ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q |
---|---|
管理番号 | 1162094 |
審判番号 | 不服2003-5497 |
総通号数 | 93 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2007-09-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-04-03 |
確定日 | 2007-08-09 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第161572号「投票券発券機および投票券払戻機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 1月12日出願公開,特開平11- 7480〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯・本願発明 本願は,平成9年6月18日の出願であって,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成19年4月27日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものである。 「投票券の発券処理,および投入された前記投票券の払い戻し処理を行う投票券発券および払戻機において, 複数レース毎に投票組番が対応付けられた連続投票による予約投票券を読み取る読取部と, レースおよび投票に関する情報を入力するための情報入力部と, 前記情報入力部を介して入力された前記情報に基づいて購入依頼された投票が予約投票であることを,および前記読取部によって読み取られた投票券が予約投票券であることを認識する予約投票認識部と, 購入依頼された投票が予約投票であることが前記予約投票認識部によって認識されると,レース番号と各レースの投票組番とを対応付け,かつ複数レースが連続したレースであることを示す情報を付加した投票券を発券する発券部と, 前記予約投票認識部の認識結果に基づき,前記予約投票券の払い戻し処理を行う払戻処理部とを備え, 前記払戻処理部は,投票券にて予約された複数のレースのうち,第1回目のレース結果が確定し,かつ前記レースに関する投票が的中した場合は,該的中による配当金を第2回目以降のレースに関する投票の投票金額として繰り越す処理を前記投票券にて予約されたレースにつき順次繰り返し,さらに,繰り越し対象のレース結果が確定しておらず,かつ予約を取り消す場合は,繰り越す配当金を払戻し,以降のレースの投票については減算処理することを特徴とする投票券払戻機。」 なお,上記請求項1の末尾は,「投票券払戻機」と記載されているが,請求項1の記載全体からみて,「投票券発券および払戻機」の趣旨であると認められる。 2 引用例 これに対して,当審の拒絶の理由に引用された,本願の出願日前に頒布された特開平9-106426号公報(以下「引用例1」という。),特開平1-173164号公報(以下「引用例2」という。),特開平4-153876号公報(以下「引用例3」という。)には,それぞれ,図面とともに次の事項が記載されている。 2-1 引用例1(特開平9-106426号公報)の記載事項 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は競馬,競輪,競艇,オートレース等の投票情報処理システムにおけるオッズ情報の表示・提供を行う装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図2に投票情報システムの構成概念図を示す。センタ計算機1と,トータリゼータ端末制御装置2とによりセンタシステムが構成され,トータリゼータ端末制御装置2によって,多数の発売機3,払戻機4,および(オッズ表示制御装置5を介して)表示器51が結合されている。 【0003】 競馬の例をとると,賭式は,単勝式,複勝式,枠番連勝式に加えて馬番連勝式が導入される傾向にあり,投票方法もそれらの組み合わせで行われる。従って,窓口での処理の迅速化と,誤りの除去のため,マークシートになった投票カードにより投票内容の指定をしてもらい,それを機械的に読み取り投票券を発売する発売機3での自動発売が行われる。また,レースの後の配当金の払戻しも投票券を機械的に読み取り,自動的に払い戻す払戻機4によることが多い。図5に投票カードの例を示す。(1)は,単/複/枠連/馬連のいずれの賭式でもよいようになったカード,(2)は,連勝式の流し投票/ボックス投票に適したカードである。これらの投票カードはマークシートになっており,式別,レース番号,馬番/枠番の番号指定,投票金額指定等をマークすることにより指定する。このマークシートを光学式マーク読み取り機を備えた発売機3で読み取る。一方,購入の証拠となる投票券(馬券)は,図6に示すようなものである。(1)は,単勝式の場合で,(2)は連勝複式の場合である。いずれも裏面に磁気的に必要情報を記録してあり,磁気読み取り機構を備えた払い戻し機4により自動読み取りができ,読み取ったデータを払戻しの基礎情報とする。」(段落【0001】?【0003】) (イ)【図2】には,「貨幣等」と「投票カード」を受け入れ,「投票券」を排出する「発売機3」と,「投票券」を受け入れ,「貨幣等」を排出する「払戻機4」が「センタ計算機」と「トータリゼータ端末制御装置」により構成されるセンタシステムに結合されていることが記載されている。 (ウ)【図6】には,投票券の例として,単勝式と連勝複式の投票券が記載されており,連勝複式の投票券には,「馬番連複」との文字列が記載されている。 2-2 引用例2(特開平1-173164号公報)の記載事項 (エ)「トータリゼータシステムと接続された電話投票システムにおいて,登録会員ごとに連続投票限度記憶領域と投票資金記憶領域と端数金額記憶領域と投票ベットポインタ記憶領域と多数のベット情報記憶領域とを有する口座ファイル手段と,連続予約の指定により前記ベット情報記憶領域に連続して記憶された複数のベット情報を一連の投票として前記投票ベットポインタ記憶領域にポインタをセットするポインタセット手段と,前記複数のベット情報のうち一つのベット情報が的中したときの払戻金額と前記端数金額記憶領域に記憶された端数金額との和の金額が前記連続投票限度記憶領域に記憶された投票限度額を越えた金額を前記投票資金領域に繰入れ,投票限度額またはそれ未満の前記和の金額を出力する比較手段と,この比較から出力される金額を前記複数のベット情報のうちの次の投票券の購入資金として,最大購入枚数を設定し,その端数金額を前記端数金額記憶領域に記憶する購入枚数設定手段と,前記複数のベット情報のうちの一つのベット情報が的中し,このレースがベット情報の最後のレースであるときは払戻金額と前記端数金額記憶領域に記憶された金額との和の金額を前記投票資金記憶領域に繰入れる繰入手段と,一連ベット情報の特定のレース終了後又は終了前に取消及び取消予約の入力ができる取消入力装置とを有することを特徴とする電話投票システム。」(特許請求の範囲(1)) (オ)「(産業上の利用分野) 本発明は競輪,競馬,競艇等のレースに対して電話で投票ができる投票システム,特にトータリゼータシステムに接続された電話投票システムに関するものである。 (従来の技術) 従来,この種の電話投票システムは登録会員ごとに,初回投票限度,銀行の口座残高,投票資金,投票ベットポインタおよびN個のベット情報を記憶できる領域をもった口座ファイルを備えて,登録会員からの押釦電話機による投票および銀行の口座を介して払戻しが受けられるようになっている。」(1頁右下欄18行?2頁左上欄10行) (カ)「さて,受付部8が電話投票を受付けると,従来と同様に口座ファイルを参照して入力情報をチェックし(ステップ[1]),次に連続予約かを調べ(ステップ[2]),連続予約であれば投票ベットポインタに一連のベット情報が連続予約である指定を付加したポインタを設定し(ステップ[3]),直ちに,例えば第3図のベット情報領域#2?#4に図示されるように一連のベット情報が記載される(ステップ[4])。なお,この一連のベット情報での最初のレースに対する投票枚数は会員からの入力で指定されているが,次レース以降の投票枚数は未定とされている。 そこでこの連続予約の最初のレースが終了し,トータリゼータシステムからレース結果の確定情報を入手すると(ステップ[5]),このベット情報が的中したか否かが調べられ(ステップ[6]),的中していれば,確定情報から得られる1枚当りの払戻金から払戻金額を算出し,端数金額領域に端数金額があればこれを引出して払戻金額と合算する(ステップ[7]),次に投票ベットポインタを参照し,このベット情報が連続予約の最後のものであるかを調べる(ステップ[8])。最後のものでなければ,上記の合算した金額が連続投票限度の限度額以内であるかを調べて(ステップ[9]),限度額以上であれば限度額を越える金額は投票資金へ繰入れる(ステップ[10])。 次にステップ[9]で限度額以内であればステップ[7]の金額を,限度額以上であれば限度額を次のベット情報のレースの投票券の購入資金として,最大購入枚数を計算し(ステップ[11]),端数金額があればこれを端数金額領域に記憶する(ステップ[12])。さらにステップ[11]で得た最大購入枚数をプールしておき,そして自動投入(ステップ[16])で取消の情報がなければ,次のベット情報の未定となっていた投票枚数に繰入れ記憶する(ステップ[13])。この場合の自動投入,即ちステップ[16]は会員の意志により,次の投票が締切られる7?10分前迄に,受付部8に対して次からのレースの投票を取消すための入力をステップ[17]から行うことができるのである。この入力に関しては第4図のタイミングチェックフローにより後述する。」(3頁左下欄15行?4頁左上欄16行) (キ)「第4図に示した取消または取消予約の入力装置に係るタイミングチェックフローにおいて,会員が例えば,3組一連のベット情報において,第1のレース終了後で且つ第1レースが的中した時に,第2レースの遅くとも投票締切7分前迄に,第2レース以降の投票を取消すための入力を行う。この取消のための入力が行われる時点で第1のレースの的中による払戻金がステップ[イ]でチェックされ,ステップ[ロ]の取消フラグがオンになって,ステップ[ハ]により取消フラグオンおよびキュー登録がなされ,会員の取消口座ファイルを取消状態にして終了する。この場合に,前記ステップ[16]に第2レース以降について正当な取消の情報が入力され,前記第2図について説明した通り,取消の信号が確認できるのである。」(4頁右上欄7行?左下欄1行) (ク)「以上詳細に説明したとおり,本発明は口座ファイルに複数のベット情報を一連の投票としてセットする投票ベットのポインタを設け,一連のベット情報の最初のレースから順次的中するごとに,次のレースの最大購入枚数を設定できる購入枚数設定手段を有することにより,1回の電話により払戻金額を自動的に次の投票の購入資金に充当する複数レースの投票ができるばかりでなく,会員の意志により,一連ベット情報の途中において所定の時間前であれば,その自動投票に関して取消又は取消の予約ができ,会員の意志が充分に反映できるという種々の優れた効果を奏する。」(5頁右上欄4?15行) なお,引用例2に記載された丸数字及び丸カタカナの丸記号は,[]で置き換えた。 2-3 引用例3(特開平4-153876号公報)の記載事項 (ケ)「レース投票券の処理業務に用いる端末機と,前記端末機を接続して制御する制御装置とを備えたレース投票券処理システムにおいて, (A)発行券の発行を指示するとともに,レース結果の減算券および的中券を判断するための読取を指示する操作部, (B)減算券および的中券を判断するために,前記操作部からの指示でレース投票券の内容を読み取る券読取部, (C)前記操作部からの指示で発売した発行券に対する発売金合計と,前記券読取部で読取った減算券および的中券による払戻金合計と,発売金合計に対する払戻金合計の差額である差引金額とを表示する表示部, を前記端末機に備えて,発行券の発売並びに減算券および的中券に対する精算に,前記端末機を兼用することを特徴とするレース投票券処理システム。」(特許請求の範囲1.) (コ)「〔従来の技術〕 従来のレース投票券処理システムは,発売業務に対して発売専用の端末機を使用するとともに,払戻業務に対して払戻専用の端末機を使用することにより,発売業務および払戻業務のそれぞれに別々の窓口を設けていた。」(2頁左上欄9?14行) (サ)「本発明の目的は,発行券の発売と減算券および的中券の精算とを同一の窓口で行えるレース投票券処理システムを提供することにある。」(2頁左下欄5?7行) 2-4 引用例記載発明 (1) 上記2-1の記載事項を検討するに,引用例1のシステムは,発券機と払戻機がセンタシステムに結合されることにより,投票券の発売と払戻ができるから,引用例1には,発券機と払戻機を含む投票券の発売及び払戻システムが記載されているといえる。 そして,引用例1の発券機は,マークシートを機械的に読み取り,投票券を自動発売するのであるから,投票券を自動発売する発売部を備えているといえる。 そして,引用例1の払戻機は,投票券を機械的に読み取り,配当金を払い戻すのであるから,投票券の払い戻しを行う払戻部を備えているといえる。 (2) してみると,引用例1には, 「投票券を発売する発売機と投票券を機械的に読み取り自動的に払い戻す払戻機を含む投票券の発売及び払戻システムにおいて, 前記発売機は, 式別,レース番号,馬番/枠番の番号指定,投票金額指定等をマークしたマークシートを読み取る光学式マーク読み取り機と, 該光学式マーク読み取り機により読み取られた式別,レース番号,馬番/枠番の番号,投票金額等の必要情報を表面に印字すると共に裏面に磁気的に記録した投票券を自動発売する発売部と, を備え, 前記払戻機は, 投票券に記録された磁気的情報を読み取る磁気読み取り機構と, 該磁気読み取り機構により読み取られた情報に基づいて投票券の払い戻しを行う払戻部と を備える投票券の発売及び払戻システム。」 の発明(以下「引用例記載発明」という。)が記載されていると認められる。 3 対比 (1) そこで,本願発明(以下「前者」という。)と引用例記載発明(以下「後者」という。)とを対比すると,後者の「光学式マーク読み取り機」,「発売部」,「磁気読み取り機構」,「払戻部」が前者の「情報入力部」,「発券部」,「読取部」,「払戻処理部」にそれぞれ相当する。 また,後者の「投票券の発券及び払戻システム」は,その機能・作用からみて,前者の「投票券発券および払戻機」を包含する。 (2) そうすると,両者は, 「投票券の発券処理,および投入された前記投票券の払い戻し処理を行う投票券の発券及び払戻システムにおいて, 投票券を読み取る読取部と, レースおよび投票に関する情報を入力するための情報入力部と, 投票券を発券する発券部と, 投票券の払い戻し処理を行う払戻処理部とを備える ことを特徴とする投票券の発券及び払戻システム。」 である点で一致し,下記の点で相違する。 〔相違点1〕前者の投票券の発券・払戻システムは,「投票券発券および払戻機」であるのに対し,後者の投票券の発券・払戻システムは,それぞれ独立した発券機と払戻機を含むものである点。 〔相違点2〕前者の投票券は,「複数レース毎に投票組番が対応付けられた連続投票による予約投票券」であるのに対し,後者の投票券はそうでない点。 〔相違点3〕前者は,「前記情報入力部を介して入力された前記情報に基づいて購入依頼された投票が予約投票であることを,および前記読取部によって読み取られた投票券が予約投票券であることを認識する予約投票認識部」を備えるのに対し,後者はそうでない点。 〔相違点4〕前者の発券部は,「購入依頼された投票が予約投票であることが前記予約投票認識部によって認識されると,レース番号と各レースの投票組番とを対応付け,かつ複数レースが連続したレースであることを示す情報を付加した投票券」を発券するのに対し,後者の発券部はそうでない点。 〔相違点5〕前者の払戻処理部は,「前記予約投票認識部の認識結果に基づき,前記予約投票券」の払い戻し処理を行い,「投票券にて予約された複数のレースのうち,第1回目のレース結果が確定し,かつ前記レースに関する投票が的中した場合は,該的中による配当金を第2回目以降のレースに関する投票の投票金額として繰り越す処理を前記投票券にて予約されたレースにつき順次繰り返し,さらに,繰り越し対象のレース結果が確定しておらず,かつ予約を取り消す場合は,繰り越す配当金を払戻し,以降のレースの投票については減算処理する」のに対し,後者の払い戻し処理部はそうでない点。 4 判断 (1) 相違点1について 一般に,端末機を多機能にすることは周知の事項であり,投票券の発券と払戻を同一の端末機で行うことも,引用例3に記載されているから,後者において,発券機と払戻機を1台の端末機として構成することは,当業者が容易に想到し得ることである。 (2) 相違点2,3,4,5について 引用例2には, (a) 受け付けた投票が連続予約であるか通常投票であるかを調べ,連続予約であれば,投票ベットポインタに連続予約である旨を設定して,一連のベット情報をベット情報記憶領域に記憶し, (b) 連続予約の最初のレースが終了し,ベット情報が的中していれば,払戻金額を次のベット情報のレースの投票券の購入資金とし, (c) 上記(b)を順次繰り返し, (d) あるレースが的中し,次のレースの投票締切の7分前までに,次のレース以降の投票を取消す旨の入力があると,的中による払戻金額を払い戻し,次のレース以降の投票を取り消す という,公営競技の投票システムが記載されており,引用例2の連続予約は,前者の「連続投票による予約」と同一の投票手法である。 引用例2は,投票窓口に出向くことなく押釦電話機により投票ができるシステムであるが,引用例2の連続予約による投票手法は,投票窓口で投票券を発行する形態の投票システムにも適用可能であることは明らかであるから,後者の投票券の発売及び払戻システムに引用例2の連続予約による投票手法を適用することは,当業者が容易に想到し得ることである。 そして,投票の受付や払戻の際,賭式の種別等を認識することは,引用例1?3のいずれにも記載されているように,投票・払戻システムにおいて当然になされることであるから,後者の投票券の発売及び払戻システムに引用例2の連続予約による投票手法を適用すれば,後者の投票券の発売及び払戻システムが「前記情報入力部を介して入力された前記情報に基づいて購入依頼された投票が予約投票であることを,および前記読取部によって読み取られた投票券が予約投票券であることを認識する予約投票認識部」を備える構成となることは,ごく自然に導出される事項である。 また,購入の証拠となる投票券には,投票及び払戻に必要な情報が印字及び記録されるのであるから,後者の投票券の発売及び払戻システムに引用例2の連続予約による投票手法を適用すれば,後者の投票券が「複数レース毎に投票組番が対応付けられた連続投票による予約投票券」となり,後者の発券部が「購入依頼された投票が予約投票であることが前記予約投票認識部によって認識されると,レース番号と各レースの投票組番とを対応付け,かつ複数レースが連続したレースであることを示す情報を付加した投票券」を発券する構成となることは,ごく自然に導出される事項である。 さらに,引用例2の連続予約による投票手法における払戻金額の取り扱いは,前者の払戻処理部が行う処理と同じであり,しかも,取り消された投票について減算処理を行うことは周知の事項であるから,後者の投票券の発売及び払戻システムに引用例2の連続予約による投票手法を適用すれば,後者の払戻処理部が「前記予約投票認識部の認識結果に基づき,前記予約投票券」の払い戻し処理を行い,「投票券にて予約された複数のレースのうち,第1回目のレース結果が確定し,かつ前記レースに関する投票が的中した場合は,該的中による配当金を第2回目以降のレースに関する投票の投票金額として繰り越す処理を前記投票券にて予約されたレースにつき順次繰り返し,さらに,繰り越し対象のレース結果が確定しておらず,かつ予約を取り消す場合は,繰り越す配当金を払戻し,以降のレースの投票については減算処理する」構成となることは,ごく自然に導出される事項である。 (3) 作用効果について 本願発明の作用効果についてみても,引用例記載発明,引用例2,3に記載された事項及び周知事項から当業者が予測し得る程度のものであり,格別のものとはいえない。 5 むすび したがって,本願発明は,引用例記載発明,引用例2,3に記載された事項及び周知事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-06-06 |
結審通知日 | 2007-06-12 |
審決日 | 2007-06-25 |
出願番号 | 特願平9-161572 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06Q)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 竹中 辰利 |
特許庁審判長 |
小林 信雄 |
特許庁審判官 |
森次 顕 久保田 健 |
発明の名称 | 投票券発券機および投票券払戻機 |
代理人 | 横山 淳一 |
代理人 | 横山 淳一 |