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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1160365 |
審判番号 | 不服2006-22953 |
総通号数 | 92 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-10-11 |
確定日 | 2007-07-12 |
事件の表示 | 特願2002- 80132「半導体製造装置用保持体」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月 3日出願公開、特開2003-282403〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成14年3月22日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成18年4月7日付けで補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「抵抗発熱体を有する板状のセラミックスヒータの上に、被処理物を保持する金属製保持部を備え、該金属製保持部の熱伝導率がセラミックスヒータの熱伝導率よりも高いことを特徴とする半導体製造装置用保持体。」 2.原査定の拒絶の理由に引用した引用例 引用例1;特開平10-294275号公報 2.1 引用例1の記載内容 【0001】段落には、 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板あるいは、半導体製造装置用マスク基板等の基板を加熱および冷却することにより、当該基板を熱処理する熱処理装置および熱処理方法に関する。」 と記載されている。 【0010】段落には、 「【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、基板を載置するための載置部と、前記載置部に当接または近接することにより、前記載置部を介して当該載置部に載置された基板を加熱する加熱手段と、前記載置部に当接または近接することにより、前記載置部を介して当該載置部に載置された基板を冷却する冷却手段とを備えたことを特徴とする。」 と記載されている。 【0017】、【0018】段落には、 「【0017】この熱処理装置は、処理室12内に配設された載置プレート13と、加熱プレート14と、…を備える。 【0018】載置プレート13は、基板Wを載置して熱処理するためのものであり、例えば、アルミニウム…からなる…板状部材から構成される。…」 と記載されている。 【0030】段落には、 「【0030】…加熱プレート14を…移動させる。これにより、加熱プレート14は、…載置プレート13の下面に当接する加熱位置に移動する。」 と記載されている。 2.2 引用例1に記載された発明 引用例1の上記記載から、引用例1には、 「基板を載置するためのアルミニウムからなる載置プレートと、前記載置プレートを介して当該載置プレートに載置された基板を加熱する加熱プレートを有し、当該加熱プレートが、前記載置プレートの下面に当接して基板を加熱する半導体製造装置用熱処理装置。」 の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 3.本願発明と、引用発明の対比 ア.引用発明の「基板」及び「アルミニウムからなる載置プレート」は、本願発明の「被処理物」及び「金属製保持部」に相当する。 イ.本願発明の「ヒータ」及び引用発明の「加熱プレート」は、共に「ヒータ」という上位概念で一致する。 ウ.引用発明の「半導体製造装置用熱処理装置」は、基板を保持する「載置プレート」及び「加熱プレート」を有する点で、本願発明の「半導体製造装置用保持体」に相当する構成を有するといえる。 そこで、本願発明と引用発明を対比すると、両者は、「ヒータの上に、被処理物を保持する金属製保持部を備える半導体製造装置用保持体。」において一致し、以下の相違点を有する。 相違点1 本願発明は、ヒータが「抵抗発熱体を有する板状のセラミックス」との限定を有するのに対し、引用発明は、ヒータに当該限定がない点。 相違点2 本願発明は、金属製保持部の熱伝導率が「ヒータの熱伝導率よりも高い」のに対し、引用発明は、当該限定がない点。 相違点1について検討する。 当該技術分野において、「抵抗発熱体を有する板状のセラミックスヒータ」は周知手段(例えば、特開平3-229410号公報(第3頁左上欄第20行?同頁右上欄第14行)、特開2001-52985号公報(【0019】段落)等参照)であり、相違点1に係る構成については、当業者が容易に想到できたものである。 相違点2について検討する。 当該技術分野において、被処理基板を保持する保持部を、熱伝導率がヒータよりも高い金属製(アルミニウム等)とすることにより、被処理基板をヒータ単独で用いるよりも均一に加熱することは周知手段(例えば、特開平11-354399号公報(【0015】、【0017】段落)、特開2000-294482号公報(【0037】、【0059】、【0060】段落)、特開平8-236431号公報(【0025】、【0028】段落)等参照)であるから、金属製保持部の熱伝導率が「ヒータの熱伝導率よりも高い」とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 そして、本願発明の効果は、引用発明及び周知手段から、当業者であれば予測できる程度のものであり、格別なものとはいえない。 4.以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び周知手段に基いて当業者が容易に発明できたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-05-09 |
結審通知日 | 2007-05-15 |
審決日 | 2007-05-28 |
出願番号 | 特願2002-80132(P2002-80132) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩本 勉 |
特許庁審判長 |
末政 清滋 |
特許庁審判官 |
森口 良子 辻 徹二 |
発明の名称 | 半導体製造装置用保持体 |
代理人 | 山本 正緒 |