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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する A61M
管理番号 1166227
審判番号 訂正2007-390088  
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2007-07-13 
確定日 2007-09-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2645203号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2645203号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
1 本件特許第2645203号の請求項1ないし23に係る発明についての出願は、平成4年10月23日(パリ条約による優先権主張1991年10月28日、米国)の出願であって、平成9年5月2日に特許権の設定登録がされたものである。
2 この特許に対して、平成10年2月25日にテルモ株式会社より特許異議の申立てがなされ(平成10年異議70855号)、平成10年12月7日付けで特許異議意見書及び訂正請求書が提出され、平成11年8月2日付けで手続補正書(訂正請求書)が提出され、平成11年10月15日付けで「訂正を認める。特許第2645203号の請求項1ないし23に係る特許を維持する。」との異議決定がなされた。
3 その後、平成16年2月12日に株式会社グッドマンより本件特許第2645203号の請求項1?3、6?9及び23に係る発明についての特許の無効審判の請求がなされ、平成17年5月31日付けで「特許第2645203号の請求項1?3、6?9及び23に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされた。
4 そこで、知的財産高等裁判所に審決の取消しを求める本訴が提起された後(平成17年(行ケ)第10727号)、訂正審判の請求がなされ、当該裁判所は、平成18年1月13日付けで、特許法181条2項を適用して審決を取り消す決定を行った。
5 その後、特許法第134条の3第2項の規定により指定された期間内の平成18年2月16日に訂正請求がなされ、平成18年12月8日付けで「特許第2645203号の請求項1?3、6?9及び23に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされた。
6 そして、再び、平成19年4月17日に知的財産高等裁判所に審決の取消しを求める本訴が提起された後、平成19年7月13日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第2645203号の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。
すなわち、平成10年異議第70855号事件における平成11年8月2日付け手続補正書(訂正請求書)に添付された全文訂正明細書(以下、「第1次訂正明細書」という。)を、以下1ないし7のとおり訂正することを求めるものである。
1 訂正事項1
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中、「互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、」の後に、「隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、」を挿入する。
2 訂正事項2
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中、「複数の山谷を含む略波状模様に形成され」を「複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され」と訂正する。
3 訂正事項3
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中、「各円筒形状の要素はその直径より小さい長さを有する」を「各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する」と訂正する。
4 訂正事項4
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中、「長手方向に可撓性を有するステント。」を「、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステント。」と訂正する。
5 訂正事項5
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項3を削除する。
6 訂正事項6
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項5中、「タングステン、」を削除する。
7 訂正事項7
第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項13中、「複数の長手方向に可撓性を有するステント」を「前記長手方向に可撓性を有するステント」と、「作られる」を「形成されている」と訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中の相互連結部に関し、「隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、」を付加し、相互連結部の構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、この訂正事項1は、第1次訂正明細書の段落【0017】【0018】及び図4、図10に記載されているから、新規事項の追加に該当せず、また、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中の円筒形状の略波形模様に関し、「閉環状の滑らかな」を付加し、円筒形状の略波形模様を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、訂正事項2は、図4に記載されているから、新規事項の追加に該当せず、また、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中の「各円筒形状の要素はその直径より小さい長さを有する」のその直径が第1送出径であることを明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、この訂正事項3は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23及び第1次訂正明細書の段落【0006】に記載されていたといえるから、新規事項の追加に該当せず、また、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、12、17、23中の「長手方向に可撓性を有するステント。」に「、その長さに沿って、」を付加し、ステントが、ステントの長さに沿って長手方向に可撓性を有することを明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、訂正事項4は、第1次訂正明細書の記載から自明な事項であるから、新規事項の追加に該当せず、また、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(5)訂正事項5について
訂正事項5は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(6)訂正事項6について
訂正事項6は、第1次訂正明細書の特許請求の範囲の請求項5中の「ステンレス鋼、タングステン、タルタン及び熱可塑性重合体の群から選択された材料」から「タングステン、」を削除するものであり、択一的記載の要素の削除に該当するから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。
(7)訂正事項7について
「複数の」を「前記」と訂正することは、明らかに誤記の訂正を目的とするものであり、「作られる」を「形成されている」と訂正することは、請求項9の記載と整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、また、訂正事項7は、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張、変更するものでもない。

2 独立特許要件
(1)本件訂正に係る発明
本件訂正に係る発明は、審判請求書に添付された訂正明細書及び図面の記載からみて、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2、4ないし23に記載された次のとおりのものと認める(以下、順に「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明23」という。)。
ア 本件訂正発明1
「送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有することを特徴とする、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステント。」
イ 本件訂正発明2
「円筒形状部材が、膨脹の際に第2展開径を維持するようになった請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
ウ 本件訂正発明4
「前記複数の円筒形状の要素の各々の横断面は、2対1より小さい縦横比を有する請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
エ 本件訂正発明5
「前記各円筒形状の要素は、ステンレス鋼、タンタル及び熱可塑性重合体の群から選択された材料で形成される請求項4の長手方向に可撓性を有するステント。」
オ 本件訂正発明6
「相互連結部の円周方向の配置は、均等の大きさである請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
カ 本件訂正発明7
「隣接した円筒形状の要素の間に配置された4つまでの相互連結部がある請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
キ 本件訂正発明8
「前記円筒形状の要素と前記相互連結部は同じ材料で作られている請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
ク 本件訂正発明9
「前記長手方向に可撓性を有するステントは、管の単一片から形成されている請求項8の長手方向に可撓性を有するステント。」
ケ 本件訂正発明10
「前記円筒形状の要素の1つの前記略波状模様は、隣接する円筒形状の要素の前記略波状模様と同相である請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
コ 本件訂正発明11
「前記相互連結部は、前記円筒形状の要素の前記波状模様の山或いは谷のいずれかにすべて連結されている請求項10の長手方向に可撓性を有するステント。」
サ 本件訂正発明12
「送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステントの製造方法であって、
(a)所定の長さの管に、化学的エッチングに抵抗性のあるコーティングを行い、
(b)前記管の部分を露出させるために、前記抵抗性コーティングの部分を選択的に除去し、
(c)露出した前記管の部分を除去する工程からなるステントの製造方法。」
シ 本件訂正発明13
「前記長手方向に可撓性を有するステントは、管の単一片から形成されている請求項12の方法。」
ス 本件訂正発明14
「前記長手方向に可撓性を有するステントは、重合体、ステンレス鋼、チタニウム及びタンタルの群から選択された材料で作られる請求項12の方法。」
セ 本件訂正発明15
「前記コーティングは、電気泳動塗装によって行われる請求項12の方法。」
ソ 本件訂正発明16
「前記円筒形状の要素と前記連結部とは、所定材料のコーティングで被覆される請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。」
タ 本件訂正発明17
「送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステントを形成するために管状開放網目構造を製造する方法であって、
(a)所定の別々の長さの薄肉管を提供し、
(b)抵抗性コーティングを前記管の外部に形成し、
(c)抵抗性コーティングで被覆された、完全に開かれ網目状に配置された管状構造の所望のパターンを残し、除去すべき管の部分を露出させるために、前記管の外部の前記抵抗性コーティングの部分を選択的に除去し、
(d)前記管の前記露出部分を除去する工程からなる方法。」
チ 本件訂正発明18
「前記管の前記露出部分は、エッチングによって除去される請求項17の方法。」
ツ 本件訂正発明19
「前記抵抗性コーティングの選択的な除去は、前記管とレーザとの相対運動を機械で制御することによって達成される請求項17の方法。」
テ 本件訂正発明20
「前記抵抗性コーティングを選択的に除去するために使用される前記レーザは、前記抵抗性コーティングによって容易に吸収される特定の光の波長を放出する請求項19の方法。」
ト 本件訂正発明21
「前記レーザは、CO2ガスレーザである請求項19の方法。」
ナ 本件訂正発明22
「使用される前記抵抗性コーティングは、写真平板用の化学的抵抗性コーティングである請求項17の方法。」
ニ 本件訂正発明23
「(a)近位端及び遠位端と、該遠位端に膨脹可能な部材とを有する細長いステント送出カテーテルと、
(b)脈管構造の中の送出のために、前記カテーテルの膨脹可能な部材に摺動可能に取り付けられるようになっており、送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステント送出装置。」

(2)独立特許要件を検討するにあたり、関連事件である無効2004-35088号において提示された以下の刊行物を検討する。
刊行物1:特開平2-174859号公報
刊行物2:特開平3-151983号公報
刊行物3:米国特許第5019090号明細書

(3)各刊行物記載内容
ア 刊行物1
刊行物1には、第1図?第8図とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「本発明は身体通路(body passageway)又は管(duct)内で使用するための伸張可能な管腔内移植片(expandable intraluminal graft)に関するものであり、更に特定的には疾患により狭くなった又は閉塞した血管を修復するために特に有用な伸張可能な管腔内脈管移植片(expandable vascular graft)移植片及び伸張可能な管腔内移植片を移植するための方法及び装置に関する。」(第2頁右上欄第1?8行)
(イ)「本発明は、複数の薄肉管状部材、ここで該管状部材の各々は第1の端部、第2の端部及び該第1の端部と第2の端部との間に配置されている壁表面を有し、該壁表面は実質的に均一な厚さを有しておりそして該壁表面には複数のスロットが形成されており、該スロットは各管状部材の長手方向軸線に実質的に平行に配置されており;及び、隣接管状部材間に配置されていて隣接管状部材を柔軟に接続する単一のコネクタ部材、ここで…(中略)…とを備えて成り;各管状部材は、管腔を持った身体通路内への前記管状部材の管腔内送り込みを可能とする第1の直径を有し;前記管状部材は、該管状部材の内側から半径方向外向きに伸張させる力を加えられたとき伸張しそして変形した第2の直径を有し、該第2の直径は可変でありそして該管状部材に及ぼされる力の量に依存しており、それにより、該管状部材は身体通路の管腔を伸張させるように伸張及び変形することができる。」(第4頁右上欄第11行?左下欄第17行)
(ウ)「本発明の更なる特徴は、単一のコネクタ部材は薄い壁の細長い棒状部材とすることができそして隣接する管状部材と同一平面とすることができるということである。本発明の付加的な特徴は、第1のコネクタ部材を、第1の管状部材の第2の端部と第2の管状部材の第1の端部との間に配置することができ;第2のコネクタ部材を、第2の管状部材の第2の端部と第3の管状部材の第1の端部との間に配置することができ;第1及び第2のコネクタ部材は、管状部材の長手方向軸線に対して互いに角度的にずれていることにある。」(第4頁左下欄第18行?右下欄第8行)
(エ)「本発明の、伸張可能な管腔内脈管移植片を、これまでに提唱された先行技術の管腔内移植片と比較したとき、…(中略)…脈管系のような身体通路における曲がりくねった曲がり部及び湾曲部を乗り越えるのに必要な柔軟性を与える;という利点を有している。」(第4頁右下欄第9行?第5頁左上欄第1行)
(オ)「好ましくは、管状部材71は最初は均一な肉厚を有する薄肉のステンレス鋼の管であり、多数のスロット82が管状部材71の壁表面74に形成されている。」(第5頁右下欄第9?12行)
(カ)「第1A図及び第1B図の移植片又はプロテーゼ、70は2つのスロット82の長さにほぼ等しい長さを有しているように例示されているが、移植片70の長さは必要に応じてより長く又は短く作ることもできる。」(第6頁右上欄第11?15行)
(キ)「次いでプロテーゼ又は移植片70は、カテーテル83の伸張可能な膨張可能な部分84を制御下に伸張させられ、変形せしめられ、それによりプロテーゼ又は移植片70は、第4図に示すように、身体通路80と接触するように伸張され、半径方向外向きに変形させられる。」(第7頁右下欄第13?18行)
(ク)「コネクタ部材100は、好ましくは、前記したような、移植片70と同じ材料から形成され、そしてコネクタ部材100は、第7図に示すように、隣接移植片70又は管状部材71かんで一体的に形成されてもよい。移植片又はプロテーゼ70′の長手方向軸線に沿ったコネクタ部材100の断面形状は、コネクタ部材100が細長い部材75の同じ均一な厚さを有するという点で同じであり、そして隣接する管状部材71と同一平面にある薄い壁の細長い棒状部材101を形成する。」(第9頁左下欄第14行?右下欄第4行)
(ケ)「更に第7図及び第8図を参照すると、移植片又はプロテーゼ70′は、コネクタ部材100により柔軟に接続されている3つの移植片又はプロテーゼ70を含むものとして例示されているけれども、2つといったような少数の移植片70を接続して移植片又はプロテーゼ70′を形成することができることに留意されるべきである。更に、所望に応じて多くの移植片70をコネクタ部材100により柔軟に接続して、移植片又はプロテーゼ70′を形成することができる。…(中略)…第7図及び第8図に示すように、相互に連結された移植片又はプロテーゼ70の間で必要な柔軟性を可能にするために、管状部材70の長手方向の軸線に対して第1及び第2のコネクタ部材100を互いに角度的にずらすことができる。」(第9頁右下欄第12行?第10頁左上欄第18行)

上記記載事項(ア)?(ケ)、及び図面に示された内容を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という。)が記載されていると認められる。
「複数の薄肉管状部材と隣接管状部材間に配置されていて隣接管状部材を柔軟に接続する1つのコネクタ部材とを備え、該管状部材の各々は第1の端部、第2の端部及び該第1の端部と第2の端部との間に配置されている壁表面を有し、該壁表面は実質的に均一な厚さを有しており、該壁表面には複数のスロットが形成され、該スロットは各管状部材の長手方向軸線に実質的に平行に配置されており、コネクタ部材は管状部材の長手方向軸線に対して互いに角度的にずらされており、各管状部材は、管腔を持った身体通路内への前記管状部材の管腔内送り込みを可能とする第1の直径を有するとともに、該管状部材の内側からカテーテルの伸張可能な膨張可能な部分によって半径方向外向きに伸張させる力を加えられたとき伸張して変形した第2の直径を有しており、該第2の直径は可変であって該管状部材に及ぼされる力の量に依存し、それにより、該管状部材は身体通路の管腔を伸張させるように伸張及び変形することができる伸張可能な管腔内移植片。」

イ 刊行物2
刊行物2には、第1図?第9図とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「〈発明が解決しようとする課題〉この試みは、ステントの有用性を著しく改善し、作業の効率を従前のものに比べてよくするものであったが、血管の屈曲部においては、その曲がり具合や長さ、更に直径の変化にあわせて血管を適度に支えるために複数のステントを使用する必要があった。また、この方法では、ステントを正確な位置に隣接して配置することが困難であり、隣り合うステント同士の干渉によりステントの効果が減少するおそれもあった。更に、この方法ではステントを適正に配置するのに多くの時間が必要であった。そこで、本発明は、動脈の屈曲や直径の変化に適応するとともに、一回の施術で取付可能な単一のステントを提供することを課題とする。」(第2頁右上欄第3?17行) (イ)「〈課題を解決するための手段〉上記課題を達成するために、本発明のステントは、少なくとも2以上の金属性の管状ステント分節部と、当該ステント分節部同士を接合するための生体適応性材料よりなる柔軟なヒンジ部とを有するものである。このヒンジ部は、まっすぐなワイヤーであっても、らせん状のワイヤーであってもよい。更に、このヒンジ部は、放射線非透過性材料で作られているか、または放射線非透過性材料で被覆されていることが望ましい。また、当該ステント分節部は、複数個のワイヤーの各端部を互いに溶着してなる管状のものであるが、この少なくとも2以上の管状ステント分節部相互間を接合するのに当該ワイヤーの一端部を延伸してヒンジ部としてもよい。」(第2頁右上欄第18行?右下欄第13行)
(ウ)第1図には、分節部12を複数個のワイヤーの右端部同士と左端部同士とを交互に溶着させて構成したこと、すなわち山部と谷部が交互に表れるジグザグ状の形状としたことが図示されている。

ハ 刊行物3
(ア)「放射方向に膨脹可能で軸方向に延伸可能な内部人工器官またはステントは、31として図3および図4に示されている。ステントは複数の円周部分32を備えている。例示された実施例では、円周部分32のそれぞれは、同じ形状が連続する、らせん状に巻かれる長さ、例えば図2に示す波長33のようなものから形成される。」(4欄46行?53行)
(イ)「円周部分32の少なくとも一つは、膨張可能な区分34を少なくとも一つ有する。膨張可能な区分34は折曲可能な部材で通常一つ以上のレッグ35を備える。レッグ35のそれぞれは折曲可能で円周部分32の他の部分にいわゆる可動接続(living joint)またはヒンジにより固定され、それらはレッグ35における単一または一体の(unitary or integral)構成要素であり、円周部分32の隣接部分となる。例えば、図1から5に示される実施例では、それぞれレッグ35は折曲可能に、弓形の単一または可動ヒンジ36により、次のレッグ35に接続される。ステント31が膨張すると、一体の(integral)ヒンジ36はレッグ35の端部37を更に離すことが可能で、それによりステント31の円周および直径が大きくなる。もちろん、ステント31の円周および直径は、端部37を互いに近づける力により小さくなる。」(4欄54行?5欄2行)

(4)対比・判断
ア 本件訂正発明1について
本件訂正発明1と刊行物1記載の発明とを対比すると、その作用ないし構造からみて、刊行物1記載の発明における「管腔内移植片」は、本件訂正発明1の「ステント」に、刊行物1記載の発明における「カテーテル」は本件訂正発明1の「送出カテーテル」に、刊行物1記載の発明における「薄肉管状部材」は本件訂正発明1の「円筒形状の要素」に、それぞれ相当する。
また同様に、その作用ないし機能からみて、刊行物1記載の発明における「管状部材の管腔内送り込みを可能とする第1の直径」は本件訂正発明1の「第1送出径」に、刊行物1記載の発明における「該管状部材の内側からカテーテルの伸張可能な膨張可能な部分によって半径方向外向きに伸張させる力を加えられたとき伸張して変形した第2の直径」は本件訂正発明1の「送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から」膨張し、かつ塑性変形する「第2展開径」に、それぞれ相当し、そして、刊行物1記載の発明も「第1送出径」から「第2展開径」へ独立に膨張可能でかつ塑性変形可能となっているといえる。
さらに、その作用ないし構造からみて、刊行物1記載の発明における「コネクタ部材は管状部材の長手方向軸線に対して互いに角度的にずらされて」いる点は、本件訂正発明1の「複数の円筒形状の要素」が「相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結され」ている点ないし「前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれて」いる点に、実質的に相当することが明らかであり、そして、両者は、その長さに沿って、長手方向に可撓性有するステントであるといえる。

してみると、両者は、「送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨張可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれている、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステント。」である点(以下、「一致点」という。)で一致し、次の点で相違するということができる。

<相違点1>
円筒形状の要素の形態に関して、本件訂正発明1は「該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され」ているのに対して、引用発明は、「管状部材」が「壁表面を有し、」「該壁表面には複数のスロットが形成され」たものとして構成されている点。
<相違点2>
円筒形状の要素の長さに関して、本件訂正発明1は「各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する」のに対して、引用発明はこのような長さを備えているかが明らかでない点。
<相違点3>
隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部の数に関して、本件訂正発明1は3つ以上であるのに対して、刊行物1記載の発明は1つである点。

相違点1ないし3について以下に検討する。
本件訂正発明1の相違点1に係る構成の技術的意義は、相互連結部により連結された円筒形状の要素の長さを短くすることができ、身体ルーメンを開いた状態に保持するのに必要とされる半径方向の剛性を維持すると同時に、ステント全長に沿って、長手方向により可撓性を有するステントを提供することにあるといえる。
ところで、相互連結部により連結された円筒形状の要素を山部と谷部が交互に表れるジグザグ状の形態のものとすることは、刊行物2にも示されるように、従来より周知の技術であったといえる。また、複数の滑らかな山谷がらせん状に連なったステントは刊行物3に記載されている。
しかしながら、上記刊行物2、3に記載の発明は、相互連結部により連結された円筒形状の要素を、閉環状の滑らかな略波状模様に形成するものではなく、また、このものが周知の技術であるともいえない。そして、上記刊行物2、3に記載の発明には、本件訂正発明1の相違点1に係る構成の「相互連結部により連結された円筒形状の要素の長さを短くすることができ、ステント全長に沿って、長手方向により可撓性を有するステントを提供する」という技術的意義を示唆するものもない。
また、本件訂正発明1の相違点2、3に係る構成である、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する点、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部が3つ以上ある点についても刊行物1ないし3には記載も示唆もされておらず、周知の技術であるともいえない。
そして、上記相違点1ないし3によって、本件訂正発明1は、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有し、くねった身体ルーメンを通す送出が容易になると共に、身体ルーメンの中に移植されたとき、身体ルーメンの開通性を維持するために膨脹した状態で半径方向に十分な硬くて安定した血管壁の支持が可能となる。
したがって、本件訂正発明1の相違点1ないし3に係る構成とすることは、刊行物1ないし3記載の発明及び周知の技術から容易に想到し得たことであるとはいえない。

イ 本件訂正発明2、4ないし23について
本件訂正発明2、4ないし23は、本件訂正発明1の上記相違点1ないし3に係る構成を備えているものであるから、本件訂正発明1と同様の理由で刊行物1ないし3記載の発明から容易に想到し得たことであるとはいえない。

また、本件訂正発明1、2、4ないし23が特許出願の際に独立して特許を受けることができない他の理由も見当たらない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものであり、また同条第3項から第5号までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
膨脹可能なステント及びその製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有することを特徴とする、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項2】
円筒形状部材が、膨脹の際に第2展開径を維持するようになった請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項4】
前記複数の円筒形状の要素の各々の横断面は、2対1より小さい縦横比を有する請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項5】
前記各円筒形状の要素は、ステンレス鋼、タンタル及び熱可塑性重合体の群から選択された材料で形成される請求項4の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項6】
相互連結部の円周方向の配置は、均等の大きさである請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項7】
隣接した円筒形状の要素の間に配置された4つまでの相互連結部がある請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項8】
前記円筒形状の要素と前記相互連結部は同じ材料で作られている請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項9】
前記長手方向に可撓性を有するステントは、管の単一片から形成されている請求項8の長手方向の可撓性を有するステント。
【請求項10】
前記円筒形状の要素の1つの前記略波状模様は、隣接する円筒形状の要素の前記略波状模様と同相である請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項11】
前記相互連結部は、前記円筒形状の要素の前記波状模様の山或いは谷のいずれかにすべて連結されている請求項10の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項12】
送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステントの製造方法であって、
(a)所定長さの管に、化学的エッチングに抵抗性のあるコーティングを行い、
(b)前記管の部分を露出させるために、前記抵抗性コーティングの部分を選択的に除去し、
(c)露出した前記管の部分を除去する工程からなるステントの製造方法。
【請求項13】
前記長手方向に可撓性を有するステントは、管の単一片から形成されている請求項12の方法。
【請求項14】
前記長手方向に可撓性を有するステントは、重合体、ステンレス鋼、チタニウム及びタンタルの群から選択された材料で作られる請求項12の方法。
【請求項15】
前記コーティングは、電気泳動塗装によって行われる請求項12の方法。
【請求項16】
前記円筒形状の要素と前記連結部とは、所定材料のコーティングで被覆される請求項1の長手方向に可撓性を有するステント。
【請求項17】
送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステントを形成するために管状開放網目構造を製造する方法であって、(a)所定の別々の長さの薄肉管を提供し、(b)抵抗性コーティングを前記管の外部に形成し、(c)抵抗性コーティングで被覆された、完全に開かれ網目状に配置された管状構造の所望のパターンを残し、除去すべき管の部分を露出させるために、前記管の外部の前記抵抗性コーティングの部分を選択的に除去し、(d)前記管の前記露出部分を除去する工程からなる方法。
【請求項18】
前記管の前記露出部分は、エッチングによって除去される請求項17の方法。
【請求項19】
前記抵抗性コーティングの選択的な除去は、前記管とレーザとの相対運動を機械で制御することによって達成される請求項17の方法。
【請求項20】
前記抵抗性コーティングを選択的に除去するために使用される前記レーザは、前記抵抗性コーティングによって容易に吸収される特定の光の波長を放出する請求項19の方法。
【請求項21】
前記レーザは、CO2ガスレーザである請求項19の方法。
【請求項22】
使用される前記抵抗性コーティングは、写真平板用の化学的抵抗性コーティングである請求項17の方法。
【請求項23】
(a)近位端及び遠位端と、該遠位端に膨脹可能な部材とを有する細長いステント送出力テーテルと、(b)脈管構造の中の送出のために、前記カテーテルの膨脹可能な部材に摺動可能に取り付けられるようになっており、送出カテーテルからの半径方向外向きの力の適用により第1送出径から第2展開径へ独立に膨脹可能でかつ塑性変形可能となっており、相互連結部を互い違いにすることによって共通の軸線に略整列するように、互いに連結された複数の円筒形状の要素を有し、隣接した円筒形状の要素の間に配置された相互連結部は3つ以上であり、該円筒形状の要素は、長手方向軸線に直交して、複数の山谷を含む閉環状の滑らかな略波状模様に形成され、前記円筒形状の要素の一端の各連結部は、前記円筒形状の要素の他端の連結部から円周方向にずれており、各円筒形状の要素は第1送出径より小さい長さを有する、その長さに沿って、長手方向に可撓性を有するステントからなるステント送出装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、開通性を維持するために、血管のような患者の身体ルーメンに移植されるようにした一般的にステントと呼ばれる膨脹可能なendprosthesis装置に関する。これらの装置は、血管のアテローム硬化の狭搾の処置に非常に役に立つ。
【0002】
ステントは、血管或いは他の切開管空の部分を開いた状態に維持する機能を有する一般的に管形状の装置である。ステントは、流体流路を塞ぐことができる切開された動脈の内層を支持して、保持して使用するのに特に適している。先行技術のステントのさらなる詳細は、アルフィディ他の米国特許第3868956号、バルコ他の米国特許第4512338号、マース他の米国特許第4553545号、パルマズの米国特許第4733665号、ローゼンブルスの米国特許第4762128号、ジアンティルコの米国特許第4800882号、ヒルテッドの米国特許第4856516号、ウィクトールの米国特許第4886062号に開示されており、ここにそっくりそのまま取り込まれている。
【0003】
種々の装置が、ステントを送出して、移植するために説明された。バルーンのように膨脹可能なステントを膨脹可能部材に取り付けることを含むステントを所望の内空位置に送出するためにしばしば説明されてきた1つの方法は、脈管内のカテーテルの遠位端に設けられ、カテーテルを患者の本体管空内の所望の位置に進め、カテーテルのバルーンを膨脹させて、ステントを膨脹して恒久的な膨脹状態にし、次いでバルーンを収縮させてカテーテルを取り出す。先行のステントを使用する際に出くわす困難の1つは、身体ルーメンを開いた状態に保持するのに必要とされる半径方向の剛性を維持すると同時に、ステントの送出を容易にするためにステントの長手方向の可撓性を維持することである。
【0004】
必要とされ、これまで利用できなかったものは、高い程度の可撓性を有するステントであり、くねった通路を通って進むことができ、容易に膨脹させることができ、それでも身体ルーメンをステントを膨脹した位置に開いたまま保持するための機械的強度を有することである。
【0005】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
本発明は、くねった身体ルーメンを通す送出を容易にするために、長手方向軸線に沿って比較的可撓性を有するが、身体ルーメンの中に移植させられたとき動脈のような身体ルーメンの開通性を維持するために膨脹した状態で半径方向に十分な硬くて安定した膨脹可能なステントに関する。
【0006】
本発明のステントは、一般的に互いに膨脹し、撓む能力について比較的独立な半径方向に膨脹可能な複数の円筒要素を有する。ステントの個々の半径方向膨脹可能な円筒要素は、それら自身の直径より長手方向に短いように寸法決めされる。隣接した円筒要素の間に延びる相互連結要素又はストルートは、安定性を増大させ、膨脹の際にステントのそりを防止するために位置決めされるのが望ましい。結果として生じるステントの構造は、身体ルーメンの壁の小さい切開片がルーメンの壁の対する位置に押し戻されるが、ステントの長手方向の可撓性と妥協するような近さに、長手方向に近く間隔を隔てた一連の半径方向に膨脹可能な円筒要素である。個々の円筒要素は、重大な変形なしに隣接した円筒形の要素に対して僅かに回転でき、その長さに沿って、その長手軸線のまわりに可撓性を有するが、崩壊に抵抗するために半径方向になお非常に硬いステントを累積的に与える。
【0007】
本発明の特徴を具体化したステントは、送出用カテーテルの膨脹可能部材、例えばバルーンに取り付けて、カテーテル-ステント組立体を身体ルーメンを通して移植位置に運ぶことによって所望のルーメン位置に容易に送出することができる。ステントを所望の位置に送出するためにステントをカテーテルの膨脹可能部材に固定するための種々の装置が有効である。現状では、ステントをバルーンに押さえ付けるのが望ましい。ステントをバルーンに固定するための他の装置は、横方向の動きを抑制するために膨脹部材にリッジ又はカラーを設け或いはbioresorbableな一時的接着剤を含む。
【0008】
膨脹可能な円筒要素のための現状の好ましい構造は、たとえば波状のような波状模様を円周方向に一般的に有する。円筒要素の波状の要素の横断面は、比較的小さく、約2対1から約0.5対1の縦横比を有するのが望ましい。特に、1対1の縦横比が適していることがわかっている。ステントの開放網状構造によって、損傷を受けた動脈の壁の治癒及び修復を改善することができる動脈壁の大部分に渡って血液の潅流を可能にする。
【0009】
膨脹可能円筒体の半径方向の膨脹は、波形の振幅及び周波数を減少させることから生じる波形の変化と同様に波状模様を変形させる。おそらく、個々の円筒形構造の波状模様は、膨脹させたときにその長さに沿ったステントの収縮を防止するために、互いに同相である。ステントの円筒形構造は、膨脹したときに(NiTi合金を除く)塑性変形して、ステントは、膨脹した状態のままであるので、したがって、使用の際に崩壊するのを防止するために膨脹されたときに十分に硬くなければならない。超塑性NiTi合金では、オステナイトからマルテンサイトに相変化してその結果ステントの膨脹を可能にするように、圧縮応力が除去されたときに膨脹が生じる。
【0010】
隣接した円筒要素を相互に結合した細長い要素は、膨脹可能な円筒要素の波状構成部品の横方向の寸法と同様な横断面を有するべきである。相互連結要素は、膨脹可能な円筒要素と一体構造で管状要素のような同じ中級品から形成され、或いは溶接したり、相互連結要素の端を膨脹可能な円筒要素の端に機械的に固定したりするような適当な手段によって独立に結合して形成させることができる。おそらく、ステントの相互連結要素の全ては、ステントのための円筒要素の波状の構造に山或いは谷のいずれかに結合される。この仕方で、膨脹の際ステントは短縮は生じない。
【0011】
隣接した円筒要素を結合する要素の数及び位置は、膨脹していない状態並びに膨脹した状態のいずれの場合にもステント構造で所望の長手方向の可撓性を発揮させるために、変えることができる。これらの特性は、ステントが移植される身体ルーメンの自然生理機能の変化を最小にして、ステントによって内的に支持される身体ルーメンの伸展性を維持するために重要である。一般的に、ステントの長手方向の可撓性が大きくなるほど、より容易にしかもより安全に移植位置にステントを送出することができる。
【0012】
本発明の現状の好ましい実施例では、ステントは化学的エッチングに対して抵抗性のある材料でコーティングしたステンレス鋼ハイポ管で都合よく、容易に形成される。次いで、所望のステント構造を発達させるために取り除かれるべき下層の管の部分を露出させるためにコーティングの部分を取り除く。管の露出部分は化学的エッチングによってステント構造の所望の模様に管材料の被覆部分を残す管外部から取り除かれる。エッチング工程は小型の製品を機械的或いはレーザ機械工程の特性であるバリ或いは他の加工品なしに、管壁に平滑な開口を発達させる。さらに、化学的耐コーティングを取り除くためのコンピュータ制御されたレーザのパターン工程は、写真平板技術をこれらの小製品の製造に適応させる。本発明の小ステントを作るのに必要とされる極小寸法のマスクの形成は、最も困難な作業である。複数のステントは、ステントのパターンを繰り返して、ステントを相互に結合するための小さいウェブ又はタブを設けることによってハイポ管の1つの長さから形成することができる。エッチング工程の後、ステントを結合する小さいウェブ又はタブを提供することによって、ステントを分離することができる。
【0013】
【実施例】
図1は、送出用カテーテル11に設けられた本発明の特徴を有するステント10を示す。ステントは、一般的に、略同軸に配置され、複数の半径方向に膨脹可能な円筒要素12を有し、該要素は、隣接した円筒要素の間に配置された要素13によって相互に結合されている。送出用カテーテル11は、動脈15内でのステント10の膨脹のために膨脹可能な部分又はバルーン14を有する。図1に示す動脈15は、動脈管路の部分を塞いでいる切開したライニング16を有する。
【0014】
ステント10を取り付けた送出用カテーテル11は、血管形成手術用の従来のバルーン膨脹カテーテルと本質的に同じである。バルーン14は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン及びDu PontCompanyの重合体生産部によって製造されるSurlynのようなイオノマーのような適当な材料で形成されるのがよい。他の重合体を使用してもよい。動脈15内の損傷部位への送出中、ステント10をバルーン14上の所定位置にとどめる為に、ステント10をバルーンへ圧縮させる。ステントが送出用カテーテル11の膨脹部分上の所定位置にさらに確実に停まるように、かつ所望の動脈位置への送出中、ステント10の開放面によって、身体ルーメンの摩耗を防ぐために「ステント送出装置」と称する1990年4月25日出願の第07/647464号に説明されたような引き込み可能な保護送出スリーブ20を設けてもよい。バルーンの作動部分、即ち、円筒部分の端にカラー或いはリッジを設けるような、ステント10をバルーン14に固定するための他の装置を使用してもよい。
【0015】
ステント10の各半径方向に膨脹可能な円筒要素12を、独立に膨脹させるのが良い。したがって、バルーン14は、身体ルーメンの種々の形状でのステント10の移植を容易にするために、円筒形以外の膨脹形状、例えばテーパ形状を有することができる。好ましい実施例では、ステント10の送出は、以下の仕方で達成される。ステント10をまず送出用カテーテル11の遠位端の膨脹可能バルーン14に取り付ける。バルーン14を僅かに膨らませてステント10をバルーンの外部に固定する。カテーテル-ステント組立体を従来のセルディンガー技術で案内用カテーテル(図示せず)を通して患者の血管系に導入する。切り離した又は切開したライニング16を有する損傷した動脈部分に案内ワイヤ18を配置し、次いで、ステント10が切り離したライニング16の直ぐ下にくるまで動脈15内で案内ワイヤー18に従い、カテーテル-ステント組立体を前進させる。図2に示すように、カテーテルのバルーン14を膨脹させて、ステント10を動脈15に向かって膨脹させる。図に示さないが、ステント10を動かないように着座させ、さもなければ固定するためにステント10の膨脹によって動脈15を僅かに膨脹させるのが望ましい。動脈の狭搾部分の治療中のある状況では、血液或いに他の流体の通り容易にするために動脈を相当膨脹させさければならない。
【0016】
図3に示すように、ステント10は、カテーテル11を引き抜いた後、動脈15を開いた状態に維持するのに役立つ。細長い管状部材からステント10を形成することにより、ステント10の円筒要素の波状構成部品は、横断面が比較的平らであるから、ステントを膨脹させたとき、円筒要素は、動脈15の壁に押し込まれ、その結果、動脈15を流れる血液の流れを妨害しない。動脈15の壁に押し込まれたステント10の円筒要素12は、ついには血液の流れの妨害をさらに最小にする内皮細胞の成長で覆われる。円筒要素12の波状部分は、動脈内でのステントの動きを防止する良好な取付け特性を与える。さらに、一定の間隔で間隔の狭い円筒要素12は、動脈15の壁の一様な支持を行い、その結果、図2及び図3に示すように動脈15の壁の小さいフラップ或いは切開部を留めて、所定位置に良好に保持するようになっている。
【0017】
図4は、隣接した半径方向に膨脹可能な円筒要素12の間の相互連結要素13の配置をより詳細に示すためステントの一端を分解図で示した、図1に示すステント10の拡大斜視図である。円筒要素12の一方の側の各対の相互連結要素13は、ステントについて最大の可撓性を達成するように配置されるのが好ましい。図4に示す実施例では、ステント10は、120°離れた隣接した半径方向に膨脹可能な円筒要素12の間に3つの相互連結要素13を有する。円筒要素12の一端の各対の相互連結要素13は、円筒要素の他の側の要素13の対から半径方向に60°食い違っている。交互の相互連結要素によって、ステントは本質的にあらゆる方向に長手方向に撓むことができる。相互連結要素の種々の配置形態が可能であり、図7から図10に数個の例を概略に示す。しかし、すでに述べたように個々のステントの全ての相互連結要素は、ステントの膨脹中ステントが短くなるのを防止するために、波状の構造要素の山或いは谷のいずれかに固定されるべきである。
【0018】
図10は、3つの相互連結要素13を、半径方向に膨脹可能な円筒要素12の間に配置した本発明のステントを示す。相互連結要素13は、ステントの周のまわりに120°の間隔で半径方向に分配される。隣接した円筒要素12の間に4つ或いはそれ以上の相互連結要素13を配置することのは、一般的には2つ及び3つの相互連結要素について上で論じた同じ考慮を生じる。
【0019】
ステント10の特性は又、円筒要素12の波状模様の変化によって変えることができる。図11は、円筒要素が波状模様だが隣接した円筒要素と位相を異にする交互のステント構造を示す。特定の模様及び円筒要素12の円周のまわりの単位長さ当たりの波数或いは波の振幅は、半径方向の剛性のようなステントの特定の機械的要求性能を満たすように選択される。
【0020】
波の数は又、例えば波の山に、或いは図5及び図11に示すように波の側に沿って相互連結要素13を配置するように変えることができる。本発明のステント10は、多くの方法で作ることができる。しかし、ステントの好ましい製造方法は、ステンレス鋼のハイポ管のような薄肉管状部材に化学的エッチングに抵抗性のある材料をコーティングし、次いで除去すべき下層のハイポ管を露出させるがステントの所望模様でハイポ管のコーティング部分を残すようにコーティング部分を除去し、続いて行われるエッチングが、金属管の露出した部分を除去し、ステントを形成すべき金属管の部分を比較的そのままに残す。金属管のコーティング部分は、ステントの所望の形状である。腐食液工程は、従来の機械加工或いはレーザ機械加工に固有のバリ又はスラグを除去することの必要性を回避する。図6に概略的に示すように機械制御レーザによって耐腐食液材料を除去するのが好ましい。
【0021】
コーティングは、硬化させたとき化学的腐食液に抵抗する所定長さの管に適用される。San Jose、CaliforniaのShipley Companyによって作られた「ブルーホトレジスト」は、入手可能な適当な写真平板用コーティングの例である。コーティングは、電気泳動塗装によって行われるのが望ましい。表面仕上げが、適度に一様であることを確保するために、電気化学研磨のために使用される電極の1つは、管状部材の中央部分のまわりに配置されるドーナッツ形状の電極である。
【0022】
管は、ステンレス鋼、チタニウム、タンタル、超塑性NiTi合金及び高い剛性の熱可塑性重合体のようなあらゆる適当な二極性材料で作ることができる。ステントの直径は非常に小さく、したがってステントが作られる管も又必然的に小さい直径を有しなくてはならない。ステントは、典型的には、膨脹してない状態でステントが作られるハイポ管の外径と同じ約0.06インチ程度の外径を有し、0.1インチ或いはそれ以上まで膨脹することができる。ハイポ管の肉厚は、約0.003インチである。ステントがプラスチックである場合には、ステントの膨脹を容易にするために、ステントを膨脹させる動脈の部位内でステントを加熱しなければならない。いったん膨脹したら、膨脹状態を維持するために冷やす。ステントは、バルーン内の流体を加熱することによって、或いはここにそっくりそのまま言及されている「加熱バルーンを有する膨脹カテーテル組立体」と称する1990年1月26日出願の同時継続出願第07/521337号で開示されたような適当な装置によってバルーンを直接加熱することによって都合よく加熱することができる。ステントは又、ここにそっくりそのまま言及されている「超塑性案内部材」と称する1990年12月18日出願の同時継続出願第07/629381号で開示されたような超塑性NiTi合金のような材料で作ることができる。この場合、ステントは、原寸で形成されているが所望の管腔内の部位への移送を容易にするために送出用カテーテルのバルーン上でより小さい直径に変形(例えば、圧縮)される。変形によって引き起こされる応力は、ステントをマルテンサイト相からオーステナイト相に転位させ、ステントが所望の管腔内の位置に達するとき、力が解放されて、マルテンサイト相へ転位して戻ることにより、ステントを膨脹させる。
【0023】
図6を参照すれば、コーティング管21が、管21をレーザ24に対して位置決めするために機械制御装置23の回転可能なコレット取り付け具22内に置かれる。機械で符号した指示に従って、管21を、回転させ、同じく機械で制御されるレーザ24に対して長手方向に移動させる。レーザは、融蝕によって管の耐腐食液コーティングを選択的に除去し、引き続いて行われる化学的腐食液工程によって除去すべき管の表面を露出させるように模様が形成される。したがって、管の表面は、仕上がりステントの離散模様にコーティングされたままである。
【0024】
管のコーティングを除去するための現状の好ましい装置は、Coherent Model44のような80ワットのCO2レーザで、パルスモードが0.3mSパルス長、100Hzで主電流が48mA、主電力が48Wで平均電力が0.75W、Anorad FR=20、12.5Torrで補助ガスなしの使用を含む。蒸気がレンズに接触しないようにするために低圧空気を精密焦点ヘッドを通して指し向ける。レーザ装置の補助ガスジェット組立体を取り外して、精密焦点ヘッドとコレット取り付け具のより近接を可能にする。最適な焦点を、管の表面に設定する。硬化したフォトレジストコーティングは、CO2波長のエネルギーを容易に吸収するので、レーザによって容易に取り除くことができる。被覆した4インチ長さの0.06インチステンレス鋼管が望ましく、4つのステントを、所定長さの管にパターン取りすることができる。ステント間の3つのタブ或いはウェブは、腐食液工程の後管の良好なる取り扱い特性を与える。
【0025】
抵抗性コーティングをステントにパターン取りする工程は、所定長さの管を付けたり外したりすることを除いて、自動化されている。図6を再び参照すると、これは、所定長さの管を例えば、説明したように機械制御レーザに対して軸方向に移動させるCNCX/Yテーブル25と関連して、所定長さの管の軸方向回転のためにCNC対向コレット取り付け具22を用いてなされる。コレット間の全スペースは、前述の例のCO2レーザセットアップを使用してパターン取りすることができる。装置を制御するためのプログラムは、使用された特定の形態及びコーティングで除かれるべきパターンに依存するが、さもなければ従来のものである。
【0026】
この工程は、ステントを製造する際に、現状の写真平板技術の適用を可能にする。脈管内ステントを作るのに要求される小さい大きさの管状のホトレジストコーティング部分をマスクし、かつ露出させる実用的な方法は現状はないが、前述の工程は、従来のマスキング技術の必要性を除去する。かくして、コーティングが選択的に除かれた後、管をコレット取り付け具22から取り出す。次に、ThermoCote N-4のようなワックスを、望ましくはその融点まで加熱して、真空又は圧力下で管に挿入する。ワックスを冷却して固めた後、融点以下で再加熱し、柔らかくして、より小さい直径のステンレス鋼の軸をやわらかくしたワックスに挿入して、支持を行う。次いで、管を従来の仕方で化学的に腐食液する。ステントを結合するタブを切断した後、タブの表面の粗さ又は異物を取り除く。ステントを、望ましくは、硫酸、カルボン酸、ホスフェート、腐蝕防止剤及び生分解性表面の活性薬剤の混合物であるChicago ILのETECTRO-GLOCO.で販売されるELECTRO-GLO #300液のような酸性の水溶液で電気化学的に洗浄する。浴の温度を、約110-135°Fに、及び電流密度を約0.4から約1.5amps/in2に維持する。陽極領域に対する陰極は、少なくとも1対2にすべきである。ステントは、さらに所望なら例えば2極性のコーティングを適用することによって、処理することができる。
【0027】
脈管内ステントとしての使用の観点から本発明を説明したが、ステントは、前立腺肥大の場合に尿道前立腺部を膨脹させるような他の例に使用できることが当業者に明らかであろう。他の変形及び修正は、本発明の範囲を逸脱することなく成しうる。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の特徴及び利点は、添付例示図面とともに以下の本発明の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図1】
送出用カテーテルに設けられ、損傷を受けた動脈内に配置された本発明の特徴を具体化したステントの部分的に断面を示す立面図である。
【図2】
損傷を受けた動脈内で膨脹され、動脈壁に対して損傷を受けたライニングを押しつける図1に示したものと同様の部分的に断面を示す立面図である。
【図3】
送出用カテーテルを引き抜いた後、動脈内で膨脹させたステントを示す部分的に断面を示す立面図である。
【図4】
本発明の特徴を具体化した膨脹してない状態のステントの斜視図を、ステントの一端の詳細を示す分解図とともに示す。
【図5】
図4に示すステントの波状模様を示す本発明のステントの平らに伸ばした部分の正面図である。
【図6】
本発明のステントの製造の際に、管に適用されたコーティングを選択的に取り除くための装置の概略図である。
【図7】
ステントの半径方向に膨脹可能な円筒要素の間に相互連結要素を配置する種々の形態を概略的に示す斜視図である。
【図8】
ステントの半径方向に膨脹可能な円筒要素の間に相互連結要素を配置する種々の形態を概略的に示す斜視図である。
【図9】
ステントの半径方向に膨脹可能な円筒要素の間に相互連結要素を配置する種々の形態を概略的に示す斜視図である。
【図10】
ステントの半径方向に膨脹可能な円筒要素の間に相互連結要素を配置する種々の形態を概略的に示す斜視図である。
【図11】
ステントの半径方向に膨脹可能な円筒要素の、位相が異なる交互波状模様を示すステントの平らに伸ばした部分の正面図である。
【符号の説明】
10 ステント
11 送出用カテーテル
12 半径方向に膨脹可能な円筒要素
13 相互連結要素
14 バルーン
15 動脈
18 案内ワイヤー
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2007-09-14 
出願番号 特願平4-286331
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A61M)
最終処分 成立  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 北村 英隆
豊永 茂弘
登録日 1997-05-02 
登録番号 特許第2645203号(P2645203)
発明の名称 膨張可能なステント及びその製造方法  
代理人 小林 純子  
代理人 日野 真美  
代理人 片山 英二  
代理人 日野 真美  
代理人 片山 英二  
代理人 小林 純子  
代理人 長沢 幸男  
代理人 牧 恵美子  
代理人 牧 恵美子  
代理人 長沢 幸男  

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