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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1159268
審判番号 不服2003-20219  
総通号数 92 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-10-16 
確定日 2007-06-13 
事件の表示 平成 6年特許願第192264号「電子化データのコンピュータ用条件入力画面」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 4月 7日出願公開、特開平 7- 93375〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成6年7月25日(優先権主張 平成5年7月26日)の出願であって、平成15年9月8日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月16日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年11月17日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年11月17日付の手続補正について
(1)本件補正の内容について
平成15年11月17日付の手続補正(以下「本件補正」という。)により、請求項1は、
「所定位置に所定形式で配置された書誌的事項を備えた複数の文書を集合して電子化してなる電子化データから所定の書誌的事項に該当する文書を検索するコンピュータ用条件入力画面であって、
該コンピュータ用条件入力画面は、前記文書の書誌的事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の窓が、前記文書における各書誌的事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された第1の条件入力画面と、前記書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面とを備え、
前記第2の条件入力画面には、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面が含まれることを特徴とするコンピュータ用条件入力画面。」
と補正された。
また、本件補正により、請求項3は、
「前記コンピュータ用条件入力画面は、複数の前記第1の条件入力画面を備え、それぞれの第1の条件入力画面において検索条件を入力可能に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ用条件入力画面。」
と補正された。
さらに、本件補正により、請求項4は、
「前記コンピュータ用条件入力画面は、前記複数の第1の条件入力画面のそれぞれに対応する所定形状の輪郭枠が一部を相互に重複させて配置され、該輪郭枠によって区分けされたそれぞれの領域が各条件入力画面間のAND,OR,NOTの選択に対応付けられてなるAND/OR設定画面を有することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ用条件入力画面。」
と補正された。

(2)本件補正に対する審判請求人の主張の概要
審判請求人は、審判請求書において、「請求項1,3,4の記載を補正したが、これは拒絶理由に係る明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。」旨の主張をしている。

(3)本件補正の適否について
本件補正は、原審での特許法第36条第5項に関する拒絶の理由で明りょうでないと指摘された発明特定事項を補正するものであるので、平成6年改正前特許法第17条の2第3項第4号に掲げられた明りょうでない記載の釈明を目的とするもの該当する。
したがって、本件補正は適法になされたものと認める。

3.本願発明
以上のとおり、本件補正が適法になされたものと認められるので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成15年11月17日付の手続補正書により補正された請求項1に記載されたとおりの以下のものである。
「所定位置に所定形式で配置された書誌的事項を備えた複数の文書を集合して電子化してなる電子化データから所定の書誌的事項に該当する文書を検索するコンピュータ用条件入力画面であって、
該コンピュータ用条件入力画面は、前記文書の書誌的事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の窓が、前記文書における各書誌的事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された第1の条件入力画面と、前記書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面とを備え、
前記第2の条件入力画面には、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面が含まれることを特徴とするコンピュータ用条件入力画面。」

4.原査定の拒絶の理由の概要
平成15年6月10日付の拒絶理由通知及び平成15年10月16日付の拒絶査定の内容からみて、原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
(A)特許法第29条第1項柱書の規定に関する理由について(以下「理由A」という。)
「請求項1-4の記載は、コンピュータを利用することは明らかである。しかし、請求項1-4の記載はコンピュータの機能を単に特定するに留まり、その機能を果たすためにコンピュータのハードウェア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではない。たとえば請求項1には第1の条件入力画面若しくは第2の条件入力画面を出力する手段若しくはステップの存在が認められない。すなわち、請求項1-4は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的手段によって記載されていない。
また、コンピュータのハードウェア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものが、請求項に記載されていると認められない。
したがって、請求項1-4に記載されたものは特許法第29条第1項柱書きでいう発明に該当しない。」

(B)特許法第29条第2項の規定に関する理由について(以下「理由B」という。)
「この出願の請求項1-4に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.特公平5-17581号公報
2.小沢英昭、安西祐一郎、相磯秀夫,オフィスシステムのための統
合化データベース,電子情報通信学会論文誌J75-D-II,
日本,電子情報通信学会 ,1992年 5月25日,
第J75-D-II巻,第5号,第927-935頁
3.特開平5-28190号公報 」

5.理由Aについてに
(1)審判請求人の主張の概要
審判請求書の記載からみて、原査定の拒絶の理由Aに対する審判請求人の主張の概要は以下のとおりである。
『本発明(請求項1-4)は、「コンピュータ用条件入力画面」の発明であるが、これは、検索画面の条件入力欄の配置,入力画面の構造に係る発明である。
物の配置や構造に係る発明、例えば、特許第3353113号(発明の名称「車両用エンジンの吸気口の配置構造」),特許第3322043号(発明の名称「車両のパワートレーンの配置構造」),特許第3323981号(発明の名称「移動電源車における車内装置の配置構造」),特許第3304146号(発明の名称「集積回路用ビット線配置」),特許第3244715号(発明の名称「エンジンの気筒判別センサ配置構造」),特許第3238310号(発明の名称「小型バックホーのボンネット内の配置構造」),特許第3231549号(発明の名称「電動補助自転車の充電コネクター配置構造」)等は、自然法則を利用した技術的思想の創作に該当する。
また、一般的に、資料1{広辞苑(岩波書店発行、1998年、第5版)P.559、P.1538}によれば、「画面」とは「テレビなどの、写し出された像。」である。そして、「像」は「物のかたち。すがた。」である。
すなわち、本発明(「コンピュータ用条件入力画面」)は、コンピュータ用条件入力画面という物のかたちに関する発明である。そして、本発明は、請求項1?4の配置,構造を有することによって、上述の顕著な作用効果を奏するものである。
また、拒絶査定謄本で述べられているように、本発明は、「コンピュータを利用」して文書を検索する際に用いられるものである。そして、審査においては、本発明をコンピュータ・ソフトウェア関連発明であるとして、請求項1?4の記載は、「コンピュータの機能を単に特定するに留まり、その機能を果たすためにコンピュータのハードウェア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではない。」,「すなわち、請求項1-4は、ソフトウェアとハードウェア資源とが共同した具体的手段によって記載されていない。」(第1頁第36行?第2頁第4行)と判断されている。
しかしながら、上述のように本発明は検索画面の条件入力欄の配置,入力画面の構造に係る発明であるから、コンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準を適用して判断すべきものではない。
以上のように、本発明(請求項1?4)は「物の発明」であって、特許法第29条第1項柱書きにいう「発明」に該当するから、特許法第29条第1項柱書きに違反するものではないと思料する。』

(2)当審の判断
本願発明は、「方法の発明」のカテゴリー属さないことは明らかであるので、「物の発明」のカテゴリーに属するものとして認めることとする。
しかしながら、本願発明が「物の発明」のカテゴリーに属するからといって、そのこと自体が、必ずしも、特許法上の発明である「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当することを意味するとは認められず、本願発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かという観点からすると、別途検討する必要がある事項であると認められるので、請求人の上記主張を採用することはできない。

そこで、検討するに、まず、請求項1の記載からみて、本願発明は、実質的には、所定の位置に配置された入力用の窓及び入力枠を備えた画面そのものであり、その配置に技術的特徴を有するとは認められないので、単なる情報の提示にすぎず、本願発明がそもそも「技術的思想」に該当しないことは明らかである。

また、別の観点からも検討すると、発明が、(i)「機器等に対する制御又は制御に伴う処理を具体的に行うもの」、又は(ii)「対象の物理的性質又は技術的性質に基づく情報処理を具体的に行うもの」に該当する場合は、当該発明は「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものと認められるが、請求項1の記載からみて、本願発明がこれらの(i)又は(ii)のものに該当しないことは明らかである。
そして、本願発明は、「コンピュータ用入力画面」に関する発明であるので、発明の詳細な説明及び当該分野の一般的な技術内容からみて、検索条件入力用の窓が選択操作されることにより第2の条件入力画面が表示されることはコンピュータにより処理されることであると認められるので、本願発明は、その発明の実施にソフトウエアを必要とする、コンピュータ・ソフトウエア関連発明であると認められる。
したがって、本願発明をコンピュータ・ソフトウエア関連発明として扱い、「コンピュータを用いて処理する」という点で本願発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するかどうかを以下で検討する。
こうしたソフトウエアを利用するコンピュータ・ソフトウエア関連発明が、「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるためには、発明はそもそもが一定の技術的課題の解決手段になっていなければならないことから、ハードウエア資源を利用したソフトウエアによる情報処理によって、所定の技術的課題を解決できるような特有の構成が具体的に提示されている必要があるというべきである。
そして、本願発明が解決しようとする課題は、「複雑な検索式を作成して入力することなく、誰でも電子化データに関して迅速に検索することができ、初心者にも好適な検索方法を提供すること」であり、その課題を解決するための解決手段は、「該コンピュータ用条件入力画面は、前記文書の書誌的事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の窓が、前記文書における各書誌的事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された第1の条件入力画面と、前記書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面とを備え、前記第2の条件入力画面には、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面が含まれること」であると認められる。
この解決手段に関する上記の記載について便宜上以下のように分けて検討する。
(ア)「該コンピュータ用条件入力画面は、前記文書の書誌的事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の窓が、前記文書における各書誌的事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された第1の条件入力画面と、前記書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面とを備え、」
(イ)「前記第2の条件入力画面には、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面が含まれること」

上記(ア)の記載について検討すると、「前記書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面」の記載では第2の入力画面が表示される処理について記載されているが、どのようなハードウエア資源を用いてどのような情報処理をするのか具体的に記載されていないため、上記(ア)の記載は、本願発明の「コンピュータ用条件入力画面」の構成を「第1の条件入力画面と第2の条件入力画面とを備える」と特定し、その「第1の条件入力画面」の構成を「前記文書の書誌的事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の窓が、前記文書における各書誌的事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された」と特定するに留まり、上記(ア)の記載では、書誌的事項に応じた検索条件入力用の窓が選択操作されることにより第2の条件入力画面が表示されるという処理がハードウエア資源を用いてどのように実現されたか具体的に提示されているとは認められない。

上記(イ)の記載について検討すると、第2の条件に伴って行われるべき検索の処理が全く記載されていないため、上記(イ)の記載は、本願発明の「第2の条件入力画面」の構成を「1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる」と特定するに留まり、前記課題を解決するための何らかの技術的解決手段を具体的に提示するものではない。

また、全体としてみても、利用されるメモリや操作装置などのハードウエア資源が特定されておらず、ソフトウエアの処理がハードウエア資源をどのように用いて実現されているかが具体的に提示されているとは認められない。
したがって、本願発明は、特許法上の「発明」である「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当しないので、特許法第29条第1項柱書の規定を満たしていない。

6.理由Bについて
本願発明が特許法上の「発明」に該当しないことは、前述のとおりであるが、仮に、本願発明が、特許法上の「発明」であるとして、理由Bについても一応検討することとする。
(1)引用例
(1-1)引用例1
原査定の拒絶の理由の理由として引用された特公平5-17581号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(a)「第5図はワークステーシヨン3およびホスト・コンピユータ4を用いてこの発明のデータベース・システムを実現した例を示す。第5図において、ワークステーシヨン3にはデイスプレイ5、キーボード6およびマウス7が接続されている。ワークステーシヨン3は回線8を介してホスト・コンピユータ4に接続されている。このホスト・コンピユータ4は物理データベースをなす補助記憶装置9を有している。実施例の手順は多くはワークステーシヨン3またはホスト・コンピユータ4上のソフトウエアとして実現されるけれども、理解を容易にするためブロツクでその機能を表わすこととした。
ワークステーシヨン3においてはウインドウ・マネジヤ10がデイスプレイ5、キーボード6およびマウス7の入出力処理を管理するようになつている。キーボード6およびマウス7からはデータベース(補助記憶装置9)へのデータの挿入等のデータ操作に関する情報や質問処理やナビゲーシヨン処理に関する情報が入力される。この情報はウインドウ・マネジヤ10を介してカード・マネジヤ11に供給される。カード・マネジヤ11はこの情報に基づいてデータ操作や質問処理やナビゲーシヨン処理を実行する。この実行の際にはカード・マネジヤ11からFLの操作文が出力される。トランスレータ12はこのFLの操作文をSQLに変換してホスト・コンピユータ4に供給する。ホスト・コンピユータ4にはSQL/DS13が実現されており、ワークステーシヨン3からのSQLの操作文に基づいて補助記憶装置9をアクセスしてデータを取り出す。このデータはトランスレータで関数データ・モデルのスキーマ上のデータに変換され、この変換データを用いてカード・マネジヤ11がウインドウ・マネジヤ10を介してデイスプレイ5にカード表示を行う。なおワークステーシヨン3およびホスト・コンピユータ4には通信制御部14,15がそれぞれ設けられている。」(第4頁右欄26行-第5頁第19行)

(b)「質問処理
つぎに質問処理について説明する。質問処理は、すでに説明したようにカードのフイールドに所定の質問条件をタイプして検索を行い、その結果をカードに表示するものである。第9図に質問条件のタイプ例を示す。この例は横浜市に住んで20万を超える給与を取得している社員を検索するものである。
第1図および第8図において、例示カードが表示されている状態から説明を始める。質問処理を行うには質問条件をタイプするためにカードをブランクにする必要がある。そこでまずカードのタイトル部1をピツクする(ステツプS8)。タイトル部1のピツクに応じてデータ操作部14がデータ操作ウインドウ24を第10図に示すように開く(ステツプS9)。そこでデータ操作ウインドウ24の「ブランク」をピツクする(ステツプS10)。そうするとデータ操作ウインドウ24が閉じるとともに(ステツプS11)、カードがブランクになる(ステツプS12)。こののち検索条件をたとえば第9図に示すようにタイプし(ステツプS13)、こののちタイトル部1を再びピツクして(ステツプS14)、データ操作ウインドウ24を開き(ステツプS15)、「質問」をピツクする(ステツプS16)。これに応じてデータ操作ウインドウ24を閉じるとともに、検索が実行される(ステツプS17、S18)。そして検索結果に基づいて実体の識別子を決定し、この識別子のもとカード表示部16に表示を行わせる(ステツプ19)。」(第6頁右欄第30行-第7頁左欄第14行)

(c)「なお、ナビゲーシヨン処理の変形としてブランク・カードのナビゲーシヨンがある。これは第13図および第14図に示すものである。第13図例では社員のブランク・カードの出身大学をピツクして大学のブランク・カードを表示する。そしてそのうえで2つのカードを用いた質問を行つている。この例では営業一課に属して京都にある大学の出身である社員が検索される。第14図例では営業一課の社員が卒業した大学を検索することができる。なお第13図および第14図の例でタイトル部にはカード・ナビゲーシヨンの経過が表示される。また、第13図例では社員についての検索であるから社員のカードに関するデータ操作ウインドウを用いて質問が行われ、他方第14図例では大学についての検索であるから大学のカード関するデータ操作ウインドウを用いて質問が行われる。」(第8頁左欄第8行-同頁同欄第23行)

してみると、引用例1には、
「所定位置に所定形式で配置された社員データを備えた複数のカードを集合して電子化データから所定の社員データ書誌的事項に該当するカードを検索するコンピュータ用質問条件入力用画面であって、
該コンピュータ用質問条件入力用画面は、前記カードの社員データを質問条件として入力するための質問条件入力用の複数のフィールドが、前記カードにおける配置位置に合わせてそれぞれ形成されたブランク・カードを表示するウィンドウと、前記社員データの出身大学の事項がピックされることにより表示される大学のブランク・カードを表示するウィンドウとを備えたコンピュータ用質問条件入力画面」との発明(以下「引用例1発明」という。)が記載されている。

(1-2)引用例2
同じく特開平5-28190号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(d)「【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本実施例の構成を示す図である。本実施例は、検索端末100、検索装置170とデータベース180及びこれらを結ぶLAN190で構成され、検索端末100は、プログラム及びワークメモリを格納するメモリ110、各種プログラムを実行するCPU120、ディスプレイ130、キーボード140、マウス150、磁気ディスク装置160よりなる。メモリ110には、検索端末制御プログラム、条件式入力ウィンドウ制御プログラム、検索履歴表示ウィンドウ制御プログラム、一覧表示ウィンドウ制御プログラム、展開結果表示ウィンドウ制御プログラムが格納されている。」(第5頁右欄第1行-同頁同欄第13行)

(e)「【0026】次に、条件式入力ウィンドウでの入力ユーザインタフェース画面の説明を図面を用いて詳細に行う。条件式入力ウィンドウでは、最初図6に示す表示を行っている。そして、条件選択メニュー601をクリックすることにより、それぞれの条件指定に応じた入力インタフェースを提供する。まず第1に単純検索条件の入力ユーザインタフェースについて説明する。このときの入力ユーザインタフェースを図7に示す。図に示すように、横方向がターム間のOR条件、縦方向がターム間のAND条件を示すマトリックスの形で提供する。同図では、「計算機」と「電算機」をORで、「計算機」又は「電算機」と「ワークステーション」をANDしている。すなわち、以下のような条件を示している。
((「計算機」OR「電算機」)AND「ワークステーション」)」(第6頁右欄第39行-第7頁左欄第3行)

また、引用例2に記載されたものにおいて、引用例2の図7の記載からみて、入力ユーザインタフェース画面で表示されたマトリックスは、複数の枠から構成されていると認められる。
してみれば、引用例2には、
『縦の方向にはANDの条件で、横の方向にはORの条件で連結された検索条件を入力するための複数の枠から構成されたマトリックスが形成された入力ユーザインタフェース画面』との発明(以下「引用例2発明」という。)が記載されている。

(2)対比
本願発明と引用例1発明を比較すると、引用例1発明の「質問条件」、「ブランク・カードが表示されたウィンドウ画面」、「大学のブランク・カードが表示されたウィンドウ」、「ピック」は、本願発明の「検索条件」、「第1の条件入力画面」、「第2の条件入力画面」、「選択操作」に相当する。
また、引用例1発明の「社員データ」と本願発明の「書誌的事項」は、検索のために用いられる「検索事項」であるという点で共通している。
また、引用例1発明の「社員データを備えたカード」と本願発明の「書誌的事項を備えた文書」は、検索事項により検索される「検索事項を備えた検索対象」という点で共通している。
また、引用例1発明の「質問条件入力用の複数のフィールド」と本願発明の「検索条件入力用の複数の窓」は、「検索条件入力用の複数のフィールド」という点で共通している。
以上の点を考慮すると、本願発明と引用例1発明は、
「所定位置に所定形式で配置された検索事項を備えた複数の検索対象を集合して電子化してなる電子化データから所定の検索事項に該当する検索対象を検索するコンピュータ用条件入力画面であって、
該コンピュータ用条件入力画面は、前記検索対象の検索事項を検索条件として入力するための検索条件入力用の複数の入力箇所が、前記検索対象における各検索事項の配置位置に合わせてそれぞれ形成された第1の条件入力画面と、前記検索事項に応じて選択操作されることにより表示される第2の条件入力画面とを備えたコンピュータ用条件入力画面。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
本願発明では、検索条件が書誌的事項であり、検索対象が書誌的事項を備えた文書であるのに対して、引用例1発明では、検索事項が社員データであり、検索対象が社員データを備えたカードである点。

(相違点2)
本願発明では、第2の条件入力画面に、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面が含まれるのに対して、引用例1発明では、第2の条件入力画面に、そのような画面が含まれていない点。

(相違点3)
入力用のフィールドが、本願発明では、窓の形式であるのに対し、引用例1発明では、窓の形式ではない点

(相違点)4)
本願発明では、入力用のフィールドが選択操作されるのに対し、引用例1発明では、入力用のフィールドが選択操作されるのかそのフィールドに対応するタイトル部が選択操作されるのか明記されていない点

(3)判断
(相違点1について)
書誌的事項を備えた複数の文書を集合して電子化してなる電子化データから所定の書誌的事項に該当する文書を検索することは一般的に行われている周知技術である(例えば、特開昭63-131268号公報参照。)ので、引用例1発明において、当該周知事項を適用して、検索事項を書誌的事項とし、検索対象をその書誌的事項を備えた文書とすることは当業者が容易に考えられる事項である。
よって、相違点1に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に考えられる事項である。

(相違点2について)
引用例2発明の「横方向」、「縦方向」、「入力ユーザインタフェース画面」は、本願発明の「1の方向」、「他の方向」、「第2の検索条件入力画面」に相当し、引用例2発明の「マトリックスを構成する枠」は、本願発明の「表示枠」及び「入力枠」に相当するので、引用例1発明において、引用例2発明を適用して、第2の条件入力画面に、1の方向にはANDの条件で、他の方向にはORの条件で連結された複数の表示枠が検索条件を入力する入力枠として形成されてなる画面に含めることは当業者が容易に考えられる事項である。
よって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び引用例2発明に基づいて当業者が容易に考えられる事項である。

(相違点3について)
入力用のフィールドを窓の形式とすることは一般的に行われている周知技術であるので、引用例1発明において、入力用のフィールドを窓の形式にすることは当業者が容易に考えられる事項である。
よって、相違点3に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に考えられる事項である。

(相違点4について)
検索事項に応じて選択操作をする際に、検索事項に関するどの部分を選択操作するかは当業者が適宜決める設計的事項であるので、引用例1発明において、検索事項に応じた入力用のフィールドを選択操作することは当業者が容易に考えられる事項である。
よって、相違点4に係る本願発明の構成は、引用例1発明に基づいて当業者が容易に考えられる事項である。

本願発明の効果は、当業者が引用例1発明、引用例2発明、及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に予測できる事項である。
したがって、本願発明は、当業者が引用例1発明、引用例2発明、及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

7.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法上の「発明」である「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当しないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
仮に、本願発明が、特許法上の「発明」に該当するとしても、本願発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明、及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許をうけることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-03-27 
結審通知日 2007-04-03 
審決日 2007-04-16 
出願番号 特願平6-192264
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
P 1 8・ 1- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深津 始  
特許庁審判長 赤穂 隆雄
特許庁審判官 岩間 直純
久保田 昌晴
発明の名称 電子化データのコンピュータ用条件入力画面  
代理人 秋山 敦  
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