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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200516163 審決 特許

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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1166822
審判番号 不服2006-1228  
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-01-19 
確定日 2007-11-01 
事件の表示 特願2002- 51322「遊技機の図柄表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月15日出願公開、特開2002-301231〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成5年8月27日に出願した特願平5-235510号の一部を平成9年12月10日に新たに出願して特願平9-356281号とし、その特願平9-356281号の一部を更に平成14年1月30日に新たに出願して特願2002-021841号とし、次いで、その特願2002-021841号の一部を更に平成14年2月27日に新たに出願して特願2002-51322号としたものであって、平成17年6月29日付の拒絶理由が通知され、平成17年9月21日付の手続補正書と意見書が提出され、平成17年11月24日付で拒絶査定がなされ、平成18年1月19日に審判請求がなされ、平成18年2月17日付の手続補正がなされたものである。

そして、平成17年9月21日付の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、下記に特定されるとおりのものである。

「【請求項1】 表示板の複数の表示領域内のそれぞれに複数の図柄要素をスクロール表示し、複数の表示領域内の図柄要素のスクロール停止時の組合せで大当りおよび外れを知らせる構成のものにおいて、
所定の表示領域内にスクロール表示される複数の図柄要素には、第1の絵柄に「2」の数字絵柄が表示順序として重ねられた第1の図柄要素と前記第1の絵柄の外形と異なる外形の第2の絵柄に「3」の数字絵柄が表示順序として重ねられた第2の図柄要素とが存在し、この第1の絵柄は「2」の数字絵柄と一緒にスクロール表示され、この第2の絵柄は「3」の数字絵柄と一緒にスクロール表示され、 前記第1の図柄要素および前記第2の図柄要素は、当該順序で連続的にスクロール表示され、前記第1の絵柄は、前記第2の絵柄を特定することができる内容が切り離された内容の絵柄のみから構成されており、
前記「2」と「3」の数字絵柄は、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、その囲いは「2」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第1の絵柄に一部が重なっており、「3」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第2の絵柄に一部が重なった状態で表示されると共に、スクロールされる該第1の絵柄と第2の絵柄のスクロール方向の先端側方向に飛び出して配置されていることを特徴とする遊技機の図柄表示装置。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用例とその記載事項について
(1)引用例1について
平成17年6月29日付の拒絶理由に引用された特開昭63-197474号公報には、以下の事項が第1図、第6図とともに記載されている(以下、「引用例1」という。)。

・記載事項1
「第1図は、この発明の一実施例に係るパチンコ機10の正面図である。パチンコ機10の遊技盤12中央部には可変表示部材14が配設されている。可変表示部材14は、水平方向に回転する上ドラム16aと下ドラム16bとを含み、さらに、その上方にディジタル表示器18を備えている。」

・記載事項2
「遊技者が押ボタン30を押すか、または可変表示部材14の可変表示開始後一定時間が経過したときに、可変表示部材14の表示が停止する。すなわち、水平方向に回転していた上ドラム16aおよび下ドラム16bの回転が停止し、かつ、ディジタル表示器18が「0」?「9」のいずれかの数値を表示する。」

・記載事項3
「上ドラム16aおよび下ドラム16bには、それぞれ、その周面に、後述するように5つの絵柄が描かれている。よって、上ドラム16aの周面に描かれた絵柄のうち、図示の王冠の上部の絵柄は、5分の1の確率で現われる。また、下ドラム16bの周面に描かれた5種類の絵柄のうち、図示の王冠の下側の絵柄は5分の1の確率で現われる。よって、上ドラム16aとFドラム16bとの停止時の絵柄の組合わせが一致する確率は、25分の1である。」

・記載事項4
「第6図は、上ドラム16aおよび下ドラム16bの停止時の図柄の組合わせと、受光素子90a?90dの受光信号との関係を表わす図である。
第6図に示すように、回転ドラムによって図柄A「王冠」が表わされたときには、受光素子90aと受光素子90cとが光を受光し、受光索子90bおよび受光素子90dは光を受光しない。
これら受光素子90a?90dの受光の組合わせにより、図柄A?図柄Eのいずれが現われたかを知ることができる。
なお、上ドラム16aと下ドラム16bとによって表わされる図柄が意味を持たない図柄の場合は、受光素子90a?90dは上記以外の出力を導出する。」

以上の記載事項1?4および第1図、第6図によれば、
「可変表示部材14の上ドラム16aと下ドラム16b内のそれぞれに絵柄A?絵柄Eを回転表示し、上ドラム16aと下ドラム16b内の絵柄A?絵柄Eの回転停止時の組合せで大当りおよび外れを知らせる構成のものにおいて、
上ドラム16aまたは下ドラム16b内に回転表示される絵柄A?絵柄Eには、上ドラム16a内に回転表示される絵柄Aと、下ドラム16b内に回転表示されて、絵柄Aの外形と異なる外形の絵柄Bとが存在し、前記上ドラム16a内に回転表示される絵柄Aおよび、下ドラム16b内に回転表示されて絵柄Aの外形と異なる外形の絵柄Bは、連続的に回転表示され、前記絵柄Aは、前記絵柄Bを特定することができる内容が切り離された内容の絵柄のみから構成されている弾球遊技機の可変表示部材14。」(以下、「引用例1に記載された発明」という。)

(2)引用例2について
平成17年6月29日付の拒絶理由に引用されたデジパチ必勝ガイドvol.6、株式会社白夜書房、1993年6月15日、第82?83頁には、以下の事項が図面とともに記載されている(以下、「引用例2」という。)。

・記載事項1
「リーチの瞬間全ては終了 このタイミングでリーチになれば大当り!! 真ん中の絵柄が左右絵柄の半コマ前でリーチがかかればOK!」

・記載事項2
「スロー回転の開始位置が当り絵柄の1コマ前なら、結果は必ず大当り。「運の強さメータ」なぞアテにすることはない」

以上の引用例の記載事項1?記載事項2の記載及び82頁の右下挿絵によれば、引用例2には次の技術事項が記載されていると認められる。
『梅と鶯の絵柄に「二」の数字絵柄の第1の花札と、桜の絵柄に「三」の数字絵柄が重ねられた状態の第2の花札とから構成されて表示されている遊技機の花札表示装置』(以下、「引用例2に記載の技術事項」という。)

(3)引用例3について
平成17年6月29日付の拒絶理由に引用されたパチンコ攻略マガジン1月号、株式会社双葉社、1993年1月1日、第9?10頁には、以下の事項が図面とともに記載されている(以下、「引用例3」という。)。

・記載事項1
「▲大当り絵柄は15通り」

・記載事項2
「・・・絵柄の順序は、絵柄の下部に数字が書かれてあるので、それでわかる。・・・」(10頁上段部の「あてになりましぇ?ん」の欄)

以上の引用例の記載事項1?記載事項2の記載及び9頁の中段左側の大当り絵柄の15通りに基づけば、引用例3には次の技術事項が記載されていると認められる。
『松と鶴の絵柄に「一」の数字絵柄が重ねられて構成されており、梅と鶯の絵柄に「二」の数字絵柄が重なる順序で構成された状態で表示され、さらに、「一」と「二」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、「一」の数字絵柄の囲いは第1の絵柄に重なっており、「二」の数字絵柄の囲いは第2の絵柄に重なった状態で表示されたデジパチの花札表示装置』(以下、「引用例3に記載の技術事項」という。)

3.本願発明についての検討
引用例1に記載された発明と本願発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「可変表示部材14」は本願発明の「表示板」および「絵柄表示装置」に相当し、以下同様に、「上ドラム16aと下ドラム16b」は「複数の表示領域」に、「絵柄A?絵柄E」は「複数の図柄要素」に、「回転」は「スクロール」に、「上または下のドラム」は「所定の表示領域」に、「絵柄A」は「第1の絵柄」に、「上ドラム16a内に回転表示される絵柄A」は「第1の図柄要素」、「下ドラム16b内に回転表示されて、絵柄Aの外形と異なる外形の絵柄B」は「第1の絵柄の外形と異なる外形の第2の絵柄」、「弾球遊技機」は「遊技機」にそれぞれ相当している。

そこで、本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、両者は、
「表示板の複数の表示領域内のそれぞれに複数の図柄要素をスクロール表示し、複数の表示領域内の図柄要素のスクロール停止時の組合せで大当りおよび外れを知らせる構成のものにおいて、
所定の表示領域内にスクロール表示される複数の図柄要素には、第1の図柄要素と、第1の絵柄の外形と異なる外形の第2の絵柄とが存在し、前記第1の図柄要素および第2の図柄要素は、連続的にスクロール表示され、前記第1の絵柄は、前記第2の絵柄を特定することができる内容が切り離された内容の絵柄のみから構成されている遊技機の図柄表示装置。」の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
第1図柄要素および第2図柄要素が、本願発明においては、第1の絵柄に「2」の数字絵柄が表示順序として重ねられるとともに、第2の絵柄に「3」の数字絵柄が表示順序として重ねられて構成されているのに対して、引用例1に記載された発明においては、単に第1の絵柄と第2の絵柄で構成されている点。

<相違点2>
本願発明においては、第1の絵柄は「2」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されるとともに、第2の絵柄は「3」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されているのに対して、引用例1に記載された発明においては、そのようにスクロール表示されているか否か不明な点。

<相違点3>
第1の絵柄および第2の絵柄において、本願発明においては、「2」と「3」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、その囲いは「2」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第1の絵柄に一部が重なる順序で構成されており、「3」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第2の絵柄に一部が重なる順序で構成された状態で表示されると共に、スクロールされる第1の絵柄と第2の絵柄のスクロール方向の先端側方向に飛び出して配置されているのに対して、引用例1に記載された発明においては、数字絵柄が表示されていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
<相違点1について>
引用例2に記載の技術事項には、「梅と鶯の絵柄に「二」の数字絵柄の第1の花札と、桜の絵柄に「三」の数字絵柄が重ねられた状態の第2の花札とから構成されて表示されている遊技機の花札表示装置」が記載されている。
ところで、引用例2において、梅と鶯から構成されている花札は、明示されていないものの、引用例2の記載事項1の「・・・真ん中の絵柄が左右絵柄の半コマ前でリーチがかかればOK!」なる記載並びに同記載事項と関連する9頁の右下の挿絵と花札遊技における常識を考慮すれば、梅と鶯の絵柄に「二」の数字絵柄が重ねられて、梅と鶯の絵柄と「二」の数字絵柄とから構成された図柄要素が半コマ前の状態として表示されているのであるから、各絵柄は数字絵柄と一緒にスクロール表示されるとともに、「二」と「三」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示されることになると解することが合理的である(必要であれば、引用例3を参照されたい。)。
そして、引用例2に記載の技術事項の「梅と鶯の絵柄」「第1の花札」「桜の絵柄」「第2の花札」「デジパチ」「花札表示装置」は、「第1の絵柄」「第1の図柄要素」「第2の絵柄」「第2の図柄要素」「遊技機」「図柄表示装置」と言い換えできることは、その機能から見て明らかである。
したがって、引用例2には、『第1の絵柄に「二」の数字絵柄が重ねられた状態の第1の図柄要素と、第2の絵柄に「三」の数字絵柄が重ねられた状態の第2の図柄要素とから構成されて表示され、第1の絵柄と第2の絵柄はそれぞれ「二」と「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されるとともに、「二」と「三」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示されている遊技機の花札表示装置』なる発明が記載されているということができる(以下、「引用例2に記載された発明」という。)。
さらに、ディスプレイ等の表示装置に対象物を表示するに当たって、表示される全ページ数と現在表示しているページがその全体の何番目のページかを明示して、表示された対象物を視認する者の視認上の利便に供することは例示するまでもなく普通に知体験する周知慣用技術にすぎない(以下、「周知慣用技術A」という。)。
また、引用例1に記載された発明と引用例2に記載された発明は、ともに、パチンコ遊技機であって、可変表示装置を用いて絵柄合わせを行って大当たりの図柄を決定する技術において共通しているから、相互に技術を利用することに格別の困難性はないということができる。
そうすると、引用例1に記載された発明の図柄要素に、引用例2に記載された第1の絵柄に「二」の数字絵柄が重ねられた状態の第1の図柄要素と、第2の絵柄に「三」の数字絵柄が重ねられた状態の第2の図柄要素を適用する際に、上記周知慣用技術Aを参酌して、第1の絵柄に「2」の数字絵柄が表示順序として重ねられるとともに、第2の絵柄に「3」の数字絵柄が表示順序として重ねられて構成されるようにすること、すなわち本願発明の上記相違点1に係る構成となすことは、当業者が容易になし得る程度のことということができる。

<相違点2について>
上記相違点1において示したように、引用例2に記載された発明は、第1の絵柄と第2の絵柄はそれぞれ「二」と「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されている。
そうすると、上記相違点1と同じ理由に基づき、引用例1に記載された発明の第1の図柄要素と第2の図柄要素のスクロール時に、引用例2に記載された図柄要素における第1の絵柄と第2の絵柄はそれぞれ「二」と「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示する点を適用して、第1の絵柄は「二」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されるとともに、第2の絵柄は「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されるようにすること、すなわち本願発明の上記相違点2に係る構成となすことは、当業者が容易になし得る程度のことということができる。

<相違点3について>
上記相違点1において示したように、引用例2に記載された発明は、第1の絵柄に「二」の数字絵柄が重ねられた状態の第1の図柄要素と、第2の絵柄に「三」の数字絵柄が重ねられた状態の第2の図柄要素とから構成されて表示され、第1の絵柄と第2の絵柄はそれぞれ「二」と「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示されるとともに、「二」と「三」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示されるように配置されているものである。
また、引用例3に記載の技術事項には、『松と鶴の絵柄に「一」の数字絵柄が重ねられて構成されており、梅と鶯の絵柄に「二」の数字絵柄が重なる順序で構成された状態で表示され、さらに、「一」と「二」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、「一」の数字絵柄の囲いはと第1の絵柄に重なっており、「二」の数字絵柄の囲いは第2の絵柄に重なった状態で表示されたデジパチの花札表示装置』が記載されており、「松と鶴の絵柄」「梅と鶯の絵柄」「デジパチ」「花札表示装置」は、それぞれ「第1の絵柄」「第2の絵柄」「遊技機」「図柄表示装置」と言い換えできることは、その機能から見て明らかである。
そして、表示された表示画面において、例えば「一」という数字絵柄は、囲いと共に鶴の足の絵柄の一部に重なるように配置されており、「二」の数字絵柄は囲いと共に梅の枝の絵柄の一部に重なるように配置されている。
そうすると、引用例3に記載の技術事項は、「第1の絵柄に「一」の数字絵柄が重ねられて構成されており、第2の絵柄に「二」の数字絵柄が重なる順序で構成された状態で表示され、さらに、「一」と「二」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、「一」の数字絵柄の囲いは第1の絵柄に一部が重なる順序で構成されており、「二」の数字絵柄の囲いは第2の絵柄に一部が重なる順序で構成された状態で表示された遊技機の図柄表示装置」と言い換えることができる。(以下、「引用例3に記載された発明」という。)。
一方、拒絶の査定時に示したように、タグを設けるなどして対象物からタグ等の表示部を飛び出すようにして、表示された対象物を視認する者の視認性を高めるようにすることは例示するまでもなく普通に知体験する周知慣用技術にすぎない(以下、「周知慣用技術B」という。)。
また、引用例1に記載された発明と引用例3に記載された発明は、パチンコ遊技機であって、可変表示装置を用いて絵柄合わせを行って大当たりの図柄を決定する技術において共通しているから、相互に技術を利用することに格別の困難性はないということができる。
そうすると、引用例1に記載された発明の図柄要素に、引用例3に記載された発明の「第1の絵柄に「一」の数字絵柄が重ねられて構成されており、第2の絵柄に「二」の数字絵柄が重なる順序で構成された状態で表示され、さらに、「一」と「二」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、「一」の数字絵柄の囲いは第1の絵柄に一部が重なる順序で構成されており、「二」の数字絵柄の囲いは第2の絵柄に一部が重なる順序で構成された状態で表示された遊技機の図柄表示装置」を採用する際に、上記周知慣用技術Bを参酌して、「二」と「三」の数字絵柄が、同じ形の囲いで囲まれた状態で表示され、且つ、その囲いは「二」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第1の絵柄に一部が重なる順序で構成され、「三」の数字絵柄と一緒にスクロール表示される第2の絵柄に一部が重なる順序で構成された状態で表示されると共に、スクロールされる第1の絵柄と第2の絵柄のスクロール方向の先端側方向に飛び出して配置するようにすること、すなわち本願発明の上記相違点3に係る構成となすことは、当業者が容易になし得る程度のことということができる。
なお、上記周知慣用技術Bにおいても、シート等の選択対象物から飛び出して配置されたタグは、シート等の選択対象物の選択の前に、それぞれのシート等の対象物の視認性を高める機能を果たしていることは明らかであるから、請求人の「摘示された周知慣用技術はシートを選択するためのものであるから、本願発明の数字絵柄が絵柄の一部から飛び出すように設けるものとは機能が相違する」との主張は採用できない。

(5)作用効果
本願発明によって奏する効果も、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明、および引用例3に記載された発明並びに周知慣用技術に基づいて、普通に予測できる範囲内のものであって格別のものがあるとは認められない。

(6)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明、および引用例3に記載された発明並びに周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-08-15 
結審通知日 2007-09-04 
審決日 2007-09-19 
出願番号 特願2002-51322(P2002-51322)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 太田 恒明  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 小林 俊久
林 晴男
発明の名称 遊技機の図柄表示装置  
代理人 山中 郁生  
代理人 田中 裕人  
代理人 特許業務法人コスモス特許事務所  

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