載されていない点で相違する。

そこで、この相違点について検討する。
引用例1には、経口または非経口投与の一回の用量が0.1?100 mgであると記載され、長期療法における1日用量は該1回用量より少ない0.001?20.0mgと記載されているのであるから、上記一回用量0.1?100mgは1日を超える期間持続的に有効であると解されるものである。
ところで、同じ寄生虫防除作用のあるピラゾール系化合物であって1回用量が引用例1の化合物と同じ範囲で使用される化合物について、引用例2には、「徐放性処方物またはデバイスを使用すると、数カ月にわたり必要な1日用量を合わせて、1回で動物に投与することができる。」とされ、同じく引用例3においても「持効性放出製剤又は装置の使用により、数月の期間にわたって必要とされる1日用量は単独の場合に組合せて動物に投与し得る。」と記載されているところから、寄生虫防除作用のあるピラゾール系化合物について1回で数か月効力を持続させる用法は通常想定される範囲のものであることが明らかである。
そうすると、引用例1のピラゾール系化合物についても脊椎動物に経口、非経口投与又は局所投与してその効力が少なくとも1ヶ月持続する程度の有効成分量を採用し、持続性(徐放性)製剤とすることは当業者が適宜なし得ることである。
したがって、本願発明は引用例1?3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、請求人は、本発明組成物で好ましく用いられる化合物「フィプロニル」を犬、猫のノミの駆除に用いる場合には、本出願以前にはスプレーで用いることが主であったとして参考文献(Jean-Michel R. POSTAL et at., Vertebrate Pestidelogy, Vo. 6, No.3, pp 153-158, 1995)を提出しているが、スプレーでの適用は非経口投与または経皮効果のある局所投与に他ならず、当該文献のABSTRACTの項には、フィプロニルのスプレー製剤により、犬、猫において投与後2ヶ月たってもノミの発生を押さえる効果が得られたことが記載され、INTRODUCTIONの項には、犬猫のノミやダニ向け0.25%フィプロニルメカニカルポンプスプレー製剤がRhone Merieuxにより開発されていること、および参照文献5,6を参照し、ノミの再侵入防止期間がスプレーによればイヌでは6から16週間、猫では5から7週間であったことが既に報告されていることも記載されている。
この点から見ても、本願発明の「少なくとも1ヶ月持続する有効量を含む」とする点が動物の寄生虫除去に使用する製剤において格別の技術的特徴となるものでないことは明らかである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-10 
結審通知日 2007-01-16 
審決日 2007-01-30 
出願番号 特願平10-505659
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡辺 仁守安 智  
特許庁審判長 森田 ひとみ
特許庁審判官 吉住 和之
谷口 博
発明の名称 脊椎動物、特に哺乳動物の寄生虫、特に外部寄生虫を駆除する方法と、この方法を実施するための組成物  
代理人 越場 隆  

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