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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1176389
審判番号 不服2006-6951  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-04-13 
確定日 2008-04-10 
事件の表示 平成10年特許願第 17433号「肝血流量測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 8月 3日出願公開、特開平11-206754〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成10年1月29日の出願であって、平成15年1月20日付けで手続補正がなされ、平成17年6月17日付けで拒絶理由が通知され(発送日:同年6月21日)、その指定期間内である同年8月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成18年3月8日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年3月14日)、これに対し、同年4月13日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年5月15日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成18年5月15日付けの手続補正について
平成18年5月15日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の記載(平成17年8月22日付けで補正、以下同じ。):
「【請求項1】
ガス吸入装置によりキセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを呼吸用マスクに一定時間供給し、被検体の肺を通じて供給された肝組織中のキセノン濃度の変化をX線CT装置により画素に分解して検出するとともに、前記被検体の呼気中のキセノン濃度を濃度測定センサにより検出するキセノン濃度変化検出過程と、
肝組織中のキセノン濃度が、肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度とから規定される式を参照し、前記X線CT装置により検出された前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}と、前記呼気中の前記キセノン濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記キセノン濃度{Ca(T)}とにより、前記分解した各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)とを制御装置により求める画素血流量計算過程と
を備えることを特徴とする肝血流量測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の肝血流量測定方法において、
前記制御装置は、前記画素血流量計算過程により求めた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、前記X線CT装置により得られた画素により表される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとで表示形式を分けて表示装置上に表示する表示過程とを備える
ことを特徴とする肝血流量測定方法。
【請求項3】
請求項2記載の肝血流量測定方法において、
前記表示過程における表示形式は、前記肝動脈血流を表すマップと前記門脈血流を表すマップの色を変えて表示する表示形式とする
ことを特徴とする肝血流量測定方法。
【請求項4】
キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置と、
前記被検体の肝組織中のキセノン濃度の変化を画素に分解して検出するX線CT装置と、
前記被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサと、
前記ガス吸入装置と前記X線CT装置と前記濃度測定センサを制御する制御装置とを有し、
該制御装置は、前記ガス吸入装置を駆動して前記被検体に一定時間前記混合ガスを吸入させ、前記被検体の肺を通じて供給された肝組織中の前記キセノン濃度の変化をX線CT装置により画素に分解して検出するとともに、前記被検体の呼気中のキセノン濃度を濃度測定センサにより検出し、肝組織中のキセノン濃度が、肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度から規定される式を参照し、前記X線CT装置により検出された前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}と、前記呼気中の前記キセノン濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記キセノン濃度{Ca(T)}とにより、前記分解した各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求める
ことを特徴とする肝血流量測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の肝血流量測定装置において、
表示装置を有し、
前記制御装置は、求めた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、前記X線CT装置により得られた画素により表される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとで表示形式を分けて前記表示装置上に表示する
ことを特徴とする肝血流量測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の肝血流量測定装置において、
前記表示装置上の表示形式は、前記肝動脈血流を表すマップと前記門脈血流を表すマップの色を変えて表示する表示形式とする
ことを特徴とする肝血流量測定装置。」
を、
「【請求項1】
キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置と、
前記被検体の肝組織中のキセノン濃度の変化を画素に分解して検出するX線CT装置と、
前記被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサと、
前記ガス吸入装置と前記X線CT装置と前記濃度測定センサを制御する制御装置と、
表示装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ガス吸入装置を駆動して前記被検体に一定時間前記混合ガスを吸入させ、前記被検体の肺を通じて供給された肝組織中の前記キセノン濃度の変化を前記X線CT装置により画素に分解して検出するとともに、前記被検体の呼気中のキセノン濃度を濃度測定センサにより検出し、肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度により肝組織中のキセノン濃度が規定される式を参照し、前記X線CT装置により検出された前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}と、前記呼気中の前記キセノン濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記キセノン濃度{Ca(T)}とにより、前記分解した各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求め、求められた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、前記X線CT装置により得られた画素により表される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとして前記表示装置上に表示させる
ことを特徴とする肝血流量測定装置。」(下線は本件補正前の請求項4からの補正箇所を示す。)と補正するものである。

本件補正により、本件補正前の請求項1?3に係る「肝血流量測定方法」の発明は削除されている。そして、本件補正後の請求項1に係る発明は「肝血流量測定装置」であり、本件補正前の請求項4に係る「肝血流量測定装置」と比較すると、(i)本件補正後の請求項1に加入された、肝血流量測定装置が「表示装置」を有し、制御装置は、「求められた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、前記X線CT装置により得られた画素により表される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとして前記表示装置上に表示させる」構成は、本件補正前の請求項4を引用する請求項5に記載されている技術的事項であり、(ii)「肝組織中のキセノン濃度が、肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度から規定される式」を、「肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度により肝組織中のキセノン濃度が規定される式」に補正する点は、「肝組織中のキセノン濃度」と、「肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度」の語順を単に入れ替えたものであるから、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項5に係る発明と実質的に同一である。
よって、本件補正は、本件補正前の従属形式の請求項5を独立形式に書き直し、他の請求項を削除したものであるから、平成18年改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものであり適法なものである。

第3 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成18年5月15日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであって、その請求項1の記載は次のとおりである(以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明」という。)。

「キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置と、
前記被検体の肝組織中のキセノン濃度の変化を画素に分解して検出するX線CT装置と、
前記被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサと、
前記ガス吸入装置と前記X線CT装置と前記濃度測定センサを制御する制御装置と、
表示装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ガス吸入装置を駆動して前記被検体に一定時間前記混合ガスを吸入させ、前記被検体の肺を通じて供給された肝組織中の前記キセノン濃度の変化を前記X線CT装置により画素に分解して検出するとともに、前記被検体の呼気中のキセノン濃度を濃度測定センサにより検出し、肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度により肝組織中のキセノン濃度が規定される式を参照し、前記X線CT装置により検出された前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}と、前記呼気中の前記キセノン濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記キセノン濃度{Ca(T)}とにより、前記分解した各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求め、求められた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、前記X線CT装置により得られた画素により表される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとして前記表示装置上に表示させる
ことを特徴とする肝血流量測定装置。」

第4 引用刊行物記載の発明
1.原査定の拒絶の理由に引用した、本願出願日前に頒布された刊行物である、谷口弘毅 外6名,<核医学定量診断セミナ- 83> ポジトロンCTを用いたH_(2)^(15)O静注法による肝動脈・門脈血流量同時測定法(肝区域毎の局所肝血流量格差について),映像情報(M),産業開発機構株式会社,1994年4月,Vol.26,No.8,pp.449-453(以下「引用刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「 はじめに
ポジトロンCTにより、目的とする組織の血流量測定が正確に行えるようになった。これは、ポジトロンが近くの電子と衝突して0.51MeVという一定のエネルギーを持った2本の電磁波を180度方向に放出するという原理に基づいている。これを相対する2個の同時計数回路で測定し、360度スキャンすることにより存在したポジトロンの量を画像化することができるのである。このように、ポジトロンCTは定量化に優れ、ポジトロン放出各種として生体構成元素の同位元素を用いることができるために生理的である。また、一般にこれらのRIの半減期は極めて短く、サイクロトロンで生成されなければならないが、被験者にとっては比較的安全であり、反復検査・負荷検査が容易なのである^(1))。
ポジトロンCTはこのように優れた測定手段でありながら、肝の血流量測定はその血流二重支配のゆえにこれまで試みられることがなかった。脳^(2))・心筋^(3))・腎^(4))のように血流支配が一重で、単コンパートメントモデルが適応できるような臓器では、その理論計算は比較的容易であるが、肝臓のように肝動脈・門脈の両方から血流を受ける臓器ではその計算は容易ではないからである。」(第449頁左欄第1?24行)
(イ)「肝の局所血流量測定(とくに肝動脈・門脈血流量同時分離測定)の理論
図1は肝臓に供給される血流を最も単純化した模式図である^(5))。胃・腸・膵・脾など肝に門脈血流を供給する臓器を1つの臓器(Portal organ)と考え、これがH_(2)^(15)Oに対してKetyのone compartment modelに従う^(6))と仮定するとFickの原理から次の微分方程式が成り立つ。

一方、肝が供給される局所血流をFickの原理を用いて表すと次の式が成り立つ。

局所肝静脈血流量は、局所肝動脈血流量と局所門脈血流量の和で表されるから次の式が成り立つ。

ここで、Ca(t)・Ch(t)はそれぞれ動脈採血・ポジトロンCTによって測定することができるが、Cp(t)は知ることができない。そこで、(式1)の解である

を(式2)に代入してCp(t)を消去し、さらにこれを解くと次式が得られる。

(式5)の中で、Ca(t)は動脈血の放射活性値であるが、これはなんらかの形で数式として表さなければならない。一般に静脈内投与された物質の血中濃度の減衰は指数関数の和で表せることが知られている。しかし、投与されてから最高値に達するまでの時間(t_(max))までを表す方法は未だ確立していない。われわれは、この部分についても指数関数の和(差)で表すこととした。指数関数は微積分によっても元の指数関数で表すことができ、かなり複雑な(式5)の解を求める時に有利と考えたからである。すなわち、入力関数Ca(t)は次の2式で表した。

ただし、これら2式は線形でないので非線形重回帰分析によりそれぞれの係数を決定しなければならない。
また、実際にポジトロンCTで測定できるのは、時間t_(n)から時間t_(n+1)までの間の関心領域の放射活性値の平均値である(式8)である。

(式5)・(式8)においてFa・Fp・Fh・Kp・Khの5個のパラメーターが未知であるが、(式3)からFa=Fh-Fpであるので実際には未知数は4個である。したがって、これらをすべて得るには最小2乗法によらなければならないが、(式8)は線形ではないので非線形重回帰分析を行うことになる。」(第449頁左欄第25行?第450頁右欄第5行)
(ウ)「 実際の方法
被検者を空腹時仰臥位とし、左肘静脈から医用サイクロトロン(BC-1710、日本製鋼所)で合成した20?30mCiのH_(2)^(15)Oを急速静注し、計測を開始した。左上腕動脈に設置した血管留置針からH_(2)^(15)O投与後10、15、20、25、30、35、60、120、180、240秒後に採血し、well counter(MINAXI-γ、Paccard Japan)にて動脈血の放射活性値を測定した。これら10点の値からSimplex法^(8))による非線形重回帰分析を用いてパーソナルコンピュータ(PC-9801FA,NEC)により式6・7を決定した。また、H_(2)^(15)O静注後ただちにPETスキャン(HEADTOME-III SET-120W、島津製作所)を開始し、最初の1分間は5秒間隔で計12回、その後の4分間は30秒間隔で8回、すなわち、合計5分間20回データ測定を行った(図2)。肝の位置決めはX線CTを参考にして行い、同時に1.5cm間隔で3スライス分のデータを得た。X線CTを参考にして肝の各区域に関心領域を設定し、各関心領域ごとに20点の値を式8の値とし、Simplex法による非線形重回帰分析を用いてパーソナルコンピュータによりFa・Fp・Fhを決定した(図3)。3スライス分の平均をその肝区域の値とした。肝の比重は1と仮定した。ただし、今回の測定ではKp・Khはいずれも1として計算した。非線形重回帰分析においてFa・Fp・Kp・Khの全てを変化させてこれらを同時に求めようとすると、あたかも肝血流が動脈あるいは門脈のどちらか一方のみであるが如く収束してしまうことがある。そのために、すべての検査で肝血流量が求められない。これは、FaとFp、KpとKhの位数が近いためと考えられ、Simplex法における初期値・変動域を厳密に各関心領域ごとに設定することによって回避できると考えられるが、実際の臨床における計測ではこれは不適であるため、あえて、Kp・Khを1と設定した。統計学的検定には一元配置分散分析法を用いた。」(第450頁右欄第15行?第451頁第16行)
(エ)「 測定結果
今回施行した全対象症例の各肝区域別・動脈門脈別局所肝血流量を図4に示す。総肝血流量・動脈血流量ではそれぞれP=0.09、P=0.12で各肝区域間には有為差は認められなかった。しかし、門脈血流量ではP=0.00006で各肝区域間に有為差が認められ、各肝区域の門脈血流量は一定ではないことが判明した。
各疾患毎に局所肝血流量をみてみると、肝硬変では非障害肝に比べて局所肝血流量は低下していた。局所総肝血流量は、肝硬変・慢性肝炎・非障害肝ともP=0.64、P=0.33、P=0.36で各肝区域間に有意差は認められなかった(図5)。局所門脈血流量は肝硬変・慢性肝炎ではP=0.10、P=0.21で各肝区域間に有意差は認められなかったが、非障害肝ではP=0.007で有意差があり、前区域の局所門脈血流量が最も高かった(図6)。局所動脈血流量は肝硬変・慢性肝炎・非障害肝のいずれもP=0.28、P=0.37、P=0.39で各肝区域間に有意差は認められなかった(図7)。
また、表2に示すごとく、それぞれの肝区域毎にみてみると有意差のある区域が多数存在し、局所肝血流量は肝区域によって異なり、肝全体として一定ではないと考えられる。」(第451頁左欄第17行?同頁右欄第11行)
(オ)「Kh:肝におけるH_(2)^(15)Oの組織血液分配係数〔Kha:動脈成分 Khp:門脈成分〕
Kp:門脈系臓器におけるH_(2)^(15)Oの組織血液分配係数,
Ch(t):肝のactivity濃度〔Cha(t):動脈成分,Chp(t):門脈成分〕,
Ca(t):大動脈内のactivity濃度,Cp(t):門脈系臓器のactivity濃度,
Fh:総肝血流量,Fa:肝動脈血流量,Fp:門脈血流量」(第449頁、図1中の各記号を説明した記載)

ここで、引用刊行物1には、H_(2)^(15)Oを被験者に静注する装置の明記はないが、ポジトロンCT検査に際して、被験者にH_(2)^(15)O等の同位体化合物を静注するために、シリンジや供給装置といった静注装置を用いることは技術常識であるから(特開平5-249244号公報の【請求項1】,段落【0002】?【0003】、特開平7-213606号公報の段落【0002】?【0010】,第6図参照。)、引用刊行物1に記載された肝動脈・門脈血流量同時測定において、被験者にH_(2)^(15)Oを静注する装置が用いられていることは明らかであることも考慮すると、引用刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「H_(2)^(15)Oを被験者に静注する装置と、
H_(2)^(15)Oを被験者に静注した後、10、15、20、25、30、35、60、120、180、240秒後に採血された各動脈血の放射活性値を測定するwell counterと、
H_(2)^(15)O静注後ただちに被験者の肝のスキャンを開始し、最初の1分間は5秒間隔で計12回、その後の4分間は30秒間隔で8回の合計5分間20回のデータ測定を行うポジトロンCT装置と、
well counterにて測定された10点の値から非線形重回帰分析を用いて式6・7のCa(t):大動脈内のactivity濃度を決定するとともに、肝の各区域に設定された関心領域におけるポジトロンCT装置の測定データ20点をCh(t):肝のactivity濃度の式8の値とし、非線形重回帰分析を用いてKetyのone compartment model に従うと仮定してFickの原理から導かれたCa(t)、Ch(t)、Fa:肝動脈血流量、Fp門脈血流量の関係式5から、肝の各区域のFa、Fpを決定することを肝の全区域に行うパーソナルコンピュータと、を備えた肝の各区域別のFa:肝動脈血流量、Fp:門脈血流量を測定する装置。
但し、



2.原査定の拒絶の理由に周知例として引用した、本願出願日前に頒布された刊行物である特開平2-200252号公報(以下、「周知例1」という。)には、「分配係数および/または流体流量を表わす画像の決定方法ならびにその画像の生成装置」に関する発明が記載されており、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「イ.産業上の利用分野
この発明は、分配係数および/または流体流量を表わす画像を決定する方法ならびにその画像を生成する装置に関する。
この発明は特に、脳のコンピュータ断層撮影(CT)血流マツピングに関連して医学診断用撮像の分野で利用され、そして特にそれに関連して説明する。しかし、例えばデイジタルX線、核磁気共鳴、放射線および陽電子放射、超音波およびその他同種のもの、のような他の撮像条件と関連しても、本発明が利用され得ることを理解すべきである。」(第3頁右上欄下から2行?同頁左下欄第10行)
(イ)「ロ.従来の技術
脳において、血液は2つのモードで、すなわち動脈によつて直接に、および他の組織を通じて間接に、組織に到達する。正常な、健康な脳組織では、血液は40?100ミリリツトル毎100ミリリツトル毎分で灰白質に達する。30ミリリツトル毎100ミリリツトル毎分より少なく受容する灰白質組織は十分に供給されていないので、適切に機能することができず、そして回復不能な損傷を受けることもあり得る。白質においては、脳血流量は代表的に、灰白質に対するそれの約3分の1であり、約10ミリリツトル毎100ミリリツトル毎分以下の流量が不適当と考えられる。脳領域に正常以下の血流量があることを早期に検出することによつて冒された組織が回復不能に損傷される前に修正処置をとることができる。
組織に十分に供給されない最も普通の原因の1つは、動脈血流の阻害である。以前は、動脈の阻害場所を疎通するために血液中に注入される強調剤として、ヨウ素が利用されていた。しかし、脳組織膜はこのヨウ素強調剤が組織領域に浸透しないようにする。ヨウ素が血液から組織内に入ることができないので、ヨウ素は動脈、血管および静脈中の血液の画像を強調することしかできない。従って、ヨウ素は組織中の血液の実際量の表示を強調することができない。
ヨウ素とは異なり、キセノンは血液から脳組織に自由に移動する。従つて、キセノンガスを強調剤として利用することによつて組織内での血液量の撮像および測定を容易にする。患者の血液中のキセノンガスの濃度が上ると、脳組織内のキセノンガスの濃度もまた増加して、漸近的に平衡濃度に近似する。組織内のガス濃度の増加の速度は血流量を表わす。漸近的に近似した平衡濃度は分配係数λを表わす。異なる種類の組織ごとに異なる分配係数は、血液中の等量あたりのキセノンの量に対する組織の各単位体積すなわちvoxelにおけるキセノンの量の比率として定義される。灰白質にとつて、分配係数は代表的に約0.9であり、そして白質にとつては、代表的に約1.3である。これらの値と著るしく異なる分配係数は病気あるいは死んでいる組織を表わす。
時間tにおける単位体積セル(voxel)の組織内のキセノン濃度は、ケテイ(kety)式として既知の公式によつて表わされる。
C(t)=f・∫Ca(w)e^(-K(t-w))dw (1)
但し、Cは組織キセノン濃度、Caは血液キセノン濃度、Kは組織クリアランス率すなわち再生率、そしてfは流量である。分配係数λは下記の式によつて流量およびクリアランス率すなわち再生率に関連する。
f=λK (2)
但し、λは組織-血液分配係数である。
血液キセノン濃度は容易に監視することができる。所定の単位体積における組織に対する組織キセノン濃度は、所定単位体積に対応するCT画像の画素のCT値から計算することができる。各画像の前の時間に対する血液キセノン濃度が既知である場合、別々の時間における幾つかのCT画像を撮影することによつて、ケテイ式を理論的に解決して、各画素に対応する組織単位体積に対する分配係数と血流量を決定することができる。代表的には、3枚から6枚の画像が撮影される。より特定すれば、この3枚から6枚の画像の各々の対応画素からのCT値は、「最良の」流量fと分配係数に繰返し適合されており、それは「既知の」Ca(w)によつて、種々の通常の曲線あてはめ技術のいずれかを使つて、比較のC(t)を計算することができるようにしている。」(第3頁左下欄第13行?第4頁左下欄第4行)
(ウ)「ニ.実施例
次に添付の図面を参照して、分配係数および/または流体流量を表わす画像を決定する方法ならびにその画像を生成する装置の1例について述べる。
第1A図および第1B図では、撮像装置における、軸方向断層撮影スキヤナのような撮像手段Aは、被検者を選択的に検査して、当該検査領域内の各単位体積すなわち小区域の特性を示す画像表示を再構成する。強調剤装置Bは選択量の強調剤を被検者に導入し、そして被検者の少なくとも選択部分における強調剤濃度の表示を発生する。強調剤は、被検者内のその濃度すなわち存在によつて画像表示を変更するように、選択されている。この良好な実施態様では、強調剤はキセノンガスであり、その濃度は再構成した画像表示のCT値に反射される。すなわち、結果の画像表示は基本的に2つの画像の和、すなわち当該領域の単位体積におけるキセノンガスを表わす画像と当該領域における組織の画像、となつている。処理手段Cは強調剤の濃度を変えながら収集したCTスキヤナAからの画像データを処理し、そして強調剤装置Bからの強調剤濃度を処理して、分配係数すなわち透過性、血液または他の流体の流量、および信頼値すなわち適合度を表わす画像を導出する。」(第5頁左下欄第17行?第6頁左上欄第2行)
(エ)「強調剤装置Bには、酸素およびキセノンガスのタンクのような、強調剤源20が含まれる。流量すなわち圧力調節器22は、呼吸マスク24あるいは強調剤を患者に導入する他の手段へのキセノンガスの供給速度を調節する。強調剤濃度手段26は患者における強調剤の濃度を判定する。より特定すれば、強調剤濃度判定手段は患者の肺から吐出された1回呼吸の終りのガスにおけるキセノン濃度を判定する。1回呼吸の終りのガス、すなわち肺胞から吐出されたガスの最後の小部分、におけるキセノン濃度は、実質的に、患者の血液とキセノン平衡になつている。
検討している間、1回呼吸の終りの濃度値は、飽和レベルが達成されるまで、各呼吸サイクルと共に増加する。キセノンガスあるいは他の強調剤が患者に導入される前に、基準走査が行なわれて、強調剤の撮像領域を表わす画像表示を発生する。基準画像は基準画像メモリ30に格納される。時間t_(0)における基準画像を完成すると、強調剤装置Bはキセノンガスを患者に供給し始める。例えば、キセノンは患者によつて呼吸されるガスの30%と置換することができる。各呼吸サイクルの終りに、ほぼ数秒ごとに、呼吸分析手段26は患者の血液中のキセノン濃度、より特定すれば、患者が息を吐く度ごとの1回呼吸の終りガス中のキセノン濃度、を判定する。」(第6頁左上欄第17行?同頁左下欄第3行)
(オ)「分配係数メモリ手段70はCT画像の各画素に対応する分配係数値を格納する。同様に、流量画像メモリ手段72は各画素に対する対応流量値を格納し、そして信頼あるいは適合メモリ手段74は、各CT画像画素に対応する信頼値を格納する。デイスプレイ手段76は分配係数、流量、あるいは信頼画像を選択的に表示する。」(第8頁右下欄第10?16行)

3.原査定の拒絶の理由に周知例として引用した、本願出願日前に頒布された刊行物である特開昭59-190682号公報(以下、「周知例2」という。)には、「局所脳血流測定用CT装置」に関する発明が記載されており、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「2.特許請求の範囲
被検体に一旦吸収された後排出されるトレーサ含有の呼気を通じると共に被検体のスライス面に交差して断層撮影領域内に配置された呼気チューブと、断層撮影により得られるデータを基に、被検体の断層像と呼気チューブの断層像とを含む面像を再構成する画像再構成装置と、画像再構成装置より出力される画像データを基に局所脳血流を測定する画像解析装置とを有することを特徴とする局所脳血流測定用CT装置。」(第1頁左下欄第4?13行)
(イ)「〔発明の技術分野〕
この発明は、局所脳血流(regional cerebral blood flow, r-CBF)の測定が可能なCT装置に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
被検体における各部位の血流に関する知見は、その部位の機能を把握することができるので、その臨床学的意義が大きい。血流観測として、インハレーション法によるr-CBF測定が、古くからラジオアイソトープ(RI)を用いて行われている。脳のr-CBF測定法において動脈血中のトレーサ濃度をモニタする方法には、経時的に動脈から採血して血中のトレーサ濃度を測定する採血法、呼気中のトレーサ濃度をマススペクトルメータにより測定するマススペクトル法、および頭部と頸部とを交互に断層撮影すると共に頸動脈中にROIを設定して測定するシヤトル法がある。
しかしながら、前記採血法は、被検体に多大の苦痛を与える上に、測定処理が煩雑で、その割に測定精度が良くない。前記マススペクトル法は、高価なマススペクトルメータを必要とし、しかも、被検体組織中におけるトレーサ濃度の時間的変化〔以下Cb(t)と略記する。〕と動脈血中のトレーサ濃度の時間的変化〔以下Ca(t)と略記する。〕との時間的同期をとるのが困難である。また、前記シヤトル法は、同一スライス面で同時にCa(t)とCb(t)とを測定することができないので、時間的なずれが起る。そして、頸動脈の太さでは十分な測定精度を挙げることができない。」(第1頁左下欄第15行?第2頁左上欄第3行)
(ウ)「〔発明の概要〕
前記目的を達成するためのこの発明の概要は、被検体に一旦吸収された後排出されるトレーサ含有の呼気を通じると共に被検体のスライス面に交差して断層撮影領域内に配置された呼気チューブと、断層撮影により得られるデータを基に、被検体の断層像と呼気チューブの断層像とを含む画像を再構成する画像再構成装置と、画像再構成装置より出力される画像データを基に局所脳血流を測定する画像解析装置とを有することを特徴とする画像再構成装置7により構成された断層像および/または画像解析装置8により解析されたCa(f)とCb(f)とを表示する画像表示装置9とを有して構成される。」(第2頁左上欄第11行?同頁右上欄第4行)
(エ)「前記トレーサ吸入装置部は、トレーサの再利用を図るために全体として閉鎖系になつており、トレーサボンベ10より供給されるトレーサ(RI含有ガス)と酸素ボンベ11より供給される酸素とを混合する混合ガスタンク12と、前記混合ガスタンク12内の酸素濃度をモニタすると共に、前記混合ガスタンク12内の酸素濃度を一定に維持するために酸素供給量を調節する調節バルブ13を自動制御する酸素濃度監視装置14と、被検体2の鼻口を覆うマスク15と、前記マスク15内に混合ガスを供給すると共に被検体2の呼気の混入を防止するための一方向性逆止弁を前記マスク15の近傍に備えて、前記混合ガスタンク12と前記マスク15との間に接続される呼気チューブ16と、前記マスク15に取り付けられると共に呼気チューブ16よりの混合ガス流を緩衝するバツフア袋17と、前記マスク15内の呼気を混合ガスタンク12内に供給すると共に、被検体2の呼気の逆流を防止するための一方向性逆止弁を前記マスク15の近傍に備えて、後述する炭酸ガス吸着装置18を介してマスク15と混合ガスタンク12との間に接続され、かつ、前記スライス面4を貫通する呼気チューブ19と、呼気中の炭酸ガスを吸着除去する炭酸ガス吸着装置18とを有して構成される。」(第2頁右上欄第5行?同頁左下欄第9行)
(オ)「次に、以上構成のr-CBF測定用X線CT装置の作用について述べる。
酸素濃度監視装置14のモニタにより酸素濃度を一定に維持した混合ガスを、呼気チューブ16およびマスク15を通して、混合ガスタンク12から被検体2内に供給する。被検体2においては、混合ガス中のトレーサが肺で血液中に吸収され、次いで血液により運ばれたトレーサが脳組織中に分布することとなる。さらに、脳組織中を循環したトレーサは、呼気中に排出される。トレーサを含有する呼気は、呼気チューブ19中に導びかれ、炭酸ガス吸着装置18で呼気中の炭酸ガスを吸着除去した後、混合ガスタンク12に収容される。
一方、被検体2の頭部は、撮影孔3内に配置され、スライス面4につき被検体2の頭部の断層撮影が行なわれる。ガントリ5内の図示しない検出器より出力されるデータは、データ収集装置6により収集して多数のプロジエクシヨンデータにまとめられる。プロジエクシヨンデータは、画像再構成装置7に出力される。画像再構成装置7により、X線管が体軸の周囲を一回転することにより得られる多数のプロジエクシヨンデータを基に、第2図に示すように、時系列t_(0),t_(1)・・・・・・t_(n)に従つた画像が再構成される。この画像中には、被検体2の頭部の断層像20と呼気チューブ19の断層像21とが含まれている。なお、第2図において、Pa(t)は呼気チューブ19の断層像21に円形ないし矩形のROIを設定した場合の時刻tでの平均CT値であり、Pbij(t)は断層像20の時刻tでの平均CT値である。画像再構成装置7で再構成された画像についての時系列画像データが、画像解析装置8に出力され、画像解析装置8によりCa(t)およびCbij(t)の解析が行なわれる。ここで、Ca(t)およびCbij(t)の解析が行われる。ここで、Ca(t)およびCbij(t)は第1式および第2式により表わせる。
Ca(t)=α{Pa(t)-Pa(0)}・・・・・・・・・・(1)
Cbij(t)=Pbij(t)-Pbij(0)・・・・・・・・・・・(2)
ただし、Pa(0)、Pbij(0)はトレーサ吸入前のCT値であり、αは血液のヘマトクリット値あるいは採血した血液のCT値から求まる比例係数である。時系列の画像データより得られたCa(t)およびCbij(t)の一例を第3図に示す。得られるCa(t)と各ピクセル(i,j)のCbij(t)との2種の時系列データを解析することにより各ピクセル(i,j)のr=CBFが画像解析装置8で計算される。なお、r-CBFは、通常、次のフイツク(Fick)の原理に基づくものとして解析される。
(フイツクの原理)

または、

ただし、
Cbij(T):時刻Tにおけるある組織(断層像中のピクセル(i,j)
に相当)でのトレーサ濃度
λij:ある組織(断層像中のピクセル(i,j)に相当)での分配係

kij:ある組織(断層像中のピクセル(i,j)に相当)での立ち上
がり率
Ca(T):時刻Tにおける動脈血中トレーサ濃度
r-CBF(fij)=λij・kij・・・・・・・・・・(5)
解析のための計算は、前記第3式の積分形、前記第4式の微分形あるいは最小二乗法によるカーブフイツテイング等の適宜方法により行なうことができる。この解析を書く(i,j)について行なうことにより、マトリクス数分のλij、kij、f(ij)が算出される。算出されたλij、kij、f(i,j)および被検体2の頭部断層像20、呼気チューブ19の断層像21が画像表示装置9により表示される。λij、kij、f(i,j)は、画像表示装置9のブラウン管上に数値として表示するほかに、輝度変調して濃淡として表わすフアンクシヨナルイメージで表示してもよい。フアンクシヨナルイメージは、局所脳血流という機能的な情報を有するために、通常のX線CT像のような解剖学的情報に加え、新たな情報を提供することができ、臨床診断上非常に有益である。」(第2頁左下欄第10行?第3頁左下欄第10行)
(カ)「前記実施例におけるCT装置は、X線CT装置であつたが、この発明におけるCT装置は、核医学診断装置、ポジトロン等の各CT装置を使用することができる。」(第3頁左下欄第15?18行)

4.前置報告で周知例として引用した、本願出願日前に頒布された刊行物である特開昭62-197044号公報(以下、「周知例3」という。)には、「局所脳血流測定用CT装置」に関する発明が記載されており、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「(産業上の利用分野)
本発明は診断のための医療機器の分野に属し、さらに詳しくはトレーサ(例えばキセノンあるいはクリプトンガス)吸入法による局所脳血流(r-CBF)測定を行う脳血流測定用CT装置に関する。
(従来の技術)
従来より局所脳血流量を測定する装置には、Single Photon Emission CT(SPECT),Positron Emission CT(PET)があり、これらによってもr-CBFを測定できるが、局所脳血流量を断層像(ファンクショナルイメージ)として得た際の空間分解能、定量性及びコストパフォーマンスの点で優れた上記トレーサ吸入法による脳血流測定用CT装置が近年注目されている。
トレーサ吸入法は、Xe(キセノン)等の非拡散性ガスをトレーサとして肺より吸入させながら、平行して動脈血中のトレーサ濃度(呼気ガス中のトレーサ濃度から求められる)と、脳組織中のトレーサ濃度の経時変化(時間-濃度曲線)をX線CTのダイナミックスキャンにより測定する。そして、それらのデータ基にkety-Schmidtの式に基づいて血液脳組織間分配係数λ、脳血流量fを断層面内の各マトリクスについて求め、これをファンクショナルイメージとして表示するものである。」(第1頁右下欄第13行?第2頁左上欄第17行)
(イ)「ところで、動脈血中トレーサ濃度Ca(t)は、肺胞気が肺胞から流出する動脈血とガス分圧について平衡状態にあるという原理(ヘンリーの法則)から、肺胞気を反映する終末呼気中のトレーサ濃度Ce(t)を求めるのが通例である。」(第2頁左上欄第18行?同頁右上欄第2行)
(ウ)「この実施例装置はX線CT装置部及びトレーサ吸入装置部並びにデータ収集制御部とを有する。
前記X線CT装置部は、寝台天板1に横臥する被検体2の頭部を挿入可能な撮影孔3を有すると共に被検体1の頭部の周囲を回動する図示しないX線管よりのX線曝射によってスライス面4について断層撮影をするガントリ5と、例えばガントリ5内のX線管に印加される高電圧を制御することによりX線曝射を指令する曝射指令装置5aと、前記ガントリ5内の図示しない検出器より出力されるデータ収集装置6と、データ収集装置6より出力されるプロジェクションデータを基にしてスライス面4の断層像を再構成する画像再構成装置7と、画像再構成装置7より出力される時系列順の複数の断層像についての画像データに基づき、Ca(t)とCi(t)とを解析する画像解析装置8(後に詳述する)と、前記画像再構成装置7により構成された断層像および/または画像解析装置8により解析されたλi,ki,fiの数値データ、ファンクショナルイメージを表示する画像表示装置9とを有して構成される。」(第3頁右上欄第7行?同頁左下欄第8行)
(エ)「前記トレーサ吸入装置部は、トレーサの再利用を図るために全体として閉鎖系になっており、トレーサボンベ10より供給されるトレーサと酸素ボンベ11より供給される酸素とを混合する混合ガスタンク12と、前記混合ガスタンク12内の酸素濃度をモニタすると共に、前記混合ガスタンク12内の酸素濃度を一定に維持するために酸素供給量を調節する調節バルブ13を自動制御する酸素濃度監視装置14と、被検体2の鼻口を覆うマスク15と、前記マスク15内に混合ガスを供給すると共に被検体2の呼気の混入を防止するための一方向性逆止弁を前記マスク15の近傍に備えて、前記混合ガスタンク12と前記マスク15との間に接続される吸気チューブ16と、混合ガスと酸素との切り換えを行う切り換えバルブ16aを駆動するバルブ駆動装置12bと、前記マスク15に取り付けられると共に吸気チューブ16よりの混合ガス流を緩衝するバッファ袋17と、前記マスク15内の呼気を混合ガスタンク12内に供給すると共に被検体2の呼気の逆流を防止するための一方向性逆止弁を前記マスク15の近傍に備えて、後述する炭酸ガス吸着装置18を介してマスク15と混合ガスタンク12との間に接続され、かつ、前記スライス面4を貫通する呼気チューブ19と、呼気中の炭酸ガスを吸着除去する炭酸ガス吸着装置18とを有して構成される。
尚、データ収集制御部20は、前記曝射指令装置5aを介してX線曝射タイミングを制御すると共に、前記バルブ駆動装置12bを介して混合ガスと酸素との切り換えタイミング制御する。」(第3頁左下欄第9行?同頁右下欄第18行)

第5 本願発明と引用発明の対比・判断
本願発明と引用発明を対比する。
1.引用発明の、(a)「Fa:肝動脈血流量」、(b)「Fp:門脈血流量」が、それぞれ本願発明の、(a')「肝動脈血流量(Fa)」、(b')「門脈血流量(Fp)」に相当することは明らかであり、引用発明の(c)「肝の各区域別のFa:肝動脈血流量、Fp:門脈血流量を測定する装置」と、本願発明の(c')「肝血流量測定装置」とは、「肝血流量測定装置」である点で共通する。
2.引用発明の(d)「H_(2)^(15)O」と本願発明の(d')「キセノン」は、被検体内に供給される血流量測定のための「トレーサ」という点で共通し、引用発明の(e)「H_(2)^(15)Oを被験者に静注する装置」と本願発明の(e')「キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置」とは、「被検体内にトレーサを供給する装置」である点で共通する。
3.引用発明の(f)「H_(2)^(15)Oを被験者に静注した後、10、15、20、25、30、35、60、120、180、240秒後に採血された各動脈血の放射活性値を測定するwell counter」で測定される「放射活性値」は、「式6・7のCa(t):大動脈内のactivity濃度を決定する」ものであって、本願発明の(f')「被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサ」で検出される「呼気中のキセノン濃度」は、「肝動脈血流中」の「キセノン濃度{Ca(T)}」を「導」くものであるが、引用発明における「activity濃度」とはトレーサである「H_(2)^(15)Oの濃度」であって、引用発明が基とする図1記載のモデルは、肝動脈内のactivity濃度が大動脈内のactivity濃度に等しいことを前提とするものであるから、引用発明の(g)「Ca(t):大動脈内のactivity濃度」と本願発明の(g')「肝動脈血流中」の「キセノン濃度{Ca(T)}」は、「肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}」である点で共通し、さらに引用発明と本願発明は、「被検体の肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}を導くための測定センサ」を備える点で共通する。
4.引用発明の(h)「H_(2)^(15)O静注後ただちに被験者の肝のスキャンを開始し、最初の1分間は5秒間隔で計12回、その後の4分間は30秒間隔で8回の合計5分間20回のデータ測定を行うポジトロンCT装置」の測定データは「Ch(t):肝のactivity濃度」であって、本願発明の(h')「被検体の肝組織中のキセノン濃度の変化を画素に分解して検出するX線CT装置」により検出されるものは「前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}」であるが、引用発明における「activity濃度」とはトレーサである「H_(2)^(15)O」の濃度であって、ポジトロンCT装置の画素に分解して検出されるものであるから、引用発明の(i)「Ch(t):肝のactivity濃度」と本願発明の(i')「肝組織中」の「キセノン濃度{Ch(T)}」は、「肝組織中のトレーサ濃度{Ch(T)}」である点で共通し、さらに引用発明と本願発明は、「被検体の肝組織中のトレーサ濃度の変化を画素に分解して検出する断層撮影装置」を備える点で共通する。
5.引用発明において、(j)「ポジトロンCT装置」で、「H_(2)^(15)O静注後ただちに被験者の肝のスキャンを開始し、最初の1分間は5秒間隔で計12回、その後の4分間は30秒間隔で8回の合計5分間20回のデータ測定を行う」ことと、本願発明において(j')「前記ガス吸入装置を駆動して前記被検体に一定時間前記混合ガスを吸入させ、前記被検体の肺を通じて供給された肝組織中の前記キセノン濃度の変化を前記X線CT装置により画素に分解して検出する」ことは、「前記被検体内にトレーサを供給する装置で前記被検体へトレーサを供給して、供給された肝組織中の前記トレーサ濃度の変化を前記断層撮影装置により画素に分解して検出する」ことである点で共通する。
6.引用発明において(k)「well counter」で「H_(2)^(15)Oを被験者に静注した後、10、15、20、25、30、35、60、120、180、240秒後に採血された各動脈血の放射活性値を測定する」ことと、本願発明において(k')「前記被検体の呼気中のキセノン濃度を濃度測定センサにより検出」することは、「前記被検体の肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}を導くためのトレーサ濃度を測定センサにより検出」することである点で共通する。
7.引用発明の(l)「Ketyのone compartment model に従うと仮定してFickの原理から導かれたCa(t)、Ch(t)、Fa:肝動脈血流量、Fp門脈血流量の関係式5」は、図1に示されたKetyのone compartment modelモデルを基としてFickの原理から導かれたものであり、その導出においては、(m)「Cp(t):門脈系臓器のactivity濃度」を用いており(式1,2参照。)、これは本願発明の(m')「門脈血流中のキセノン濃度」と、「門脈血流中のトレーサ濃度」である点で共通するものであるので、引用発明の関係式5と、本願発明の(l')「肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度により肝組織中のキセノン濃度が規定される式」とは、「肝動脈血流中のトレーサ濃度と門脈血流中のトレーサ濃度により肝組織中のトレーサの濃度が規定される式」である点で共通する。また、引用発明の(n)「区域に設定された関心領域」と本願発明の(n')「画素」とは、「領域」という点で共通する。
してみると、引用発明において、(o)「well counterにて測定された10点の値から非線形重回帰分析を用いて式6・7のCa(t):大動脈内のactivity濃度を決定するとともに、肝の各区域に設定された関心領域におけるポジトロンCT装置の測定データ20点をCh(t):肝のactivity濃度の式8の値とし、非線形重回帰分析を用いてKetyのone compartment model に従うと仮定してFickの原理から導かれたCa(t)、Ch(t)、Fa:肝動脈血流量、Fp門脈血流量の関係式5から、肝の各区域のFa、Fpを決定すること」と、本願発明において(o')「肝動脈血流中のキセノン濃度と門脈血流中のキセノン濃度により肝組織中のキセノン濃度が規定される式を参照し、前記X線CT装置により検出された前記画素に分解された前記キセノン濃度{Ch(T)}と、前記呼気中の前記キセノン濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記キセノン濃度{Ca(T)}とにより、前記分解した各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求め」ることは、「肝動脈血流中のトレーサ濃度と門脈血流中のトレーサ濃度により肝組織中のトレーサ濃度が規定される式を参照し、前記断層撮影装置により検出された画素に分解された前記トレーサ濃度{Ch(T)}と、前記測定センサにより検出されたトレーサ濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記トレーサ濃度{Ca(T)}とにより、各領域における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求める」ことである点で共通する。

そうすると、本願発明と引用発明は、
(一致点)
「被検体内にトレーサを供給する装置と、
前記被検体の肝組織中のトレーサ濃度の変化を画素に分解して検出する断層撮影装置と、
前記被検体の肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}を導くための測定センサと、と有し、
前記被検体内にトレーサを供給する装置で前記被検体へ前記トレーサを供給して、供給された肝組織中の前記トレーサ濃度の変化を前記断層撮影装置により画素に分解して検出するとともに、前記被検体の肝動脈血流中の前記トレーサ濃度{Ca(T)}を導くためのトレーサ濃度を測定センサにより検出し、肝動脈血流中のトレーサ濃度と門脈血流中のトレーサ濃度により肝組織中のトレーサ濃度が規定される式を参照し、前記断層撮影装置により検出された画素に分解された前記トレーサ濃度{Ch(T)}と、前記測定センサにより検出されたトレーサ濃度により導かれた前記肝動脈血流中の前記トレーサ濃度{Ca(T)}とにより、各領域における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求める、肝血流量測定装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
(i)「トレーサ」、「被検体内にトレーサを供給する装置」、「被検体の肝組織中のトレーサ濃度の変化を画素に分解して検出する断層撮影装置」及び「被検体の肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}を導くための測定センサ」が、本願発明はそれぞれ、「キセノン」、「キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置」、「X線CT装置」及び「被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサ」であるのに対し、引用発明はそれぞれ、「H_(2)^(15)O」、「H_(2)^(15)Oを被験者に静注する装置」、「ポジトロンCT装置」及び「動脈血の放射活性値を測定するwell counter」である点で相違し、これに対応して、(ii)本願発明は、被検体に一定時間混合ガスを吸入させ、被検体の肺を通じて肝組織中にトレーサであるキセノンを供給するものであるのに対し、引用発明は、被検体にトレーサであるH_(2)^(15)Oを静注して肝組織中にH_(2)^(15)Oを供給するものである点で相違し、さらに、(iii)本願発明は、各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求め、求められた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、X線CT装置により得られた画素により表示される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとして表示装置上に表示させるものであるのに対し、引用発明は、肝の各区域のFa、Fpを決定するものであって、表示装置上のマップ表示もしていない点。

(相違点2)
本願発明は、ガス吸入装置とX線CT装置と濃度測定センサを制御する「制御装置」を有し、該「制御装置」が、ガス吸入装置の駆動、X線CT装置による検出、濃度測定センサによる検出、各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)の算出、表示装置上における所定のマップ表示を行うのに対し、引用発明は、肝の各区域のFa、Fpを決定することを肝の全区域に行うパーソナルコンピュータを備えるものの、このような「制御装置」を備えていない点。

上記相違点1,2について検討する。
求めた動脈血中のトレーサ濃度と、X線CT装置により求めた組織中のトレーサ濃度から、組織中の画素毎の血流量を測定することは、原査定の拒絶の理由で引用した周知例1(上記「第4 2.」の(ア)(イ)(ウ)参照。)、周知例2(上記「第4 3.」の(ア)(イ)(ウ)(オ)参照。)、前置報告で引用した周知例3(上記「第4 4.」の(ア)(イ)参照。)に加えて、小原克之・福内靖男,脳循環測定の原理と方法,BRAIN MEDICAL,株式会社メディカルレビュー社,Vol.7,No.4,1995年12月15日,pp.39-44(第39頁中欄下から4行?第42頁右欄第4行参照。以下、「周知例4」という。)、栗山良紘,Cold Xe-CTの脳血流測定 三次元脳血流量測定法Cold Xenon-CTを改良した''Shuttle方式''の特徴とその臨床応用,CLINICIAN,エーザイ株式会社,Vol.38,No.404,1991年9月1日,pp.68-74(第68頁下欄第1行?第71頁下欄第16行参照。以下、「周知例5」という。)、南部恭二郎・鈴木龍太,ヘリカル・キセノンCTによる三次元CBFマップ,日本放射線技術学会雑誌,社団法人日本放射線技術学会,Vol.50,No.2,1994年2月1日,p.280(以下、「周知例6」という。)、特開昭63-242226号公報(第1頁右下欄第10行?第2頁左上欄下から5行参照。)にも記載されているとおり周知である。
その際、トレーサとしてキセノンを使用し、キセノンを被検体内に供給する装置としてキセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置を用いて、被検体にキセノンガスと酸素ガスの混合ガスを吸入させ、被検体の肺を通じて組織中にトレーサであるキセノンを供給するとともに、動脈血中のキセノン濃度を求めるために被検体の呼気中のキセノン濃度を検出することも、周知例1(上記「第4 2.」の(エ)参照。)、周知例3(上記「第4 4.」の(ア)(イ)(エ)参照。)、周知例4(第42頁左欄下から2行?同頁中欄最下行,第41頁右欄第1?5行参照。)、周知例6(第7?8行参照。)、特公平3-33326号公報(本願明細書において、混合ガス供給装置の例として言及されている文献である。第1頁第1欄第2行?同頁第2欄最下行,第3頁第6欄第16?20行,第6頁第12欄第34行?第7頁第13欄第7行参照。以下、「周知例8」という。)にも記載されているとおり周知である。そして、混合ガスを被検体に吸入させる時間を一定とするか否かは、当業者が適宜に決定し得る事項であって、吸入時間を一定時間とすることも周知例6(第9?10行参照。)、周知例7(第5頁右上欄下から2行?同頁左下欄第3行参照。)にも記載されているとおり周知である。
また、測定した組織中の画素毎の血流量に基づき、X線CT装置により得られた画素により表される組織の断層画像を血流を表すマップとして表示装置上に表示することも、周知例2(上記「第4 3.」の(オ)参照。)、周知例3(上記「第4 4.」の(ウ)参照。)、周知例4(第42頁中欄第4行?同頁右欄第4行,第43頁図3参照。)、周知例5(第71頁の図参照。)、周知例6(第14?16行,第19?21行,右下の図面参照。)、周知例7(第3頁右上欄第12?16行)にも記載されているとおり周知である。
引用発明は肝の血流量測定であるのに対し、ここで挙げた周知例1?8はいずれも脳の血流量測定であり、引用発明と周知例の対象組織は異なるものの、周知例1?5,7は、いずれもFickの原理から導かれる動脈血中のトレーサ濃度と対象組織中のトレーサ濃度と対象組織中の血流量の関係式を用いて対象組織中の血流量を求めるものであり(周知例1,3,5,7にはFickの原理の明示はなく、Kety式(Kety-Schmidtの式)のみが記載されているが、Kety式がFickの原理から導かれるものであることは、周知例4(第40頁左欄第1行?同頁右欄下から6行目参照。)にも記載されているように技術常識である。)、測定原理は引用発明と同じである。また、この測定原理に基づいた血流量測定に用いられる断層撮影装置として、核医学装置とX線CT装置のいずれも使用可能であることは、周知例1(上記「第4 2.」の(ア)参照。)、周知例2(上記「第4 3.」の(カ)参照。)、周知例3(上記「第4 4.」の(ア)参照。)、周知例5(第68頁第10?14行参照。)にも記載されているとおり周知である。
よって、引用発明において上記周知技術を採用し、「H_(2)^(15)O」をトレーサとし、「ポジトロンCT装置」を断層撮影装置とする基本構成に代えて、「キセノン」をトレーサとし、「X線CT装置」を断層撮影装置とする基本構成を採用するとともに、被検体内にトレーサを供給する装置、被検体の肝動脈血流中のトレーサ濃度{Ca(T)}を導くための測定センサとして、周知の「キセノンガスと酸素ガスとの混合ガスを被検体の肺に供給するガス吸入装置」、「被検体の呼気中のキセノン濃度を検出する濃度測定センサ」をそれぞれ採用し、被検体に一定時間混合ガスを吸入させ、被検体の肺を通じて肝組織中にキセノンを供給し、各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)を求め、求められた肝動脈血流量と門脈血流量に基づき、X線CT装置により得られた画素により表示される肝の断層画像を、肝動脈血流を表すマップと門脈血流を表すマップとして表示装置上に表示させるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、装置一般において、装置を構成する各手段の制御、各種計算等を制御装置で行うことは常套手段であるから、その際に、ガス吸入装置とX線CT装置と濃度測定センサを制御する「制御装置」を導入し、該「制御装置」で、ガス吸入装置の駆動、X線CT装置による検出、濃度測定センサによる検出、各画素における肝動脈血流量(Fa)と門脈血流量(Fp)の算出、表示装置上における所定のマップ表示を行うようにすることは、当業者が適宜なし得た事項である。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び上記周知技術から当業者であれば予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-02-06 
結審通知日 2008-02-12 
審決日 2008-02-25 
出願番号 特願平10-17433
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長井 真一右▲高▼ 孝幸松谷 洋平  
特許庁審判長 高橋 泰史
特許庁審判官 秋田 将行
門田 宏
発明の名称 肝血流量測定装置  
代理人 宮寺 利幸  
代理人 千葉 剛宏  

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