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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B05C
管理番号 1174925
審判番号 不服2006-26843  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-11-29 
確定日 2008-03-21 
事件の表示 特願2001-293344「基板処理装置および基板処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月 2日出願公開、特開2003- 93943〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯、本願発明
本願は、平成13年9月26日の出願であって、平成18年6月16日付けで拒絶理由が通知され、平成18年8月21日付けで手続補正書が提出されたが、平成18年10月13日付けで拒絶査定がなされ、平成18年11月29日に拒絶査定に対する審判請求がされるともに平成18年12月19日付けで手続補正書が提出され、その後、当審で平成19年9月18日付けで拒絶理由が通知され、平成19年11月21日付けで手続補正書が提出されたものであって、その請求項1?7に係る発明は、平成19年11月21日付けの手続補正書により補正された明細書及び出願当初の図面の記載からみて、その明細書の特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】 露光処理を受けたレジストをその表面に有する、基板に現像液を供給して該レジストに対する現像処理を行った後、該基板上でパターニングされたレジストに向けてリンス液を供給してリンス処理する基板処理装置において、
基板を保持する基板保持ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持された基板に前記現像液を供給する現像液供給ユニットと、
気体を連続的に供給可能な気体供給源から供給される気体の流量と、液体を連続的に供給可能な液体供給源から供給される液体の流量とのうち少なくとも一方の流量を可変対象因子として可変する可変手段を有し、該可変手段による流量調整を行いつつ前記気体と前記液体とを混合させて混合物を調製し、該混合物を前記リンス液としてリンス液供給ノズルから、前記基板保持ユニットに保持された基板上に形成され、しかも現像処理を受けてパターニングされたレジストに向けて吐出するリンス液供給ユニットと、
前記基板表面上のレジストの種類に応じて前記可変手段を制御し、前記可変対象因子を前記レジストの種類に対応する値に設定して前記基板からのパーティクルの除去率を調整する制御手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。」

2.引用文献記載の発明
(1)引用文献
当審の拒絶の理由に引用された特開平11-211907号公報(以下、「引用文献」という。)には、例えば、次の事項が記載されている。

ア.「【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、基板上に塗布された感光性着色顔料レジストに光学マスクを介してパターン露光した後、該感光性着色顔料レジストに高圧微噴射ノズルを用いて現像液を塗布するカラーフィルタの製造方法において、前記現像液を塗布して所定時間放置した後、前記基板を回転させるとともに前記高圧微噴射ノズルを一定の高さで前記基板の端部から少なくとも回転中心を通過する範囲で水平往復移動させ、同時に該高圧微噴射ノズルから前記基板へ純水と気体とを噴霧状に吹き付けることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明に係る製造方法は、前記気体が、窒素又はドライエアーであることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る製造方法は、前記基板から前記高圧微噴射ノズルの吐出口までの高さが、3乃至15cmの範囲であることを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る製造方法は、前記基板と前記高圧微噴射ノズルの軸心との成す角度が、45乃至90°の範囲であることを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る製造方法は、前記純水の圧力が、0.5乃至2kgf/cm2 、前記純水の流量が、70乃至150ml/min、前記気体の圧力が、0.5乃至5kgf/cm2 の範囲であることを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る製造方法は、前記高圧微噴射ノズルの移動速度が、10乃至50mm/秒の範囲で、且つ、前記基板の回転速度が30乃至100rpmの範囲であることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る製造方法は、前記基板が、5インチシリコンウエハであるときに、前記回転時間及び前記高圧微噴射ノズルからの吹き付け時間が、30乃至120秒の範囲であることを特徴とする。
【0014】このカラーフィルタの製造方法では、基板を回転させ、これと同時に、現像時に用いた高圧微噴射ノズルから純水と窒素ガスとを噴霧状に吹き付けながら、高圧微噴射ノズルを水平往復移動させることで、現像後のリンス工程において、一連のプロセスで現像残渣の除去が行える。また、この際、二流体を噴霧状に吹き付けることで、常に新しい液が吹き付けられることになり、現像残渣の除去効率が高まり、除去時間の短縮も可能となる。」

イ.「【0018】一定時間の放置の後、図1(C)に示すように、回転テーブル3の回転を開始し、現像時に用いた高圧微噴射ノズル5から純水及び気体を噴霧状にして、基板1の上面に吹き付ける。高圧微噴射ノズル5は、基板1の回転と同時に、基板1から一定の高さhで、基板1の端部から少なくとも回転中心を通過する範囲で、水平往復移動させて駆動する。高圧微噴射ノズル5の移動は、少なくとも基板1の端部から、回転中心を超える範囲であればよいが、好ましくは回転する基板1の直径端から3/4程度の範囲とする。なお、高圧微噴射ノズル5は、水平軸回りに、揺動自在であることが好ましい。
【0019】高圧微噴射ノズル5から純水と共に噴霧される気体は、不活性要素の大きい窒素、又はドライエアーを用いる。図2に示すように、高圧微噴射ノズル5から吐出される噴霧5aのノズル移動方向aに直交する方向の広がり幅wは、少なくとも回転する基板1の直径より大きくなるように設定してある。
【0020】このようにして、現像液7の塗布後のリンス工程において、二流体を噴霧状にして基板1へ吹き付けることで、現像液7を除去しつつ、レジストや顔料微粒子の除去を行う。
【0021】この際、二流体を吹き付けるための種々の条件のそれぞれには、最適値が存在する。この条件には、主に、基板1から高圧微噴射ノズル5の吐出口までの高さh、基板1と高圧微噴射ノズル軸心との成す角度θ、純水の圧力、純水の流量、気体の圧力、高圧微噴射ノズル5の移動速度、基板1の回転速度、基板1及び高圧微噴射ノズル5の駆動時間等がある。
【0022】これらの条件は、最適値を超えると、現像残渣が除去される一方でパターンが剥がれる。また、最適値に至らないと、現像残渣が十分に除去できない。即ち。高圧微噴射ノズル5の高さhは、高すぎると、二流体の吹き付け圧力が小さくなり、残渣除去の効果が低下する一方、近すぎると感光性着色顔料レジストに対する圧力が強くなり、カラーフィルタのパターンを剥がすことになる。
【0023】高圧微噴射ノズル5の角度θは、小さいと、パターンを剥がし取る可能性が高まり、大きいと、逆テーパになっているパターンの裾の部分にある残渣が除去できなくなる。純水圧・液量・窒素圧は、適正でなく、水主体の噴霧になると、水粒子が的確に現像残渣に衝突しなくなり、除去率が低下する。逆に気体主体の噴霧となっても水粒子が現像残渣に当たらなくなり、除去率が低下する。」

ウ.「【0025】基板1の回転は、遅いと、全体の現像残渣の除去が行き渡らなくなり、早いと取りこぼしが出てくる。基板1の回転時間は、短いと、全体の現像残渣の除去が行き渡らなくなり、長いと、パターン剥がれの原因となる。高圧微噴射ノズル5の広がり幅wは、基板1の回転直径より小さいと、現像ムラの原因となる。
【0026】本実施形態によるカラーフィルタの製造方法では、これらの諸条件値を所定の値とすることで、現像液を除去しつつ、パターン剥がれを防止しながら、レジストや顔料微粒子等からなる現像残渣の除去を十分なものとした。本実施形態では、これらの所定の値を、実際にカラーフィルタを製造することで好適であったものから得ている。
【0027】即ち、基板1から高圧微噴射ノズル5の吐出口までの高さは、3乃至15cmの範囲とした。基板1と高圧微噴射ノズル5の軸心との成す角度は、45乃至90°の範囲とした。純水の圧力は、0.5乃至2kgf/cm2 、純水の流量は、70乃至150ml/min、窒素の圧力は、0.5乃至5kgf/cm2 の範囲とした。高圧微噴射ノズル5の移動速度は、10乃至50mm/秒の範囲で、且つ、基板1の回転速度は、30乃至100rpmの範囲とした。また、基板1が5インチシリコンウエハである場合、上述の高圧微噴射ノズル5の移動速度及び基板1の回転速度の下で、基板1の回転時間及び高圧微噴射ノズル5からの吹き付け時間は、30乃至120秒の範囲とした。
【0028】このように、上述のカラーフィルタの製造方法によれば、感光性着色顔料レジストを用いて固体撮像素子や液晶表示装置のカラーフィルタを形成する際、現像時に用いた高圧微噴射ノズル5を用い、基板1を回転させながら高圧微噴射ノズル5を移動させ、この高圧微噴射ノズル5から純水と窒素ガスとを噴霧状に吹き付けることとしたので、工程を複雑にすることなく現像残渣を良好に除去することができる。そして、二流体を噴霧状に吹き付けるので、常に新しい液を吹き付けることができ、現像残渣の除去効率を高めることができ、その結果、除去時間の短縮も可能にすることができる。
【0029】また、二流体を吹き付けるための諸条件値を、上述した最適範囲とすることで、パターン剥がれを防止しながら、現像残渣の除去効率を最大に引き出すことができる。」

エ.「【0030】
【実施例】以下、本発明に係る製造方法の具体的な実施例を説明する。5インチシリコンウエハ(直径125mm)に、紫外線硬化性の感光性着色顔料レジストを塗布し、レジスト層を形成した後、所定の加熱温度にて、プリベーク処理を行った。次いで、光学マスクを介して紫外線を照射し、レジスト層へパターンを転写した。パターン転写後のウエハを、回転テーブル上に載置固定し、高圧微噴射ノズルにより、現像液を塗布した。
【0031】現像液の塗布後、一定時間放置することにより、レジスト層の現像反応を進ませた。その後、ウエハを80rpmで回転させ、同時に、高圧微噴射ノズルからの噴霧を開始し、高圧微噴射ノズルをウエハ端部からウエハ回転中心方向へ平行に往復移動させた。この際の二流体を吹き付けるための諸条件値は、以下の通りとした。
・回転時間 60sec
・噴霧の広がり幅w 125乃至135mm
・高圧微噴射ノズルの移動速度 25mm/sec
・ノズル高さh 7cm
・ノズル角度θ 70°
・純水圧力 2kgf/cm2
・液量 100ml/min
・窒素圧力 2kgf/cm2
・高圧微噴射ノズルの駆動時間 60sec
【0032】上記の諸条件によりウエハと高圧微噴射ノズルとを駆動させたのち、ウエハと高圧微噴射ノズルとの駆動を停止し、純水ノズルシャワーで洗浄を行って残渣除去工程を完了した。」

オ.「【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係るカラーフィルタの製造方法によれば、感光性着色顔料レジストを用いて固体撮像素子や液晶表示装置のカラーフィルタを形成する際、現像時に用いた高圧微噴射ノズルを用い、基板を回転させながら高圧微噴射ノズルを移動させ、この高圧微噴射ノズルから純水と窒素ガスとを噴霧状に吹き付けることとしたので、工程を複雑にすることなく現像残渣を一連のプロセスによって良好に除去することができる。この結果、カラーフィルタの品質を向上させることができるとともに、カラーフィルタ製造時の歩留りを向上させることができる。」

(2)ここで、上記ア.?オ.の記載及び図面を参酌すると、引用文献には以下の点が記載されていることがわかる。
「基板上に塗布されたレジストをパターン露光した後、現像液7を現像液塗布ノズル9を用いて噴射して基板上のレジストを現像処理している。
現像処理した後のリンス工程において、基板上にパターンを転写されたレジストに向けて純水と気体との二流体を噴霧状に吹き付けて、パターン剥がれを防止しながら、レジストや顔料微粒子等を除去していることから、二流体でリンス処理をしている。
なお、純水は純水供給源から、また、気体は気体供給源からそれぞれ供給されることは当然である。
基板1は、上面にバキューム吸着口を有する回転テーブル3に載置固定されている。
回転テーブル3に載置固定された基板に現像液7を噴射する現像液ノズル9と、純水と気体との二流体を噴霧状に吹き付け、常に新しい液が吹き付けられ、吹き付けに際しては純水圧、液量、窒素圧等の最適値が存在し、水主体の噴霧、気体主体の噴霧となると除去率が低下する。
二流体を高圧微噴射ノズル5から、回転テーブル3に載置固定された基板上に形成され、しかも現像処理を受けてパターン転写されたレジストに向けて吐出する高圧微噴射ノズル5があり、高圧噴射ノズル5は 角度、高さを調整でき、純水圧・液量・窒素圧等を設定して、基板からのレジストや顔料微粒子等の現像残渣の除去を行うカラーフィルタの製造装置。」

(3)引用文献記載の発明
上記2.(1)及び(2)の記載から、引用文献には次の発明が記載されている。
「露光処理を受けたレジストをその表面に有する、基板に現像液を供給して該レジストに対する現像処理を行った後、リンス工程で、該基板上でパターニングされたレジストに向けて気体と純水との二流体を供給してリンス処理するカラーフィルタの製造装置において、
基板を保持する回転テーブルと、
前記回転テーブルに保持された基板に前記現像液を供給する現像液塗布ノズルと、
気体を連続的に供給可能な気体供給源から供給される気体の圧力と、純水を連続的に供給可能な純水供給源から供給される純水の流量、圧力を可変対象因子として、流量調整を行い、前記気体と前記純水との二流体の噴霧を調整し、高圧微噴射ノズルから、前記回転テーブルに保持された基板上に形成され、しかも現像処理を受けてパターニングされたレジストに向けて吐出する高圧微噴射ノズルと、
前記基板表面上のレジストに対して、前記可変対象因子を対応する値に設定して前記基板からの現像残渣の除去率を調整することを備えたカラーフィルタの製造装置。」(以下、「引用文献記載の発明」という。)

3.対比
本願発明と引用文献記載の発明とを対比すると、引用文献記載の発明における「回転テーブル」は、本願発明における「基板保持ユニット」に相当し、同様に引用文献記載の発明における「現像液塗布ノズル」、「気体の圧力、純水の流量、圧力」、「気体」と「純水」、「現像残渣」及び「カラーフィルタの製造装置」は、本願発明における「現像液供給ユニット」、「可変対象因子」、「気体」と「液体」、「パーティクル」及び「基板処理装置」に各々相当する。そして、引用文献記載の発明においては、リンス工程で、基板上でパターニングされたレジストに向けて純水と気体との二流体を供給してリンス処理していることから、引用文献記載の発明における「気体と純水との二流体」は、本願発明における「混合物」又は「リンス液」に相当し、引用文献記載の発明における「高圧微噴射ノズル」は、本願発明における「リンス液供給ノズル」に相当する。
また、引用文献記載の発明における「高圧微噴射ノズル」はレジストに向けて高さ、角度を調整することから、本願発明における「リンス液供給ユニット」に相当するものを有することは明白である。
さらに、引用文献記載の発明における「基板表面上のレジストに対して、可変対象因子を対応する値に設定して基板からの現像残渣の除去率を調整する」と、本願発明における「基板表面上のレジストの種類に応じて可変手段を制御し、可変対象因子をレジストの種類に対応する値に設定して基板からのパーティクルの除去率を調整する制御手段」とは、「基板表面上のレジストに対して、可変対象因子を対応する値に設定して基板からのパーティクルの除去率を調整する」限りにおいて一致するから、
本願発明と引用文献記載の発明とは
「露光処理を受けたレジストをその表面に有する、基板に現像液を供給して該レジストに対する現像処理を行った後、該基板上でパターニングされたレジストに向けてリンス液を供給してリンス処理する基板処理装置において、
基板を保持する基板保持ユニットと、
前記基板保持ユニットに保持された基板に前記現像液を供給する現像液供給ユニットと、
液体を連続的に供給可能な液体供給源から供給される液体の流量を可変対象因子として流量調整を行い前記気体と前記液体とを混合させて混合物を調製し、該混合物を前記リンス液としてリンス液供給ノズルから、前記基板保持ユニットに保持された基板上に形成され、しかも現像処理を受けてパターニングされたレジストに向けて吐出するリンス液供給ユニットと、
基板表面上のレジストに対して、前記可変対象因子を対応する値に設定して前記基板からのパーティクルの除去率を調整すること
を備えた基板処理装置。」
の点で一致しており、次の点で相違する。
(1)本願発明が「気体を連続的に供給可能な気体供給源から供給される気体の流量と、液体を連続的に供給可能な液体供給源から供給される液体の流量とのうち少なくとも一方の流量を可変対象因子として可変する可変手段を有し、該可変手段による流量調整を行いつつ前記気体と前記液体とを混合させて」いるのに対して、引用文献記載の発明は、可変対象因子として純水圧、液量、窒素圧があるものの、可変手段による流量調整を行いつつ気体と液体とを混合させているかどうか明らかではない点(以下、「相違点1」という。)。

(2)本願発明が「基板表面上のレジストの種類に応じて可変手段を制御し、可変対象因子をレジストの種類に対応する値に設定して基板からのパーティクルの除去率を調整する制御手段」を備えているのに対して、引用文献記載の発明においては、上記の点が明確ではない点(以下、「相違点2」という。)。

4.判断
上記相違点1及び相違点2について、検討する。
(1)上記相違点1に関して、液体を連続的に供給可能な液体供給源から供給される液体の流量を可変対象因子として可変する可変手段を有し、該可変手段による流量調整を行いつつ混合させることは周知技術(例えば、特開平9-45654号公報、特開平11-329936号公報参照、以下、「周知技術1」という。)であって、周知技術1を引用文献記載の発明に適用して上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に推考し得るものである。

(2)上記相違点2に関して、基板表面上のレジストの種類に応じて可変手段を制御し、可変対象因子をレジストの種類に対応する値に設定することは周知技術(例えば、特開平3-280527号公報参照、以下、「周知技術2」という。)であって、結果としてパーティクルの除去率を制御しているといえるものであるから、知技術2を引用文献記載の発明に適用して上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に推考し得るものである。

また、本願発明を全体として検討しても、引用文献記載の発明、周知技術1及び周知技術2から予測される以上の格別の効果を奏するとも認めることができない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用文献記載の発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-11 
結審通知日 2008-01-22 
審決日 2008-02-04 
出願番号 特願2001-293344(P2001-293344)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B05C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村山 禎恒土井 伸次青木 良憲  
特許庁審判長 小谷 一郎
特許庁審判官 石井 孝明
深澤 幹朗
発明の名称 基板処理装置および基板処理方法  
代理人 梁瀬 右司  
代理人 振角 正一  

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