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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1168698
審判番号 不服2003-14778  
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-31 
確定日 2007-11-29 
事件の表示 特願2001-19259「情報管理システム、情報管理方法、情報管理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年8月6日出願公開、特開2002-219283〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年1月26日に特許出願された特願2001-19259号の特許出願であって、原審における平成14年8月13日付の拒絶理由通知に対し、平成14年10月8日付の手続補正書が意見書とともに提出され、さらに、原審における平成14年12月27日付の最後の拒絶理由通知に対し、平成15年3月17日付の手続補正書が意見書とともに提出されたところ、前記平成15年3月17日付の手続補正について平成15年6月19日付けで補正の却下の決定がなされるとともに、前記最後の拒絶理由により同日付で拒絶査定がなされ、その後、前記拒絶査定を不服として平成15年7月31日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成15年9月1日付で明細書を補正する手続補正書が提出されたものである。

第2 平成15年9月1日付の手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成15年9月1日付の手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成15年9月1日付の手続補正(以下、この補正を「本件補正」という。)は、平成15年3月17日付の手続補正が、すでに原審において平成15年6月19日付けで補正の却下の決定がなされていることから、平成14年10月8日付で手続補正された明細書の特許請求の範囲の
「【請求項1】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段とを有したサーバを複数備え、
前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段を備えたことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】 前記各サーバに、ゲーム情報を配信するホスト局を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】 前記送信手段が、前記ゲーム情報によるゲーム画面と共に広告が表示されるように広告情報を前記端末に対して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】 前記サーバの送信手段が、前記ゲーム情報に基づいて前記端末で遊戯されるゲームの進行状況に応じ、所定のタイミング及び/又は表示画像中の所定の箇所で広告が表示されるように前記広告情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項5】 前記所定のタイミングが、ゲームの開始時、ゲームの終了時、ゲームの結果発表時であったときの少なくとも一つであることを特徴とする請求項4に記載の情報管理システム。
【請求項6】 前記表示画像中の所定の箇所が、ゲーム進行中に複数回表示される箇所、ゲームのキャラクター、ゲームに登場する店の看板、の少なくとも一つであることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報管理システム。
【請求項7】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理するポイント管理手段を備え、
該ポイント管理手段が前記ゲームの結果に応じて当該ユーザのポイントを加算又は減算することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の情報管理システム。
【請求項8】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理するポイント管理手段を備え、
該ポイント管理手段が、前記サーバの提供するウエブサイトで当該ユーザが商品を購入した場合、該サイトに当該ユーザがアクセスした場合、該サイトに当該ユーザが顧客として登録した場合、当該ユーザの誕生日、キャンペーン期間に当該ユーザのポイントを加算することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の情報管理システム。
【請求項9】 前記ポイントを用いて当該ユーザが行うゲームのキャラクターの属性を変更することを特徴とする請求項8に記載の情報管理システム。
【請求項10】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎に該ゲームの成績を管理し、該成績を当該ユーザに通知するランキング通知手段を備えたことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の情報管理システム。
【請求項11】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の情報管理方法であって、
端末による操作の情報を受信するステップと、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信するステップとを複数のサーバにて実施し、
前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理することを特徴とする情報管理方法。
【請求項12】 前記端末に対してゲームの進行状況に応じ、所定のタイミング及び/又は表示画像中の所定の箇所で広告が表示されるように広告情報を提供することを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項13】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理し、前記ゲームの結果に応じて当該ユーザのポイントを加算又は減算するステップを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の情報管理方法。
【請求項14】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信するサーバにて運用され、該通信に供される情報の管理を行う情報管理プログラムであって、
端末からの操作情報を受信するステップと、該受信した操作情報に応じてゲーム情報を送信するステップと、該端末に対してゲームの進行状況に応じ、所定のタイミング及び/又は表示画像中の所定の箇所で広告が表示されるように広告情報を提供するステップと、前記ゲームを複数のサーバに対して行った端末からゲーム結果を取得するステップと、該ゲーム結果を管理するステップと、を前記サーバに実行させる情報管理プログラム。
【請求項15】 前記所定のタイミングが、ゲームの開始時、ゲームの終了時、ゲームの結果発表時であったときの少なくとも一つであることを特徴とする請求項14に記載の情報管理プログラム。
【請求項16】 前記表示画像中の所定の箇所が、ゲーム進行中に複数回表示される箇所、ゲームのキャラクター、ゲームに登場する店の看板、の少なくとも一つであることを特徴とする請求項14又は15に記載の情報管理プログラム。
【請求項17】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理し、前記ゲームの結果に応じて当該ユーザのポイントを加算又は減算するステップを含むことを特徴とする請求項14から16の何れかに記載の情報管理プログラム。
【請求項18】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理し、前記サーバの提供するウエブサイトで当該ユーザが商品を購入した場合、該サイトに当該ユーザがアクセスした場合、該サイトに当該ユーザが顧客として登録した場合、当該ユーザの誕生日、キャンペーン期間、に当該ユーザのポイントを加算することを特徴とする請求項14から17の何れかに記載の情報管理プログラム。
【請求項19】 前記ポイントの使用に応じて当該ユーザが行うゲームのキャラクターの属性を変更するステップを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の情報管理プログラム。」
の記載を、
「【請求項1】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段とを有した複数のサーバと、
前記複数のサーバに対してそれぞれ異なるゲーム情報を配信する手段及び前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段とを有したホスト局と、
を備えたことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】 前記送信手段が、前記ゲーム情報によるゲーム画面と共に広告が表示されるように広告情報を前記端末に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】 前記サーバの送信手段が、前記ゲーム情報に基づいて前記端末で遊戯されるゲームの進行状況に応じ、所定のタイミングで広告が表示されるように前記広告情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項4】 前記サーバの送信手段が、前記ゲーム情報に基づいて前記端末で遊戯されるゲームの進行状況に応じ、表示画像中の所定の箇所で広告が表示されるように前記広告情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項5】 前記所定のタイミングが、ゲームの開始時、ゲームの終了時、ゲームの結果発表時であったときの少なくとも一つであることを特徴とする請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項6】 前記表示画像中の所定の箇所が、ゲーム進行中に複数回表示される箇所、ゲームのキャラクター、ゲームに登場する店の看板、の少なくとも一つであることを特徴とする請求項4に記載の情報管理システム。
【請求項7】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理するポイント管理手段を備え、
該ポイント管理手段が前記ゲームの結果に応じて当該ユーザのポイントを加算又は減算することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の情報管理システム。
【請求項8】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎にポイントを管理するポイント管理手段を備え、
該ポイント管理手段が、前記サーバの提供するウエブサイトで当該ユーザが商品を購入した場合、該サイトに当該ユーザがアクセスした場合、該サイトに当該ユーザが顧客として登録した場合、当該ユーザの誕生日、キャンペーン期間に当該ユーザのポイントを加算することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の情報管理システム。
【請求項9】 前記ポイントを用いて当該ユーザが行うゲームのキャラクターの属性を変更することを特徴とする請求項8に記載の情報管理システム。
【請求項10】 前記端末を介してゲームを行うユーザ毎に該ゲームの成績を管理し、該成績を当該ユーザに通知するランキング通知手段を備えたことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の情報管理システム。」
と補正することを含むものである。

2 補正の適否の検討
本件補正に係る特許請求の範囲についての補正は、本件補正前の請求項11ないし請求項19を削除し、さらに、本件補正前の請求項1を削除するとともに前記請求項1を引用する本件補正前の請求項2の「ゲーム情報」に「それぞれ異なる」の限定を加えることにより特許請求の範囲を減縮し、また、本件補正前の請求項4に記載されていた「所定のタイミング及び/又は表示画像中の所定の箇所」の表現による3通りの場合を、本件補正前の請求項4を削除するとともに新請求項3の「所定のタイミング」と新請求項4の「表示画像中の所定の箇所」とに分割することにより2通りの場合に特許請求の範囲を減縮し、さらに、請求項の削除により明瞭でなくなった請求項における引用請求項の関係の記載を整理して明りょうにするためにしたものである。
このように、本件補正に係る請求項1ないし請求項10についての補正は、特許法第17条の2第4項第1号の「請求項の削除」、第2号の「特許請求の範囲の減縮」及び第4号の「明りようでない記載の釈明」をその補正の目的としている。
上記のとおり、本件補正に係る請求項1ないし請求項10についての補正が、特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正を含んでいるので、本件補正後の少なくとも請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか否かについて、次に検討する。

3 独立特許要件の有無
(1)本願の本件補正後の発明
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、これを「本願補正発明1」という。)は、次のとおりのものである(上記「第2」の「1 補正の内容」欄を参照)。
「【請求項1】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段とを有した複数のサーバと、
前記複数のサーバに対してそれぞれ異なるゲーム情報を配信する手段及び前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段とを有したホスト局と、
を備えたことを特徴とする情報管理システム。」

(2)引用刊行物及びその記載事項
ア 原審における拒絶査定の理由に引用された刊行物であって本願特許出願前に頒布された「インターネットASCII Vol.3 #12 DECEMBER 1998 NO.32」第3巻第12号通巻第32号、平成10年12月1日、株式会社アスキー発行(以下、「引用刊行物1」という。)の132頁ないし135頁には、「魅惑のインターネットニューテクノロジー VOL.3 Ultima Online サーバーの秘密」と題して、「Ultima Online」に関し、次の事項が記載されている。
「昨年末にリリースされ、現在全世界に10数万人のユーザーを抱える前代未聞の「クライアント/サーバ」システム、「Ultima Online」。今回はこのゲームの根幹を支えるサーバについて」、新機能の紹介も交えてのレポートをお届けしよう。」(132頁上段)
「世界最大のクライアント/サーバシステム Ultima Onlineの仕組み」(132頁中段)
「Ultima Onlineの概要
ご存じの方も多いと思うが「Ultima Online」(以下UO)について簡単に説明しておこう。UOは米Origin社(米Electronic Arts(以下EA)社の子会社)が昨年末より提供している、Britanniaという剣と魔法の支配する世界を舞台にしたネットワークRPGだ。この世界に自分の身代わりとなるキャラクターを作り、その世界の住人としてプレイするというゲームなのである。それぞれ1つの独立した世界(「Shard」という)になっており、1つのShardで2500人(最大で3000人以上)が同時にプレイできる。Shardは米邦を中心に13ヵ所('98年10月現在)設置されており、ユーザーは『ネットワーク的に近い』Shardを自由に選んでプレイできる(UOはネットワークゲームなので、通信速度にプレイ環境が大きく左右されるため)。」(132頁左欄1?19行)
「他のゲームと一線を画するUOの特徴
通常の「ピアトゥピア(1対1)接続」の対戦ゲームとは異なり、UOはインターネットを経由してゲームサーバ(Shardという)に接続することで初めてプレイできる(スタンドアロン環境では動作しない)。UOは単純なネットワークゲームとして認識されがちだが、実際にはデータの管理をユーザーに任せず、一括してサーバで管理する、世界初のインターネット専用「クライアント/サーバ型」のネットワークゲームだという特徴を持っている。このクライアント/サーバシステムの特徴を生かして、UOではプレイ前に必ずソフトのアップデートが必要かどうかのチェックを行なう。必要であれば「パッチ(修正)ファイル」をダウンロードして、バグ修正や新機能をユーザーのクライアントソフトに適用する仕組みだ。これによりユーザーの環境を平等にできるため、アップデートのたびにユーザーがアップデートを行なう手間が必要ないばかりか、特定のユーザーが利益を得たり特定のユーザーが不利益を被ることがない。」(133頁左欄1行?同頁中央欄13行)
「プレイまでの流れとUOのセキュリティー
ゲームプレイまでの流れを見ていこう。ユーザーはインターネットに接続し、UOを起動する。クライアントソフトは自動的に認証サーバ「Registration Servers」にアクセスを試みる。このRegistration Servers(複数のサーバで構成されており、ユーザー情報を分散管理している)でユーザー名とパスワードを管理しており、クライアント側とサーバ側とでデータが一致しなければShardに接続できない。認証が終わると、Shardの一覧が表示される。ただし、キャラクタのデータはShardごとに管理されており、各Shard間を行き来することはできないようになっている。
UOではRegistration ServersとShard、各ユーザーのマシンまでを「VPN」によって結んでいる。VPNとは「Virtual Private Network」の略で、インターネット上に仮想の私設回線を構築する技術だ。」(133頁右欄1行?134頁左欄10行)
「Shardの構成
Shardは米Origin社が管理/運営しているが、インターネットへの回線を独自に確保しているわけではない。Shardとインターネットとの接続は、高速なバックボーンとホストの管理を行なえる高い技術力を持つプロバイダと契約し委託する形で管理している。これらの管理はShardの設置されているプロバイダで管理を行なっているのではなく、ネットワークを介してリモートで操作を行なっているという(もちろんハードウェア的な障害の場合は別だが)。'98年に正式稼働したばかりの日本サーバ、「YAMATO」と「ASUKA」のShardは日本テレコムの子会社である「ITJIT(インテリジェント・テレコム)」で管理されている。それぞれのShardはインターネットに100Mbpsという高速な回線で接続されている。
Shardの構成について日本サーバを例にとって解説する。1つのShardは7台のPCサーバにより構成されている('98年10月時点。規模の拡張は可能)。PCサーバは米DELL社のデュアルPentiumIIマシンで、ベースとなるシステムには米SunMicrosystems社のOS「Solaris」が採用されている。7台のPCサーバにはそれぞれ割り当てられた役割があり、Shard内のUO世界を分割して管理しているわけではない(つまり、1台足りないと世界成立しなくなるわけで、世界の1部分が欠けた状態になる、ということではない)。」(134頁左欄26行?同頁右欄24行)

そして、引用刊行物1の図1には、「■プレイまでの概略図」と題して、北米大陸と西方欧州大陸と日本列島とが図示されるとともに、認証サーバ(Registration Servers)とゲームサーバ(Shard)の概略配置図が示されている。前記概略配置図によれば、「Registration Servers」は米国大陸の中央部に配置されており、また、米国北部地域には「Great Lakes」、「Lake Superior」の2台の大陸中央サーバが、米国東部地域には「Atlantic」、「ChesaPeake」、「Catskill」の3台の東海岸サーバが、米国西部地域には「Pacific」、「Baja」、「Sonoma」、「Napa Valley」の4台の西海岸サーバが、ヨーロッパ地域には「Europa」、「Drachenfels」の2台の欧州サーバが、そして、日本地域にも「Yamato」、「Asuka」の2台の日本サーバがそれぞれ配置されていて、合計13台のゲームサーバが配置されている。
また、前記図1には、「図1 ユーザーはインターネットに接続し、必ず「Registration Servers」で認証を受ける。Registration Serversにユーザー情報がない場合はプレイすることができない。そのあとShardを選んで初めてプレイすることができる。」の脚注が付され、また、前記図1中には、「※インターネット上に存在する認証サーバ(Registration Servers)とゲームサーバ(Shard)はVPN(Virtual Private Network)で結ばれており、セキュリティを高めている。」の注釈とともに、前記配置図上に「丸1 インターネットに接続後、Registration Serversでユーザー認証を行なう。」及び「丸2 ユーザー認証後にゲームサーバ(Shard)を選んでプレイを開始する。」のUltima OnlineのBritanniaという剣と魔法の支配する世界を舞台にしたネットワークRPGのゲーム開始までの手順が記載されている。

そうすると、引用刊行物1の上記摘記事項及び図面の記載からみて、引用刊行物1には次の発明(以下、これを「引用発明」という。)の記載が認められる。
「Britanniaという剣と魔法の支配する世界を舞台にして、前記世界に自分の身代わりとなるキャラクターを作り、前記世界の住人としてプレイするというネットワークRPGであるUltima Onlineという、インターネット専用でクライアント/サーバ型のネットワークゲームのシステムであって、
インターネット上に存在する認証サーバのRegistration ServersとゲームサーバのShardとが、VPN(Virtual Private Network)で結ばれており、高速なバックボーンとホストの管理を行なえる高い技術力を持つプロバイダと契約し委託する形でされているShardとインターネットとの接続の管理は、ネットワークを介してリモートで操作を行なわれていて、前記世界は、Shardというそれぞれ1つの独立した世界になっていて、1つのShardで2500人が同時にプレイできるとされ、
複数のサーバで構成されている認証サーバのRegistration Serversが、ユーザー名とパスワードなどのユーザー情報を分散管理し、
前記Ultima Onlineでは、データの管理をユーザーに任せず一括してサーバで管理していて、クライアント側とサーバ側とでデータが一致しなければShardに接続できないようになっており、ユーザーがインターネットを経由してゲームサーバのShardに接続することで初めてプレイでき、
また、前記Ultima Onlineでは、プレイ前に必ずソフトのアップデートが必要かどうかのチェックを行ない、必要であればパッチ(修正)ファイルをダウンロードして、ユーザーの環境を平等にできるようにバグ修正や新機能をユーザーのクライアントソフトに適用する仕組みになっており、
ゲームサーバのShardは、世界の13ヵ所に設置されていて、ユーザーは13のShardの中でネットワーク的に近いShardを自由に選んでプレイでき、さらに、1つのShardは、7台のPCサーバにより構成されていて、7台のPCサーバがShard内のUltima Online世界を分割して管理しているわけではなく、1台足りないと世界成立しなくなるものとして7台のPCサーバにはそれぞれ割り当てられた役割があり、キャラクタのデータはShardごとに管理されていて、各Shard間を行き来することはできないようになっており、
そして、ユーザーがインターネットに接続し、Ultima Onlineを起動すると、クライアントソフトが自動的に認証サーバのRegistration Serversにアクセスを試みて、認証が終わると、Shardの一覧が表示されるようにした、
インターネット専用でクライアント/サーバ型のネットワークゲームシステム」

イ 本願特許出願前に頒布された刊行物である特開平10-85456号公報(以下、「周知技術文献1」という。)には、「ゲーム機監理システム」に関し、次の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、ゲーム機管理システムに関し、特に、複数のゲーム端末機に配信すべきゲームデータを各ゲーム端末機の使用状態に応じて最適に選択決定し得るゲーム機管理システムに関する。
【0002】【従来の技術】 従来は、或る一つのゲーム機に搭載されるゲームは、種類、内容、構成等が限定されており、これを変更するには、ROM等のハードウェアを交換する以外なかった。
而して、一つのゲームセンターの店舗内には、プレイヤーのニーズに合わせて様々なゲーム内容のゲーム機を複数台設置しているのが通常であり、人気の高いゲーム機は多数配置し、人気の低いゲームは少数に留めるよう配慮されているが、ゲームの人気は比較的短期間で変動し、時間帯によってもニーズが異なり、これらに対応するためハードウェアの交換作業を小まめに行なうことは現実的に不可能であった。そのため、各ゲーム機の稼働率を高く保つことは困難で、無駄が多かった。
また、一つのゲーム機においても、プレイヤーの技量やプレイ時間に応じてゲームの難易度等を適宜変更することが望ましいが、それも困難であった。
【0003】【発明が解決しようとする課題】 本発明は、これらの問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、複数台のゲーム機のゲーム内容や難易度等をゲーム機の使用状態に応じて随時自動的に最適な状態に変更できるようなゲーム機管理システムを提供することにある。
【0004】【課題を解決するための手段】 上記の目的は、一定のエリア内において複数のゲーム端末機とホストコンピューターとを接続するLAN(local area network 企業内情報通信網)システムを形成し、このLANシステムを通じてホストコンピューターから各ゲーム端末機にゲームデータを配信すると共に、各ゲーム端末機のそれぞれの使用状態に関するデータをホストコンピューターに集積し、ホストコンピューターは当該データを解析し、これに基づき各ゲーム端末機に配信するゲームデータを選択決定するよう構成したことを特徴とするゲーム機管理システムによって達成できる。
【0005】 また、一層大規模に、複数のエリアのゲーム機を管理する場合には、一定のエリア内において複数のゲーム端末機とホストコンピューターとを接続するLANシステムを形成すると共に、各エリアごとのホストコンピューターと中央ワークステーションとを接続する広域LANシステムを形成し、この広域LANシステムを通じて中央ワークステーションから各ホストコンピューターにゲームデータを配信すると共に、各エリアの各ゲーム端末機のそれぞれの使用状態に関するデータをLANシステムを通じてホストコンピューターに集積、記録し、更に、各ホストコンピューターに記録された当該データを広域LANシステムを通じて中央ワークステーションに集積し、中央ワークステーションは当該データを解析し、これに基づき各ホストコンピューターに配信するゲームデータを選択決定するよう構成したことを特徴とするゲーム機管理システムによって、前記目的を達成することができる。」
「【0007】 図1において、1Aないし1Eは一つの店舗内に設置された複数のゲーム端末機、2はこれらを管理するホストコンピューター、3は複数のゲーム端末機1Aないし1Eとホストコンピューター2とを接続するLANシステム、4はハブである。
図示したシステムにおいては、LANシステム3を通じてホストコンピューター2から各ゲーム端末機1A?1Eに所望のゲームデータ(ゲーム遂行のためのプログラムや画像処理データ等)が配信されるようになっており、各ゲーム端末機1A?1Eのゲームデータは新たに配信されたゲームデータに書き替えられるようになっている。
一方、各ゲーム端末機1A?1Eにおいては、それぞれの使用状態に関するデータが常時記録され、当該データは所定時間おきにLANシステム3を通じてホストコンピューター2に送られ、記録されるようになっている。
【0008】 而して、ゲーム端末機の使用状態に関するデータとしては様々なものが採択され得るが、具体的には例えば以下に示すような項目が挙げられる。
(1)プレイヤーによる条件選択結果
選択されるゲームの種類、難易度、1人プレイか複数人プレイかの別。
(2)ゲーム料金の収納状況
1ゲーム宛か複数クレジットかの別、ゲームを始める時のクレジット数。
(3)ゲーム結果
ゲーム継続回数、プレイヤーの得点とその内容、ゲームオーバーまでの所要時間、ゲームオーバー時のゲーム進展状況、ゲームオーバー時の到達ステージ。
(4)ゲーム内容に応じた特有の事項
a:択一式クイズゲームの場合は、各選択肢ごとの選択率、正答率等。
b:ドライブゲームの場合は、難易度、車種、平均速度、走行距離、ゲームオーバーの理由、等々。
c:宇宙戦ゲームの場合は、ゲームオーバーまでのミサイル発射数、的中率、被害度数、ジョイスティックの操作頻度等。
d:格闘技ゲームの場合は、わざの種類等。
【0009】 ホストコンピューター2においては、各ゲーム端末機からもたらされるこれらのデータを集積、解析し、これに基づき各ゲーム端末機に配信するゲームデータを選択決定する。
例えば、人気の高いゲームについては多数のゲーム機に配信し、人気の低いゲームの配信は少数のゲーム機に留めたり、プレイヤーの技量或いはプレイ時間に応じてゲームの難易度を変化させたり、一つのゲームを複数のゲーム機で複数のプレイヤーが共同でプレイするゲームの場合には、参加している全プレイヤーのプレイ状況に応じて、その時点でのゲーム場面を変えたりするなどの選択、決定をホストコンピューター2において自動的に実行するものである。
【0010】 図2は、上記の如きゲーム機の管理システムを更に拡張した実施例を示しており、図中、1A?1Dは一つの店舗内に設置された複数のゲーム端末機、2A?2Cはこれらを管理するため各店舗ごとに設置されたホストコンピューター、3A?3Cは各店舗内のLANシステム、5は各店舗のホストコンピューターに供給するゲームデータを管理するため本社に設置された中央ワークステーション、6は各店舗のホストコンピューター2A?2Cと中央ワークステーション5とを接続する広域LANシステムである。
【0011】 各店舗の複数のゲーム端末機1A?1Dのそれぞれの使用状態に関するデータは、各店舗内のLANシステム3A?3Cを通じてホストコンピューター2A?2Cにそれぞれに集積、記録される。そして、各ホストコンピューター2A?2Cに記録された当該データは、広域LANシステム6を通じて中央ワークステーション5に集積され、中央ワークステーションにおいては当該データを解析し、これに基づき各ホストコンピューター2A?2Cに配信するゲームデータを選択決定するものである。
このように構成することにより、各店舗の開設された地域の顧客に特有のニーズにきめ細かに対応するゲーム機管理が可能となる。」

ウ 本願特許出願前に頒布された刊行物である特開平9-155062号公報(以下、「周知技術文献2」という。)には、「ネットワークゲーム装置」に関し、次の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、複数のゲーム端末装置とゲーム管理装置とを通信回線で接続するとともに、ゲーム端末装置にて行われるゲームの利用時間に応じて課金を行うネットワークゲーム装置に関する。」
「【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は前記の目的を達成するために、所定のプログラムに基づいて電子的にゲームを行う複数のゲーム端末装置(3,3?)と、これらの各ゲーム端末装置に通信回線(5)で接続されてゲームの進行を管理するゲーム管理装置(2)とを備え、前記各ゲーム端末装置は、前記プログラムの実行と装置各部の制御を行う制御手段(301,302)と、ゲーム内容を画像表示する画像表示手段(303,306)と、ゲーム遂行上の操作データを入力するデータ入力手段(307,309)と、前記ゲーム管理装置との通信を制御する通信制御手段(304)とを備え、前記ゲーム管理装置は、前記各ゲーム端末装置との通信を制御する通信制御手段(204)と、前記通信制御手段を介して各ゲーム端末装置にて行われるゲームの進行を逐次監視するゲーム進行監視手段(201,202,204)と、このゲーム進行監視手段の監視に基づいて各ゲーム端末装置にて行われるそれぞれのゲームの動作環境を変動させるための変数を制御する変数制御手段(201,202,203)とを備える構成とする。」
「【0007】【発明の実施の形態】 本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るネットワークゲーム装置の一例としてのネットワークパチンコゲーム装置の全体構成図であり、図2はゲーム管理装置としてのホストコンピュータ(以下、単にホストと称することがある)の構成図、図3は各ゲーム端末装置の構成図である。図1において、このネットワークパチンコゲーム装置1は、ホストコンピュータ2と利用者の家庭等に設置されるゲーム端末装置3,3?とが、通信制御サーバー4を介して電話線やCATV(ケーブルテレビ)回線等の一般家庭に引き込まれている通信回線5にて接続される。この通信回線5は前記電話線やCATV線以外にも、前記ホストコンピュータ2と各ゲーム端末装置3,3?とを接続可能なものであればよく、例えばPHS(パーソナルハンディホンシステム)等の無線回線による接続や、衛星通信を利用して接続するようにしてもよい。
【0008】 図2は前記ホストコンピュータ2の構成を示す図である。図において、このホストコンピュータ2は、装置本体200内に、CPU201と、装置制御用の各種プログラムやデータを記憶する装置メモリ202、予め登録されたゲーム会員のデータを記憶する会員データメモリ203、前記ゲーム端末装置3,3?との間で行われる通信を制御する通信制御部204を備えている。前記ゲーム会員は予め所定の入会金を支払って登録され、この登録により会員データメモリ203に、会員の氏名,会員ナンバー,過去のフィーバー回数やフィーバー確率等の利用履歴データが記憶される。また、前記通信制御部204は、複数のゲーム端末装置3,3?との同時通信を行うための前記通信制御サーバー4を制御する。」

エ 本願特許出願前に頒布された刊行物である特開2000-78501号公報(以下、「周知技術文献3」という。)には、「映像プリント遊戯装置」に関し、次の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、遊戯者自身が撮影した被写体像とフレーム画像とを合成して自画像を作成し、シール用紙にプリント出力する機能を有する映像プリント遊戯装置に関するものである。」
「【0003】 そして、この種の映像プリント遊戯装置においては、自画像作成時の背景等の画像として用いられる各種デザインの施されたフレーム画像が予め用意されているが、この映像プリント遊戯装置の利用度合いは、各遊戯装置が保有しているフレーム画像の種類、デザイン等によって大きく影響を受けることが分かっている。そのため、一度設定したフレーム画像をいつまでも使用していると、だんだん飽きられてしまう。そこで、装置の設置者がフレーム画像データを任意に更新することができるようにしたものがある(例えば、実用新案登録第3044500号公報参照)。
【0004】【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この種の映像プリント遊戯装置が全国各地に分散して複数台設置されているような場合に、各遊戯装置に対してフレーム画像データの入れ替えを行い、季節や地域によって特徴のあるフレーム画像データを設定しようとすると、入れ替えるべきフレーム画像データの格納されたディスク等をメンテナンス要員が直接に持参して、入れ替えを行わなければならず、作業効率が悪く、コストが多くかかるという問題が生じていた。また、この種の映像プリント遊戯装置においては、各種キャンペーン等に合わせて遊戯期間を限定した期間限定タイプのフレーム画像を用意することがあるが、上述したような従来のフレーム画像データの入れ替え方法では、全ての遊戯装置に対して一斉に入れ替え作業を行うことは困難であるため、結果として、全ての遊戯装置における当該フレーム画像の遊戯期間を一律に揃えることはできなかった。
【0005】 また、映像プリント遊戯装置を公衆電話回線を介してホストコンピュータに接続し、このホストコンピュータからフレーム画像データをダウンロードすることで、フレーム画像をタイムリーに入れ替えることができるようにしたものがある。しかしながら、このようなフレーム画像の入れ替え方法においても、一度に複数台の遊戯装置に向けてフレーム画像データを転送することは困難であるため、全ての遊戯装置における当該フレーム画像の遊戯期間を一律に揃えることはできなかった。また、映像プリント遊戯装置でのダウンロードによるフレーム画像データの入れ替えには、普段の動作とは全く異なる動作をするプログラムが必要となり、このプログラムを起動している間は、写真を撮影したシールをプリントすることができなくなる。そのため、遊戯装置が賑やかな街頭に設置されて、装置を朝方起動してから夜間の稼働停止時までの電源が入っている時間中、絶え間なく利用された場合には、フレーム画像データを書き替えるための空き時間が発生せず、当該遊戯装置でのフレーム画像データのダウンロードが他の遊戯装置と比べて大幅に遅れ、期間限定タイプのフレーム画像の遊戯期間が大きくずれる可能性がある。」

(3)対比
本願補正発明1と前記引用発明とを比較すると、引用発明の「ユーザーがインターネットを経由してゲームサーバのShardに接続すること」、「世界の13ヵ所に設置されている13のゲームサーバのShard」及び「認証サーバのRegistration Servers」のそれぞれが、本願補正発明1の「ネットワークを介して接続する端末」、「複数のサーバ」及び「ホスト局」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明は、認証サーバのRegistration Serversと13のゲームサーバのShardとで、ネットワークRPGであるUltima Onlineというインターネット専用でクライアント/サーバ型のネットワークゲームにおけるユーザー名とパスワードなどのユーザー情報を分散管理し、各端末のゲーム結果であるキャラクタのデータのゲーム情報を管理するシステムであるから、引用発明の「認証サーバのRegistration Serversとゲームサーバの13のShardとからなるインターネット専用でクライアント/サーバ型のネットワークゲームシステム」が、本願補正発明1の「ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システム」に相当する。
また、引用発明のサーバが「端末による操作の情報を受信する受信手段」及び「該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段」を具備していることについては、引用刊行物1に明示の記載はないが、引用発明のUltima Onlineでは、プレイ前に必ずソフトのアップデートが必要かどうかのチェックを行ない、必要であればパッチ(修正)ファイルをダウンロードして、ユーザーの環境を平等にできるようにバグ修正や新機能をユーザーのクライアントソフトに適用する仕組みを有していて、ユーザーの端末とゲームサーバとの間での双方向の通信を前提としていることから、引用発明のサーバは当然のこととして、本願補正発明1と同様の「端末による操作の情報を受信する受信手段」及び「該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段」を具備しているといえる。
さらに、引用発明のUltima OnlineにおけるゲームサーバのShardは、世界の13ヵ所に設置されていて、ユーザーは13のShardの中でネットワーク的に近いShardを自由に選んでプレイでき、キャラクタのデータはShardごとに管理されていて、各Shard間を行き来することはできないようになっていることからみて、引用発明のUltima Onlineにおいても、設置地域の異なる13の各ゲームサーバにおいて管理されているところのキャラクタのデータは、各Shard間を行き来することはできないから、当然の結果として、ゲームサーバのShardごとに管理するユーザーが作ったキャラクタのデータは相違していることになる。引用発明のUltima Onlineにおけるゲームサーバの1つのShardには、ゲーム情報として、少なくともゲームサーバのShardごとに管理するユーザーが作ったキャラクタのデータの結果が登録されているといえるから、引用刊行物1に明示の記載はないが、引用発明は、「各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段」を具備しているといえる。
しかも、前述したように、引用発明においては、Ultima OnlineにおけるゲームサーバのShardが世界の13ヵ所に設置されており、ユーザーがインターネットに接続し、Ultima Onlineを起動すると、クライアントソフトが自動的に認証サーバのRegistration Serversにアクセスを試みて、認証が終わると、Shardの一覧が表示されるようになっていて、ユーザーは13のShardの中でネットワーク的に近いShardを自由に選んでプレイできるのであるから、ユーザーは、ユーザーの端末と所望するゲームサーバのShardの間のネットワークでの遠距離接続に際しての経費と時間等の諸条件が許せば、世界の13ヵ所に設置されているUltima OnlineにおけるゲームサーバのShardにいずれにも接続可能であり、そして、ユーザーがインターネットを経由して13のゲームサーバのShardの中から自由に選んだ1つのShardに接続して、各Shard内のUltima Online世界におけるBritanniaという剣と魔法の支配する世界を舞台にして、前記世界に自分の身代わりとなるキャラクターを作り、前記世界の住人としてプレイすることができることとなるものである。
そうすると、引用発明においては、キャラクタのデータはShardごとに管理されていて、ユーザーが作ったキャラクタのデータを各Shard間で移動させることはできないものの、引用発明のユーザーはゲームサーバの13の各Shardとアクセス可能であり、かつプレイすることができるから、引用発明は、本願補正発明1と同様に、ゲームサーバの13の各Shardは「前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段」を具備しているといえる。
そして、引用発明の認証サーバのRegistration Serversとゲームサーバの13のShardは、いずれも「サーバ」であり、また、本願補正発明1における「ホスト局」も、「複数のサーバ」と同様に、「サーバ」であることには違いはないから、引用発明と本願補正発明1とは、ともに前記「成績管理手段」を有するのが「サーバ」である点で共通する。
そうすると、本願補正発明1と引用発明とは、
「ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段とを有した複数のサーバと、
前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段とを有したサーバと、
を備えた情報管理システム」
である点で、両者の構成が一致し、次の点で構成が相違する。
[相違点1]:本願補正発明1のホスト局が、「前記複数のサーバに対してそれぞれ異なるゲーム情報を配信する手段」を有しているのに対し、引用発明は、前記構成を有していない点。
[相違点2]:本願補正発明1は、ホスト局が成績管理手段を有するのに対し、引用発明では、サーバが成績管理手段を有する点。

(4)相違点についての判断
ア 相違点1について
周知技術文献1には、「複数のゲーム端末機に配信すべきゲームデータを各ゲーム端末機の使用状態に応じて最適に選択決定し得るゲーム機管理システム」が記載されている。
また、周知技術文献2には、「複数のゲーム端末装置とゲーム管理装置とを通信回線で接続するとともに、ゲーム端末装置にて行われるゲームの利用時間に応じて課金を行うネットワークゲーム装置において、ゲーム進行監視手段の監視に基づいて各ゲーム端末装置にて行われるそれぞれのゲームの動作環境を変動させるための変数を制御する変数制御手段とを備えるネットワークゲーム装置」が記載されている。
そして、周知技術文献3には、「遊戯者自身が撮影した被写体像とフレーム画像とを合成して自画像を作成し、シール用紙にプリント出力する機能を有する映像プリント遊戯装置において、映像プリント遊戯装置を公衆電話回線を介してホストコンピュータに接続し、このホストコンピュータからフレーム画像データをダウンロードすることで、フレーム画像をタイムリーに入れ替えることができるようにしたもの」が記載されている。
してみると、前記周知技術文献1ないし周知技術文献3に記載されているように、「各端末に異なる情報を配信する技術」は、本願特許出願時の周知技術であるといえる。
そうすると、引用発明に前記周知技術を適用することにより、引用発明の認証サーバのRegistration Serversに対して、本願補正発明1のホスト局のような、前記相違点1に係る「前記複数のサーバに対してそれぞれ異なるゲーム情報を配信する手段」の構成を想到することは、当業者が容易になし得ることである。

イ 相違点2について
引用発明の認証サーバのRegistration Serversが複数のサーバで構成されていて、ユーザー名とパスワードなどのユーザー情報を分散管理するとともに、各端末のゲーム結果であるキャラクタのデータはShardごとに管理されていることからすると、引用発明では、認証サーバのRegistration Serversがユーザー情報を管理し、ゲームサーバのShardが各端末のゲーム結果であるゲーム情報を管理しているといえる。
しかして、引用発明の認証サーバのRegistration ServersとゲームサーバのShardは、いずれもサーバであり、それらのサーバが担う管理の対象として、「ユーザー情報」を管理するか、或いは「ゲーム情報」を管理するかの役割分担をどのように設定するかは、すぐれて当業者が適宜選択できる設計事項である。
そうすると、引用発明のホスト局としての認証サーバのRegistration Serversに、各端末のゲーム結果であるユーザーが作ったキャラクタのデータであるゲーム情報を管理する成績管理手段を具備させせるように構成することにより、本願補正発明1の前記相違点2に係る「ホスト局が成績管理手段を有する」構成とすることは、当業者が容易になし得ることにすぎない。

そして、本願補正発明1の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から予測される範囲内のものであり、格別のものとはいえない。

ウ まとめ
したがって、本願補正発明1は、引用刊行物1及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正発明1は特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(5)むすび
以上のとおりであり、本件補正後の特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明が、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項に規定するところの「特許出願の際独立して特許を受けることができるもの」に適合していないから、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
上記「第2」欄に前述した理由により、平成15年9月1日付の手続補正が却下され、また、平成15年3月17日付の手続補正については、原審において既に平成15年6月19日付けで補正の却下の決定がなされていることから、当審が審理すべき本願発明は、平成14年10月8日付手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項19に記載された事項により特定されるものであるところ、特にその請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(上記「第2」の「1 補正の内容」欄を参照)。
「【請求項1】 ネットワークを介して接続する端末との間で通信する情報の管理を行う情報管理システムにおいて、
端末による操作の情報を受信する受信手段と、該受信手段で受信した操作の情報に応じてゲーム情報を送信する送信手段とを有したサーバを複数備え、
前記複数のサーバと接続してゲームを行った各端末のゲーム結果を管理する成績管理手段を備えたことを特徴とする情報管理システム。」(以下、これを「本願発明1」という。)

2 引用刊行物及び記載事項
原審における拒絶査定の理由に引用された刊行物であって本願特許出願前に頒布された引用刊行物1、及び本願特許出願前に頒布された周知技術文献1ないし周知技術文献3には、上記「第2」の「3 独立特許要件の有無」の「(2)引用刊行物及びその記載事項」のアないしエ欄に摘記したとおりの技術事項が記載されており、そして、前記引用刊行物1に記載されている発明(引用発明)は、前記ア欄に前示のとおりである。

3 対比・判断
本願発明1は、本願補正発明1から、上記「第2」の「2 補正の適否の検討」欄で前述した限定を省いたものである。
そうすると、本願発明1の構成要件をすべて含み、さらに限定されたものに相当する本願補正発明1が、前記「第2」の「3 独立特許要件の有無」の「(4)相違点についての判断」の「ウ まとめ」欄に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明1は、本願補正発明1と同様に、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討をするまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-09-25 
結審通知日 2007-10-02 
審決日 2007-10-15 
出願番号 特願2001-19259(P2001-19259)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 武田 悟  
特許庁審判長 佐藤 昭喜
特許庁審判官 辻 徹二
森内 正明
発明の名称 情報管理システム、情報管理方法、情報管理プログラム  
代理人 遠山 勉  
代理人 和久田 純一  
代理人 川口 嘉之  
代理人 松倉 秀実  
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