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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K
管理番号 1178475
審判番号 不服2006-11701  
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-08 
確定日 2008-05-22 
事件の表示 平成11年特許願第250822号「為替集中処理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 3月23日出願公開、特開2001- 76093〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年9月3日の出願であって、平成18年4月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月8日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年7月5日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成18年7月5日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年7月5日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「金融機関等の営業店に設置される営業店コンピュータで、顧客が文字を記入する顧客記入欄と係員が顧客記入欄の文字に基づいて文字を記入する複記記入欄とを備える帳票を読み取って、その画像イメージから文字を認識すると共に、認識結果と前記帳票の画像イメージを集中センタに設置されるセンタコンピュータに送信し、
該センタコンピュータで、前記帳票の画像イメージを表示部に表示して修正させる為替集中処理システムにおいて、
前記センタコンピュータは、前記顧客記入欄の金額と複記記入欄の金額が両方とも正常に認識されている場合、両欄の認識金額を比較して、一致した場合は認識した複記金額を表示すると共に、不一致の場合には認識金額の表示領域全体を空白とし、記入金額に誤りがある旨と金額を再確認するよう促す旨の注意メッセージを表示して金額入力を行わせることを特徴とする為替集中処理システム。」と補正された。
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項について限定を付加するものであって、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)刊行物
ア 原審拒絶理由で引用された、本願の出願日前である平成3年9月30日に頒布された「特開平3-74785号公報」(以下、「刊行物1」という)は、「光学式文字又は図形読取り装置を用いた数字表示方法」に関するものであって、その公報には次の事項が記載されている。
(ア) 「従来、この種のOCRを用いたシステムの例としては、次のようなものがあった。即ち、金融機関における為替業務の為替振込処理等では、第2図に示すような帳票に顧客が必要事項(振込先<銀行名,支店名>,受取人名,依頼人名,振込金額等)を記入し銀行窓口にいる銀行員(以下、テラーと呼ぶ)に提出すると、テラーは該帳票に銀行としての必要事項を、特に顧客が記入した振込金額を目視にて確認後、テラーが顧客記入金額と同一の金額をテラー複記欄(第2図参照)に記入する。この後、前記帳票を上記テラーあるいは別の操作員がOCRに読取りを行わせる。」(2頁左上欄8行ないし19行、第2図)

(イ) 「第7図は本発明に係る為替データ通信装置のブロック図であり、同図において、1は為替帳票、2に為替帳票1のキャラクタ及びイメージデータを読み取る卓上型光学式データ読取装置(以下卓上OCRという)、3は簡易キーボード、4はリモートOCR制御装置(以下OCRCTLともいう)、6は公衆通信網、5及び7は公衆通信網6を介してモデム信号の送受を行なうためのネットワーク・コントロール・ユニット(以下NCUという)、8はリモートOCR処理装置(以下、MCUともいう)、9-1,9-2はMCUワークステーション(以下MCU-WSという)、13は専用通信線、14はホスト装置である。
第8図は本発明に係る為替データ通信装置の機器構成図であり、2?8、13及び14は第7図の機器と同一のものである。(中略)
81はCPUで5MB程度のメモリを内蔵する。(中略)上記81?87の機器がすべてMCU8に内蔵される。」(4頁左上欄12行ないし左下欄19行、第7、8図)

(ウ) 「営業店は為替帳票1を卓上OCR2で読み取る。
(中略)
卓上OCR2は第2図に示されるような漢字、キャラクタ及びイメージ情報を読み取るが、漢字については多階調データとして読み取り、キャラクタのうちカナ文字又は数字は読み取り後に認識処理を行なう。また為替帳票として必須項目である金額、振込口座、受取人氏名等の重要情報は、卓上OCR2がキャラクタとして認識できても、照合のためイメージ情報としても並列的に処理される。(中略)卓上OCR2は上記のように読み取り、また一部認識処理を行ったデータを、OCRCTL4内のインタフェイスGPIB46を介して、OCRCTL4へ供給する。
OCRCTL4は、(中略)卓上OCR2により読み取ったデータをディスク44に書込む。(中略)そしてOCRCTL4内のCPU41によって第6図に示されるような送信電文が作成され、(中略)地区センタのリモートOCR処理装置(MCU)8へ送信される。
地区センタでは営業店から送信されたNCU7を介して入力されたデータをMCU8内の受信プロセッサが受信する。(中略)
また、MCU8内のCPU81は、受信プロセッサ85が受信したデータをディスク84に書込む。(中略)ディスク84に書込まれた為替帳票データはMCU-WS9を介してCRT10に自動表示される。(中略)
この表示のときに、卓上OCR2や漢字認識プロセッサ86が認識不能のイメージデータもCRT10に表示される。従って操作員は本装置が認識処理を行ったが間違って認識されたデータの訂正と、本装置が認識処理を実行することができなかったイメージデータを判読し、その判読データの追加をキーボード11を用いて行うことができる。」(5頁左上欄14行ないし右下欄16行、第7ないし9図)

(エ) 「MCU-WS9を操作するオペレータ(帳票を扱うテラーとは別人)は、CRT10に表示された金額データに認識不可能文字が含まれているか、あるいは顧客記入金額のイメージデータと比較して正しいかどうかを目視等により総合判断し、必要であれば金額をMCU-WS9に接続されるキーボード11等を使用して修正する。この修正後、キーボード11上にある送信キーを押下するとホスト装置14に送信すべき電文(図示せず)が組立られ送信される。」(7頁左上欄2行ないし11行)

(オ) 「次に判定・表示処理サブルーチンを詳細に説明する。(中略)第4図のステップS101においては、同図のステップS21により取り出された顧客記入金額データの認識結果Aとテラー記入金額データの認識結果Bよりそれぞれの認識結果が示している数字金額a及びbを抽出しメモリに記憶する。」(8頁右上欄5行ないし11行、第4図)

(カ) 「再び第4図のフローチャートの説明を継続する。(中略)テラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字bに認識不可能文字が含まれているかどうか判定する。(中略)顧客記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字aに認識不可能文字が含まれているかどうか判定する。(中略)aもbも一応正しい数字であるとして認識したので、次にステップS104において、数字aとbは同じ値であるかどうか(即ち、一致するかどうか)を判定する。判定結果として数字aとbが不一致のときはステップS108に移り、aとbが一致しているときは(これが通常の場合である)ステップS105において、数字bを顧客が記入した金額Aのイメージデータと上下に一対にして、第3図の表示例のようにCRT10に表示後、本サブルーチンを終了しメイン処理に復帰する。
ステップS104の判定において、数字aとbが一致しない場合には、ステップS106において例えばステップS105における数字bの表示色とは別の色にて、数字bを顧客が記入した金額Aのイメージデータと上下一対にしてCRT10に表示後、本サブルーチンを終了する。」(9頁左上欄4行ないし右上欄13行、第4図)

してみると、刊行物1には以下の発明(以下「刊行物1発明」という)が記載されている。
「金融機関における為替業務の為替振込処理等に関し、営業店において、顧客が記入した振込金額と、テラーがテラー複記欄に記入した顧客記入金額と同一の金額を記入した為替帳票1を卓上OCR2で読み取り、卓上OCR2はキャラクタ及びイメージ情報を読み取り、キャラクタのうちカナ文字又は数字は読み取り後に認識処理を行ない、また為替帳票として必須項目である金額、振込口座、受取人氏名等の重要情報は、卓上OCR2がキャラクタとして認識できても、照合のためイメージ情報としても並列的に処理され、読み取り、また一部認識処理を行ったデータを、OCRCTL4へ供給するものであり、営業店のOCRCTL4は、卓上OCR2により読み取ったデータによりCPU41によって送信電文を作成し地区センタのリモートOCR処理装置(MCU)8へ送信するものであって、地区センタの上記MCU-WS9を操作する、帳票を扱うテラーとは別人のオペレータは、CRT10に表示された金額データを目視等により総合判断し、必要であれば金額をMCU-WS9に接続されるキーボード11等を使用して修正後、キーボード11上にある送信キーを押下してホスト装置14に送信すべき電文を組立て送信し、
抽出された数字を基に、顧客記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字aもテラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字bも一応正しい数字であるとして認識した場合、数字aとbは同じ値であるかどうか、即ち、一致するかどうかを判定し、aとbが一致しているときは、テラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字bを顧客が記入した金額Aのイメージデータと上下に一対にして、CRT10に表示し、数字aとbが一致しない場合には、ステップS106において例えばステップS105における数字bの表示色とは別の色にて、数字bを顧客が記入した金額Aのイメージデータと上下一対にしてCRT10に表示する
為替帳票処理システム。」

イ また、原審拒絶理由で引用された、本願の出願日前である平成7年3月20日に頒布された「特開平7-78221号公報」(以下、「刊行物2」という)は、「OCR認識結果の確認方法及び補正方法」に関するものであって、その公報には、次の事項が記載されている。
「次に端末4にて、オペレータはすべての記入項目についてOCR認識処理が正常に行われたかどうか確認をおこなう。端末4における表示は図3にて説明したように、上段に原帳票1からのイメージデータを、下段にそのイメージデータのOCR認識結果を並列して表示し、オペレータの目視確認及びオペレータによる補正が行いやすいようになっている。ただし、その端末4における表示は、前述の比較処理(ステップS4)の結果によって異なり、認識結果Aと認識結果Bが一致する場合は、金額の認識結果は非常に正確なものであるとし、認識結果A及びBのそれぞれのイメージデータと一致した認識結果を並列に表示されている(ステップS6)。(中略)
一方比較処理(ステップS4)における比較が一致しない場合、すなわち認識結果Aと認識結果Bが一致しない場合には、金額以外の項目については前述の場合と同様に、上段にイメージデータを、下段にOCR認識結果を表示するが、金額については2つのイメージデータのみを並列表示する。したがってOCR認識結果A及びOCR認識結果Bについては一切表示されない(ステップS8)。オペレータは端末4のその表示画面を目視して、イメージデータの下段エリアにコードデータを入力し、その他の各項目について確認、あるいは必要ならば補正をして終了キーを押す(ステップ9)。」(3頁段落【0017】ないし【0019】、図4)

してみると、刊行物2には以下の発明(以下「刊行物2発明」という)が記載されている。
「端末4における表示は、上段に原帳票1からのイメージデータを、下段にそのイメージデータのOCR認識結果を並列して表示しており、認識結果Aと認識結果Bが一致する場合は、金額の認識結果は非常に正確なものであるとし、認識結果A及びBのそれぞれのイメージデータと一致した認識結果を並列に表示され、一方比較処理における比較が一致しない場合、すなわち認識結果Aと認識結果Bが一致しない場合には、金額については2つのイメージデータのみを並列表示し、OCR認識結果A及びOCR認識結果Bについては一切表示されない
OCR認識結果の確認及び補正方法。」

(3)対比・判断
ア 本願補正発明と刊行物1に記載された発明との対比
本願補正発明と刊行物1発明を対比すると、
(ア)刊行物1発明は、金融機関における為替業務の為替振込処理等に関し、営業店において、顧客が記入した振込金額と、テラーがテラー複記欄に記入した顧客記入金額と同一の金額を記入した為替帳票1を卓上OCR2で読み取り、卓上OCR2はキャラクタ及びイメージ情報を読み取り、キャラクタのうちカナ文字又は数字は読み取り後に認識処理を行ない、また為替帳票として必須項目である金額、振込口座、受取人氏名等の重要情報は、卓上OCR2がキャラクタとして認識できても、照合のためイメージ情報としても並列的に処理され、読み取り、また一部認識処理を行ったデータを、OCRCTL4へ供給するものであり、営業店のOCRCTL4は、卓上OCR2により読み取ったデータによりCPU41によって送信電文を作成し地区センタのリモートOCR処理装置(MCU)8へ送信するものであるから、刊行物1発明における営業所のOCRCTL及び卓上OCRが本願補正発明の「営業店コンピュータ」に対応し、刊行物1発明の「地区センタ」は、各営業店の卓上OCRのデータを地区でまとめているのであるから、本願補正発明の「集中センタ」に相当するものといえ、地区センタでは営業店から送信されたNCU7を介して入力されたデータをMCU8内の受信プロセッサが受信し、MCU8内のCPU81は、受信プロセッサ85が受信したデータをディスク84に書込み、書込まれた為替帳票データはMCU-WS9を介してCRT10に自動表示されるのであるから、刊行物1発明における地区センタのリモートOCR処理装置(MCU)及びMCU-WSは、本願補正発明の「センタコンピュータ」に相当するといえる。
そして、刊行物1発明においては、本願補正発明の「集中センタ」に相当する地区センタの、上記MCU-WS9について、それを操作する、帳票を扱うテラーとは別人オペレータが、CRT10に表示された金額データを目視等により総合判断し、必要であれば金額をMCU-WS9に接続されるキーボード11等を使用して修正後、キーボード11上にある送信キーを押下してホスト装置14に送信すべき電文を組立て送信するのであるから、刊行物1発明には本願補正発明でいう「前記帳票の画像イメージを表示部に表示して修正させる為替集中処理システム」に相当する構成が伺える。
以上のことから、本願補正発明と刊行物1発明とは、「金融機関等の営業店に設置される営業店コンピュータで、顧客が文字を記入する顧客記入欄と係員が顧客記入欄の文字に基づいて文字を記入する複記記入欄とを備える帳票を読み取って、その画像イメージから文字を認識すると共に、認識結果と前記帳票の画像イメージを集中センタに設置されるセンタコンピュータに送信し、該センタコンピュータで、前記帳票の画像イメージを表示部に表示して修正させる為替集中処理システム」である点で一致している。
また、刊行物1発明は、抽出された数字を基に、顧客記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字aもテラー記入金額欄(本願補正発明の「複記記入欄」に相当)に記入された金額データより抽出した数字bも一応正しい数字であるとして認識した場合、数字aとbは同じ値であるかどうか、即ち、一致するかどうかを判定し、aとbが一致しているときは、テラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字bを顧客が記入した金額Aのイメージデータと上下に一対にして、CRT10に表示するから、本願補正発明と刊行物発明とは、「前記センタコンピュータは、前記顧客記入欄の金額と複記記入欄の金額が両方とも正常に認識されている場合、両欄の認識金額を比較して、一致した場合は認識した複記金額を表示する」点で一致している。

(イ)したがって、両者は「金融機関等の営業店に設置される営業店コンピュータで、顧客が文字を記入する顧客記入欄と係員が顧客記入欄の文字に基づいて文字を記入する複記記入欄とを備える帳票を読み取って、その画像イメージから文字を認識すると共に、認識結果と前記帳票の画像イメージを集中センタに設置されるセンタコンピュータに送信し、該センタコンピュータで、前記帳票の画像イメージを表示部に表示して修正させる為替集中処理システムにおいて、前記センタコンピュータは、前記顧客記入欄の金額と複記記入欄の金額が両方とも正常に認識されている場合、両欄の認識金額を比較して、一致した場合は認識した複記金額を表示する為替集中処理システム。」である点で一致し、次の点で相違しているものと認められる。
a 本願補正発明は、「不一致の場合には認識金額の表示領域全体を空白とし、記入金額に誤りがある旨と金額を再確認するよう促す旨の注意メッセージを表示して金額入力を行わせる」ものであるのに対し、刊行物発明は、不一致の場合にはテラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字の表示色を変えるものである点

イ 相違点aについての検討
刊行物1発明においても、不一致の場合にはテラー記入金額欄に記入された金額データより抽出した数字の表示色を変えているから注意を喚起する示唆があるといえるところ、刊行物2発明は、不一致の場合に認識金額の表示をしないから、当該表示領域を空白としているものといえ、また、入力間違いを適宜注意メッセージを表示することで注意を促して再入力させることは常套手段といえる。
してみれば、「不一致の場合には認識金額の表示領域全体を空白とし、記入金額に誤りがある旨と金額を再確認するよう促す旨の注意メッセージを表示して金額入力を行わせる」ことは、当業者にとって容易に推考できたものであり、また、上記相違点に基づく本願補正発明の効果に格別顕著なものがあるともいえない。
したがって、本願補正発明は、刊行物1ないし2に記載された発明及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成18年7月5日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし2に係る発明は、平成18年4月7日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲請求項1ないし2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という)は以下のとおりのものである。
「金融機関等の営業店に設置される営業店コンピュータで、顧客が文字を記入する顧客記入欄と係員が顧客記入欄の文字に基づいて文字を記入する複記記入欄とを備える帳票を読み取って、その画像イメージから文字を認識すると共に、認識結果と前記帳票の画像イメージを集中センタに設置されるセンタコンピュータに送信し、
該センタコンピュータで、前記帳票の画像イメージを表示部に表示して修正させる為替集中処理システムにおいて、
前記センタコンピュータは、前記顧客記入欄と複記記入欄の文字が両方とも認識されている場合、両欄の認識結果を比較して、一致した場合は認識結果を表示すると共に、不一致の場合には認識結果の表示領域全体を空白とし、対象の記入文字に誤りがある旨の注意メッセージを表示して金額入力を行わせることを特徴とする為替集中処理システム。」

(1)刊行物
原審拒絶理由に引用された刊行物、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から限定事項である構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり、刊行物1ないし2に記載された発明及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1ないし2に記載された発明及び常套手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
したがって、本願発明は、刊行物1ないし2に記載された発明及び常套手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-14 
結審通知日 2008-03-18 
審決日 2008-04-04 
出願番号 特願平11-250822
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06K)
P 1 8・ 121- Z (G06K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新井 則和  
特許庁審判長 原 光明
特許庁審判官 月野 洋一郎
松永 稔
発明の名称 為替集中処理システム  
代理人 金倉 喬二  
代理人 金倉 喬二  

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