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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1175056 |
審判番号 | 不服2004-14564 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-07-12 |
確定日 | 2008-03-17 |
事件の表示 | 特願2000-165124「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成13年12月11日出願公開、特開2001-340512〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成12年6月1日の出願であって、平成16年6月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年7月12日に拒絶査定不服審判が請求され、その後当審において、平成19年10月11日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対し、平成19年12月6日付けで手続補正がなされたものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成19年12月6日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「複数種類の絵柄を施したメインリールを複数列備えたメインリール装置を備え、メダル又は玉等の遊技媒体を投入し、ゲームの開始操作により前記複数列のメインリールをリール絵柄表示窓上で移動を開始させ、制御部の内部抽選により内部入賞の当否を確定し、各々の前記メインリールに対応した停止操作に対して、各々の前記メインリールを、ハズレを含む前記内部抽選の結果に基づいた絵柄の組合せが前記リール絵柄表示窓上に表示されるように制御して停止させ、停止した前記リール絵柄表示窓上の前記絵柄の組合せが入賞の場合は、前記入賞に対応する所定の数の遊技媒体を払出す遊技台であって、 前記内部抽選の結果を表示するサブリール装置を備え、 前記サブリール装置は、複数種類の絵柄が施され、かつ、各々の前記メインリールに対応した数のサブリールを備え、 各々の前記サブリールは、前記開始操作により回転を開始し、前記停止操作が有効となった時に、当該停止操作が有効であることを示す絵柄が表示されるように停止し、 前記停止操作に応じて、当該停止操作に対応する前記サブリールを再び回転させた後自動停止して、前記内部抽選の結果に応じた絵柄を前記サブリールに表示することを特徴とする遊技台。」 2.引用例に記載の発明 当審の拒絶理由に引用された本願の出願の日前である平成12年5月23日に頒布された特開2000-140208号公報(以下「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている。 【0002】 【従来の技術】従来の典型的なスロットマシンは、シンボル可変表示器として、外周面に複数種のシンボルが表された3個のリールを有している。メダル投入口へメダルが投入された後、始動レバーが操作されると、3個のリールが一斉に始動する。リール毎に停止釦スイッチが設けられており、いずれかの停止釦スイッチが押操作されると、対応するリールが個別に停止する。 【0003】全てのリールが停止したとき、入賞ライン上に、所定のシンボルの組み合わせが成立すると、そのゲームは入賞となり、入賞の種類に応じて、予め決められた枚数のメダルがそのゲームの配当として払い出される。入賞ライン上に、特定のシンボルの組み合わせが成立すると、そのゲームは特別入賞となり、遊技者へ付与される特典として、ボーナスゲームを実施する機会が与えられる。 【0004】近年の機種では、ボーナスゲームとして、「レギュラーボーナス」と称されるボーナスゲームと、この「レギュラーボーナス」が複数回(例えば3回)実施できる「ビッグボーナス」と称されるボーナスゲームとが用意されている。遊技者は、これらのボーナスゲームを実施することで、多量のメダルが獲得できる。 【0005】従来のスロットマシンでは、始動レバーの操作があると、機械内部で抽選処理が実行される。遊技者による停止操作があったとき、停止操作のタイミングと抽選結果とに基づいて、入賞ライン上に、所定のシンボルを引き込んでリールを強制的に停止させる、いわゆる引込制御が行われる。この引込制御では、抽選当たりがあったときは、入賞ライン上に、入賞に関わるシンボルが停止するようにリールの停止動作が制御される。一方、抽選当たりがなかったときは、入賞に関わるシンボルが入賞ライン上に停止しないようにリールの停止動作が制御される。抽選当たりのうち、特別入賞に関わる抽選当たり(以下、「特別抽選当たり」という。)のときは、特別入賞が成立するまで、特別抽選当たりの状態が以後のゲームまで持ち越される。特別入賞以外の入賞に関わる抽選当たり(以下、「通常抽選当たり」という。)のときは、そのゲーム限りであり、通常抽選当たりの状態は以後のゲームに持ち越されない。 【0037】前記リールブロック4は、金属フレーム7に3個のリール8a,8b,8cが一体に組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cは、リール枠の外周面に帯状テープを貼設して成る。帯状テープには、特別入賞を成立させる特別入賞シンボル、その他の入賞を成立させる入賞シンボル、入賞に関わらない複数種のシンボルなどが印刷されている。… 【0039】…始動レバー14は3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させるために遊技者により操作される。… 【0046】このスロットマシンでは、メダル投入口16へのメダルの投入またはベット釦スイッチ33,34,35の操作で、いずれかの入賞ラインを有効化させた後、始動レバー14を操作すると、機械内部で抽選処理が行われる。その後、停止釦スイッチ15a,15b,15cが押操作されたとき、抽選当たりであれば、前記内部抽選処理の抽選結果に基づく所定のシンボルが、有効化された入賞ライン上に停止するよう、各リール8a,8b,8cの停止動作が制御される。特に、前記の特別抽選当たりがあると、有効化された入賞ライン上に特別入賞シンボルが停止するよう、各リール8a,8b,8cの停止動作が制御される。 【0047】この実施例では、「ビッグボーナス」および「レギュラーボーナス」に関わる2種類の特別入賞シンボルが設けてあるので、特別抽選当たりも、「ビッグボーナス」のための特別抽選当たり(以下、「BBの特別抽選当たり」という。)と、「レギュラーボーナス」のための特別抽選当たり(以下、「RBの特別抽選当たり」という。)との2種類がある。 【0048】前記抽選処理は、乱数発生器が発生する乱数をサンプリングして、そのサンプリングされた乱数値が所定の範囲内の値であるかどうかを判断することにより、特別入賞シンボルやそれ以外の入賞シンボルについての抽選当たりであるかどうかを決定する。なお、この種の抽選処理は公知であり、ここでは詳細な説明は省略する。 【0057】全リール8a,8b,8cが停止したとき、有効化された入賞ライン上に特別入賞シンボルや通常の入賞シンボルの組み合わせが成立すると、所定枚数のメダルが払い出される。… 【0059】図9は、上記したスロットマシンの電気的な構成を示す。同図中、40はマイクロコンピュータより成る制御部であり、制御、演算の主体であるCPU41、プログラムや固定データが格納されるROM42、データの読み書きに用いられるRAM43の他に、タイマ44や乱数発生器45を含んでいる。 【0092】図16?図18は、前記情報表示部50として、図8に示すように、3個の文字表示器より成る情報表示器51a,51b,51cが用いられた実施例についての制御部40による制御の流れを示す。この実施例では、3個の情報表示器51a,51b,51cに表示された数字の組み合わせにより、特別抽選当たりがあったかどうかを遊技者へ報知するようにしたものであり、各情報表示器51a,51b,51cの変動表示の開始および停止のタイミングを3個のリール8a,8b,8cの始動および停止のタイミングに合わせるように構成してある。 【0093】この実施例では、BBの特別抽選当たりのときは、数字の「7」が3個表示され、RBの特別抽選当たりのときは、「7」以外の同じ数字が3個表示され、それ以外は、異なる任意の数字が3個表示されるように構成している。なお、文字表示器に代えて、リールや液晶表示板を用いて3個の情報表示器51a,51b,51cを構成し、各情報表示器51a,51b,51cにリール8a,8b,8cと同じシンボルを表示するようにしてもよい。そのような構成にすると、例えばBBの特別抽選当たりがあった場合において、たとえ3個のリール8a,8b,8cについて、BBの特別入賞シンボルの組み合わせが成立しなくても、3個の情報表示器51a,51b,51cの方は、BBの特別入賞シンボルの組み合わせが成立することになる。 【0094】図16において、遊技者がメダル投入口16へメダルを投入するか、いずれかのベット釦スイッチ33,34,35を押操作した後、始動レバー14を操作すると、ST1の判定が「YES」であり、つぎのST2で、大当たりフラグFが1にセットされているかどうかがチェックされる。この場合、ST2の判定は「NO」であるから、ST3へ進み、CPU41は乱数発生器44が発生した乱数値をサンプリングすることにより内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理で特別抽選当たりがあると、ST5へ進み、大当たりフラグFがセットされる。 【0095】前記内部抽選処理による抽選結果は、特別抽選当たりがあった否かにかかわらず、遊技者へ報知されるもので、つぎのST6では、情報表示部50の3個の情報表示器51a,51b,51cが一斉に変動表示を開始する。続くST7?9では、情報表示部50に表示させる数字の組み合わせが決定されるもので、もし、大当たりフラグFがセットされていれば、ST7の判定が「YES」であり、BBの特別抽選当たりに対しては、数字「7」が3個並ぶ組み合わせが、RBの特別抽選当たりに対しては、「7」以外の同じ数字が3個並ぶ組み合わせが、それぞれ決定される(ST8)。もし、特別抽選当たりでなければ、異なる任意の数字が3個並ぶ組み合わせが決定される(ST9)。 【0096】かくして、ST10で3個のリール8a,8b,8cが一斉に始動し、遊技者は、いずれかの停止釦スイッチ15a,15b,15cを押操作する。最初の停止操作があると、ST11の判定が「YES」となり、該当するリールが停止し、リール停止数の計数値nが1加算される(ST12,13)。 【0097】つぎのST14,15では前記計数値nをチェックしており、この場合、計数値nは「1」であるから、ST14の判定が「YES」となり、つぎのST16で第1の情報表示器51aが変動表示を停止し、ST8またはST9で決定されえた数字が表示される。 【0098】つぎの停止釦スイッチの操作があると、ST11の判定が「YES」となり、該当するリールが停止し、リール停止数の計数値nが1加算される(ST12,13)。この場合、前記計数値nは「2」であるから、ST14の判定が「NO」、ST15の判定が「YES」となってST17へ進み、第2の情報表示器51bが変動表示を停止し、ST8またはST9で決定された数字が表示される。 【0099】最終の停止釦スイッチの操作があると、ST11の判定が「YES」となり、該当するリールが停止し、リール停止数の計数値nが1加算される(ST12,13)。この場合、前記計数値nは「3」であるから、ST14,15の判定がともに「NO」となってST18へ進み、第3の情報表示器51cが変動表示を停止し、ST8またはST9で決定された数字が表示される。3個のリール8a,8b,8cが停止すると、ST19の判定が「YES」となって図18のST20へ進み、計数値nがゼロにクリヤされた後、入賞ライン上に特別入賞シンボルや通常の入賞シンボルの組み合わせが成立したかどうかが判定される(ST21)。 【0100】ST21の入賞判定の結果、もし入賞が成立しておれば、ST22の判定が「YES」であり、CPU41は、遊技者に対して入賞や特別入賞に応じたメダル枚数の配当を行う(ST23)。そして、特別入賞である場合、ST24の判定が「YES」となってST25へ進み、大当たりフラグをリセットするなどの復帰処理が行われる。 段落0002乃至0005の記載は従来のスロットマシンに関するものであるが、ここに記載されるスロットマシンの基本的事項は、引用例の実施例に開示されるスロットマシンにおいても共通することが明らかであるから、前記摘示の記載を含む引用例の全記載及び図示によれば、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「複数種のシンボルが印刷された帯状テープを貼設した3個のリール8a,8b,8cを備え、 メダル投入口16へのメダルの投入で、いずれかの入賞ラインを有効化させた後、始動レバー14を操作すると、前記3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させ、制御部40で抽選処理が行われ、少なくともビッグボーナス及びレギュラーボーナスを含む抽選当たりを決定し、 停止釦スイッチ15a,15b,15cが押操作されたとき、抽選当たりであれば、前記内部抽選処理の抽選結果に基づく所定のシンボルが、有効化された入賞ライン上に停止するよう、各リール8a,8b,8cの停止動作が制御され、 抽選当たりがなかったときは、入賞に関わるシンボルが入賞ライン上に停止しないようにリールの停止動作が制御され、 全リール8a,8b,8cが停止したとき、有効化された入賞ライン上に特別入賞シンボルや通常の入賞シンボルの組み合わせが成立すると、所定枚数のメダルが払い出されるスロットマシンにおいて、 特別抽選当たりがあったかどうかを遊技者へ報知するリールを用いて構成される3個の情報表示器51a,51b,51cを備え、 前記3個の情報表示器51a,51b,51cは、前記3個のリール8a,8b,8cと同じシンボルを表示したリールを備え、 遊技者が始動レバー14を操作すると、前記3個の情報表示器51a,51b,51cが一斉に変動表示を開始し、 最初の停止操作があると、該当するリールが停止すると共に、第1の情報表示器51aが変動表示を停止し、つぎの停止釦スイッチの操作があると、該当するリールが停止すると共に、第2の情報表示器51bが変動表示を停止し、最終の停止釦スイッチの操作があると、該当するリールが停止すると共に、第3の情報表示器51cが変動表示を停止し、 例えば、ビッグボーナスの特別抽選当たりがあった場合において、たとえ3個のリール8a,8b,8cについて、BBの特別入賞シンボルの組み合わせが成立しなくても、3個の情報表示器51a,51b,51cの方は、ビッグボーナスの特別入賞シンボルの組み合わせが成立することになり、内部抽選処理による抽選結果に関わる情報を遊技者に報知するように構成されたスロットマシン。」 3.対比・判断 本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「複数種のシンボルが印刷された帯状テープを貼設した3個のリール8a,8b,8cを備え、」は本願発明の「複数種類の絵柄を施したメインリールを複数列備えたメインリール装置を備え、」に対応し、以下同様に、 「メダル投入口16へのメダルの投入で、いずれかの入賞ラインを有効化させた後、始動レバー14を操作すると、3個のリール8a,8b,8cを一斉に始動させ、」は「メダルまたは玉等の遊技媒体を投入し、ゲームの開始操作により前記複数列のメインリールをリール絵柄表示窓上で移動を開始させ、」に、 「制御部40で抽選処理が行われ、少なくともビッグボーナス及びレギュラーボーナスを含む抽選当たりを決定し、」は「制御部の内部抽選により複数種類の入賞役の内部入賞の当否を確定し、」に、 「停止釦スイッチ15a,15b,15cが押操作されたとき、抽選当たりであれば、内部抽選処理の抽選結果に基づく所定のシンボルが、有効化された入賞ライン上に停止するよう、各リール8a,8b,8cの停止動作が制御され、抽選当たりがなかったときは、入賞に関わるシンボルが入賞ライン上に停止しないようにリールの停止動作が制御され、」は「各々のメインリールに対応した停止操作に対して、各々の前記メインリールを、ハズレを含む内部抽選の結果に基づいた絵柄の組合せが前記リール絵柄表示窓上に表示されるように制御して停止させ、」に、 「全リール8a,8b,8cが停止したとき、有効化された入賞ライン上に特別入賞シンボルや通常の入賞シンボルの組み合わせが成立すると、所定枚数のメダルが払い出される」は「停止したリール絵柄表示窓上の絵柄の組合せが入賞であると判断された場合は、入賞に対応する所定の数の遊技媒体を払出す」に、 「スロットマシン」は「遊技台」に、 「特別抽選当たりがあったかどうかを遊技者へ報知するリールを用いて構成される3個の情報表示器51a,51b,51cを備え、」は「内部抽選の結果を表示するサブリール装置を備え、」に、 「3個の情報表示器51a,51b,51cは、3個のリール8a,8b,8cと同じシンボルを表示したリールを備え、」は「サブリール装置は、複数種類の絵柄が施され、かつ、各々のメインリールに対応した数のサブリールを備え、」に、 「遊技者が始動レバー14を操作すると、3個の情報表示器51a,51b,51cが一斉に変動表示を開始し、」は「各々のサブリールは、開始操作により回転を開始し、」に対応すると共に、以下のことがいえる。 引用発明の「最初の停止操作があると、該当するリールが停止すると共に、第1の情報表示器51aが変動表示を停止し、つぎの停止釦スイッチの操作があると、該当するリールが停止すると共に、第2の情報表示器51bが変動表示を停止し、最終の停止釦スイッチの操作があると、該当するリールが停止すると共に、第3の情報表示器51cが変動表示を停止」する構成は、「停止操作に応じて、当該停止操作に対応するサブリールを停止して」ということができ、 また、引用発明の「例えば、ビッグボーナスの特別抽選当たりがあった場合において、たとえ3個のリール8a,8b,8cについて、BBの特別入賞シンボルの組み合わせが成立しなくても、3個の情報表示器51a,51b,51cの方は、ビッグボーナスの特別入賞シンボルの組み合わせが成立することになり、内部抽選処理による抽選結果に関わる情報を遊技者に報知する」構成は、「内部抽選の結果に応じた絵柄をサブリールに表示する」ということができるから、引用発明は、「停止操作に応じて、サブリールを停止して、内部抽選の結果に応じた絵柄をサブリールに表示する」構成を備えるものである。 以上を勘案すると、両者は、「複数種類の絵柄を施したメインリールを複数列備えたメインリール装置を備え、メダル又は玉等の遊技媒体を投入し、ゲームの開始操作により前記複数列のメインリールをリール絵柄表示窓上で移動を開始させ、制御部の内部抽選により内部入賞の当否を確定し、各々の前記メインリールに対応した停止操作に対して、各々の前記メインリールを、ハズレを含む前記内部抽選の結果に基づいた絵柄の組合せが前記リール絵柄表示窓上に表示されるように制御して停止させ、停止した前記リール絵柄表示窓上の前記絵柄の組合せが入賞の場合は、前記入賞に対応する所定の数の遊技媒体を払出す遊技台であって、 前記内部抽選の結果を表示するサブリール装置を備え、 前記サブリール装置は、複数種類の絵柄が施され、かつ、各々の前記メインリールに対応した数のサブリールを備え、 各々の前記サブリールは、前記開始操作により回転を開始し、 前記停止操作に応じて、当該停止操作に対応する前記サブリールを停止して、前記内部抽選の結果に応じた絵柄を前記サブリールに表示する遊技台。」で一致し、 本願発明は、(各々のサブリールは、各々のメインリールに対応した)停止操作が有効となった時に、当該停止操作が有効であることを示す絵柄が表示されるように停止し、停止操作に応じて、当該停止操作に対応するサブリールを再び回転させた後自動停止するのに対して、引用発明は、そのような構成を有していない点で相違する。 次に、上記相違点について検討する。 スロットマシンにおいて、リールを駆動するモータの回転速度が一定速度になった後、かつモータが回転開始してから所定時間が経過した後に停止操作手段の停止操作を有効化させること、さらには、停止操作が有効となった時に、当該停止操作が有効であることを報知することは、技術常識(必要ならば、当審の拒絶理由で示した特開平6-312043号公報の段落0016,0061等を参照のこと。)である。 ところで、一般的に、情報を報知するに際して、専用の表示装置とするか兼用の表示装置とするかは、適宜選択されている事項であって、スロットマシンにおいても、リールに複数の情報を兼用して報知させることは、周知技術(例えば、特開2000-42171号公報の段落0045,0047、特開平7-68027号公報の段落0037-0039,0049,図5、又は、特開平7-51431号公報の段落0005等を参照のこと。)であるから、そのような技術常識及び周知技術を参酌すると、引用発明においても、メインリールの停止操作が有効となった時に、当該停止操作が有効であることを、そもそも報知目的で設けられたサブリールにおいて報知することは、当業者が容易に想到できることである。 そして、そのようなリールを用いた報知をするに際して、表面の図柄を利用すること(例えば、上記した周知例;特開2000-42171号公報又は特開平7-51431号公報等を参照のこと。)、さらには、適当なタイミングで回転を開始及び停止させること(例えば、上記した周知例;特開2000-42171号公報又は特開平7-68027号公報等を参照のこと。)は、周知技術であるとともに、リールの構造的特徴を考慮すれば必然的なことであり、本願発明のように回転及び停止制御することも、当業者がサブリールを用いた報知を具体化するに際して設計的に成し得る程度のことである。 以上のとおりであるから、引用発明に該相違点のような構成を備えさせることは、当業者が容易に想到できることである。 作用効果について;本願発明の作用効果も、引用発明及び技術常識並びに周知技術から当業者が予測できる域を超えるものではない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び技術常識並びに周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-01-21 |
結審通知日 | 2008-01-25 |
審決日 | 2008-02-05 |
出願番号 | 特願2000-165124(P2000-165124) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 瀬津 太朗 |
特許庁審判長 |
伊藤 陽 |
特許庁審判官 |
土屋 保光 小林 俊久 |
発明の名称 | 遊技台 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 大塚 康徳 |