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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1175145
審判番号 不服2006-6303  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-04-05 
確定日 2008-03-19 
事件の表示 特願2001-382188「電子部品供給方法及び電子部品収納体セット」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 7月 4日出願公開、特開2003-188583〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年12月14日の出願であって、平成17年11月24日付で拒絶の理由が通知され、平成18年2月1日付で手続補正がなされ、同年2月28日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?10に係る発明は平成18年2月1日付で補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項7に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「複数の電子部品が整列されて収納されており、かつ該電子部品が順に取り出される第1,第2の電子部品収納体を備え、
前記第1の電子部品収納体に、特性がA±γの範囲の複数の電子部品が収納されており、第2の電子部品収納体に、特性がB±γの範囲にはいる電子部品が収納されており、
第1の電子部品収納体の始端及び終端のそれぞれに収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端及び終端のそれぞれに収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下である、
電子部品収納体セット。」

3.原査定の理由の概要
原審の拒絶査定の理由の概要は、次のとおりのものである。
本願の請求項1?10に係る発明は、その出願前頒布された下記刊行物1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特開昭59-147497号公報

4.引用刊行物とその記載事項
原審の拒絶査定に引用された刊行物1には、次の事項が記載されている。
(1)刊行物1
(1a)「順次並べられた半導体部品のn番目から(n+N-1)番目までの連続したN個の各々の特性が所定の特性偏差値内にあり、且つ(n+1)番目から(n+N)番目までの連続したN個の各々の特性も上記特性偏差値内にあるようにテーピングされた半導体部品のテーピング体。」(特許請求の範囲)
(1b)「同一のチューナに用いられるN個のバリキヤツプにおいてそのC-V特性が、できるだけ均一であることが望まれ、その特性のバラツキの範囲は、一定の範囲内に即ちその特性が所定の偏差値内にあることが要求される。」(第1頁左欄第19行?右欄第4行)
(1c)「このようなテーピング体(4)は、例えば1本のテープ体(4)に2400個の部品が配列されるものであり、このテープ体(4)が第2図に示すようにリール(5)上に巻き込まれているもので、回路ないし機器の組立に当つてこのリール(5)からテープ体(4)を繰り出しテープ体(4)上の半導体部品(3)をその配列順にその包装部から順次取り出して所定部にマウントして、各種回路或いは機器、例えばチューナを組み立てるものである。」(第2頁左上欄第13行?右上欄第2行)
(1d)「この場合において、本発明においては、テーピング体の隣り合うN個に関して、前述した2.5?3.0%の容量偏差値内にその特性を有する各バリキヤプ(3)(審決注:「バリキヤプ」は「バリキヤツプ」の誤記と認める。)を配列するものであるが、これら配列されたいずれの個所においても隣り合うN個を抽出した場合、夫々が2.5?3.0%の容量偏差値内に入るように選定する。即ち、今任意のn番目から、例えば、第4図において右方向に順次配列された半導体部品(3)について見るに、今1キツトでN個(この例では4個)が用いられる場合、n番目の部品を含んでN個、言い換えればn+N-1番目までの連続した部品が所定の特性偏差値、例えば、可変容量素子において、前述した2.5?3.0%の容量偏差値内にあるような特性を有するものから選らばれた部品を配列すると共に、更にこのn+N-1番目と隣り合う次の部品、言い換えれば(n+N-1)+1=n+N番目の部品とに関しても、前述した所定の偏差値内、即ち2.5?3.0%の容量偏差値内にその特性を有する部品を配列する。すなわち、これら配列された部品(3)の隣り合ういずれのN個をとつても相互にその特性が所定の偏差値内にあるように各部品を選んで配列する。」(第3頁左上欄第4行?右上欄第5行)
(1e)「更にこのテープ体(4)は、前述したようにこれが所定の長さ分、例えば、2400個の部品に関して1つのリール上に巻き込まれているものであるが、この場合、順次これら部品が使われる回路、或いは機器を複数のキツトを組み立てて行く場合に用いられる複数のリールに関してその末端の部品(3)と次に用いられるリールの始端の部品とが同様に前述した所定の偏差値内に存するようになされる。」(第3頁右上欄第6行?第13行)

5.当審の判断
(1)引用発明
刊行物1の(1a)には、「順次並べられた半導体部品のn番目から(n+N-1)番目までの連続したN個の各々の特性が所定の特性偏差値内にあり、且つ(n+1)番目から(n+N)番目までの連続したN個の各々の特性も上記特性偏差値内にあるようにテーピングされた半導体部品のテーピング体。」と記載され、「複数の半導体部品がテーピングされるテーピング体を備え、前記テーピング体のうちの連続したN個に、特性が所定の偏差値内の複数の半導体部品がテーピングされているテーピング体」が記載されているといえる。そして、テーピング体に関し、(1c)の記載によれば、半導体部品が順次取り出されるものであり、また、(1e)の記載によれば、リールに巻き込まれているものであって、「複数のリールに関してその末端の部品(3)と次に用いられるリールの始端の部品とが同様に前述した所定の偏差値内に存するようになされる」ものであるから、複数のテーピング体が存在し、それぞれのテーピング体のうちの連続したN個に、特性が所定の偏差値内の複数の半導体部品がテーピングされ、かつ、第1のテーピング体の末端の半導体部品と、第2のテーピング体の始端の半導体部品との特性が所定の偏差値内であるといえる。

上記記載及び認定事項を本願発明の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次のとおりの発明が記載されているといえる。

「複数の半導体部品が順次並べられてテーピングされ、かつ該半導体部品が順次取り出される第1,第2のテーピング体を備え、
前記第1のテーピング体のうちの連続したN個に、特性が所定の偏差値内の複数の半導体部品がテーピングされており、第2のテーピング体のうちの連続したN個に、特性が所定の偏差値内の半導体部品がテーピングされており、
第1のテーピング体の末端の半導体部品と、第2のテーピング体の始端の半導体部品との特性が所定の偏差値内である、
複数のテーピング体。」(以下、「引用発明」という。)

(2)本願発明と引用発明との対比
まず、引用発明の「半導体部品」「順次並べられ」「テーピング」「テーピング体」及び「複数のテーピング体」は、それぞれ、本願発明の「電子部品」「整列され」「収納」「電子部品収納体」及び「電子部品収納体セット」に相当する。そして、引用発明における「特性が所定の偏差値内」とは、(1b)の記載によれば、特性のバラツキの範囲が許容される一定の数値の範囲内に入っていることをいうものであるから、本願発明における特性のバラツキの範囲を2γ、それぞれの電子部品収納体の中心特性をA,Bとすると、本願発明における「特性がA±γの範囲の」「特性がB±γの範囲にはいる」及び「特性差が2γ以下である」に相当するといえる。さらに、引用発明における「第1のテーピング体の末端の半導体部品と、第2のテーピング体の始端の半導体部品との特性が所定の偏差値内である」とは、本願発明における「第1の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下であること」に相当するものである。

そうすると、本願発明と引用発明は、
「複数の電子部品が整列されて収納されており、かつ該電子部品が順に取り出される第1,第2の電子部品収納体を備え、
前記第1の電子部品収納体のうちの連続したN個に、特性がA±γの範囲の複数の電子部品が収納されており、第2の電子部品収納体の連続したN個に、特性がB±γの範囲にはいる電子部品が収納されており、
第1の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下である、
電子部品収納体セット。」
である点で一致し、次の点で相違する。

相違点イ:特性がA(またはB)±γの範囲にはいる電子部品が、本願発明では、電子部品収納体の全体に収納されているのに対し、引用発明では、電子部品収納体のうちの連続したN個には収納されているものの、電子部品収納体の全体に収納されているかについては、不明である点

相違点ロ:本願発明では、第1の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下であることに加え、第1の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差についても2γ以下であるのに対し、引用発明では、第1の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下であるものの、第1の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差が2γ以下であるかについては、不明である点

(3)相違点についての判断

(3-1)相違点イについて
刊行物1には、(1d)によれば、n番目の部品を含むN個の連続した部品について、電子部品収納体の全体に渡り常にその特性が所定の偏差値内に収まるようにすることが記載されており、また一般に、電子部品収納体に収納されている全ての電子部品の特性のばらつきを所定の範囲におさえることが、好ましいのは明らかであるから、引用発明においても、特性がA(またはB)±γの範囲にはいる電子部品を収納する範囲を、連続したN個に限ることなく、電子部品収納体の全体とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(3-2)相違点ロについて
刊行物1には、(1e)によれば、第1のテーピング体の末端の部品と、第2のテーピング体の始端の部品との特性差が所定の偏差値内であること、すなわち、第1の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差を2γ以下とすることが記載されているから、二つの電子部品収納体を交互に連続して使用する場合に、どちらの電子部品収納体を先に用いても所定の偏差値内の特性を有する部品を連続して取り出すことを可能とするために、引用発明においても、第1の電子部品収納体の始端に収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の終端に収納された少なくとも1つの電子部品との特性差についても2γ以下とすること、すなわち、第1の電子部品収納体の始端及び終端のそれぞれに収納された少なくとも1つの電子部品と、第2の電子部品収納体の始端及び終端のそれぞれに収納された少なくとも1つの電子部品との特性差を2γ以下とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(4)小括
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきでものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-09 
結審通知日 2008-01-15 
審決日 2008-01-28 
出願番号 特願2001-382188(P2001-382188)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 奥村 一正  
特許庁審判長 山田 靖
特許庁審判官 近野 光知
坂本 薫昭
発明の名称 電子部品供給方法及び電子部品収納体セット  
代理人 宮▲崎▼主税  
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