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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05K
管理番号 1175656
審判番号 不服2005-14512  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-07-28 
確定日 2008-04-04 
事件の表示 特願2000-130243「電子部品装着装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年11月9日出願公開、特開2001-313500〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年4月28日の出願であって、平成17年6月23日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年7月28日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同年8月29日付けで手続補正書が提出され、この手続補正書による補正は、平成19年11月9日付けで当審において補正の却下がされ、同日付けで当審より拒絶の理由が通知され、平成20年1月11日に意見書が提出されたものである。

2.本願発明
平成17年8月29日付け手続補正書による補正は、却下されたから、本願に係る発明は、平成17年6月6日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2(平成17年6月6日付け手続補正書による補正により特許請求の範囲は補正されていないから、出願当初明細書の特許請求の範囲請求項1及び2)に記載されたとおりのものである。そのうちの請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「電子部品を認識カメラで撮像し、その撮像結果に基づき認識処理部で認識処理してプリント基板に装着する電子部品装着装置において、前記認識処理部で認識処理する箇所をグループ分けすると共にそのグループ毎にその認識結果の用途を書換え可能に記憶するメモリと、該メモリに記憶された内容に基づき前記認識処理部で認識処理した結果の用途を実行させる制御部とから成る電子部品装着装置。」

3.当審拒絶理由の概要
当審より通知された拒絶の理由の概要は、次のとおりのものである。

本願請求項1及び2に係る発明は、その出願前頒布された下記刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物1:特開平11-274799号公報
刊行物2:特開昭63-289945号公報

4.引用刊行物とその記載事項
当審より通知された拒絶の理由で引用された刊行物1及び2には、それぞれ、次の事項が記載されている。

(1)刊行物1:特開平11-274799号公報
(1a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装着ヘッドに保持された電子部品を、該装着ヘッドとプリント基板を載置するテーブルとを相対移動駆動手段に駆動された相対移動により位置決めされたプリント基板の所望の位置に装着する電子部品自動装着装置に関する。」

(1b)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術では、装置の温度が変化した場合にはその補正をしてもその補正量はまったく役立たないものとなってしまう。また、単に温度の変化を検出して記憶された格子を構成する各点のずれ量を一律に変化させたとしても、例えば、各位置のずれ量に一定の比率を掛けるような計算をして補正したとしても、装置の精度にかかわる構造と合致したものでなければ、実際と合致しないものとなってしまう。
【0004】そこで本発明は、温度変化があっても装着ヘッドの移動位置にかかわらず電子部品の装着位置精度を確保することを目的とする。」

(1c)「【0014】次に、電子部品装着装置1の制御関連について図1に基づき説明する。電子部品装着装置1の運転の制御はCPU22によりROM23に格納されたプログラムに従って、記憶手段としてのRAM24に記憶された各種データに基づき行われる。
【0015】上記CPU22等はバスライン25に接続され、該バスライン25にはさらに前記X動モータ16を駆動する駆動回路27及び前記Y動モータ16を駆動する駆動回路28が接続されている。
【0016】該バスライン25にはまた、前記基板認識カメラ18及び部品認識カメラ29が接続されている。部品認識カメラ29は図2に示すように基台2上に設けられ、部品供給装置4から吸着ノズル6が吸着した電子部品の位置ずれを認識するものである。
【0017】上述のような電子部品装着装置1では装着ヘッド5の移動位置はCPU22の指令した位置からずれることがあり、そのずれ量も装着ヘッド5の位置によって、またその周囲の温度によって変化するものである。
【0018】従って、ずれ量の補正を行う必要があり、このためRAM24には図4に示すように装着ヘッド5の水平平面内の位置ごとに検出したずれ量のデータが測定温度毎に作成されたずれ量データテーブルが記憶されている。このデータテーブルはX1、X2が吸着ノズル6のX座標位置を示し、Y1、Y2が吸着ノズル6のY座標位置を示す。即ち、吸着ノズル6の指令された座標位置が例えば(X1,Y1)である場合、X方向にΔX1、Y方向にΔY1だけずれて移動することを示しており、この分補正して指令を出すことになる。」

(1d)「【0026】以下、通常の生産運転の動作について説明する。
【0027】先ず、電子部品を装着すべきプリント基板8をコンベア7が上流装置より搬送して、所定の位置に位置決めして固定する。
【0028】次に、装着ヘッド5が移動して、基板認識カメラ18が基板8上の基板位置決めマークを認識して基板8の原点位置及び水平面内での(θ方向の)回転ずれが検出され、基板8の位置が把握される。
【0029】次に、CPU22は前記RAM24に記憶されている図7に示す装着データをステップの順に読み出し、プリント基板8の指定の座標位置に指定の電子部品を装着するよう制御する。
【0030】即ち、指定の電子部品を供給する部品供給装置4に装着ヘッド5が移動して吸着ノズル6が図示しない昇降機構により下降し指定の電子部品を吸着して、部品認識カメラ29の上空に移動して、吸着ノズル6に対する電子部品の位置ずれが認識される。
【0031】次に、図7の装着データに基づき、指示されている装着座標の位置に当該部品を装着するように部品認識カメラ29で認識された位置ずれに基板認識カメラ18で認識された基板8のずれに選択手段としてのCPU22が選択した熱電対が示す温度に一番近い温度のずれ量データテーブルのずれ量データに基づき、指令すべき移動量を算出して、制御手段としてのCPU22は駆動回路27、28に指令を出し、装着ヘッド5の移動が行われる。この間に、指定のθ方向の角度位置になるように図示しない回動機構により吸着ノズル6が回転位置決めされる。」

(2)刊行物2:特開昭63-289945号公報
(2a)「電子部品を撮像する撮像手段と、上記撮像手段より得られる映像信号をデジタル化する手段と、上記デジタル化した映像信号を記憶する画像パターン記憶手段と、上記画像パターン記憶手段より画像パターンの特徴位置を検出する手段と、上記特徴位置より電子部品のリード先端位置、リード長さ及びリード方向を検出する手段と、上記リード先端位置、リード長さをリード方向に応じて格納するリード先端位置、リード長さ記憶手段と、上記リード方向別に格納したリード先端位置よりリード間隔とリード本数を検出する手段と、リード方向別に検出したリード長さ、リード本数及びリード間隔をあらかじめリード方向に応じて与えられている標準値と比較し良否判定を行う手段とを有し、リード長さ、リード本数及びリード間隔をリードの方向ごとにグループ化して検査することを特徴とする電子部品検査装置。」(特許請求の範囲)

(2b)「発明が解決しようとする問題点
しかしながら、上記のような構成では4辺にリードを有するIC部品のリード長さ、リード本数、リード間隔が各辺ごとに異なる第5図に示すようなIC部品50に対して正しく検査することができなかった。
本発明は上記従来の問題を解消し、各辺ごとにリード長さ、リード本数、リード間隔が異なる電子部品に対しても正しく検査できる電子部品検査装置を提供することを目的とする。」(第1頁右下欄下から第6行?第2頁左上欄第4行)

(2c)「作 用
本発明は上記構成を有するので、4辺にリードを有するIC部品のリード長さ、リード本数、リード間隔が各辺ごとに異なるものであっても、リードの根元部の位置とリードの先端部の位置とを検出することによってリード長さとリード方向とを算出し、上記リード方向によって検出したリード先端位置およびリード長さを分類し、上記リード先端位置より算出できるリード間隔、リード本数および既に分類されたリード長さを、リード方向別に用意されている標準値と比較し良否判定を行うことによって電子部品の検査を行うことができる。」(第2頁右上欄第3?15行)

5.当審の判断
(1)引用発明
当審より通知された拒絶の理由で引用された刊行物1の上記(1b)には、
「本発明は、装着ヘッドに保持された電子部品を、該装着ヘッドとプリント基板を載置するテーブルとを相対移動駆動手段に駆動された相対移動により位置決めされたプリント基板の所望の位置に装着する電子部品自動装着装置に関する。」と記載されているように、電子部品装着装置について記載されており、(1d)の「プリント基板8の指定の座標位置に指定の電子部品を装着するよう制御する。・・・指定の電子部品を供給する部品供給装置4に装着ヘッド5が移動して吸着ノズル6が・・・指定の電子部品を吸着して、部品認識カメラ29の上空に移動して、吸着ノズル6に対する電子部品の位置ずれが認識される。・・・指示されている装着座標の位置に当該部品を装着するように部品認識カメラ29で認識された位置ずれに基板認識カメラ18で認識された基板8のずれ・・・ずれ量データテーブルのずれ量データに基づき、指令すべき移動量を算出して、制御手段としての・・・装着ヘッド5の移動が行われる。」という記載によれば、部品認識カメラで吸着ノズルに対する電子部品の位置ずれを認識し、かかる位置ずれ量に基づき装着ヘッドの移動量が算出され、プリント基板への装着が行われるものといえ、部品認識カメラにより電子部品の位置ずれを認識するにあたり、撮像結果が認識処理部において認識処理されることは、技術常識であるから、この電子部品装着装置は、「電子部品を認識カメラで撮像し、その撮像結果に基づき認識処理部で認識処理してプリント基板に装着する」ものといえる。そして、(1d)の記載によれば、認識結果である電子部品の位置ずれ量は、その用途である装着ヘッドの移動量を算出するための補正量として用いられるものといえるし、(1c)の「部品認識カメラ29は・・・部品供給装置4から吸着ノズル6が吸着した電子部品の位置ずれを認識するものである。・・・ずれ量の補正を行う必要があり、このためRAM24には図4に示すように装着ヘッド5の水平平面内の位置ごとに検出したずれ量のデータが測定温度毎に作成されたずれ量データテーブルが記憶されている。」という記載によれば、RAMには、部品認識カメラで認識した電子部品の位置ずれ量を含め、装着ヘッドの水平平面内の位置ごとに検出したずれ量のデータが測定温度毎に作成されたずれ量データテーブルとして記憶されているといえるから、この電子部品装着装置は、「認識結果の用途を書換え可能に記憶するメモリ」を備えているといえる。また、この電子部品装着装置は、(1c)の「電子部品装着装置1の運転の制御は・・・記憶手段としてのRAM24に記憶された各種データに基づき行われる。・・・部品認識カメラ29は・・・電子部品の位置ずれを認識するものである。・・・ずれ量の補正を行う必要があり、このためRAM24には・・・ずれ量データテーブルが記憶されている。このデータテーブルは・・・だけずれて移動することを示しており、この分補正して指令を出すことになる。」という記載によれば、RAMに記憶された電子部品の位置ずれに基づき認識カメラで認識した位置ずれに対する補正指令で電子部品装着装置の運転を制御、言い換えれば、結果の用途を実行させるといえるから、「メモリに記憶された内容に基づき前記認識処理部で認識処理した結果の用途を実行させる制御部」を備えているといえる。

以上の記載及び該記載から導かれた認定事項を本願発明の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次のとおりの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「電子部品を認識カメラで撮像し、その撮像結果に基づき認識処理部で認識処理してプリント基板に装着する電子部品装着装置において、認識処理部で認識処理した箇所の認識結果の用途を書換え可能に記憶するメモリと、該メモリに記憶された内容に基づき前記認識処理部で認識処理した結果の用途を実行させる制御部とから成る電子部品装着装置。」

(2)本願発明と引用発明との対比
そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、両者は、
「電子部品を認識カメラで撮像し、その撮像結果に基づき認識処理部で認識処理してプリント基板に装着する電子部品装着装置において、認識処理部で認識処理した箇所の認識結果の用途を書換え可能に記憶するメモリと、該メモリに記憶された内容に基づき前記認識処理部で認識処理した結果の用途を実行させる制御部とから成る電子部品装着装置。」という点で一致し、次の点で一応相違しているといえる。

相違点:
認識結果の用途を書換え可能に記憶するメモリが、本願発明は、「認識処理部で認識処理する箇所をグループ分けすると共にそのグループ毎に」その認識結果の用途を書換え可能に記憶するものであるのに対して、引用発明は、認識処理部で認識処理する箇所をグループ分けするか否か不明である点

(3)相違点についての判断
次に、この相違点について検討する。
電子部品を撮像する撮像手段による電子部品の認識処理に関する、刊行物2の(2a)に、「リード長さ、リード本数及びリード間隔をリードの方向ごとにグループ化して検査する」と、(2c)に「リード方向によって検出したリード先端位置およびリード長さを分類し、上記リード先端位置より算出できるリード間隔、リード本数および既に分類されたリード長さを、リード方向別に用意されている標準値と比較し良否判定を行うことによって電子部品の検査を行うことができる。」と記載されているように、認識処理部で認識処理する箇所をグループ分けすることは、本出願前当業者に周知の事項といえる。
してみると、引用発明の、認識結果の用途を書き換え可能に記憶するメモリとして、認識処理部で認識処理する箇所をグループ分けすると共にそのグループ毎にその認識結果の用途を書換え可能に記憶するものとすることは、当業者が容易に想到することといえる。

(4)小括
したがって、上記相違点は、上記(3)で述べたように、当業者が容易に想到し得ることといえるから、本願発明は、引用発明及び本出願前当業者に周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。

6.結び
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものであるから、他の発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-02-01 
結審通知日 2008-02-06 
審決日 2008-02-19 
出願番号 特願2000-130243(P2000-130243)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鳥居 稔永安 真  
特許庁審判長 山田 靖
特許庁審判官 平塚 義三
近野 光知
発明の名称 電子部品装着装置  
代理人 相澤 清隆  
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