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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20051439 | 審決 | 特許 |
不服200515647 | 審決 | 特許 |
不服200414570 | 審決 | 特許 |
不服20051648 | 審決 | 特許 |
不服200513231 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B |
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管理番号 | 1175212 |
審判番号 | 不服2005-5716 |
総通号数 | 101 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-04-01 |
確定日 | 2008-03-26 |
事件の表示 | 特願2002- 62618「著作権情報が書込まれた書込み媒体、書込み装置及びその書込み方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年12月13日出願公開、特開2002-358765〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本件審判の請求に係る特許出願(以下「本願」という。)は、平成14年3月7日(パリ条約による優先権主張2001年3月8日、韓国)に特許出願されたものであって、平成16年12月14日付けで拒絶査定がなされたところ、平成17年4月1日付けで拒絶査定不服の審判請求がなされたものである。そして、本願の発明は、平成16年11月8日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1、6に係る発明は次のとおりのものである。 「【請求項1】 少なくとも一つのオリジナルコンテンツに基づいて製作されたリメークコンテンツと、 前記オリジナルコンテンツに対するオリジナル著作権情報と、 前記リメークコンテンツを用いるための権限を示すリメーク著作権情報とを含むことを特徴とする書込み媒体。 【請求項6】 前記リメークコンテンツは、オーディオデータが収容された少なくとも一つのオーディオパケットに書込まれ、 前記オリジナル著作権情報及び前記リメーク著作権情報は前記リメークコンテンツに対するヘッダ情報を含むプライベートヘッダに書込まれることを特徴とする請求項1に記載の書込み媒体。(以下「本願発明」という。)」 2.刊行物及びその記載 原査定の拒絶の理由で引用された刊行物である特開平8-227434号公報(以下「刊行物1」という。)には、著作物管理装置及びその著作物管理方法について、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (1) 「【0034】この装置は、再生媒体(1)から再生した既存のディジタル著作物又は、創作したディジタル著作物を入力ソースとし、これに改変を加えて新たな著作物を制作し、記録媒体(13)に記録する。また、入力ソースに改変を加えず、複製を制作し、記録媒体(13)に記録することも可能である。 【0035】再生媒体(1)から再生されるデータと記録媒体(13)に記録されるデータは、図2に示すように著作物データの単位ごとに著作権情報を示す著作権ヘッダが、存在するものとする。この著作物データの単位とは、例えば、静止画像の場合は1画面ごと、動画像の場合も1枚画面毎、音楽の場合は1小節毎等の小さな単位毎に記録する。」 (2)「【0042】このとき、出力データストリームは、図2に示すように、著作物データ中に、この著作物に関する著作権情報をもつ著作権ヘッダが記録される。この階層的構造を持つ著作権情報について説明する。著作権情報の階層図を図3に示す。図3の最下位階層にオリジナル階層があり、その上位に一次、二次、・・・・・、n次、・・・、最終階層が存在する。 【0043】オリジナル階層には、この著作物が創作された時点の著作権情報が記録され、その後の改変、複製を行なった時点の著作物の著作権情報が上位階層に順次記録される。この階層化された著作権情報により、改変された回数、複製された回数等が分かる。 【0044】また、各著作権情報の内容は、著作者の氏名、著作物の名称、著作権有効期限、著作年月日、著作者の生年月日、複製の是非のデータ、複製の対価のデータ、、種々の改変の是非のデータ、種々の改変の対価のデータ等が、考えられる。また、著作権を集中管理する集中管理団体が、識別コードを付与している場合は、この団体コード、著作者識別コード、著作物識別コードをも著作権情報としてもよい。」 上記摘示事項を、図面とともに総合整理すると、刊行物1には以下の発明が記載されているものと認める。 「既存の著作物に改変を加えて製作された新たな著作物と 、 著作物には創作された時点の著作権情報に加えて、 改変を行った時点の著作物の著作権情報を記録する記録媒体であり、 各著作権情報には複製の是非のデータが含まれ、 著作物データが音楽の場合は1小節毎等の単位毎に、著作権情報を示す著作権ヘッダを記録する記録媒体。」(以下「刊行物1発明」という。) また、同じく、原査定の拒絶の理由で引用された刊行物である特開2000-3561号公報(以下「刊行物2」という。)は、オーディオディスクに関するものであって、具体的に、図面とともに以下の記載がある。 (3)「【0077】リニアPCMのAパックは2048バイト以下で構成され、その内訳は図33に示すように14バイトのパックヘッダとAパケットにより構成されている。Aパケットは17、9又は14バイトのパケットヘッダと、図34に詳しく示すプライベートヘッダと、1ないし2011バイトのオーディオPCMデータにより構成されている。 【0078】プライベートヘッダは、図34に示すように ・8ビットのサブストリームIDと、 ・3ビットの保留領域と、 ・5ビットのUPC/EAN-ISRC(ユニバーサル・プロダクト・コード:Universal Product Code/ヨーロピアン・アーティクル・ナンバー・インターナショナル・スタンダード・レコーディング・コード:European Article Number-International Standard Recording Code)番号と、 ・8ビットのUPC/EAN-ISRCデータと、 ・8ビットのプライベートヘッダ長と、 ・16ビットの第1アクセスユニットポインタと、 ・8バイトのオーディオデータインフォメーション(ADI)と ・0?8バイトのスタッフィングバイトにより構成されている。」 3.本願発明と刊行物1発明との対比・判断 a.刊行物1発明の「既存のディジタル著作物に改変を加えて製作された新たな著作物」は、本願発明の「少なくとも一つのオリジナルコンテンツに基づいて製作されたリメークコンテンツ」に相当する。 b.刊行物1発明の「著作物には創作された時点の著作権情報」は、本願発明の「オリジナルコンテンツに対するオリジナル著作権情報」に相当する。 c.刊行物1発明の「改変を行った時点の著作物の著作権情報」には「複製の是非のデータが含まれ」るから、本願発明の「リメークコンテンツを用いるための権限情報を示すリメーク著作権情報」に相当する。 したがって、本願発明と刊行物1発明との〔一致点〕及び〔相違点〕は以下のとおりである。 〔一致点〕 「 少なくとも一つのオリジナルコンテンツに基づいて製作されたリメークコンテンツと、 前記オリジナルコンテンツに対するオリジナル著作権情報と、 前記リメークコンテンツに関するリメーク著作権情報とを含む書込み媒体。」の点。 〔相違点〕 本願発明では「リメークコンテンツは、オーディオデータが収容された少なくとも一つのオーディオパケットに書込まれ、前記オリジナル著作権情報及び前記リメーク著作権情報は前記リメークコンテンツに対するヘッダ情報を含むプライベートヘッダに書込まれる」とするのに対して、刊行物1発明には、この点について開示がない点。 4.当審の判断 上記相違点について検討する。 刊行物2には、上記(3)の摘示記載及び対応する特に第33図を参酌すると、オーディオディスクに、オーディデータ(リニアPCM)を格納する際に、オーディデータ(リニアPCM)を格納したリニアPCMのパケットに対応するプライベートヘッダに著作権情報であるISRC番号を格納することが記載されている。 そして、刊行物1発明とは、著作権情報を含むデジタルデータを記録媒体に記録する際の技術で共通するものであり、さらに、音楽データを記録媒体に書込む事においても共通する。してみると、刊行物1発明においても、オーディオデータを記録媒体に書込む際のフォーマットとして、オーディオデータを格納したオーディオパケットに対応するプライベートヘッダに著作権情報を書き込む構成を採用して、オリジナル著作権情報及び前記リメーク著作権情報をオーディデータが収容されたオーディパケットの対応するプライベートヘッダに書込むようにすることは当業者が容易に想到し得るものである。 以上のとおりであるから、上記相違点についての判断を総合しても、本願発明の奏する作用効果は刊行物1から当業者が十分予想可能なものであって格別のものとは言えない。 よって、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2に記載された発明から当業者が容易に想到できるものである。 5.むすび 以上のとおりであるから、本願請求項6に係る発明は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-10-24 |
結審通知日 | 2007-10-30 |
審決日 | 2007-11-12 |
出願番号 | 特願2002-62618(P2002-62618) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G11B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田付 徳雄 |
特許庁審判長 |
江畠 博 |
特許庁審判官 |
小松 正 漆原 孝治 |
発明の名称 | 著作権情報が書込まれた書込み媒体、書込み装置及びその書込み方法 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 実広 信哉 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |