ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 G06F |
---|---|
管理番号 | 1169604 |
審判番号 | 不服2005-19397 |
総通号数 | 98 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-02-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-10-06 |
確定日 | 2007-12-20 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第322715号「画像処理方法及び画像処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 6月19日出願公開、特開平10-162142〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成8年12月3日の出願であって、平成17年9月2日に拒絶査定がされ、これに対して平成17年10月6日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年11月7日付けで手続補正がなされたものである。 第2 平成17年11月7日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成17年11月7日付けの補正を却下する。 [理由] 1.当該補正後の特許請求の範囲 当該補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりのものである。 (以下、審判請求時補正請求項1とする。) 【審判請求時補正請求項1】 多値画像データから高周波領域の情報を検出する画像処理装置の画像処理方法であって、 多値画像データを入力する入力ステップと、 前記多値画像データから高周波領域の情報を検出する検出ステップと、 前記検出ステップにおいて検出された高周波領域の情報を第1の保持手段に保持する第1の保持ステップと、 前記第1の保持手段に保持された高周波領域の情報と、既に第2の保持手段に保持された高周波領域の情報とを結合する結合ステップと、 前記結合された高周波領域の情報を前記第2の保持手段に保持する第2の保持ステップとを有し、 前記検出ステップは前記多値画像データのMライン毎に前記高周波数領域の情報を検出し、前記結合ステップは前記多値画像データの所定ライン毎に前記高周波領域の情報を結合することを特徴とする画像処理方法。 2. 当該補正前の特許請求の範囲 これに対し、当該補正前の特許請求の範囲の記載は、特許請求の範囲を平成16年12月28日付けで補正したものであって、その請求項1から6は以下の通りである。 【請求項1】 多値画像データから高周波領域の情報を検出する画像処理装置の画像処理方法であって、 多値画像データを入力する入力ステップと、 前記多値画像データから高周波領域の情報を検出する検出ステップと、 前記検出ステップにおいて検出された高周波領域の情報を第1の保持手段に保持する第1の保持ステップと、 前記第1の保持手段に保持された高周波領域の情報と、既に第2の保持手段に保持された高周波領域の情報とを結合する結合ステップと、 前記結合された高周波領域の情報を前記第2の保持手段に保持する第2の保持ステップと、 前記第2の保持手段に保持された高周波領域の情報を固定する固定ステップとを有し、 前記結合ステップは、前記多値画像データのMライン毎に前記高周波領域の情報を結合し、前記固定ステップにより高周波領域の情報が固定しているか否かに基づいて前記高周波領域の情報を結合することを特徴とする画像処理方法。 【請求項2】 前記検出ステップにおいては多値画像データをN画素づつ小領域に分割し、小領域内の最大画素値、最小画素値を求め、その差の大きい小領域を高周波領域とすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 【請求項3】 前記検出ステップにおいて分割される小領域はオーバーラップ部があることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。 【請求項4】 前記第2の保持ステップにおける位置情報が示す領域を文字、それ以外に判定する判定ステップを持つことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の画像処理方法。 【請求項5】 前記入力ステップと、前記結合ステップは異なる多値画像データにパラレルに実行されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像処理方法。 【請求項6】 多値画像データから高周波領域の情報を検出する画像処理装置であって、 多値画像データを入力する入力手段と、 前記多値画像データから高周波領域の情報を検出する検出手段と、 前記検出手段において検出された高周波領域の情報を第1のメモリに保持する第1の保持手段と、 前記第1のメモリに保持された高周波領域の情報と、既に第2のメモリに保持された高周波領域の情報とを結合する結合手段と、 前記結合された高周波領域の情報を前記第2のメモリに保持する第2の保持手段と、 前記第2のメモリに保持された高周波領域の情報を固定する固定手段とを有し、 前記結合手段は、前記多値画像データのMライン毎に前記高周波領域の情報を結合し、前記固定手段により高周波領域の情報が固定しているか否かに基づいて前記高周波領域の 情報を結合することを特徴とする画像処理装置。 3. 当該補正の適否 当該審判請求時補正請求項1と補正前の全ての請求項を対比するに、審判請求時補正請求項1は、補正前の請求項1から、「前記第2の保持手段に保持された高周波領域の情報を固定する固定ステップ」なる構成要件を削除するとともに、「高周波領域の情報を結合する」機能を「固定ステップ」から「結合ステップ」に変更するものである。 請求項内の構成要件の削除は、特許請求の範囲の拡大であって、機能を担う要素を他のものに変えることは、発明の変更に他ならない。 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第4項に規定する次の事項を目的とするものに限られるところ、当該補正は、その何れにも該当しないことは明らかである。 一)第36条第5項に規定する請求項の削除 二)特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。) 三 )誤記の訂正 四 )明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。) すなわち、当該補正は平成18年改正前特許法第17条の2第4項各号で規定する補正の要件を満たすものではないから、同条同項の規定に違反するものである。 よって、当該補正は、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明の認定 平成17年11月7日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成16年12月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1から請求項6までに記載した事項により特定されるものである。 そのうち、請求項1に係る発明は、下記のとおりである。 【請求項1】 多値画像データから高周波領域の情報を検出する画像処理装置の画像処理方法であって、 多値画像データを入力する入力ステップと、 前記多値画像データから高周波領域の情報を検出する検出ステップと、 前記検出ステップにおいて検出された高周波領域の情報を第1の保持手段に保持する第1の保持ステップと、 前記第1の保持手段に保持された高周波領域の情報と、既に第2の保持手段に保持された高周波領域の情報とを結合する結合ステップと、 前記結合された高周波領域の情報を前記第2の保持手段に保持する第2の保持ステップと、 前記第2の保持手段に保持された高周波領域の情報を固定する固定ステップとを有し、 前記結合ステップは、前記多値画像データのMライン毎に前記高周波領域の情報を結合し、前記固定ステップにより高周波領域の情報が固定しているか否かに基づいて前記高周波領域の情報を結合することを特徴とする画像処理方法。 (再掲) 2.原査定 原査定の理由を通知した平成17年3月18日付け拒絶理由は、 「平成16年12月28日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 【請求項1】欄の「高周波領域の情報が固定しているか否かに基づいて前記高周波領域の情報を結合する」を追加する補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえない。(【0038】段落の記載は、「fix処理」を行った否かに基づいて統合するものではない)当初明細書の【請求項6】欄、及び【0010】段落の補正についても同様」 というものである。 3.原査定に対する当審の判断 「高周波領域の情報が固定しているか否かに基づいて前記高周波領域の情報を結合する」ことは、当初明細書等の段落【0038】のみならず、明細書の全文、全ての図面においても記載されておらず、また、これを示唆する記載も認められない。 したがって、平成16年12月28日付けでした手続補正は、願書の最初に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。 よって、特許法第17条の2第3項の規定によってなされた拒絶査定に誤りはない。 第4. むすび 以上のとおりであるから、原査定を取り消す、本願は特許すべきであるとの審決を求めるとした審判請求は、これを認めることができない。、 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-10-17 |
結審通知日 | 2007-10-23 |
審決日 | 2007-11-05 |
出願番号 | 特願平8-322715 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(G06F)
P 1 8・ 55- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松尾 俊介 |
特許庁審判長 |
板橋 通孝 |
特許庁審判官 |
加藤 恵一 脇岡 剛 |
発明の名称 | 画像処理方法及び画像処理装置 |
代理人 | 内尾 裕一 |
代理人 | 西山 恵三 |