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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B62D
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B62D
管理番号 1164919
審判番号 不服2004-22040  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-10-26 
確定日 2007-09-27 
事件の表示 特願2000-124373「自動車の車体組立方法および車体構造」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月31日出願公開、特開2001-301653〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本願は、平成12年4月25日の出願であって、平成16年9月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年10月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

【2】平成16年10月26日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年10月26日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
平成16年10月26日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】 軽量金属材料により主要骨格部を含む部品単体として前後方向に分割して鋳造成形した複数のルーフ構成部品を結合してルーフ構造体をサブアッセンブリする工程と、
軽量金属材料により主要骨格部を含む部品単体として前後方向に分割して鋳造成形した複数のボデイサイド構成部品を結合してそれぞれ左右のボデイサイド構造体をサブアッセンブリする工程と、
サブアッセンブリされたこれらルーフ構造体と左右のボデイサイド構造体とを結合するメイン工程と、を備えたことを特徴とする自動車の車体組立方法。」
と補正された。
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ルーフ構成部品」について「主要骨格部を含む部品単体として」成形したものとすると共に、同「ボデイサイド構成部品」について「主要骨格部を含む部品単体として」成形したものとする限定を付加して特定したものであって、平成18年改正前の特許法(以下「旧法」という。)第17条の2第4項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(旧法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について以下で検討する。

2.引用例とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である、実用新案登録第2506447号公報(以下「引用例」という。)には、「ルーフパネルとサイドメンバの結合構造」に関して、第1図、第3図とともに、次のイ、ロの事項が記載されている。
イ 「本考案はルーフパネルとサイドメンバの結合構造に関するもので、当該結合構造は、車体ルーフの側面を形成するルーフサイドパネルと、車体ルーフの上面を形成するルーフセンタパネルと、車体側面を形成するサイドメンバと、前記サイドメンバーの後端部に連設され車体側面の後部コーナ及び車体ルーフの後部コーナを形成するリヤサイドパネルとを備え、前記ルーフサイドパネルの下端が前記サイドメンバの上部に設けた前後方向へ延びるルーフサイドレールに接合されている・・・ことを特徴とするものである。」(第2頁左欄第22行?同第36行)
ロ 「ルーフセンタパネル11は3枚の同幅のパネル11A,11B,11Cを接合して構成され、第3図に示すように、各パネル11A?11Cの側端には前後方向へ延びるフランジ部11aが設けられている。
ルーフサイドパネル12は2枚の同幅のパネル12A,12Bを接合して構成され、第3図に示すように下端がサイドメンバ13の上部に固設した前後方向へ延びるルーフサイドレール15の外面にスポツト溶接されている。またルーフサイドパネル12の上端には前後方向へ延びるフランジ部12aが設けられ、同フランジ部12aとルーフセンタパネル11のフランジ部11aをスポツト溶接して両パネル11,12が接合され、かつ両フランジ部11a,12aにて前後方向へ延びるルーフドリツプが形成されている。」(第2頁右欄第7行?同第19行)
ここで、ルーフセンタパネル11について見るに、第1図及び上記記載事項ロを参酌すると、ルーフセンタパネル11は、パネル11A,11B,11Cをサブアッセンブリして、最終工程前に形成されることは明白である。同様に、ルーフサイドパネル12は、パネル12A,12Bをサブアッセンブリして、最終工程前に形成されることは明白である。
また、ルーフサイドパネル12が、車体左右位置に一対のものとして接合されることは、車体を構成する上での技術常識である。
よって、上記各記載事項を総合すると、第1引用例には、
「前後方向に分割して成形した複数のパネル11A,11B,11Cを接合してルーフセンタパネル11をサブアッセンブリする工程と、
前後方向に分割して成形した複数のパネル12A,12Bを接合してそれぞれ左右のルーフサイドパネル12をサブアッセンブリする工程と、
サブアッセンブリされたこれらルーフセンタパネル11と左右のルーフサイドパネル12とを結合するメイン工程と、を備えた自動車の車体組立方法」
の発明が記載されていると認められる。

3.発明の対比
(1)本願補正発明の構成事項と引用例に記載の発明(以下「引用発明」という。)とを対比すると、引用発明の「パネル11A,11B,11C」は本願補正発明の「ルーフ構成部品」に相当し、以下同様に、「ルーフセンタパネル11」、「パネル12A,12B」、「ルーフサイドパネル12」は、それぞれ「ルーフ構造体」、「ボデイサイド構成部品」、「ボデイサイド構造体」に相当する。
(2)以上の対比から、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点を次のとおりに認定できる。
[一致点]「前後方向に分割して成形した複数のルーフ構成部品を結合してルーフ構造体をサブアッセンブリする工程と、
前後方向に分割して成形した複数のボデイサイド構成部品を結合してそれぞれ左右のボデイサイド構造体をサブアッセンブリする工程と、
サブアッセンブリされたこれらルーフ構造体と左右のボデイサイド構造体とを結合するメイン工程と、を備えた自動車の車体組立方法」である点。
[相違点1]本願補正発明は、ルーフ構成部品及びボデイサイド構成部品を、軽量金属材料により鋳造成形しているのに対して、引用発明では各構成部品をどのように成形したものか不明である点。
[相違点2]本願補正発明は、ルーフ構成部品及びボデイサイド構成部品を、主要骨格部を含む部品単体として成形しているのに対して、引用発明にはそのような構成がない点。

4.当審の判断
(1)相違点1について
車体の構成部品に、軽量金属材料により鋳造成形したものを採用することは、周知の事項である(周知例:特開昭62-88674号公報、特開平6-286651号公報)。そして、係る周知の事項を引用発明に適用することにより、この相違点に係る本願補正発明の構成とすることに、格別の困難性は要しない。
(2)相違点2について
車体の構成部品を、主要骨格部を含む部品単体として成形することは、周知の事項である(周知例:実願昭61-56086号(実開昭62-167774号)のマイクロフィルム、実願昭62-64991号(実開昭63-171285号)のマイクロフィルム、特開平10-258769号公報)。そして、係る周知の事項を引用発明に適用することにより、この相違点に係る本願補正発明の構成とすることに、格別の困難性は要しない。
(3)作用効果等について
上記の相違点1及び2に係る構成を併せ備える本願補正発明の作用効果についてみても(平成19年4月16日付けの回答書も参照)、上記引用発明及び各周知例に記載された事項から、当業者が容易に予測しうる域を超えるものがあるとは認められない。
したがって、本願補正発明は、上記引用発明及び各周知例の記載事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、旧法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり、決定する。

【3】本願発明について
1.本願発明
平成16年10月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし20に係る発明は、明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明は、以下に記載された事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】 軽量金属材料により前後方向に分割して鋳造成形した複数のルーフ構成部品を結合してルーフ構造体をサブアッセンブリする工程と、
軽量金属材料により前後方向に分割して鋳造成形した複数のボデイサイド構成部品を結合してそれぞれ左右のボデイサイド構造体をサブアッセンブリする工程と、
サブアッセンブリされたこれらルーフ構造体と左右のボデイサイド構造体とを結合するメイン工程と、を備えたことを特徴とする自動車の車体組立方法。」(以下「本願発明」という。)

2.引用例とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例とその記載事項は、上記「【2】2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記【2】で検討した本願補正発明から、「ルーフ構成部品」及び「ボデイサイド構成部品」に関する限定事項である「主要骨格部を含む部品単体として」成形する構成を除いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「【2】4.」に記載したとおり、上記引用発明及び各周知例の記載事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、上記引用発明及び各周知例の記載事項に基いて当業者が容易に発明することができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、上記引用発明及び各周知例の記載事項に基いて当業者が容易に発明することができたものと認められ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、そのような本願発明を含む本願は、請求項2ないし20に係る発明について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-07-25 
結審通知日 2007-07-31 
審決日 2007-08-15 
出願番号 特願2000-124373(P2000-124373)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B62D)
P 1 8・ 121- Z (B62D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山内 康明西中村 健一  
特許庁審判長 鈴木 久雄
特許庁審判官 佐藤 正浩
柴沼 雅樹
発明の名称 自動車の車体組立方法および車体構造  
代理人 三好 秀和  
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